表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/31

願わくばそれが、愛でありますように

 彼女は涙を溜め、くしゃくしゃになった表情で「お願い」と僕に縋りついた。


「わたしを、あいして」


 震える声。ぽろり、と涙の玉が頬に落ちた。

 それと同時に、僕の胸が熱く震える。

 ああ。

 ああ、

 なんて酷いんだろう。

 君はボロボロになっているにも関わらず、僕は歓喜に震えた。

 君は酷い女だ。

 僕が君にどんな想いを抱いているか知っていながら。

 残酷な願いを僕に頼むのか。

 歓喜に震える僕が憐れじゃないか。


「お願い」


 君に頼まれるずっとずっと前から愛していたのに。

 僕の気持ちなんて君は知らない。

 きっと、そこは重要じゃないんだ。


「わたしを」


 睫毛が涙に濡れる。


「あいして」


 もう、君を愛してる僕にどうしろと?


「愛してる」


 それでも僕は言わずにはいられない。

 愛してる。

 愛してる。

 君を愛してる。

 例え、君の傷ついた心を癒す一つの道具であろうと。

 君の望む本当の『愛してる』ではないとしても。

 僕は君を愛している。


「わたしもあなたをあいしてる」


 君のその嘘っぱちの愛さえも、胸が震えるほど嬉しいことを、君は一生知ることはないだろう。

 それでもいい、と思う僕は本当にどうしようもない。

 でも、今は――少なくとも今は、君の嘘に喜んで身を呈するよ。いつか本当に愛してる、と君が言ってくれると信じて。


「あいしてる」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【伊咲よりお願い】 もしよろしければ、こちらの《 アンケート 》にご協力お願いします!※投票理由とかなければ空欄でもかまいません!初の試みで作者も地に足ついてません!ふわっふわです。なので、皆さんもゆるーく軽い気持ちでご参加していただければ、幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ