第20話 サングラス奪還の褒美は?
俺達2人は、わき道を抜けた後、静かな商店町を色々話しながら歩いていた。
現在の時刻は18時40分ほど。
そろそろ宿屋の【バイキング】が始まる時間だ。
最低でも19時20分には宿屋に戻らないといけない。
すると突然、サン・グラースは歩みの足を止めて、俺に言った。
「オー。ユーにはサングラスを奪還したリワードを与えないといけませんね。」
※おお。あなたにはサングラスを奪還した褒美を与えないといけませんね。
リワード?
何だろう?
するとサン・グラースは俺に銀色の塊を俺に手渡す。
もしかして、褒美!?
「ミーはユーとフレンドになったというプレゼントを贈りマース。ミーが今さっき精製したアイロンのマスです。決してセールに出したり、ガーベージカンの中にインしないでくださいね!」
※私はあなたとお友達になったというプレゼントを贈ります。私がさっき(【創造魔法】で)精製した鉄の塊です。決して売ったり、ごみ箱の中に入れないで(捨てないで)くださいね!
「ありがとうございます。一生大事にします!」
「オー! ミー、そう言うワードをリスニングしたかったんですよ! ハッピーな気分デース。」
※おお!私、そう言う言葉を聞きたかったんですよ!(私は)嬉しい気分です。
俺は周りを確認した後、収納魔法を使って、サン・グラースから貰った鉄の塊を中に入れる。
サン・グラースの目はキラキラしていた。
これで、俺は人を救ったかもな。
「ありがとうございまし……。」
俺がそう言おうとした瞬間、何かが割り込んできた。
《何、強制的に直ぐに終わらせようとするんですか?まだ報酬は残っていますよ?》
【AI】が強制的に俺を止めてきた。
別に他に報酬は無いじゃん?
「ユー。もう1つ君には大事なことを頼みたい。マイサングラス!」
サン・グラースは少し大きな声でそう言うと、サングラスを俺にかける。
《またあの数字が流れますが、心配する必要はありません。》
流石にあの数字は慣れた(と思う)。
101110001110000110111000111001010011000100111000101110111111111000110100001100111100101010101100101000011010001110111101111010101100110110101101101111001101010010100101101101011010010111110011101000011010011010100101101100001010010111101001101000011011110010100101101110011100010111000010110010101111110110100100101010111010010011101001101000011010001010110000101001101011111011001110101000011101101010110010101100101100100111000010101111001101010010100001110110111010010011001011110010111101110010111000101000101011100011000010101001001111001010110000110100011100001011110111101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010010100001110001001010000111000100101000011100010011000000101011101011100011111001101001001011011110100100110111101010010010110111101001001011111110100001101000111010010010110011101001001110110010100100110010111010010011101000101001001110101010100001101000101010000111011010101100101011001011001001110000101011110011010100101000011101101111000101110000101100101011111101101001001010110010111101111010101100110110101101101111001101010010100001101000101010010110110101101001011111001110100001101001101010010110110000101001011110100110100001101111001010010110111001110001011100001011001010111111011010010010101100110010011111101110111101111010101100110110101101101111001101010010100100110010001010010011001010101001001110101010100100110111101010010010110111101001001011111110100001101000111010000111011010101100101011001011001001110000101011110011010100101000011101101111001101110011011010000110100011101001001110100010100100111011011010010010110111101001001010111110100100101010101011010011101010101001001010010011000011110101111010010010110111101001001101111010100100101110011010000110100011
「これにて所有者がミーからユーにチェンジしました! ちなみにミーは副所有者というクエスチョン? なポジションデース。」
※これにて所有者が私からあなたに変更しました!ちなみに私は副所有者というよくわからない?的な立場上です。
ん?
所有者がチェンジとはどういう事だ?
《はい。つまり、このサングラスをあなたは自由に使えるという権限です。簡潔に申しますと、このサングラスはあなたのものになったと言えばわかるでしょうか?》
そうなんだ、ってえええええええっ!!!
俺はたまらずサン・グラースに聞く。
どうして俺なのか?
「サン・グラースさん。一体どうして俺を? 一応言っておきますけど、俺はこの町で【臆病者】と呼ばれています! あなたもこの町では少しくらいは耳にしている話じゃないですか?」
「オー。確かにユーは【臆病者】デース。バット、それがどうしたんですか? ユーが歩いた今までのライフは他のピーポーよりもデンジャラスだったでしょう? マイサングラスのインフォメーションはミーにも届いているんですよ?」
《おお。確かにあなたは【臆病者】です。しかし、それが一体どうしたんですか?あなたが歩いた今までの人生は他の人間よりも危険なものでしょう?サングラスの情報は、私の所にも届いているんですよ?とサブマスターは仰っています。》
ああ、訳してくれてありがとう。
正直、少し前から訳してほしかったって言う所はあるけど……。
《……面倒くさくなったのは事実です。》
おい!
そこで人間っぽい所出しちゃ駄目でしょ!?
「ミーは長い間ずっと捜し続けていました。このサングラスを正しく使ってくれる人物を、ずっと。それをユーに託したいのです。このままではいずれミーはこのサングラスを守るために、人の命を盗ってしまうでしょう。私はそれを望みません。でも、あなたなら託せるような気がしてならないのです。これは商人のカンですけどね。」
「……。」
「この荒れ果てた世界に、いまさらサングラスなんぞと思うかもしれません。ですが、良いのではないですか? サングラスは人を選ぶことは無いのです。【臆病者】とバカにされていた人が、サングラスで立派な【冒険者】になったという伝説を創ってみては如何ですか!?」
サン・グラースは、俺に向かって頭を下げてそう言った。
言葉の一つ一つが、心臓と耳に響いてくる。
俺は断ってもよかったのかもしれない。
(と言うか、サングラスは人を選ぶことは無いって言ってたけど、実際選んじゃってるしな……。)
《あれは少しやり過ぎた気がしています。ボスが眠る直前で謝りましたが、逆に皮肉と捉えられたでしょう。》
それは流石に皮肉と言うしかないな。俺も別の方法が良かった気がする。
……だが、何だろうな?
年上の人にわざわざ頭を下げられたら、断るわけにはいかないしな……。
いや、違う。
もしかしたら、少しだけ【英雄】になれるかもしれない、運命の分岐なのか?
【臆病者】だった人が、サングラスで立派な【冒険者】……か。
サン・グラースさんの説得は下手だが、力強い意志を感じた。
「わかりました。サン・グラースさん。あなたには負けました。【旅は道ずれ、世は情け】ということわざがあります。それがサングラスという物でも俺は歓迎しますよ! サングラス。俺の旅に最後までついて行ってください。」
《了解しました。マイマスター!》
「オー! ミーは素晴らしいユーザーに出会えたことに感謝します。」
《おお!私は素晴らしいサングラスの所有者に出会えたことに感謝しますとサブマスターは仰っています。》
サン・グラースは満面の笑みをこぼした後、目から微かな水を含ませていた。
今まで散々な目に会わされたのだろう。盗まれそうになったり、いまさらサングラスとバカにされたり。
それが、此処である程度の終わりを告げたのだ。
まだ色々機能付きのサングラスはまだある。けれど、一番心配していたサングラスの所有者が此処で決まったことで、色んな想いがこみ上げたのだろう。
「ユー。もしミーに連絡がしたかったら、サングラスからのルートが一番早いからね! あと、出来ればミーも一緒にユーの旅をしたいのだが、今はこれらの買い手を一生懸命捜してる所なんだ。」
サン・グラースは大きな鉄製の箱を開けて俺に中を見せる。
それは、他のサングラスだった。
全部で15個。
コレを全部完売は、かなり時間がかかる奴だな。
それにしても、このオッサンもなかなか読めない人だ。
さっきまで泣きそうになったのを俺にわざと見せない。
商人はそういうものなのか?
「わかりました。少しの間でしたが、ありがとうございました。今度会ったときには、絶対旅に誘いますよ。」
「ハーイ! 場所を指定すれば、このサングラスを完売したら、何時でも何処でもミーの元にやってきまーす。それでは、グッドラック! 【ヒーロー】になって帰ってくれると、ミーはとてもハッピーデース。」
サングラスと俺はそれぞれ別々の方向へと向かう。
俺はこのサングラスを収納魔法の中に入れた。
流石に町で堂々とかける訳にはいかないしな。
(盗賊の夜襲は御免だ。)
今日は色々ありすぎたな。
実質初めての商店町で、チンピラとのドンパチ。
住宅街で迷子。
イグナル村長とたまたま出会う。
今田さんに損害賠償請求。
サン・グラースと【AI】。
ついでだし、日記でもかこうかな?
そう思った。
俺は、静かで電灯の明かりしかない商店町の夜を歩く。
暗くて寂しくて寒い場所のハズなのに、俺は軽やかな気持ちでステップを軽く踏んでいた。
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※ちなみに、【臆病者】が父さんの家から出てから、此処までの経過時間は12時間もたっていません。
第1話から20話まで1日すら経っていないのは、流石に遅すぎた(じっくり書きすぎた)気がします……。




