第二話 入学式
ロイヤルアカデミー魔法学園。
やはり名前負けをするようなところではないようだ。
見た目は近代感と中世を混ぜたような感じをしている。
この学園に足を踏み入れた瞬間目に入ってきた巨大な門、広大な敷地、そして明らかに不信感の強い目。
ここでも風魔法はいつも通りの扱いらしい。
そんなことは気にせず、入学式である会場へと向かうことにした。
扉を開け、中をよく見た。
ずらっと丁寧に並べられた椅子の数々に座る新入生、大きな壇上、そして、子供?マイクの前に1人、子供が立っている。
いや、少女と言うべきだろうか。
「俺もとうとう幻覚を見るようになったのか?」
どれだけ目を擦ってもあの少女が消えることはない。
どうやら現実のようだ。
「あー、諸君、聞こえるかい。」
あの少女が話し始めた。
見た目としては灰色のボブカットに、身長はおそらく140cm程度。
どう考えても俺たちのような歳ではない。
「ボクの名前は、マテリア。ロイヤルアカデミー魔法学園の校長をしているものだ。」
今、なんと言ったのだろうか。
少なくとも俺の耳には、校長という単語が聞こえて来た気がするのだが。
マテリアという少女は頬を膨らませて言う。
「こんな見た目をしているからって、舐めるんじゃない。ボクはちゃんと強いんだからな?」
見た目で判断してはいけない、ここは有名校だ。
その校長をしているということは、実力も折り紙つきということだろう。
「新入生のみんな、入学おめでとう。ここ、ロイヤルアカデミー魔法学園では、好敵手と互いに魔法を高め合って、日々上へと目指してもらうよ。もちろんその好敵手は自分以外の全員さ。」
見かけによらずまともな事を言うみたいだ。
確かに自分に近い実力を奴を見つければ、日々のモチベーションアップに繋がるかもしれない。
問題はそこではない。
わざわざ「風」と組みたい奴がいるのか?というところだ。
幸先が不安になってきた。
結局マテリアの話は思ったよりもまともな方を言われて、良い意味で拍子抜けしたと言えるだろう。
「さて、そろそろ向かうか。」
運命のクラス分けである。クラス分けテストは個人個人で行われる。
クラスには上から順に
Aクラス:強力な魔法使い
Bクラス:一般的な魔法使い
Cクラス:出力は低いが使えなくはない魔法使い
Dクラス:出力も精度も酷い魔法使い
どうやらこの学園は珍しく、風属性という理由だけで決めるわけではないようだ。
その前にどんな施設があるか、把握しておくべきだろう。
ひとまず、一階に行ってみることにしよう。
廊下を歩くと、学園の地図を見つけた。
四階建てで、一回は職員室など様々な施設があるらしい。二〜四は学年別で違うとのことだ。
やはり寮は存在するらしく、ランクによって献立やベッドの質感までもが変わって来るらしい。
食堂から大図書館まで、やはり国立なだけあるな。
生徒たちのトレーニングルームもあるようだ。
中には先輩たちが魔法で戦いあっている。
マテリアが魔法を付与しているらしく、傷はすぐに治るようになっているみたいだ。
トレーニングルームもランクごとに分けられている。
ずいぶんと几帳面なところがあるものだな。
一年生達は四階らしい、上昇するための機械も見当たらない、どうやら階段で登るしか無いみたいだ。
四階には一年生用の教室が複数存在している。
すでに教室の中に入っているものも何名かいる。
どうやらすでにクラス分けテストを完了させて、待機しているらしい。
クラス分け、俺の頭の片隅に常に残り続けている。
この学園で生活する上で、第一に「何のクラスか」が重要だろう。
たとえ風魔法であっても、ランクが高ければ舐められることはない。
風魔法だからと、何度も差別され、何度も嘲笑されてきた。
これからは俺がやり返す番だ。
俺はこの学園で最強になってやるよ、この最弱と呼ばれた風魔法でな。




