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蓮華草  作者: 山猫
第二章 あの時の話
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94・リズム天国

「おっ!こりゃウチのお得意様がいらっしゃたぞ!ガッハッハ!おい、酒と料理をありったけ持って来い!」


店に入って大げさに足音を立てながらドカッとカウンターに座るジールを咎める事無く、むしろそれを歓迎している様に振舞う店の店主

だが歓迎しているのは間違っている訳では無く、ジールがここに来たら大金を落として行ってくれるのは毎回の事なのだ。つまりお得意様と言うのは的を得ているという事になる


「さすがおっちゃん、話が早い。メニューはいつも通りお任せで頼むわ」


「あいよ、任しときな!お前さんの口に合うような食材がたんまり揃っているから期待して待っていてくれ!」


「おっ、言うね~。ま、確かにおっちゃんの料理は美味いからな。期待して待ってるぜ。あっと、酒は自分で取りに行くから気にすんな」


店の店主の言葉に涎をジュルリと垂らしながらニンマリと頬を緩めるジール。そしてそのまま椅子から立ち上がったと思えばそのまま店の端まで歩きそこにあった大きな酒樽をひょいッと担いだ。かなりの量があるだろうその酒樽を全部飲むつもりなのか、特にジョッキを持つ訳でも無くそのまま座っていたカウンターの上にドカッとそれを下した


さて、料理が出来上がるまでこいつでも飲んで待っておくか

そう思いそのまま酒樽を片手で持ち上げたジール。相当重いはずだがそれを感じさせない程、簡単にそれを持って見せている。そして酒樽をそのまま口に運ぼうとしたその時、店の中央辺りの席からジールに向かって声が掛かった


「おや?ジールじゃないかい。また豪快に飲んでるね、相当稼いだみたいじゃないかい。ほらそんなとこに居ないでこっちに座んなよ」


まさに酒を飲もうとした直前に邪魔をされイラっと眉間に皴を寄せる。チッと舌打ちをするが声を掛けられた手前無視をする訳にもいかずドカッと再び酒樽をカウンターの上に置いた。そしてそのまま声の掛かった方へと視線を向ける・・・するとそこには良く見慣れた顔馴染みが居た


「・・・何だシャルじゃねぇか。しっかしまた際どい服を着てんなオイ」


そこにはジールがシャルと呼んだ女性、それも男なら誰しも振り替える様な絶世の美女がジールを手招きしていた


透き通った綺麗な銀髪を胸の辺りまで伸ばし、見事なプロポーションが際立つようなピチっとしたタイトな黒のワンピースを着ていた。さらにそのワンピースは胸元がパックリと割れており下半身の方は腰の方まで派手なスリットラインで割れている。そして服のそれぞれの縁には目立つ金色のパイピングが施されていた。それがまた彼女の美しい銀髪を一層映えさせている

何より一番目立つのは彼女のトレードマークであるツンと先っぽが尖った大きな漆黒の三角帽子、それとさらに主張が激しい二房の大きなデカメロンであった


「あっはっは!何だい?そんなにアタシのこの格好が気になるのかい?んん?」


そう言いながらシャルと呼ばれた美女はワザとらしくジールに見えるように足を組みなおした

大きなスリットラインによって少し目線を下から向ければその中身が見えてしまいそうな絶妙なチラリズム。そして程よく酔いが回ったシャルの火照った顔がまたエロリズム

しかしそんな誘惑を向けられている当事者のジールは冷めた様にそれを一瞥するエゴイズム


「おいおい、そんなアホみたいな格好して男を誘惑しているとナニをされるか分からねぇぞ。・・・まぁお前に手を出すような死にたがりもそうそう居ないだろうがな」


「あっはっは!何だい、つれないねぇ!まぁアンタが来てくれて助かったよ。丁度ここのメシ代が払えないところだったからねぇ」


自分のテンプテーションが一向に相手をされていないのを気にも留めていないシャルは火照った顔のままジールに自分のテーブルの方を見るように促した

それに素直に従いシャルの胸元やらスリットの際どい部分を覗き見していた熱い視線をチラッとテーブルの方へ視線を移す。するとそこには天井まで届くんじゃないかと思うぐらい積み上げられた食べ終わった空き皿の山が、さらにはテーブルの下にはいくつもの空になった酒樽が転がっていた


そんな引き締まった身体のどこにその量が入るのかと不思議に思うぐらいだ。しかし彼女の豊満なデカメロンを見れば、あぁなるほど、栄養は全てここに詰まっているのですね分かります。と頷けてしまう

だがその光景を見てピクピクと顔を引くつかせたジール。そしていきなりガタっと音を立てて椅子から立ったを思ったら店の店主に向けて大きな声で言い放った


「・・・よし、おーいおっちゃん!すまねぇな、今日は帰るわ!また来るから!」

「っだーーーしゃ!!悪かった!アタシが悪かった!今日は御馳走になりますジール様!いや御馳走にならせて下さい!」


持っていたジョッキを後ろの方に投げ捨て帰ろうとしたジールに慌てて駆け寄るシャル。そのまま帰させまいと必死に腕を掴み何度も頭をこれでもかと言うぐらい下げ始めた

他の人間なら相手にもジールだがシャルが頭を下げる度にその胸にある二房のデカメロンがぽんよぽんよと激しく揺れ動く

効果は抜群だ


「ぐっ・・・わ、分かったよ。分かったからそのオッパ、いや腕を放してくれ」


思わず腰がヒョッコと引けて何故か内股になるジール。悲しいかな、これが抗えない男の性なのだ

そしてその側で頭を下げながらジールに見えないところで、してやったりとほくそ笑んでいるシャルであった

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