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呪いの聖女じゃありません~呪われた迷宮と聖なる少女~  作者: 初雪しろ/Yuyu*
第一章 聖女と呪いと冒険の始まり

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印の正体

「ぐぅ……これはきっついわ」

「どうしたんだい、そんなに唸って」


 家へと帰ってきて机の上に荷物を広げて確認していると、帰ってきたリットが聞いてきた。


「出費がひどい……お金に困ってるわけじゃないけれど、へこむわよ」

「君は昔からお金は使う時に躊躇しないけれど、基本的には使わないよな」

「守銭奴とでも?」

「そうじゃない。ただ、俺も嫌でもお偉方との会合が最近増えてね。そんな人達と比べると君はかなり出費というかお金を使うことが少ないなと」


 そんな意識はなかった。

 でも、言われてみるとたしかにお金を使うことは少ないかも知れない。いや、そもそも買い物にあまり興味を持ったことがない気がしてきた。

 この前も冒険の準備という明確な目的があって準備をしたわけだし。


「ところでリナはどうしたんだ?」

「今回の調査の報告をギルドにしてもらってるわ」

「そうか……まあ、それで出費とは? 見た目的には使えそうなものも多いが」

「半分以上に呪いが付与されているのよ。効果はわからないけれど、消耗品の呪いなんて事後にわかっても手遅れじゃない」

「俺には全然わからん……ただ、そう言われるとこの数はさすがに痛いな。何より武器がな」


 その通りだ。リットが言うように武器の呪いが特に痛い。

 呪いの浄化は自分でできるけれど、呪いにかかった原因を突き止めないと繰り返すだけになりかねない。


「そういえば、あの剣のマークについてわかったことがあったぞ」

「そうなの? ……いや、なんでリットが調べてるの?」

「いや、調査自体はギルドとかに任せているぞ。ただ、どうも見覚えがあったなと思って気になってしまってな。それで思い出した記憶があってるか確認したら一致した」

「そうなのね。それで、なんのマークだったの?」

「オールド家の家紋だった」

「オールド家……駄目ね。すぐには思い出せない」


 少なくとも日頃から私が出席させられていた会合とか学園で知り合った中にはいない。


「俺達が子供の頃に、大陸の端で起きていた戦争があっただろう」

「あー、大国が南北に別れて起きた戦争だったかしら。セイラート家は繋がりもなかったから詳しいことは知らないけれど」

「オーディア家も特別付き合いがあったわけじゃない。ただ、親父に商売をするからには相手を覚えているだけでなく事前に知っている必要もあるとか言われて家紋を覚えさせられた時期があってな」

「大変そうね」


 自分から興味を持ったわけじゃない場合には苦行としかいえなさそう。


「まあその時にみた家紋だった。ただ、今いった戦争をきっかけに衰退していって、今となっては血筋が残っているのかどうか」

「戦争で一家全員がってわけじゃないのに、そんなことになったの?」

「当主が無くなって、流れで家を継いだ長男がバカ息子だったらしくてな。そのまま、衰退の一途を辿ったそうだ。残っている屋敷は街の共有のものとして使われているらしい」

「屋敷まで売るって相当な失敗をしたのね……いや、でも待ちなさいよ。ラビリアも全く関係ない地域の戦争だし貴族じゃない。なんで、そんな家紋がダンジョンで見つかるのよ」

「そこは俺にもわからない。ただ、事実としてマークはその家紋と一致した」

「そうなのね。謎は増えたけれど、一歩前に進めたと思うことにするわ。ありがとう」

「まあ、無理はするなよ。調査を頼んだ手前いうことじゃないが命を一番に大切にしろ」


 リットはそう言うと私室のある方に去っていった。


「家紋……剣だけの時だったら、売られた財産が巡り巡っただけだと思えるけど、洋館でも見つかっちゃったのよね」


 そもそも家紋が呪いに変わるなんてことあるのかしら。


 ――駄目ね。頭が混乱してきたわ。

 呪いの調査はそもそもダンジョン規模なのだから、今回のことですべてが判明すると思うのが間違いなのよね。

 ただ、家紋に関しては何かの関連性があるかも知れない。


 1つずつ考えて調べていきましょう。

 それから、呪いが付与されたこの道具と武器についても解決していかないと。

 ただ、私のものだけだと残念だけれどピンとくる理由がない。

 あの鎧に触れられたことが理由だとしたら、呪われているのがおかしい消耗品がいくつもある。逆に洋館に入ること自体が原因だとしたら呪われていない道具があるのがおかしいわ。


 もう少し絞るためにもリナの帰りを待ちましょう。


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