その23。彼女は誰かに似ている。
「あっ。貴女はデイジーナさまでありんすか?」
いきなり飛び出してきたアリス・ゴースト。
「いえ、あの方はとっくに…。でも良く似てらっしゃいますわいなあ!」
へえ。前任者の魔女に似てるってこと?でもこの顔見たことあるなあ。
黒の短髪、剛毛。青い目。色黒で筋肉質。
「デイジーナ様より締まっておいでですけどねえ…あの方は我儘ボディでござんした。」
ぷにぷにと触りまくるアリス・ゴースト。
「何をごちゃごちゃ言ってるの!この面妖な空飛ぶ人形は!これも、魔女が見せる幻か!
…こらっ、変なトコ触るなっ!ヘンタイなのか?好きものなのかよっ!」
アリス・ゴーストに頬や二の腕、太ももを触られて頬をピンクにしている。
大きな青い目は綺麗なサファイアの色だ。強い意志の光に燃えていて、綺麗だな。嫌いじゃないぞ。
「あっ、まさかあなたはベロリンチョ王女??」
あのモゲールことミゲール王子から見せられた絵姿の中にあったね。
なんだ?本人のほうが10倍良いですよ。
「ベロディだっ!なんだそのベロリンチョって?!」
「本当だ、ベロディ様だ。」
私の後ろに隠れていたビビっちが指を指す。
こら、指差してはいけません。
「あっ!オマエはミゲール様好みの侍女!きいいいっ!」
あー、もう。うるさい!
「威圧!からの!拘束!」
「うわあっ!身体が重いっ!ううっ、なんだこの植物のツルは?巻きついてくるぞっ!」
とりあえずツルで縛って天井からつるす。
「ウチの大事なビビに手を出そうとするからよ。」
「まあ!主さまっ!」
目を潤ませるビビっち。
「こんな辱めを受けるとは!くっ殺せ!」
はい、「くっ殺」いただきました。
でもなあ。ときめかんなあー。女同士だし。
「うわ?薔薇のツルじゃなくてこれは、かぼちゃのツルじゃないか??」
「だってトゲがささったら痛いでしょ?」
「意外と優しい?!」
「で、何しに来たの。ベロディ王女。」
「ミゲール王子様が!しょっちゅう森の魔女の家に通ってるって!!私が会いにいってもいつも留守なんだもの!
私が悪い魔女を成敗して、あの方を解放する為に来たのよっ!」
あー、それ。誤解だらけ。
どうしてくれようか。
「うん?花がさいた?ツルから黄色の花が?」
目を丸くするベロディ王女。
「そりゃ、カボチャだもん。」
しゅるるる!ぽん!
「ああっ。花が咲いて膨らんで?」
「はい!じゃんけんぱん!…じゃなくて収穫収獲う!」
ハサミを出して実ったミニカボチャを収穫していく。
「主い。ハロウィンに使えますニャ。」
「そうね。シロフワちゃん。このお姫様の無駄な元気を吸い取って実ったわ。」
「ええっ!!」
ベロディ王女の顔色が悪くなった。
「くっころ…ではなくて?リアルにアズスーンアズに死期がっ??」
「大丈夫ですよ。幼児が一日中吸われても一か月は異常がありません。すぐに健康被害は無いと報告されてます。」
「そんなっ、なんか悪い物質が水道の基準値を超えたときの、お役所のマニュアルみたいなこと言わないでっ!」
ちょっと脅かし過ぎたか。実際は私が送り込んだ魔力で咲いて実ってるんだけどね。
けけけ。




