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二人の今後

「侯爵家だよ?あんなこと言っても良いの?」

「いいに決まってるだろ。こんなご時世で貴族同士でのお家乗っ取りなど御法度だぞ。

子供ばかりだからと、他家が好き放題して良い通りはないんだよ」


「そう言われると、そうね。カイルはやっぱり賢いのね、昔から達観してるなぁって思ってたけど、今はもっとそう感じたわ」


「…これでも、休む暇が睡眠だけなくらいには後継者教育でこってり縛られたからな」



 フェレ助と赤ちゃんのいる部屋へ向かいながら、二人は並んで歩いた。


 不思議と、離れていた二年の時間は感じられなかった。


「ーーねぇ、私。本当にこのまま婚約者で居ても良いのかな?」


 エミリアの疑問に、カイルは足を止めた。


「どう言う意味だよ?」


「アリッサ様の言ってることは、間違いでは無いわ。カイルや伯爵家の温情で、私の様な者が伯爵家の夫人になるなんて…恵まれていると思う。


だけど、それじゃ伯爵家のためには、ならないの。それが、私は嫌よ。

私のせいで、伯爵家が損をするなんて…」


「アリッサの言うことは気にするなよ。侯爵家と縁とか何とか…そもそもが縁戚なんだから大差ないだろ」


「あるわよ。私は、カイルが後継者教育を受けている間、家政を担う教育なんてしていないし…」


「そんなの。

これから学べば良いだろ」


 エミリアは唇を噛んだ。


「いや、それだけじゃなくて。だって私じゃ…やっぱり釣り合わなーー」



 エミリアが言い終わる前に、両頬に手を添えられて、唇が合わさった。

 不意打ちの口付けに、一瞬理解が及ばず、目を見開く。

 

 ゆっくりと顔を離したカイルは、頬を赤らめながらも真っ直ぐにエミリアを見据えて声を上げる。


「俺がエミリアじゃなきゃ、意味ないんだよ。


これでわかったか?」


「は、え。ぇぇえ?」


「何だよ、その反応は?わかるだろ!むしろさっきの夕食の流れで察しろよ!」


「だって、え?アリッサ様はーー」


「絶対にヤダ」


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