第18話 二人で畑へ
翌朝。
リオが起きると、ノアはすでに起きていた。
「おはよう」
「おはよう、兄ちゃん」
「今日は畑行くぞ」
「うん」
二人で朝食を食べる。
母のミーナが少し驚いた顔をした。
「二人とも今日は早いわね」
「畑手伝う」
ノアが答える。
「そう。じゃあ頑張ってね」
父のガイルは、二人を見て笑っていた。
「無理をする必要はないからな」
「分かってる」
畑へ着くと、父は道具を渡した。
「今日は畑の端を片付ける」
落ちている小枝。
古くなった葉。
使わなくなった道具。
二人で少しずつ集めていく。
「これ、どこに置く?」
「そっちだ」
ノアが教える。
以前ならすぐ遊びたがっていたノアが、今日は真面目に作業をしている。
「兄ちゃん、ちゃんと分かるね」
「前に父さんが教えてくれたからな」
リオは少し驚いた。
教えてもらったことを覚えている。
そして、実際に使っている。
それが少しかっこよく見えた。
昼前。
エマたちが畑の近くを通った。
「あ、リオ」
「エマ!」
「今日は何してるの?」
「畑の手伝い」
ノアが答える。
「珍しいね」
「俺だってできる」
トーマも一緒に来ていた。
「じゃあ俺も手伝う」
「トーマは昨日転んだだろ」
「もう大丈夫」
カイルが笑う。
「じゃあ少しだけならいいんじゃない?」
結局、五人で畑の端を片付けることになった。
子供が増えると、仕事は少しだけ早く終わった。
父は最後に全員へ水を渡した。
「ありがとう」
リオは一気に飲む。
冷たい水が喉を通っていく。
「おいしい」
「働いたあとの水はうまいだろ」
父が言った。
ノアも水を飲みながら頷く。
「確かに」
仕事を終えたあと、子供たちは広場へ向かった。
遊び始める前に、リオは畑を振り返った。
さっきまで散らかっていた畑の端が、きれいになっている。
ほんの少しの仕事。
でも、自分たちがやったことが残っている。
リオはそれが嬉しかった。
「リオ、早く!」
トーマが呼ぶ。
「今行く!」
リオは走った。
畑には父と兄が残っている。
広場には友達がいる。
家には母と妹が待っている。
いつもの村の生活。
その中で、リオは少しずつできることを増やしていた。




