守られる秘密
チーン……
鐘の音が学園中に響き渡り、魔法陣が迷宮の中に広がる。
「インク」キートンが呟いた。
迷宮の中にいた全ての生徒は外へ転移され、迷宮は宙に浮かび、そのまま崩れて土へと戻った。
拍手の音が響く。
「みんな、お疲れさま。試験の後は休憩していいよ」
「だが、合格した30名は私についてノクティラ山へ向かい、第2試験を受けてもらう」
「キートン先生、手伝ってもらえる?」ケネディが言う。
「インク」
足元に魔法陣が刻まれ、光が髪をわずかに揺らし、一瞬で湿ったノクティラ山へと転移した。
「第2試験は1時間後に開始する。それまで用意された場所で休んでいてくれ」ケネディが言う。
簡素なテントがあり、パンと水がいくつも用意されていた。
何人かの生徒はテントの近くで休んでいる。
その頃、大きな木の裏で、メラティは体を預けて前を見つめていた。
「もし先生たちや校長に私が奴隷だと知られたら、どうなるんだろう」
「……退学になるのかな。せっかく学園の生活に慣れてきたのに」
メラティは鎌を出し、持ち上げる。
「この力、使うたびにすごく重い……色んな方向から押しつぶされるみたい」
鎌を横に置く。
「どうやって……この首輪を隠さずに第2試験を続ければいいの」
その時、スカーフが彼女の前に落ちる。
振り返ると――
「エイルリス先生、どうしてここに」メラティが言う。
エイルリスは微笑み、隣に座る。
「安心して、メラティ。私は前から知ってる。でも誰にも言ってないわ、あなたが奴隷だって」
「小さい頃から奴隷として生きるなんて、大変だったでしょう。でも今は自由よ」
「はい……今は自由に生きられて感謝しています」メラティが言う。
エイルリスはスカーフを取り、メラティに巻いてあげる。
「あなたを買ったのは誰? ジェネラル・リム?」と聞く。
メラティは首を振る。
「違います。ただの田舎の少年です」
「……コルヴィアンね」
「はい、先生」メラティは微笑む。
「いい主人を持ったわね」
「違います……先生。彼は大切な人です。私は奴隷じゃなく、友達として見てくれます」
「メラティ……」
エイルリスはメラティを見つめ、抱きしめた。
「先生?」メラティが言う。
「ごめんなさい……あなたにとって良い担任になれなかった」
メラティも抱き返す。
【この感覚……】
その時、記憶がよみがえる。
首輪をつけた女性と一緒に花を見ていた。
「見て、このジャスミンの花、綺麗でしょう?」
「うん、お姉ちゃん」
その女性は微笑む。メラティの涙が流れる。
【あの時……初めてジャスミンを見たのは、姉さんと一緒だった】
「いいえ、先生は優しいです」メラティが言う。
エイルリスは抱擁を解く。
「あなたが必要な時、私はいつでもいるわ」
「ありがとうございます、先生」
エイルリスは立ち去る。
その後、コルヴィアンとラスクがパンと水を持ってやって来る。
「なあ、今のエイルリス先生じゃないか?」ラスクが言う。
「そうだな」コルヴィアン。
「さっきあの木の後ろにいたよな?」
「メラティ!」
二人はエイルリスの方へ走る。
「どうしたの?」エイルリス。
「先生、お願いします。メラティを学園に残してください」コルヴィアン。
「そうです、追い出さないでください!」ラスク。
エイルリスは微笑む。
【よかった、メラティ。あなたには家族のような仲間がいる】
「条件があるわ」
指を一本立てる。
「メラティの友達でい続けること。それが守れるなら秘密にする」
「もちろんです!」ラスク。
「ありがとうございます」コルヴィアン。
エイルリスは去る。
二人はメラティのもとへ戻る。
「戻ったよ」メラティ。
「パンと水持ってきた」ラスク。
「エイルリス先生、何かした?」コルヴィアン。
メラティは微笑み、スカーフに触れる。
「このスカーフをくれた。首輪を隠すために」
「いい先生だな」コルヴィアン。
三人はパンを食べて体力を回復する。
1時間後――
全員が集合する。
「第2試験は3人1組のチーム戦だ」
「チームはこの指輪でランダムに決まる」
「ベルタ、ミスロ、ローズ、配ってくれ」ケネディ。
指輪が配られる。
「少し魔力を流せば、同じ文字が表示される」
生徒たちは魔力を流し、チームを探す。
コルヴィアンたちも確認する。
「私はA」メラティ。
「俺はC」コルヴィアン。
「……ごめん」ラスク。
「どうした?」
「今回は敵だな。俺はIだ」
「すみません、Aの人いますか?」モニカが言う。
「私です」メラティ。
二人は握手する。
「モニカ」
「メラティ」
「もう一人探そう」
「先に行くね」
二人は去る。
ラスクも去る。
コルヴィアンは一人になる。
「どこで探せば……」
肩を叩かれる。
「Cだろ?」と笑う男子。
コルヴィアンも親指を立てる。
「もちろん」
「よかった、探す手間省けた」
「コルヴィアン、1-A」
「俺はゾン。南のイケメン貴族、1-Dだ」
「もう一人探そう」
「最高のメンバーをな」
少し進むと、一人の少女が立っている。
「見ろ、あいつだ」ゾン。
「そうだな」
「おい!」ゾンが声をかける。
「何?」少女。
ゾンは手を差し出す。
「君は俺の最高の仲間だ」
少女は手を払う。
「触らないで」
ゾンは固まる。
「Cの指輪か?」コルヴィアン。
「それが?」
「俺たちもCだ」
「私に何の得があるの?」
コルヴィアンは空間魔法を見せる。
「俺は空間魔法が使える」
「俺は力を100倍にできる!」ゾン。
「……いいわ。でも近づかないで」
「コルヴィアンだ」
「ゾンだ」
「エスタ、1-B」
拍手が響く。
全員が集まる。
「チームは決まったな」
「第2試験、開始だ」ケネディ。
ここまで読んでくれて、本当にありがとう!
誰かが読んでくれるって思うだけで、めっちゃ嬉しくなるんだ。
もし変なところとか、こうしたほうがいいよってアイデアがあったら、ぜひコメントで教えてね。
みんなの声を聞いて、もっと上手くなりたいから




