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寿(ことほ)ぎの魔女は途方にくれる。  作者: 雷鳥文庫


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23/25

その23。彼女は誰かに似ている。

「あっ。貴女はデイジーナさまでありんすか?」

いきなり飛び出してきたアリス・ゴースト。


「いえ、あの方はとっくに…。でも良く似てらっしゃいますわいなあ!」


へえ。前任者の魔女に似てるってこと?でもこの顔見たことあるなあ。


黒の短髪、剛毛。青い目。色黒で筋肉質。


「デイジーナ様より締まっておいでですけどねえ…あの方は我儘ボディでござんした。」

ぷにぷにと触りまくるアリス・ゴースト。

「何をごちゃごちゃ言ってるの!この面妖な空飛ぶ人形は!これも、魔女が見せる幻か!

…こらっ、変なトコ触るなっ!ヘンタイなのか?好きものなのかよっ!」


アリス・ゴーストに頬や二の腕、太ももを触られて頬をピンクにしている。

大きな青い目は綺麗なサファイアの色だ。強い意志の光に燃えていて、綺麗だな。嫌いじゃないぞ。


「あっ、まさかあなたはベロリンチョ王女??」

あのモゲールことミゲール王子から見せられた絵姿の中にあったね。

なんだ?本人のほうが10倍良いですよ。


「ベロディだっ!なんだそのベロリンチョって?!」


「本当だ、ベロディ様だ。」

私の後ろに隠れていたビビっちが指を指す。

こら、指差してはいけません。


「あっ!オマエはミゲール様好みの侍女!きいいいっ!」

あー、もう。うるさい!


「威圧!からの!拘束!」

「うわあっ!身体が重いっ!ううっ、なんだこの植物のツルは?巻きついてくるぞっ!」

とりあえずツルで縛って天井からつるす。


「ウチの大事なビビに手を出そうとするからよ。」

「まあ!主(あるじ)さまっ!」

目を潤ませるビビっち。


「こんな辱めを受けるとは!くっ殺せ!」

はい、「くっ殺(コロ)」いただきました。


でもなあ。ときめかんなあー。女同士だし。


「うわ?薔薇のツルじゃなくてこれは、かぼちゃのツルじゃないか??」

「だってトゲがささったら痛いでしょ?」

「意外と優しい?!」


「で、何しに来たの。ベロディ王女。」

「ミゲール王子様が!しょっちゅう森の魔女の家に通ってるって!!私が会いにいってもいつも留守なんだもの!

私が悪い魔女を成敗して、あの方を解放する為に来たのよっ!」


あー、それ。誤解だらけ。

どうしてくれようか。


「うん?花がさいた?ツルから黄色の花が?」

目を丸くするベロディ王女。

「そりゃ、カボチャだもん。」


しゅるるる!ぽん!


「ああっ。花が咲いて膨らんで?」

「はい!じゃんけんぱん!…じゃなくて収穫収獲う!」


ハサミを出して実ったミニカボチャを収穫していく。

「主(あるじ)い。ハロウィンに使えますニャ。」

「そうね。シロフワちゃん。このお姫様の無駄な元気を吸い取って実ったわ。」


「ええっ!!」


ベロディ王女の顔色が悪くなった。


「くっころ…ではなくて?リアルにアズスーンアズに死期がっ??」


「大丈夫ですよ。幼児が一日中吸われても一か月は異常がありません。すぐに健康被害は無いと報告されてます。」


「そんなっ、なんか悪い物質が水道の基準値を超えたときの、お役所のマニュアルみたいなこと言わないでっ!」


ちょっと脅かし過ぎたか。実際は私が送り込んだ魔力で咲いて実ってるんだけどね。

けけけ。


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