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野蛮学校物語  作者: yukke
第2章 運命の魔物たち編
56/116

名(迷)台詞 1~50話 後編 No.201~270

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.201


 《あの技を探す気か? 言っていることは素晴らしくていいけど、心が折れるほど大変だぞ?》



 心の声をハッキリ読まれていることや、突然耳元からくる驚きに突っ込む気はしない。


 ~ナークプル・カルナ~

 番外話 ナークプルとユッケ2


 慣れてしまったナークプル。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.202


 《ギリギリセーフだな。残り魔力からして、暴走して死ぬことはないだろう。下手したら【臆病者】が死ぬ確率がある。そこでお願いなんだが……【臆病者】に魔法を唱えてくれないか?》



 魔法?

 どんなもの?



 《体力が残り一桁以外になった際(一撃死亡の攻撃の場合必ず体力が1残り、強制的に発動する)、一定時間の間だけ無敵になれる橙色魔法【最後のあがき】だ。》



 もしも所得していないといったら?



 《嘘つけ。確かに橙色魔法という地点で珍しいが、お前の使える魔法の詳細は探知魔法で全部調べ上げた。》


 ~ユッケ・ナークプル~

 番外話 ナークプルとユッケ2


 アイリスを死なせないように、ナークプルとの約束を守るための両方をとるため、ユッケはナークプルに頼んだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.203


 (これから【臆病者】じゃなくてアイリスと呼んだ方がスッキリするわね。アイリスの方がよっぽど【努力家】ね。)


 私はアイリスの評価をぐぐっと上げ、【金上がり者】のリーダーの評価をガクンと下げる。


 この人たちの考えに賛同した過去の私を殴りたい。


 ~ナークプル・カルナ~

 番外話 ナークプルとユッケ2


 いつの間にか、彼女もユッケと同じ他の人とは違った考え方を持つようになった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.204


 「冒険者組合本部に彼の捕縛願いを提出しませんか?」

 「ハァ!? テメー正気か? 金貨3枚かかるぞ! それに手続きが長くて嫌いなんだよ!」


 「私がしましょうか?」

 「金もついでに払ってくれるよなぁ! 失敗したんならそんくらいの責任はとってもらわねぇと困るなぁ、お嬢さん?」


 「……ツッ!」



 男は立ち上がると私の背後に、左手の人差し指で私の左頬を数度つついてそう言った。

 それだけならまだしも、私よりも大きな右手で右胸を鷲掴みにする。感触を味わうかのように私の胸を弄るから余計にゾッとする。

 私の心のなかでは憎しみと怒りがこみあげていた。


 ~ナークプル・カルナ(男は除外)~

 番外話 ナークプルとユッケ2


 1~50話の中でもかなり高位の胸糞シーン。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.205


 「……後少しでクズの頭をへし折る所だったわ……女遊びのお陰で命拾いしたと思いなさい。」


 ~ナークプル・カルナ~

 番外話 ナークプルとユッケ2


 ナークプルさん本気でキレる。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.206


 俺を追うようにモークも目を合わせ、「確かにそうだけどさ……暇!」と愚痴を吐く。



 「その間にさ、お前はサングラスを掛けて魔法を唱える練習でもしたらどうだ? 魔力があるということは、お前も一応習得出来ると言うことだぞ?」

 「干し肉はどうするの?」


 「ユッケにも干し肉を渡すときに、お前も渡してやるよ。約束の上級肉2枚だ。」

 「オッケー! 僕は魔法練習してくるよ!」



 (モークタンって皆がこんな性格何だろうか?報酬の為にがんばるタイプという人間特有の性格を魔物が持つのか。)


 モークが歓喜の舞のようにぴょんぴょんと跳ねる。


 ~モーク・アイリス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 手のひら返しが凄いモーク。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.207


 どうして実習しないの?

 これじゃあまるで魔法自体が勉強のようじゃん?


 こんな知識を頭に詰め込むより、実際に魔法を唱える練習を積んだ方が早いんじゃないの?



 《知識があってこそ魔法を工夫したり、大きくしたり出来ます。魔法の知識無しで魔法を学ぼうとする人間は、そこら辺にいる火遊びしている子供とさほど変わりませんよ?》



 言っていることは間違っていないのだが、それでもやる気が出ないのはなぜだろう?


 ~モーク・サングラス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 魔法も特訓、戦闘も特訓。でも、勉強もしないといけないのは事実。

 しかし、それを余り望まない人も少なくない。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.208


 夢を長く語るより手を動かせ!


 と、どっかの人間の男が子供に言っていたのをなんとなく覚えている。

 間違っているどころか正論なのだ


 ~モーク~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 夢を得た若者はその夢を他人に長々と語りがち。そんな事している間に、夢に近づく勉強をとっととやれと言っている。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.209


 あのスライムよりステータスが上である事実に、一瞬だが嬉しさがこみ上げる気持ちの良いものを感じだが、それでもまだまだ弱い。


 ~モーク~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 レベル30過ぎてスライムを越えただけという現実もある。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.210


 全力で上にのしがってみせる。

 どうせなら頂上をとってみせる。


 一部の人間達に自分の強さを認めてもらい、二度とモークタンを殺さない条約を作ってもらおう。


 俺は心の中で小さく、明るい火を灯しだす。


 ~モーク~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 名台詞。小さな決意の瞬間。希望を抱いて進んていくのは決して悪い事ではない。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.211


 《モーク、私はあなたを過小評価していたようです。あなたには魔法の才能は天下一品ですね。》


 ~モーク~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 サングラスがモークを褒め称えた数少ないシーン。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.212


 難解本を読み始めて40分がたった頃、突然モークがデカい魔力球を連れて俺を呼んできた。



 「やったぞアイリス! 新しい魔法が出来たぞ!」

 「おお、それは良かったな! どれどれ……デカいな。よくやったな、この調子でどんどん魔法を……。」 


 「それどころじゃないんだ。取り敢えず来て!」 


 ~モーク~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 体長50センチのモークが、4メートル級の【魔力球】を連れてくるある意味カオスなシーン。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.213


 (これはますますモークの成長を見るのが楽しみだな。)


 俺はモークをもう二度と過小評価しないようにした。



 「ああ、もう! 何でこんな面倒くさいことしなきゃいけないの? マジで腹立つ!」






 ……口は過大評価し過ぎたようだった。


 ~モーク・アイリス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 口の悪さも天下一品。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.214


 でも、失敗したら形が残っているハズ……まさか。

 俺はモークを見る。


 「失敗しちゃった。」みたいな顔をしている。



 「アイリス、ごめん。間違えて黒色の事を考えてたら本当に黒色になっちゃった。」



 黒色の魔法がどんなものか見てみたかったのだろう。


 ~モーク・アイリス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 黒色に憧れる人間も少なくない。禁止でも唱えてみたい気持ちはわからなくもない。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.215


 「モーク。魔法の才能があるからといって、それを盾にして努力を怠る事をしてはいけない。一生懸命努力してこそ才能はどこまでも伸びていく。どうせなら誰かライバルを作って、互いに切磋琢磨する手もアリだ。」

 「でも、頑張ってこの世界の全ての魔法を覚えて極めちゃった先には何があるの?」


 「簡単な話じゃないかモーク。自分で一から世界最強の魔法を作り続ければいい。」

 「途中で嫌になったら?」


 「それはお前の自由でいい。でも、お前には夢があるだろ?」

 「モークタンが平和な世界を!」



 モークはハキハキと夢を語る。

 本当に願っているのだろう。


 瞳が澄んでいる。



 「だったら、お前が一番叶えたい夢に向かって進んで行けばいい。その魔法の才能を生かして夢を現実に変えないとな!」

 「そうだね! 魔法の勉強に興味持ったから頑張ってみるよ。」


 ~モーク・アイリス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 名シーンというより、教訓。才能を持つ者が、己の夢を願う時に注意しなければいけないこと。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.216


 「ヨッシャー! 勉強だ~!」

 「え? お前、魔力残ってないんゃ……。」 



 (中略)



 「【我の身体に眠る大いなる力よ、今こそ汝を解き放たん。その力を世界に轟かし、我が魔物としての力を人民共に……】あれ?」



 モークは詠唱中、突然フラフラと混乱し倒れてしまった!

 多分俺の考えた通りなのだろうが、念の為サングラスに聞いておく。



 《アイリス様の思い通り、魔力切れです。》



 (ほら、言わんこっちゃない……)


 俺は呆れてものが言えなくなった。


 ~モーク・アイリス~

 第45話 大きすぎる素質、才能の開花


 モーク、案の定魔力切れ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.217


 「……あれ? どうして俺は倒れているの? ……あ、此処は死の世界なんだ。」

 「起きたか? まったく……自分の魔力の残りぐらいしっかり確認しておけとサングラスに忠告されたのに……。」


 「あれ? アイリスも死んだの? なーんだ、僕の事が好きすぎて死後の世界まで来たのかぁ~そうなんだ~。」

 「……バカな事言ってないで魔法の勉強をしていろ! 此処は現実! お前は魔力切れで気絶した、以上。」


 「……あれ? 俺寝ぼけてたのか、良かった~、死んだかと思ったよ。」



 ワケのわからないモークの謎発言に一瞬戸惑いを感じながらも、俺はモークを現実世界に連れ戻した。

 ハッとなったモークは寝ぼけによるものだと言って一生懸命に誤魔化すが、既に弁明しても遅すぎるのである。


 ~モーク・アイリス~

 第46話 仲間になろうぜ!


 寝ぼけたモークがボケをかます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.218


 「……アイタタタ、ん~。……あれ? 今何時だ?」

 「こんにちは、ユッケ。今は昼の3時近くだ。」


 「……は? 2時間も気絶してたのか?」

 「ああ、おかげでこの難読本を今までで一番長く読んだぞ? ちょっと心が折れかけたけどな。」



 俺はユッケに難読本をヒラヒラと揺らして見せつける。


 ~アイリス・ユッケ~

 第46話 仲間になろうぜ!


 遠回しでユッケを皮肉っているアイリス。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.219


 「わかった。ユッケは俺達の仲間だ! これからの旅はよろしくな。」

 「ああ。」



 俺とユッケは右手でガッチリと握手を交わす。

 一人忘れている気がするが放っておこう。



 「オイ! ちょっとアイリス! なに勝手に俺抜きで話進めてんだ!」



 案の定モークが気絶から立ち上がって俺に文句を言う。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第46話 仲間になろうぜ!


 気絶しているモークを尻目に、勝手に話を進めるアイリスとユッケ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.220



 「すまん。じゃあモーク、そろそろ昼飯だからコイツをやろう。」



 俺は干し肉2枚を渡す。


 今度は格別だろう。

 なにせ優と最上だ。



 (中略)



 「いいよ! やった~。ひるめしひるめし~!」



 (中略)



 俺は一つの確信をする。

 モークは食べ物で黙らせれば良いということである。


 と言うことは。

 ……まさかこれを待っててワザとあんな態度を取ったんじゃ……という目線をモークに向ける。


 「ギクッ!」というモークの動揺が伺えたのは間違い無い。


 ~モーク・アイリス~

 第46話 仲間になろうぜ!


 ?「ちっ……違うと思うよ? 僕はただあの……単純に無視された事が嫌だっただけなんだよ?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.221


 「アイリス。すまんが俺もひさしぶりにお腹が空いたんだ。俺もくれないか? 後で数倍にして返す。」

 「モークよりは少ないがいいか?」


 「……ほう。どうしてそうなるんだ?」



 (中略)



 「別にキツく言うつもりは無いんだが……味方になったから当然あげるけど、必死でお前を味方に付けてくれたアイツより褒美が上と言うのはおかしいんじゃないか? ……と俺は思うんだ。ほら見てみろ。モークが色々愚痴言ってるだろ?」



 「俺が命懸けでお前を仲間にしてやったんだ!」などと色々モークがユッケに愚痴を言う。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第46話 仲間になろうぜ!


 モークのワガママにアイリスとユッケは仕方なく譲ったレアシーン。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.222


 「じゃあモーク。俺はどれくらいがいいと思う?」

 「うーん、最上1枚かな。」


 「俺はもう少し質が落ちでも良いんだが。」

 「ああは言ったけど、やっぱ新人歓迎会はしなくちゃね。」


 ~モーク・アイリス~

 第46話 仲間になろうぜ!


 モークとユッケの干し肉の差は、優一枚だけです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.223


 一方のモークは言うまでもないだろう。

 一番肉に飛びついたコイツの事だ。



 「ん~~~~、うめ~~~! コレコレ! この味この味!」



 ……やっぱりそうだった。

 モークタンとは言えない茶色い何かが最上肉を食べてほめちぎっているその光景を見たら、冒険者の誰もが一生のトラウマ物になるのだろう。

 おい。口から涎が出てるぞ!


 ~モーク・アイリス~

 第46話 仲間になろうぜ!


 最上の干し肉を気持ち悪い声で堪能するシーン。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.224


 「じゃあ、まずはどっちがやるか決めてくれ。先に手を上げた方を先攻としよう。」

 「よし! まずは俺が先攻としよう。」

 「はい! ……あれ?」



 ユッケが高々と手を先に上げた。

 モークもあげようとしたが、事実に気づき困惑する。


 後で少し思ったのだが……。

 モークって手が無かったな。


 まあ、先攻と後攻にそんな大したことないしいいっか


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第46話 仲間になろうぜ!


 元々手が無かったため、先攻になれなかったモーク。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.225


  俺はサイコロを振ろうとしたその瞬間、後ろで何かが動いたのを確認した(ような気がした)。



 「あ! なんだ? 後ろで冒険者が通り過ぎたぞ!」

 「え? なんだって!?」



 ユッケは俺のさした方向へ振り向いてしまった。


 (……ヘッ、引っかかったな)


 俺はサイコロを振りそして……。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 この後モークが6を出して勝利しました。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.226


 ユッケはサイコロの目を何度も確認するが、紛れもなく6という数字だった。

 運がいい奴と彼はモークを嫉妬する。



 「……チッ。一回目はお前の勝ちだ。でも、まぁまだ勝負はある。」

 「やった~やった~、6! 6! 6!」


 「うるさい黙れ。」

 「ゴメンナサイ。」



 ユッケは舌打ちをすると、自分の心が乱れないようにそう言って落ち着く。


 途中モークが煽るが、ユッケが若干切れたことによりモークは後ろに下がった。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 煽ってみたものの、ユッケに渇を入れられ落ち込んで謝るモーク。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.227


 「アハハハハ! なかなか運が悪いなぁ、モフモフ野郎!」



 今のうちに煽ってみるがいい。

 数十秒後には自らの意思で冷や汗を流して死んでもらおうか!


 ※タダのサイコロ勝負です。行き先決めているだけです。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 ?「俺は一体……何の勝負を見させられているんだ?」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.228


 「ハハハハ! あーれぇ、孤独人間さん? 運気が悪くないですかぁ? 調子でも悪くなったんですかねぇ?」



 ホントはバカにすらしていないと思う。

 多分アイリスも思っているけど、今回ばかりはモークの口は最悪レベルなのだ。


 ワザと俺を煽って平常心を脅かそうとする。

 ……上手い奴だ。

 此処まで悪口が思い付き、なおかつ腹立せる才能もあるのかも知れない。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 ユッケも誉めたモークの悪口。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.229


 それにしても、最初のモークの作戦は酷いな。



 《相手の注意をそらしている間に、サイコロの出目の6がでるまでコロコロ転がしてましたからね。》


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 バレなければ何でもいい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.230


 「一つ教えてくれないかな? 僕もイミルミア帝国に行きたい!みたいな決意が沸くかも知れないんだよ?」

 「うーん、そうだな……じゃあ一つ教えようか。他は全部個人的な理由だからナシだ。」



 ユッケは両腕を組んでしばらく考え、結局俺の質問を受け入れてくれた。

 (まあそんな決意はサッパリ沸かないけどね)と心の中でその言葉を反復する。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 ホントの目的は時間稼ぎ。もしも此処でユッケが話さなかったら……。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.231


 俺はサイコロを振る。

 コロコロとテーブル上を転がり、そして止まる。


 当然出た目は6。



 「ハハハハハハハハ! 愉快! 実に愉快な勝負だったぞ!」



 俺は真上に顔を向けて高々と叫ぶ。



 「ギャアアアアアア! …………えっ?」



 モークは雑魚が出すような悲鳴をあげた後、何故か冷静になる。


 そんな事は一切気にせず、モークに罵声を浴び続けた。



 「ランクGの悪足掻きは実に素晴らしい時間稼ぎ以下の愚行だったなぁ、モークさん? いや~、お疲れ様でしたね~。惜しくも負けてしまったアナタ、どんなお気持ちでそこにたっていらっしゃったんですか~。ちょっと聞かせてくださいよ~。」



 相変わらず俺は顔を高々と上げて自分自身の格の違いをモークに見せつけるようにした。


 すると、モークが俺に向けてこう言い放った。



 「…………あの~、めちゃめちゃ喜んでいる所悪いんですが……その~。」

 「ん? なんだ?」


 「これ、スカですけど……。」



 そんなのただのハッタリに過ぎないだろ!と俺は顔をサイコロに向けた途端、ガチリと硬直した。



 「………………え? なんで?」



 なんと、6で止まっていたハズのサイコロがスカになっていたのだ。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 まさかの逆転。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.232


 「じゃあユッケ。一々説明するの面倒くさいからヒントだけ教えるよ。ホントに偶然だけどね。」

 「ああ、教えてくれ……。」



 さっきまでの馬鹿発言をマジで取り消したい気持ちに襲われながらも、俺は意気消沈しながらモークから答えを教えてもらうことにした。


 (1000年生きてきて、初めて自分が放った言葉に此処まで落ち込むのは初めてだ……)


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 一度放ってしまった言葉は二度と取り消せない。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.233


 つまり俺がつい足を伸ばしてしまったせいで、全く違う魔法陣になった。

 それがたまたまこの場面でしかあまり発揮しない魔法だった。


 この【反逆する世界】、要は相手が使っている魔法が逆の効果になる。


 つまり、6の出目を出すハズだった【幸運の女神】と【信じる心】はスカを確実に出すための魔法に変えられてしまったのだ。



 まさに、偶然の産物。

 こんな事をされては対策のしようもない。


 完全に俺の負けである。


 ~モーク・ユッケ~

 第47話 低レベルのサイコロ勝負


 この後、このアイリスルールを良く知っていたモークは、ワザと場外にサイコロを投げて勝利しました。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.234


 看板には、「この辺に居る魔物を撲滅した方には、金貨7枚と土地の所有を引き渡します」とギリギリ読めた。



 「ハッキリ言って、この魔物達全滅は無理だ。俺が10年此処に籠もっても無理だったと言うのに。金貨7枚はケチにも程がある。」



 俺はこの看板を描いた人物を皮肉ると、看板を戻す事にした。

 勿論、看板を立てる訳がない。

 俺達は冒険者の無駄死にを斡旋するつもりはない。


 ~アイリス・オーリア~

 第48話 10年の代償


 金貨7枚は日本円で700000円相当です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.235


 その時、真横からダークゴブリンが現れ、俺にめがけて鎌のような刃物を振ってきたのだ!

 虚をつかれた俺はつい目を閉じる。


 目を開けた瞬間、いつの間にかダークゴブリンは消えていた。



 「危な……素手で弾いてなかったらモークがヤバかったな。俺に感謝しろよ!」

 「うん! 当分は頭を下げるよ。」



 俺はユッケに感謝する。

 アイリスはコレを見越してユッケに俺を抱えさせたのだろうか?


 それより、相変わらずユッケの防御力は凄い。

 防御力6000は敵になれば厄介極まりない存在だ。しかし味方になれば、強力な盾役として心強いものが出来る事をここで知った。


 ~モーク・ユッケ~

 第48話 10年の代償


 実はユッケ、ほんの少しだけダメージをくらっています。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.236


 「多分、そろそろ親玉が直談判しに来るんじゃないか? 俺が来たと知れば、でっかい斧を持ってくるだろう。」

 「何で親玉が来るの?」


 「じゃあモーク、それに関してはユッケの話を聞いたらどうだ? 多分ユッケは全部知ってる。」


 「ああ。一部始終ちゃんと見てたぞ?」


 「(中略)。でも、しょうがないよな?」

 「……ああ、しょうがないな。……別にアイリスが全部背負うことじゃ無い気もするんたけどな。」



 ユッケはアイリスの言葉に同情する。

 いや、同情の他に困惑、呆れ、哀愁。そのほかの感情が複雑におり重なった顔をしている。

 「すまん。俺にはどうしようも出来ん。」と言わんばかりの表情だった。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第48話 10年の代償


 複雑な気分でアイリスを見つめるユッケ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.237


 すると、突然ハッとなったユッケは俺に忠告をした。



 「いいか、モーク。この先、何があってもアイリスを助けようとするな。絶対だぞ!」

 「……わかった。」



 ユッケの凄まじい目つきに俺は圧倒される。

 ノリでも絶対やってはいけない雰囲気を感じ、真面目に返答した。


 ~モーク・ユッケ~

 第48話 10年の代償


 ユッケの本気。圧倒されたモーク。サイコロで悪口言い合っていたときとはまるで違った。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.238


 間違いなく強い。

 俺はサングラスにステータスをみてもらうことにした。


 するとダークゴブリンが俺を見つめ、恐怖の笑みをうっすらと浮かべる。



 「ハハハ、オヌシモナカナカシュラノミチヲアユンデキタトオモウ。ダガ、ウエニハモットツヨイヤツガイルコトヲオレノステータスデオシエテヤロウ!」



 ステータスを見ていることすらバレている。

 にもかかわらず、ステータスをワザと見せてくれるらしい。


 強者による驕りなのだろうか?

 でも、ステータスをみる前から嫌な予感がするのがカンで何となくわかる。


 ~モーク・ダークゴブリンのボス~

 第48話 10年の代償


 この後、ダークゴブリンのステータスを見たモークは半分絶望しました。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.239


 すると、ダークゴブリンの後ろから子供がでできた。

 よほど何も飲み食いをしていないのだろう。


 骨が露骨に見えるほどガリガリに痩せ、顔は正気を失いかけている。目がやつれているように見えるのはそのせいなのだろう。


 足はもたつき、「ギャアー!」というなき叫び声にも近いような声を叫んでいる。

 魔物同士だからわかるのだろうか?

 「おなかが減った、助けて!助けて!」と叫んでいるような気がする。


 明日餓死していてもおかしくないぐらいであった。


 ~モーク・ダークゴブリンの子供達~

 第48話 10年の代償


 ダークゴブリンの子供がどれだけ飢えているかがわかるシーン。

 モークが細やかに説明している。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.240


 すると、ダークゴブリンは右手に持っている巨大な斧をアイリスの左腕を狙って振りかぶったのだ!



 「ドガッ! ボト……。」



 アイリスの左腕は、身体と離れ離れになり、ボトリと地面に落ちる。


 そしてすぐさま斧を下ろし、アイリスの左手を子供達に与えていた。


 子供達はアイリスの腕を見ると、ボロボロと涙をこぼしながらそれを食らう。

 子供達が食う度に、ドロドロと血が流れているのが余計にキツイ。


 ……美味しくは無さそうな表情たが、よほど腹が減っていたのだろう。ガブガブと隅々まで食べている。


 ~ダークゴブリンのボス・ダークゴブリンの子供達~

 第48話 10年の代償


 グロシーン。ダークゴブリンによって切り落とされたアイリスの左腕を、子供達がガブガブと食べる。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.241


 「そろそろ、某人物による被害が深刻化している。このまま彼が滞在すれば、この森ごと根こそぎ消えてなくなるのではないか。」

 「しかし、ワケがわからない……どうして奴は俺達を生かしている?」

 「と言うことは、一昨日も前日も死者は居なかったのですか?」

 「新人のお前はあまり知らないと思うが……奴は10年間の間ほとんど魔物を殺してはいない。重傷になった者や、失明した者は多いがな。」


 「俺達が一体何をしたというのだ! どうして魔物と言うだけで人間は俺達を襲う!」

 「仕方がない。これは運命さだめなのだ。俺達のような図体のデカい魔物は人間からしたら脅威だろう。俺達は、ただじっと我慢していれば良いのだ。」


 「我慢している場合じゃないと思うんです! 今こそ互いに歩み寄る時ではないのでしょうか? 我々の事情を知ればきっと彼も協力してくれますよ。今までの憎しみなんて水に流しましょうよ。」

 「俺らだってそうしようと努力している。しかし、我々には越えられない言語という壁があるのだ。それがある以上、我々は無益な戦いを耐えなければならん。少なくとも、奴が此処をさるまではな。」


 「そんな……彼がいつ此処を去るんですか? 一体どうすれば彼との深い溝を埋められるんですか?」

 「「……。」」


 「オイ、お主ら。こんな所で葬式でもする空気を出すな。心まで暗くなるぞ?」

 「「「頭領!!!」」」


 「話は聞いた。確かに我等は人間の言語を、人間達は我等の言語を学ぼうとはしなかった。今までそんなことをする必要が無かったからな。」

 「じゃあ、一体どうすればよろしいのですか?」


 「簡単な話だ。そこにいる彼に聞いてみるといい。人間、そこで話を聞いているだろう?」



 彼等は頭領が指を指した方向を見ると、奴が姿を表した。


 仕方なくアイリスは、ひょっと姿を表す。

 驚いたダークゴブリン達はそれぞれ武器を構えながら警戒するが、アイリスに戦闘する気持ちは薄れていった。


 ~アイリス・ダークゴブリン達~

 第48話 10年の代償


 ダークゴブリン達の会話全文。アイリスの戦闘意志が無くなったのは当然の事だろう。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.242


 アイリスと魔物達が考えた結果、それがこの腕切。

 魔物達は決してアイリスを痛めつけようなどとはこれっぽっちも思っていない。


 食料不足による貢のようなものであった。

 魔物達曰わく、決して人間の肉は美味しくは無いという。

 だが魔物にとって人間の肉は栄養価が非常に高く、あまり食べ物を食べる機会が少ない子供達にとっては命の綱らしい。


 だからダークゴブリンのボスはアイリスの腕を欲しがっているのだ。

 子供達を立派な大人に成長させるために。


 ~アイリス・ダークゴブリン達~

 第48話 10年の代償


 子供達を立派に成長させるために、腕を差し出していたアイリス。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.243


 「もっと他の手段があったというのに、どうして自分だけで責任を持つのだろうか?」


 ~ユッケ~

 第48話 10年の代償


 たった一人で人間と魔物の小さな溝を埋めようとしたアイリスを少しだけ皮肉った名台詞。

 やっていることは非常に素晴らしく、間違っていない。

 問題はそれを一人だけで抱え込もうとした事である。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

No.244


 「うーん、そりゃあショックだよ。しばらくの間は引きずるかも。でもさ、得たものはそれだけじゃなくない?」

 「……ん? どういうことだ?」


 「皆間違った事は何一つしていないでしょ? 一生懸命歩み寄ろうと精一杯頑張ってたんでしょ? それがわかっただけでも充分大きい価値だと思うんだ。単に人を殺すだけの魔物だったら、俺は変わらず刃を向けてたとおもう。」

 「……なるほどな。俺が予想していた答えとは全く違う視点から来たな。」


 「答えなんてないんだよ。皆その目的が正しいと思って行動や思考をしてる。一生懸命考えて考えついた答えに、グチグチ横から言ってくる奴にキレたくなるのと一緒だよ。」



 「ハハハ! それもそうだな。」と笑いながら呟いたユッケは、ダークゴブリンを見ていた。

 そして、大きなため息をしながらこう言った。



 「10年の代償は決して安くはないな。」

 「それは間違いない。腕一本は正直まだマシだと思う。命を取るなんて言われても文句言えない世の中だからね。人間より心が寛大だよ、ダークゴブリンさんは。」


 ~モーク・ユッケ~

 第48話 10年の代償


 名台詞。皆誰もが自分自身の行動や考え方を「正しい」と思っている。それにはどんな事でも間違ってはいない。非倫理的や非道徳的な事はさておきだ。

 今回アイリスと魔物との特訓は、それぞれ正しいと思った行動をしていた。


 アイリス=秘密裏に特訓して【臆病者】とバカにした人達を見返したい。魔物を傷つけることにはなるけど我慢しよう。


 魔物達=アイリスがこの森の魔物達を大量に倒している。早く始末しないと大変なことになる。


 この惨劇を10年近く繰り返してきたら溝が広まるのは当然。


 だが、お互いがお互いの気持ちを知ったからこそ、アイリスと魔物達が歩み寄る事が出来るようになった。

 だからモークは「得たものはそれだけじゃなくない?」と返答したのである。

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No.245


 「ワカッタ。マンガイチコノモリガキキニオチイッタトキニ、オヌシヲヨブトシヨウ。」

 「ああ、それで良い。」


 「「アハハハハ!」」



 俺とダークゴブリンは互いに大きな声で笑う。

 昔は敵だったと思うと熱いものがこみ上げてくる。


 ~アイリス・ダークゴブリンのボス~

 第48話 10年の代償


 昨日の敵は今日の友。

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No.246


 俺達は、森の奥へ向かおうと歩みを進めたその時、ダークゴブリンの子供達が俺に向かって泣きながら走ってくる。

 そして、俺に向かってこういった。



 「ア、アリガトウ……オラタチノタニ……オラタチノタニ……!」

 「アリガトウ、アリガトウ!」

 「コンド……オラタチトアソボウ!」



 さり気ない子供達の感謝を何時も貰っている。

 ある意味、俺が礼を言いたい。


 【臆病者】の俺に感謝してくれてありがとう。

 こっちが元気を貰ったよ。


 ~アイリス・ダークゴブリンの子供達~

 第48話 10年の代償


 名シーン。ダークゴブリンはアイリスが苦労しているのを知っていた。だからこそ、腕を切り落としてでも食事を出してくれたアイリスに感謝したのだ。

 感謝というものを人間からほとんど貰わなかったアイリスは、ダークゴブリンから感謝の言葉を聞かれるとは思ってもいなかった。

 こっちが元気を貰ったよ。というのは喜んでいる証拠なのだろう。

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No.247


 「皆、早く立派な大人になってこい。おまえ等が大きくなるんだったら、腕の一本くらい分けてやる。それまでは絶対死ぬなよ!」

 「「「オレタチ、オトナニナル!」」」



 俺は大きな声で子供達にそう言った。

 子供達は異口同音で俺に誓う。


 泣きながらそう本気で誓う奴は、大の人間でもそうそう居ないというのに。

 スッキリした俺には、腕切りの痛みなんてこれっぽっちもなかった。


 ~アイリス・ダークゴブリンの子供達~

 第48話 10年の代償


 名シーン。アイリスの前向きな言葉と、ダークゴブリンの子供達の勢いのある宣言はスッキリするものがある。

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No.248


 「アイリス。ハッキリ言おう。10年間に及ぶ【試練の森】の感想はどうだった? 楽しかったか?」



 ユッケはダークゴブリンの子供達が見えなかった直後、俺に向かってこう言い放ってきた。

 しばらく考えた後、俺はハッキリと答えた。



 「滅茶苦茶辛かったし、滅茶苦茶楽しかった。それだけ思い出は沢山あったから後悔はしていない。」

 「……そうか、青春だな。」

 「なんか、粋だね。」


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第48話 10年の代償


 訓練した感想を聞くモークとユッケ。

 アイリスらしく、前向きな姿勢に感動した。

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No.249


 「ユッケ、このあたりは夜になると敵が出やすくてかなり面倒なんだ。だからモークを抱えて走るぞ。」

 「お前はどうなんだ?」


 「大丈夫。後6時間は走れる。流石に途中で戦闘になったら体力は削れるけど。」

 「……わかった。」



 俺の返答に一瞬困惑した様子だったが、ユッケはモークを両手でかかえる。

 モークは体をブルブル震わせながら俺のことを見ている。


 (よくよく考えたら、6時間ずっと走れる奴は早々いないよな。)


 意地っ張りのモークが恐れるのは当然っちゃ当然か。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第49話 ゴブリン村 村長


 モークがビビるのも当然、誰が6時間もノンストップで走れるのだろうか?

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No.250


 「もし、他の森の中に入ったらアイリスは迷子にならない?」 

 「どうかな? いった道を帰ることは容易なんだか……多分虱潰しに探すと思う。その森が広すぎたら知らん。」



 モークは困惑した顔をする。


 10年間血を吐く思いしてこれかよという気持ちを素直にぶつけられないのだろう。

 あんな光景と、俺の特訓の過酷さを実際に知った後では。


 ~モーク・アイリス~

 第49話 ゴブリン村 村長


 強烈過ぎてモークはアイリスに言えなかった……。

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No.251


 考えられる選択肢は4つ。


 1.ゴブリンの巣。

 2.ダークゴブリンの住みか。

 3.白熊の巣。

 4.あまり無いけどダンジョン。


 1ならラッキー、手っ取り早い。

 2はマシだけど説明が面倒。

 3は素直に嫌。

 4は色んな意味で困る。


 ~モーク・アイリス~

 第49話 ゴブリン村 村長


 1ならそのまま話をすれば良いだけ。

 2は敵襲と間違えられたら説明しないといけないからだるい。話を聞かなかったら逃げる。

 3は戦闘確定。ステータスが高くなった白熊の集団は非常に面倒。

 4は冒険者が高確率で来る。ダークゴブリンとの約束もあるので勘弁してほしい。後は戦闘確定する可能性もある。

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No.252


 「……ん? さてはお前【臆病者】か?」


 「まあ、一年前に来たおまえ等なら見たことはないと思うが……一応本物だ。」

 「おっ……お前が【臆病者】?」



 動揺が石槍にまで響き、ガクガクと震えている。



 「見張り番が震えたらダメだろうが。もっとこう……相手が動けないくらいに石槍をギリギリまで突き立てろ!」



 何故か俺が見張り番のゴブリンたちに教えているという奇妙な光景が出来てしまっていた。


 ~アイリス・ゴブリンの見張り番~

 第49話 ゴブリン村 村長


 ビビって槍を突き立てられない門番に嫌気が差したアイリスは、突き立てられている側にも関わらず門番に槍を教えた。

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No.253


 中はまるで迷路のように入り組んでいた。

 所々に何かしらの油で燃えている小さな蝋燭ろうそくのようなものが灯りを照らし、一層迷路のような感触を演出している。


 途中で大きな穴を見つけ、ゴブリン達が俺達をチラチラ見ていたがそんな事は気にしていない。


 (全くわからん……俺達は今何処にいる?)


 案内されているのに迷子になっている感覚が凄く気持ちが悪い。



 「ねぇ、一体いつ着くの?」



 我慢出来なくなったモークは案内役にそう聞いた。



 「あと少しの我慢だ。」

 「ハーイ。」



 モークは仕方なく諦めることにする。


 ~モーク・アイリス・ゴブリンの見張り番~

 第49話 ゴブリン村 村長


 ※これが3回繰り返しされます。

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No.254


 「よく気がつきましたね。あなた方にはもう少し手順をふんでもらいたかったのですが……場所がバレてしまった以上どうしようもありませんね。」

 「ゴブリン達の長だな?」


 「如何にも。私、ゴブリン達の長を勤めさせております。人間達の言う名前はありませんが……ゴブリン村長、村長という愛称で読んで頂いて構いません。どうぞごゆっくりと。」


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第49話 ゴブリン村 村長


 ゴブリン村長初登場シーン。

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No.255


 《……間違いなく知略はこの場ではゴブリン村長の方が上です。それも、次元が違います。次に高いのはモークです。》



 ……なるほど。

 下手に出ない方がいいのか。


 ~サングラス・アイリス~

 第49話 ゴブリン村 村長


 サングラスすらもビビる知能の高さ。

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No.256


 「いいか、まず香味草をこっちの穴に一枚入れて……火を付ける。絶対火遊びすんなよ。後はここの穴からゆっくり煙を吸い込むんだ。」



 モークは言われた通りにし、その煙を吸い込む。



 「……意外にうまい。」

 「だろ? 暇潰しには丁度良いから結構人気なんだ。」


 「僕達殺すよりこんな発明品作ってたら世の中の為になるのになぁ。」



 モークがしれっと人間を皮肉る。

 こんな性格にさせた人間も人間である。


 ~モーク・アイリス~

 第49話 ゴブリン村 村長


 痛烈な皮肉。僕達モークタン殺す時間あったら便利な機械の開発に全力を注げよ!

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No.257


 「私の知略をダークゴブリン様によって教えられたのでしょう?」

 「……どうしてそうなる?」


 「ダークゴブリン様はああ見えて人についつい教えてしまう性格です。この前人間と仲良くなって平和になったと非常に喜んでおられました。」



 アイツそういう性格だったのか……と心の中で唖然とする。

 魔物も外見だけでは判断できない性格というものがあったのか。

 後でちょっとからかってやろう。


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第49話 ゴブリン村 村長 


 人も魔物も、外見だけではわからない。

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No.258


 「カルナ言語は1ヶ月弱で習得しました。人間のゴミ箱で見つけた辞書があれば簡単でしたね。特に大変だったのはモークタン言語。あれは言語ではありません、暗号そのものです。習得するのに10年ほど掛かりました。相当苦労しましたよ。」

 「俺の現愛称はアイリス・オーリアだが、何か気付かないか?」


 「おお! モークタン言語で【慈悲深い人間】という意味ですね。素晴らしい愛称だと私は思いますよ!」



 俺はモークタン言語を褒めたくなった。

 愛称はずっとアイリス・オーリアでいいかもしれない。


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第49話 ゴブリン村 村長 


 あくまでもほめるのはモークタン言語。と言うよりも、習得10年はキツイ。

 異次元クラスとサングラスに言われる程の知略でありながら、それでも10年間もかかったのである。

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No.259


 なるほど。

 なぜ魔術と魔法で戦争していたのかが何となくわかった。


 だったら魔術を使えるのは国から許可された人のみとかいう制度があったら何とかなったんじゃ?

 という疑問が湧く。


 すると、それを聞いていたかのようにゴブリン村長は言葉を続ける。



 「確かに許可制にすれば良かったと思うのですが、1000年も前はそんな制度を考えられるほど政治面ではあまり発展しておりません。万が一出来たとしても、魔術本の盗難やなりすましなどで色々失敗していたと私は思いますよ?」



 もう心の中まで丸見えという事実の驚きが段々と薄れてきていた。


 コイツは知略が高過ぎてこういう存在なんだと自覚したほうが良さそうだ。


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第49話 ゴブリン村 村長 


 心の中を見透かされたアイリス。

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No.260


 「じゃあ、ゴブリン村長さんに俺に貸してもいいか悪いか任せますよ。それなら俺もキッパリ諦めがつきます。」

 「ん~アナタは子供の頃にこの森で修行していましたね。それが原因で心の闇を抱えてしまった。微かにあなたの心に黒くてドロドロした感情はあります。」


 「……。」



 何も言い返せなくなった俺は口ごもる。

 俺には魔術は無理かな?



 「ですが、この闇は魔術とはほとんど関係はありませんね。もっと別の所では大問題ですが。」


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第49話 ゴブリン村 村長 


 もっと別の所とはどういうことだろうか?

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No.261


 数分後、ハッとなった俺は急いで起き上がる。


 ユッケとモークはドヨンとした悪い空気になっている。

 余程嫌な闇の塊が俺に取り憑いているのだろう。

 聞かないことにした。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第49話 ゴブリン村 村長 


 アイリスの心の闇を、村長から聞いた後のユッケとモーク。

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No.262


 「……ちょっと待て、人間の間ではゾンビ牛は食用どころか猛毒扱いだぞ?」



 (中略)



 それが今、料理になって出て来ている。

 これが質問せずにいられるだろうか?



 「確かにゾンビ牛は生体上、大半の肉には猛毒クラスの腐肉といわれる部分が存在します。」

 「大半?」


 「そう。全てが腐肉にならないのがゾンビ牛の特徴なのです。ゾンビ牛は特性上、生き残った肉に栄養や脂身を避難させています。流石に生では寄生虫が生息している可能性があり毒です。しかし、寄生虫を全て取り除き中までしっかり火を通して雑菌を滅せば、旨味満天の極上肉ですよ。」

 「なるほど、理解した。」


 ~アイリス・ゴブリン村長~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 ゾンビ肉が食べられるという事実。

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No.263


 「次に冬カボチャの煮付け。冬カボチャ本来の旨味と甘味を生かし、調味料ほとんどなしで煮込んだ逸品です。」

 「うわ~食べた~い!」



 モークの目が澄んでいる。

 恐らくもしもモークが一人だったならば、この5品を平らげてしまいそうな気がするのだ。


 ~モーク・アイリス・ゴブリン村長~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 冬カボチャに目が光ったモーク。

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No.264


 「モーク。人間の一部の方々は食事を頂く際に『いただきます』、『ごちそうさま』という言葉を食材やその食材を作ってくれた人に送るのですぞ。」

 「どうして?」


 「【感謝】ですよ。肉や魚には当然命というものがあるのは当たり前でしょう?」

 「そうだね。動いているから当然だよね!」


 「それと同じように野菜や果物にも命があると考え、『○○の命を私の命にさせていただきます。ありがとうございます。』と感謝しているのだよ。」

 「ああ、そう言う感じ? 何となく文化というものが読めてきた。」



 モークは村長の言葉をある程度理解する。


 (中略)


 そう言う文化(他の国の文化も多くある)に感化されてこの世界の人間の生活は成り立っている。



 「後はもう一つ。食材を作ってくれた人にも感謝しているのだよ。農業者、加工者、料理人。この食材に携わった人全ての人々に『ありがとう』と感謝する。それが『いただきます』なのだよ?」

 「なるほど! ……じゃあ『ごちそうさま』は?」


 「食材を用意してくれた方々に感謝すると言う意味です。食べ終わった際に、『ごちそうさま』というのはその類ですよ?」

 「大体わかったよ。……それで、礼儀作法はどういう感じ?」


 ~モーク・ゴブリン村長~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 食事の礼儀作法。

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No.265


 「ルールは単純。食べる直前にこうやって手を合わせ、気持ちを込めて『いただきます』。食べた後にまた両手をこうやって合わせて『ごちそうさま』。モークは手がなくても、気持ちはしっかりすること。」

 「「いただきます、ごちそうさま。いただきます、ごちそうさま。」」



 ユッケとモークは互いに両手を合わせ、2回ほど練習する。

 ユッケはしなくても良かった気がするが、練習に損はないから大丈夫だろう。


 ~モーク・アイリス・ユッケ~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 1000年も人間見てきたらそれくらいわかっているハズだけど(ユッケは理解しています)。

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No.266


 モークは小皿に事前に盛りつけていた冬カボチャを一個ずつ丁寧にたべる。

 途中、熱々だったため「ハフハフ」と口を踊らせていたが、食べた後のモークは顔に至福という文字がびっしりとつけられていた。


 モークタンからは絶対出ないであろう気味の悪い奇声を鳴らしながら、冬カボチャの味をじっくりと堪能する。


 ~モーク・アイリス~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 ?「どんな奇声だったかは想像に任せるよ。」

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No.267


 すると、ユッケがこの料理をとるのだが何故か白い破片を大皿に戻すのだ。


 白い破片の正体はタマネギ。



 「ユッケ。お前まさか……。」と彼を見つめると、彼は慌てて座席に戻り肉を食べる。



 「お前……もしかしてタマネギ嫌い?」

 「……ああ、嫌い。体質のせいなのかわからないのだが……タマネギは拒絶反応なんだ。許してくれ。」



 ユッケはしょんぼりしている。

 よほどタマネギが嫌いというかダメなのだろう。

 無理して食わせるものではない。

 食事はできるだけ楽しく食べないと美味しくないのだ。


 ~アイリス・ユッケ~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 タマネギが大の苦手なユッケ。

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No.268


 「お願いです。私達に武術の知識をお分けください!」

 「「「……えっ?」」」



 ゴブリン村長は頭を下げて俺達にお願いした。


 意外な返答に俺達は合わせて同音で驚く。

 村長は更に言葉を続けた。



 「我々ゴブリン一族は、私が必死に習得した言語や様々な本により文化を築いてきました。しかし、武術だけは本があってもどうしようもない部分が多数存在します。」



 確かにそれはある。


 武術というものは実際に体を動かさないと本を見ただけではサッパリなのだ。

 だから俺も8歳の頃に町を出てあの特訓をしていた。


 本で武術が習えるようならそんなことは絶対にあんなことはしなかった。



 「つまり、俺達がお前らゴブリンに戦闘を教えろと?」

 「その通りでございます。」



 ユッケは簡潔にまとめて解釈する。

 簡単に言えばそう言うことだ。


 ~アイリス・ユッケ~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 確かに本だけでは戦闘スキルは磨けない。

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No.269


 「ごめんね、モーク。今すぐ疑うから悪いんだけど……お前9割ぐらい食べてない?」

 「あ……その……えーっと……ゴメンナサイ。」



 モークは素直に白状する。


 すると、ユッケがモークを鷲掴みにし、モークを問いただした。



 「モーク、お前……。」

 「ゴメンナサイゴメンナサイ!」

 「……ユッケ、流石にやりすぎ……。」



 ユッケはたいそうご機嫌斜めだ。

 いや、斜めという言い方は間違っているかも知れない。


 鬼の形相でモークを睨みつけているといった方が正しい。


 よほど何かよからぬことでもしてしまったのだろう。

 「流石にやり過ぎだからほどほどにしとけよ……。」とユッケに忠告しようとした。



 「勝手に冬カボチャを食べやがって……俺の分も残しとけよ!」



 そんなにユッケは冬カボチャの煮物を食べたかったのかよ……と俺は後ろで苦笑いをする。

 ゴブリン村長は右手に口を当てて笑いを堪えているようだ。


 ~モーク・アイリス・ユッケ・ゴブリン村長~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 冬カボチャを食べたかったユッケが9割ほど食べてしまったモークにキレるシーン。

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No.270


 「じゃあ『俺も食いたい!』とか言えば良かったじゃん! なんで僕が食べた後にグチグチ言ってくるの!?」

 「そっそれはな……。でも、お前の食べるペースが……。」



 少しユッケに怒られたモークだが、あまり相手と話す積極性にイマイチ欠けるユッケの弱点を生かし、反論する。

 動揺したユッケだったが、今度はモークの食べる速さに愚痴を……。


 ~モーク・ユッケ~

 第50話 複雑過ぎる宴 前編


 喧嘩するほど仲がよい。

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※不備修正《No.249,252》



イグナル村長「じゃあ、次は私から……。」


イグナル村長以外「「「「あ、お願いします。」」」」


イグナル村長「人生、楽なことばかりでなく苦労する事も多い。されどそれが己の人生。他人とは違う個性を持った人生こそ、笑って死を迎え入れられるというもの。悔いのない人生、個性が光る人生を歩もう!」


イグナル村長以外「「「「ん~~。」」」」


モーク「僕は別に嫌いじゃないよ。」


チンピラのボス「なんだか典型的な言葉だな。もう少しひねりというか……何だろうな?」


アイリス「やっぱり名言作るのって難しいんだな。個人の意見というものが出やすいんだろう。」


出前店長「言っていることも間違ってはいないとワシは思います。」


サン・グラース「ミーも出前店長と同じです!」


ユッケ「じゃあ、今度は俺がいくよ。」


ユッケ以外「「「「どうぞ。」」」」


ユッケ「人の世は必ずしも楽しい事だけがあると言うことは決して無い。誰かの役に立ちたい人生、楽がしたい人生、最強になりたい人生。皆夢を持って人生を楽しんでいる。長いようで短い人生を全力で楽しむ為に、夢を持って生きてください。」


ユッケ以外「「「おおおおお!」」」


ユッケ以外の一部「「……ん?」」


アイリス「俺、この気持ち凄くわかるぞ!」


モーク「……でも、夢に縛られ過ぎじゃない? 夢によって生かされてる奴隷みたいな感じはちょっとアレだね……。」


チンピラのボス「俺もモークに賛成だ。自由に生きる人生もあるのに、夢に縛られて生きていくのは何とも忍びない。」


出前店長「でも、夢を追っている人にとっては素晴らしい台詞やと思います。」


イグナル村長「正直な所私にはあまり親近感が沸きませんね……。」


サン・グラース「ミーはとてもビューティフルなセリフだとシンキングしましたよ!」


ユッケ「意外と賛否両論だな。」


アイリス「多分、自分の人生に明確な夢を持っていたか居なかったかの違いだと思う。」


ユッケ「なるほど……コアなファン向けだったか。」


サン・グラース「では、ネクストはミーね!」


サン・グラース以外「「「「どうぞ(絶対ヘンな【英語】混じりの台詞だろうな)。」」」」


サン・グラース「人生とは努力の結晶をどれだけ集め、それらを有効に使うかによって楽しかったか辛かったかが大きく異なる。集めただけでは宝の持ち腐れ、有効に使っただけでは単なる怠け者と同等になる。成功者はその両方を兼ねる。」


サン・グラース以外「「「「真面目モードで来た!!!」」」」


モーク「ええっと……急に真面目モードになったのは置いておくとして……正直言うと、僕これ凄い好きだよ!」


ユッケ「凄く好きだな。怠けてた奴らにそう言いたくなる。」


アイリス「……いいな。サン・グラースらしからぬ上手さに俺は戸惑いを隠せないな。」


イグナル村長「うーん、悪くないと思いますね。」


出前店長「ええな! それ! ワシはこの台詞個人的に大好きや!」


チンピラのボス「俺は他の人間とは違うな。才能関係無く権力だけでのし上がった奴をずっと見てきた。つまり、人間のどす黒いな部分を見続けてきたから何とも言えんな。悪くねぇ台詞なんだけどな。」


アイリス「そう言えばお前の過去を見たら……一概には言えんな。努力してそれを有効に使っても成功出来るとは限らないしな。」


サン・グラース「オーノー! それはとても残念な事ですね……。」


アイリス「……じゃあ次は誰か……。」


???「私、途中からだけどいいかしら? 」


他のメンバー「「「「もしかして……。」」」」


???「ナークプル・カルナ。そういう名前を聞いたことがあるのでは無いでしょうか?」


他のメンバー「「「「おおおおお! どうぞどうぞ!」」」」


ナークプル「私は辛いだけで死にたくないの。自分で作る楽しい人生が大好きだから。そのためにはどうすればいい? 精一杯努力して幸せになればいいじゃない!」


ナークプル以外「「「「おお!」」」」


イグナル村長「結構強気に行きましたね。」


アイリス「他の人とは全く違う考え方だな。そうやって強気。いや、前向きに行く姿勢が団長らしくていいぞ。」


モーク「僕よりも強気……負けちゃった……。」


ユッケ「でも、なんか強気に行った割には典型的な内容なんだよなぁ。」


出前店長「確かにユッケさんの言うとおりかもしれんけど、アイリス坊ちゃんが言ったようにその前向きに挑戦していく姿勢は続けた方がええで。」


チンピラ「何でだろうな? すげぇ共感出来る気がするのは?」


サン・グラース「ミーもこういうダイタンなシンキングはグレイトだと思いますね~。」


ナークプル「参考になりました。ありがとうございます。」


イグナル村長「……さて、残りは……。」


アイリス「俺とボスと出前店長さんだな。出前店長さんは最後でいい?」

 ※出前店長さん、実は最も名台詞や教訓である割合が高いのである。


出前店長「ええで、ほなどちらか先にいいな。」


アイリス「じゃあ俺がいくよ。」


アイリス以外「「「「お願いします。主人公さん!!!」」」」


アイリス「人生、それは暗く苦しいものの中にある幸せを一定の時間内に掴み取る行為である。時間内に掴めなかったら、死ぬまで苦しみにもがく事となる。逆に掴むことが出来たならば、一瞬だけ全身に幸福感が覆い被さり、満足しながら死んでいく事だろう。努力して幸せを掴むものもいれば、生まれながらにして既に幸せを握っている人もいる。しかし、それは人それぞれなのだ。」


アイリス以外「「「「凄く重いし、暗い!!!」」」」


モーク「幾ら昔【臆病者】と言われたからって……それはちょっとないな。」


ユッケ「……でも、現実はそうなんだよな。アイリスの言いたいことはよくわかる。」


チンピラのボス「確かに重く、暗いが俺はアイリスの台詞にグッとくるぞ。……でも主人公がこんな事考えているなんて想像はしなくないな。」


サン・グラース「ユー! ブラックジョークにも程がありますよ!」


ナークプル「……何故彼が主人公になれたのでしょうか?」


出前店長「坊ちゃんの言う事は反対する人は多いかも知れんけど、間違ってはないと思うで?」


イグナル村長「……やっぱりちょっと暗い。坊ちゃんのこれまでの人生を考えたら理解出来なくは無いですけど。」


アイリス「ゴメン、流石に暗すぎた。今日は俺は負け確定だな。」


サングラス《情けないです。》


サングラス以外「「「「お前の為にやっているんだよ!」」」」


アイリス「……さてと、次はボス。お前の番だ。」


チンピラのボス「よし! やったるわ!」


チンピラのボス以外「「「「どうぞ。」」」」


チンピラ「人生ってもんは皆が平等って訳じゃねぇ。金や権力、人格や容姿までも不平等の世界なのさ。じゃあ、どうして不平等の人間達は諦めないのかって? 誰だって幸せを掴みたいからさ。夢や進路は己がどんな幸せを掴みたいかを決めることができる。いいか、他人の変な言葉なんかで夢や進路を変えんじゃねえ。『他人のせいでこうなったんだ』って人のせいにすんじゃねぇ。自分で選んだ人生くらい自分で責任とれよ。で、選んだ人生に後悔しなかったら、それは一種の幸せだ。夢を叶えられたら、それは真の幸せに辿り着いたってことだ。」


チンピラのボス以外「「「「「おおおおおお!」」」」」


イグナル村長「これは教訓ですね。他人任せで進路や夢を決める子供達に言いたい台詞ですよこれは!」


アイリス「長いけどグッと来るぞ! なんだかスッキリする。」


ユッケ「ボス。お前いっそのことチンピラ止めて進路相談の先生になったらどうだ?」


モーク「これは……確かに大事な事だね。」


出前店長「確かに考えさせられるええ言葉やな。」


ナークプル「す……素晴らしい台詞ですね。感動しそうです。」


サン・グラース「ビューティフォー! ミーはとても感動しました!」


出前店長「……ふぅ。最後はワシやな。」


出前店長以外「「「「どうぞ!」」」」


出前店長「色んな人の人生の価値を見てきましたけど、皆さんは色々勘違いしとるところがあるとワシは思うんですわ。。」


出前店長以外「「「「???」」」」


出前店長「人が歩んできた所は、誰かと全部一緒と言うことは絶対違うんですわ。やのに、全く事情を知らん人間がグチグチ横から突っ込むのは厳禁なんですわ。」


アイリス「……つまり、どう言いたいんですか?」


出前店長「自分の人生の価値は個人個人で決めたらええ。誰かが自分の人生に口に出しても、そんなん無視したらええ。自分の人生は自分で決めてなんぼ。それが辛くても楽しくても、音を上げずに頑張って、『いい人生やった』と思えば素晴らしい人生やと思いませんか? 自分が出した答えが自分にとって一番の正解なんですわ。」


出前店長以外「「「「おおおおおおおおおお!」」」」


モーク「なるほどね!」


ユッケ「これはやられたな……。」


アイリス「今日の所はお手上げだ。」


チンピラのボス「流石は名台詞連発職人なだけあるな!」


ナークプル「正論ですね。説得力があります。」


サン・グラース「ビューティフル! ミーのヘッドにあったモヤモヤがスッキリした気分でーす。」


イグナル村長「え~では、一番名台詞思えた方の名前をいってください。自分に投票はナシです。」


アイリス「出前店長」


モーク「サン・グラース」


ユッケ「チンピラのボス」


ナークプル「チンピラのボス」


イグナル村長「出前店長」


チンピラのボス「アイリス」


サン・グラース「出前店長」


サングラス《と言うことで、この勝負は出前店長さんに決定しました!》


出前店長「おお! ええ勝負やったな!」


サングラス《サブマスター、出前店長さん、チンピラのボスさん。お願いです。私に名台詞を残せる方法を教えてください。》


チンピラのボス「お前に説得力のある言葉を叩き込んでやるぜ!」


サン・グラース「旧マイサングラスを更にメイクアップしましょう!」


出前店長「あんま出来ることは無いけど……教えたるわ!」




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【野蛮学校物語、名(迷)シーン、名(迷)台詞人気投票】

 1話~50話部門


 ルール


 1.1人1票投票可能。期間は100話到達(延長あり)まで。2票以上投稿した場合は無効となるので注意。

 2.投票数が高い5つのシーン、台詞を選ぶ。選ばれたものは決勝戦へと移行する。

 3.途中「これは名(迷)台詞、名(迷)シーンだろ?」と思われる文章がこのエントリー外にあった場合、誤字訂正欄にそれを記入すること。10票以上出た場合は読者推薦枠としてエントリーに参加する。なお読者推薦枠にエントリーされた場合は、必ず10票入っている状態からスタートする。

 4.投稿数が重なった場合は別紙に記載。

 5.総投稿数が少ない場合は投票期間を延長する。


 ~獲得可能賞(決勝戦進出)~

 1~50部門金賞(一位) +当選キャラ登場回数増加

 1~50部門銀賞(二位) +当選キャラ登場回数増加

 1~50部門銅賞(三位) +当選キャラ登場回数増加

 1~50部門入選(四位、五位)

 1~50部門入選(四位、五位)


 ~(敗退だけど賞獲得)~

 コア部門賞(六位)

 ラッキー賞(七位)



 ~投票方法~

 期間中、感想欄に「No??(投票したい番号、かっこはいらない)」書き込み投稿すれば大丈夫です。


 たくさんの投稿お待ちしています!


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