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寿(ことほ)ぎの魔女は途方にくれる。  作者: 雷鳥文庫


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17/20

その17。占い。

「ではどちらから占うの?」

「私からお願いします!魔女様。」


マックが歯を見せて笑う。

浅黒く焼けた肌。こぼれる白い歯。


○○人は歯が命!というか、なんというか。


「では、マックさん。一応お断りしますが、今現在の貴方に1番相性が良い女性が…この水晶玉に浮かびます。」

「はい。それは?」

「つまり、あくまでも相性であって、彼女が貴方に気があるとは限らないし、必ずしも結ばれるとは限りません。」

「なるほど。」

マックは頭を掻く。


「あー、王子様が沢山の候補の中から絞り込むのには、良い方法ですわえ。」

ビビっち。良くわかってくれるじゃない。

そう。王子様みたいにね?沢山の縁談と絵姿があれば、水晶玉に浮かんだ姫と候補の姫が一致することもあるだろう。

そして、結婚話もサクサク進むだろう。


「あら。では私の水晶玉に舞台俳優のアントニー様が映ったり?

きゃ♡大ファン♡なの。」

「ダナっち。残念だけど元々知り合いとかじゃないと反応しません。」


「あら、なんだあ。」


そうじゃなきゃストーカーが増えちまうぜ。

俳優に「私の運命♡」といって付き纏うお嬢さんたちがね!


「こほん。じゃあマックさん行きますよ。そこに座って?」

「は、はいいいい!!」


ぷしゅうううう。


水晶玉から霧状の煙が出る。 


ぱたぱた。


それを扇子で仰ぐ。

ほら、晴れてきた。


「いつも思いますけど、あるじい。秋刀魚を七輪で焼いてるようですねえ。」

「シロフワちゃーん!おだまりなさいよ!有り難みがなくなるでしょ。」


「あ!魔女様。何か浮かんできます…」

マックがかぶりつきで見ている。


「…こ、これは??え?複数?」


三つの女性らしき影が浮かんでいる。


「ああ、なるほど。その場合はですねえ。貴方の未来が定まっていないことを示します。まだ結婚するには早いぜ!若造!…と、水晶玉は言ってるわけなの。」 

「え。」


「一応、第一候補はこの方!」


真ん中の女性の画像がくっきりとしてきた。

黒髪の巻き髪。婀娜っぽい泣きぼくろ。


アレ?アレレレレレ??

どっかで見たような?


「あのお局!」

ダナっちが叫び、

「ティボーネっ!??」

ビビっちは悲鳴をあげた。


うわあ。こうきたか。

「ねえ、マック。あんたこのティボーネと面識あったっけ?」

恐る恐る聞く、ビビっち。

「いや?あのな?お城に納品する時に顔を合わせることはあるよ?愛想が良い美人さんだよね。」


マックはお城に紙だの実用品を納める商会で働いているそうである。


「…私、お城にお花を納める時にこのお局様にネチネチ言われた…」

ふうん、ダナっちは花屋さんか。


「はっ!若いオトコには猫かぶるんだから!」

「ビビ、この人、要注意人物なのか?」

「いつでもどこでもイビられてるわよ!!!」


吐き捨てるビビ。


「魔女さま、あんまりですわ!そんな縁を紹介するなんてっ!」

ダナがマジギレしている。

「待って。もう次の人がハッキリ浮かんできたわよ。」


ティボーネの姿が掻き消えて、別の人影が浮かんでくる。


ぼんやりとしたそれはくっきりと形を取り始める。


長い黒髪。意思が強そうな焦茶色な瞳。


あらら?あらあら?


「きゃあっ♡」

「ダナっち!」

「え、ええ?」


がしっ。

ダナっちが私の手をつかむ。

「魔女さま、サイコーですわ!こんなステキな縁を結んでくださるなんて!」


さっきとは180℃態度が違うダナっち。

ぴょんぴょん!!とジャンプしている。


「…え、そうなんですか?ダナ、なんだ…。」

膝からチカラが抜けたのか座りこむマック。


「なによ、その態度。」

ダナっちがほっぺを膨らませる。


「ホラ、みなさん。もうひとり浮かんできますよう!」

シロフワちゃんの声にみんなが水晶玉に注目する。



ダナの姿が掻き消えて、

栗色の髪の綺麗な娘が浮かぶ。


「えっ、美人??」

マックの顔がゆるむ。

「これって!舞台女優のリリンじゃないの?魔女様、そう言う縁は無いって言いましたよね!!」

ダナが私を掴む手にチカラを込める。


痛いよう。


「…ダナ。マック。知らなかったの?この子、私達の幼馴染のリンダよ。近所の本屋の。

女優になったってウワサになったじゃない。」

ビビっちが苦笑する。


「え、そうなの?知らなかった…」

頬を染めるマック。


「…あー、そういえば『私、女優になりたいんです!』といって稲妻が鳴り響く中、出ていったと聞いたわ。

残された家族は『ううっ…!』と言って白目になっていたとか…」


ダナっちも思い出したようだ。


「そうよ、そして…マスミハヤミ薔薇園のオーナーをスポンサーにして、スターへの階段を駆け上っていったわ。」

「あの紫の薔薇で有名な!?」



「そうか、リンダが俺の運命の人?」

わくわくどきどきしているマック。


「マックさん。相性だと言ったでしょ。結ばれる可能性が高い順に現れます。

今、1番の相手はティボーネさんになりますね。三番目の人はまあ、参考映像と思ってください。」


とりあえずまとめておこう。




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