↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
81/95

第81話 収穫のあとの畑

 四つの畑で育てた野菜をみんなで食べた翌日、リオ・フェルナーは朝食を終えると、いつものように記録帳を持って外へ出た。


 昨日は収穫した野菜を並べ、エマたちと一緒に食べた。味の感想もそれぞれ記録してあり、記録帳には新しいページが増えている。


 けれど、畑にはまだ仕事が残っていた。


 収穫した場所には、野菜を抜いたあとの土が見える。残っている葉や根もあり、いつもとは少し違った景色になっていた。


「収穫したら、それで終わりじゃないんだな」


 リオは畑の前でつぶやいた。


 そこへ父のガイルがやってきた。


「どうした?」


「昨日収穫したところを見ていたんだ。野菜がなくなると、畑の様子もずいぶん違うね」


「そうだな。収穫したあとの畑にも、やることはあるぞ。残ったものを確認したり、道具を片づけたり、次に何を育てるか考えたりな」


「次に植えるものは、すぐ決めるの?」


「すぐ決めることもあるが、まずは畑の状態を確かめる。何を育てていたか、どんな作業をしたかも考える必要がある」


 ガイルは収穫した場所を指さした。


「ここには、まだ根が残っている。土を整える前に、残っているものを確認するんだ」


 リオはしゃがみ込み、土の表面を見た。


 野菜を収穫した場所には、細い根のようなものが見える。どれが残してよいものなのか、どれを取り除く必要があるのか、リオにはまだ判断できなかった。


「これは全部取るの?」


「種類や状態によって違う。今は俺が見ているから、分からないものは聞きなさい」


「うん」


 ガイルは必要なものを一つずつ確認し、リオに作業を教えた。


 リオは教わったとおりに、残っているものを集めていく。強く引っ張ると土まで大きく崩れてしまうため、力加減にも気をつけた。


 作業は思っていたより時間がかかった。


 畑の中には、収穫した場所だけでなく、まだ野菜が育っている場所もある。そちらを踏まないように歩く必要もあった。


「父さん、ここはどうすればいい?」


「そこはまだ作物が残っているから、そのままにしておこう。全部を同じように片づけるわけじゃないんだ」


 リオは、畑の中でも場所によって作業が違うことを改めて知った。


 昼前には、収穫した場所の片づけが一段落した。


 リオは記録帳を開き、収穫した日と場所、片づけた内容を書いた。


 そのあと、朝畑の地図にも、収穫した場所を小さな印で示した。


「これなら、どこを収穫したか分かるね」


 父は記録を見て頷いた。


「次に何か植えるときにも役立つだろう」


 午後になると、エマたちがやってきた。


「今日は何をしていたの?」


 エマが尋ねた。


「収穫した場所を片づけていたんだ。野菜がなくなったところを確認して、残っているものを集めたよ」


「私たちの畑も、同じようにしたほうがいいかな?」


「うん。でも、何を取っていいかは、お父さんやお母さんに聞いたほうがいいと思う」


 トーマは畑を見渡した。


「次に何を植えるかも考えないとな」


「そうだね。何を育てたいか、みんなで考えようよ」


 カイルの提案に、四人は賛成した。


 まだ次の野菜を決めるには早いかもしれない。まずは畑の状態を確認し、家族にも相談することにした。


 夕方、リオは父と一緒に道具を洗った。


 土がついた道具を水で洗い、乾かす場所へ並べていく。収穫のときに使った籠も、汚れを落として片づけた。


「道具も、使ったらきれいにするんだね」


「そうだ。次に使うときに困らないようにな」


 ガイルは道具の柄を布で拭きながら言った。


 リオは、その言葉も記録帳に残すことにした。


 畑を育てることだけが農作業ではない。


 収穫したあとも、畑や道具を整えて、次の仕事につなげていく。


 今日のリオには、そのことが少し分かった気がした。


 夕食の席では、アルドとノアも収穫後の作業について話していた。


 リオは二人の話を聞きながら、次の畑で何を育てるのかを考えた。


 四つの畑は、これからも少しずつ変わっていく。


 その変化を記録するために、リオは明日も畑へ向かうつもりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。