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女性嫌いの令息を護衛している男装女子ですが‥なんか思ってたのと違う?  作者: ノーネアユミ
2章

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12 交渉


「センタリオン家から使者が来た。お前の無事を確認させる」


 私が連れて行かれた天幕にいたのは兄の側近と騎士が3名。内1人はダッシュだった。



「お嬢様、おいたわしい」


 白々しい。使者のパーカーは子供の頃から知っているが、そんな言葉かけられた覚えがない。


「ご令嬢の様子は分かっただろう、次は降参の条件だが‥」


 城塞の破却(はきゃく)だとか身代金だとか私の引き渡し条件が提示される。


「城塞は飲めませぬな。身代金の方は主君に相談せねば」


 パーカーがのらりくらりとかわしている。



 

 私はそれを黙って聞いていた。


(あいつが来たってことは交渉じゃなくて奪還だろうな)


 パーカーは幻影術が使える。

 機を見て私を脱出させるはずだ。


(仕掛けるタイミングが分かればいいんだけど)


 クロードが私を側に置くのは逃さないための意思表示。



「こちらとしては姫君を帰す必要はない。自分は独身なので、ちょうど良い女性を探していた」


 クロードが軽口をたたきながら私の肩を引き寄せる。

 その話を蒸し返すな。ダッシュの目が一瞬私をにらんだじゃないか。


「ご、ご冗談を」


 私が口をはさんでも余裕の笑みは消えない。

 パーカーが汗をふいた。


「我が領の令嬢を気にいられた理由は?」

「多少乱雑に扱っても壊れなさそうで、都合が良い」


 どーゆー条件じゃ。




 交渉の条件は整わなかった。

 使者たちは話し合いの内容を伝えるため、いったん退く。


 私は結界を張られた天幕に放りこまれる。

 出入口は一か所だけでそこには見張りが複数いた。

 素手で倒しきるのは分が悪い。



 やることがないから寝転がっていると、歌が聞こえた。

 少々音程は外れているが、我が家に伝わる子守唄。


「お星さま、お月様とお散歩中♪」


 私も声を合わせる。


「そこですね」


 ダッシュの声が天幕の裏から聞こえ、しばらくすると結界は解除された。


「そんな魔法も使えるなんてスゴ」


 物陰に隠れながらほめたのだけど、ダッシュにはそこまで響いていない。



「結界そのものが単純でしたから。魔力も大分消費したので、しばらく身体強化も使えません。それより」


 彼の目が細められる。


「帰ってこないと思ったら、まさか浮気しているなんて」

「違うって、あれはあいつが勝手に言っているだけで」


 やましさなどカケラもないのにアタフタしてしまう。


 それがいけなかったのだろうか。

 こっそり天幕を抜け出した私たちの前に、敵将が立ちふさがった。


「誰だ!」


 すっごい剣幕で怒鳴られながら剣を向けられる。

 こいつタイミングが良すぎるな。あんまり敵にいて欲しくない。



「俺の姫に手を出さないで下さい」


 ダッシュは私を背中にかばった。


(これは守られるヒロインの位置! 生まれて初めて!)


 キュンとする私に眉間のしわを深くするクロード。


「なるほど、間男(まおとこ)か。とうとう私にも幻覚が見えるようになったのだな」


 いえこっちが本命です。

 あと幻覚扱いはやめろ。



「油断もスキもないな」


 はあーと息をはいて、クロードは切っ先を下げた。


「だったらいっそ‥」


 何か思案している。

 この好きに逃げ出そうかとジリジリ後ずさっていたが、またすぐにらまれた。

 

「もうすぐ王太子が慰問に来る。捕虜に逃げられたなど笑い話にもならん」


 視線がダッシュに移される。


「お前も従者としてなら随行を許可するが、どうする? ここで捕まって殺されるか、お姫様の護衛になるか」


 選択肢などない。

 ダッシュはうなずいてナイフを鞘に納めた。



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