表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学パン!!  作者: ビビディ
21/30

将武その20「葵 千代子の進む道」



……




沈んでいく。

それだけは、なんとなくわかった。


身体がゆっくりと沈んでいく、夢。



嫌な夢なんて、久しぶり。


『……子。』


水を張ったプールの中で、学校のチャイムを聞いた時のように反響する、誰かの声。


いや…音だろうか?



『……代子。』


私を、呼んでいる……?


誰…?お兄ちゃん……かな。会いたいな、もう、何日会っていないのかな。


いや、違う……お兄ちゃんはこんなオジサンみたいな声じゃ…


「千代子。」


ハッキリと呼ばれ、水の中に沈んでいたような感覚は消えていく。千代子は目を開き、自分が草むらの上に立っていることを確認した。いつも通り、竹康としての長ランを着ている。声のした方向は、自分の前方から。


「こっちだ、はよう(おもて)をあげよ。」


この言い回しには覚えがある。しかし、目の前の人物がこれまで自分を助けてくれた、あのトランクスだとは思えなかった。黒の瞳には、青年のような精悍さを遺した、背中を曲げずに凛と立つ初老の男。


「…あなた…誰?」


「はっはっは!教科書で見る肖像画よりも鼻筋が通っておるからわからぬか、千代子?余は家康ぞ、もっとも、この身でお主の夢に出たのは初めてだがな?」


「い、家康さん!?ねぇ…ここ、どこなの?私、どうなったの?」


「端的に言おう、お主は織田に負けた。……此処は、お主の心の深層。千代子、お主は今、深い眠りにある。そこへ、余が介入したのだ。」


「……よく、わかんない。」


「わからんだろうな。噛み砕いて言えば、お主と、余の心の奥深く…それがこの場所ということだ。」


そう笑って、自分が家康であることを明かす黒い直垂(ひたたれ)姿の男は千代子を見下ろし、改めて真剣な眼差しを向けた。


対象的に、千代子の表情は弱々しいもの。


「……家康さん、私…負けた。」


「うむ、そうだな。」


家康は、否定せず頷いた。


「早雲のこと…酷いこと言って、傷付けた。」


「うむ。知らなかったとはいえ、お主は彼奴を傷付けてしまった。」


「……」


俯く千代子に、暖かく家康は笑った。

栗色の髪を、彼は大きな手で撫でる。感触がないのは、彼がもうこの世のものではないからか、それとも夢の為か。

それでも、千代子にとってはその笑顔が、手が、暖かく感じた。堪えていた涙が…ぽたりと若草に落ちる。


不思議だ。此処は爽やかな風が吹く。東乱楠の町のように…だが、この風には匂いがある。

何かが燃えているような…家康の顔を見上げようとする千代子には、見えた。


(いくさ)……(つわもの)たちが伏して、誰ともわからぬ刀が地に刺さっている。


戦国時代……家康の、心の風景だ。


「怖いか、千代子。怖いだろうな…余にもわかるぞ。今後、誰かを傷付けてしまうかもしれない…その恐怖心は、余も幾度となく味わってきた。傷付き、傷付けられ、それでもなお大切なモノを守らなくてはならぬ葛藤。」


「家康さんも?」


「……人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。

堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。

勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。

おのれを責めて人をせむるな。

及ばざるは過ぎたるよりまされり。」


「家康さん………」



「千代子よ、お主のアゲパンは未だ不完全…心の有様によって、将武とは使い手の限界を決めてしまうのだ…それは心の枷となって、使い手を苦しめる。……ついてこい、千代子。そして教科書ではない、その目で、心で知って欲しい。余が…徳川 家康が、大切なモノを守る為…歩んで来た道を。」


徳川 家康は、千代子と共に歩き始める。


己の一生を、振り返りながら。


その人生は、教科書で漠然と読むよりも過酷で、苦難と言える事をこれでもかとその身に受け続けたものだった。


実母と生き別れ、祖父、父を殺められて…人質として生きた。

そんな、周りの人を信じたくても信じられない幼少期。


人質から解放されたかと思えば、今度は一向一揆。苦難は続き、それでも家康は耐え、偲び…やがて三河を統一し、大名となって――。


三方ヶ原の戦いでは、更に辛酸と屈辱を味わい、情けない姿を家臣たちに見せ、それでも武士としての意地を心に持ち、立ち向かった。


子の死を受け入れなくてはならなかった時もある。


長年に渡って共に戦った者の死。




耐えて、耐えて…生きて、生きて……



果ても途方もない苦難を乗り越え、そして天下をとった徳川 家康の、波乱の人生。



「簡単に物事が上手くいった時などなかった。果てしなく辛い道の中で、乗り越えられたのは…余の生命にも代え難い、かけがえのない家臣…仲間達が居ったからだ。」


人質として生きた頃から、自分を慕い、自分に夢を預けてくれた家臣たち。

家康にとっての大切なモノとは、天下を共に夢見て、付き従い…同じ泰平の夢を見た仲間達なのだ。


「織田 忠光は、お主にとって大切なモノを気付かせる大きなきっかけであった。だが…今の彼奴は孤独な鬼よ。大切なモノに守られているが、傷付けることを恐れ、突き放し…やがてそれが自らが築いた織田軍を苦しめてしまっている。」


「織田の……大切なモノ…」



早雲の大切なモノを理解し、そして…自分にきっかけをくれた忠光。彼の大切なモノとは……?

考える前に、家康は千代子へ問いかけた。



「千代子よ、お主の大切なモノとはなんだ?」


「……!」



千代子は目を閉じる。瞼の裏に思い浮かぶのは…この短い期間だが、自分を支えてくれた人達。


漠然としてなどいない。この東乱楠高校で、兄としてだけれど、自分と一緒に、今も戦ってくれている人達が、心に浮かんだ。

自分を支えてくれる、大切な人達だ。



カッちゃん……バラさん…虎徹……早雲。


桔梗ちゃん……お父さん、お母さん。


宇佐見、樺地……コムギ…そして…お兄ちゃん、家康さん。



千代子は目を開き、家康を改めて、見つめる。真っ直ぐ…強い意志を持った青の瞳だ。


「わかっておるのだな…千代子。口で言わずともわかるぞ、その瞳…武士(もののふ)の、強き瞳だ。」


「家康さん、私は…私を支えてくれる仲間を守りたい。お兄ちゃんの築き上げたものも、今も私を助けてくれる人達も…全部まとめて、守りたい!!」



「ならば千代子よ、いま一度お主に問おう――。」



気づけば、そこは黄金の東照が煌めく城の中。


家康は上座に座り、千代子に問う。




下座に静かに座して答えを聞くのは…徳川 家康が信頼する武士(もののふ)たち…!!



本多 忠勝…酒井 忠次…!


井伊 直政……榊原 康政……!!


彼らこそ、徳川四天王…!!

大切なモノを守るという確固たる意志を胸に秘め、共に戦場を駆けた英傑たちは、決意を固めた新たなる若き戦士に問う。



「お主は、どのような道を往く?」



「私は…」



真っ直ぐ彼らを見据える千代子の顔。


もう恐れ、迷うことなど何も無い――。



「私は、大切なモノを守る為に戦う!!お兄ちゃんとしてじゃない…葵 千代子として、全てをかけて、戦い抜く…!誰かに頼まれた訳じゃない、私が自分で決めた道を…まっすぐ進む!!」




景色は黄金に染まっていく。強すぎる光じゃない、黄昏の夕陽のような…爽やかな風と共に照らす暖かな黄金と共に、彼女は夢から醒めた。






「葵…先輩?目が覚めたんだね…よかった!」


「桔梗……ちゃん?」


目が覚めてすぐに飛び込んできたのは、保健室の天井と意外な人物。桔梗だった。


「千代子から私の名前、聞いてたんだ…えっと、お兄さんの…竹康、さん…だっけ?」


「あ、あぁ……っ、ぐ…!」


「…!まだ、痛む?」


「いや、平気……だよ。…なんで、君がここに?……っ!早雲は!?」


心配そうに見つめる桔梗に、千代子はそう尋ねた。


千代子が意識を失ってからだった。彼女が忠光と、自分たちの間に入って止めたのだ。


「酒井先輩は、バイクを取りに行ったよ。葵先輩を運ぶのに無我夢中で、先輩を抱えて、保健室まで走ったの。」


「バイク……そうか…二人とも怪我はしてないか?」



親友に正体を隠し、竹康としての口調で話すのは違和感がある。桔梗は、平気だよと安心させると共に、"葵 竹康"へ…こう願った。


「おねがい、葵先輩……忠光のこと…助けてあげて。」


「織田を……?」


「……忠光、本当は優しいんだよ。なのに…あの時、私を助けようとして…あの事件が起きて…変わっちゃった。」


事件……それは東乱楠旧校舎の火災事件の事だ。


織田 忠光は、将武パンツの暴走により校舎を焼き、少年院へと送られた。


暴走の原因は、生徒との喧嘩中と言われていたが…真実を知る人物が居る。


桔梗は…過去と、真実を打ち明けるためにぽつりぽつりと、話し始めた。





…過去。


なんでも出来て、いつも強い忠光は私の憧れだった。



桔梗の父である柑吉、現在の校長である彼の友人が旅行中の事故で亡くなり、その息子である忠光は柑吉の親戚に引き取られた。まだ桔梗が小学生の時だ。

腕っ節が強く、喧嘩をする以外は非の打ち所のない、文武両道の優秀な子供だったという。


桔梗はひとつ歳上の忠光に、よく懐いた。忠光自身、不器用で寡黙ではあったが、自分を慕う彼女に悪い感情は抱いていなかった。


遊び相手にもなったし、勉強だって教えてくれた。

忠光なりに考えた、柑吉への恩返しなのだろう。それでも桔梗は嬉しかった。


「忠光は…私にとってのヒーローだった。意地の悪い子に虐められた時は守ってくれたし…血は繋がってないけど、ずっと欲しかったお兄ちゃんって、こんな感じなのかなって…思ってた。いつもいつも…守ってくれた…喧嘩で誰かを殴る時もあったけど…いつだって、誰かを守るために拳を握ってた。そんな忠光の事、大好きだった。今だって、そう思ってる。」



勉強も出来て、スポーツはいつもトップで…


喧嘩も強くて、格好良くて…


不器用だけれど、とても優しいことを知っている。


大切な人……


桔梗はいつだって、忠光のように強くなろうとした。喧嘩は無理だったけれど、自分に出来る限りのことで、忠光の隣に立てるように努力した。


それでも上手くいかない時、忠光はこう言ってくれる。


「本気、出し切ってるのか?お前ならまだ行けるだろ。」


厳しいけれど、忠光の温かさは知っている。表情に出さなくても、愚痴を言っていても、最後まで教えてくれる彼の優しさには気付いていたから。


けれど、そんな忠光でも…ある言葉を聞くと途端にやる気をなくして、続けていたことを辞めてしまった。



"なんでも出来るお前と一緒にするなよ。"


"喧嘩なんかする不良のくせに。"


"張り合うだけ無駄だよ。"


はじめは、嫉妬からだと思う。嫌味、罵倒……なんでも出来る忠光を慕っていた周りの目は、いつしか彼を疎み、嫌うようになっていた。


そして、必ず言葉の最後には…その道一本で努力してきた人でも負かしてしまう忠光に対し、こう吐き捨てられる。


"化け物。"


忠光はそれを聞くと、どれほど熱中していても、すぐに火が消えたように辞めてしまう。それは諦めと、呆れ。


辞めては、熱中し…誰よりも上達しては、成績を残して……それでも感謝や尊敬など無く、疎まれるだけ。そして、また罵倒を聞き…辞める。


桔梗は、そんな忠光を独りにしたくなかったし、誰よりも尊敬してきた。不器用ながらも真っ直ぐな彼の優しさを知っていたから、忠光がやることはなんでも真似して、同じ部活に入ったり、勉強にも励んだ。しかし……



「桔梗、もうオレにはついてくるな。」



それは、拒絶の言葉。

次第に彼は、喧嘩をする事の方が多くなっていた。桔梗を突き放し、ヤンキーの世界へと身を投じる。

やがて名を上げて、織田軍総長として、大きなヤンキー集団の頭目となった時だ……


事件は、桔梗の身さえも危険に晒した。


当時、東乱楠高校は男女別々ではなく、中等部、高等部で階だけを分けられていた。


事件の渦中に居たのは、桔梗、忠光…そして、忠光を様々な理由で疎み、恨んでいた生徒達だった。一般生徒も中に居たのもあとから知った。


忠光と仲が良く、一緒に居た故だろうか。彼らは桔梗を使い、忠光へ復讐を企てたのだ。


忠光が居たせいで、運動部のレギュラーを横取りされた者や、努力し続けていた自分を軽々と越された忠光に恨みを持った者。

喧嘩で返り討ちにされた私怨。


"本気、出し切ってるか?まだまだだろ。"


自分に対して歯牙を向けた者へ向けた、忠光の不器用な優しさを含んだ言葉。それは、万人には理解されることは無かった。


「散々舐めやがって、この化け物。」


彼らは、桔梗を人質に忠光へ復讐を企てたのだ。


今まで織田軍として、東乱楠の生徒を守ってきたのに……その生徒たちから受けたのは、理不尽極まりないものだった。


気が済むまで殴られていれば、桔梗には手出しはされない。忠光は復讐を甘んじて受けていた。殴られ、蹴られ、それら全てを、桔梗が傷付けられないのならばと受け続けた。


しかし、彼らの行動はエスカレートして、桔梗にさえも、暴力を振るおうとし始めた。はじめはただの脅し。それでも、忠光には充分動揺が見られ、味をしめた生徒たちは、桔梗を何度も恐怖させた。


しかし…桔梗はそんな彼らを強く罵った。


「なにも理解しないで……ッ、忠光に近付こうとせずに努力を辞めたあんた達になんでこんなことされなくちゃいけないの!?忠光のことを怖がって、強くなることを諦めて卑怯な真似しかしないあんた達のほうが、よっぽど"不良"よ!!」


自分の言葉が、思いが、少しでも大切な彼にとっての救いになると信じて。

しかし…理不尽は二人と、今後の織田軍に悲劇をもたらした。

激昂した生徒のひとりが、桔梗を殴り倒したのだ。机に頭を打ち、桔梗の額からは血が伝う。



それが、引き金だった。



「ッテメェ…ら…あ゛、ぁぁああ…ッッ!!!!ああああアアッ!!!!!!!!!」


それは、絶叫。


慟哭、憤怒、憎悪…咆哮を腹の底から絞り出した忠光は、生徒たちを次々に殴り倒し、暴れた。



将武を持たない一般生徒へ、将気を乗せた一撃を放ち、容易く腕や足を折り…


気を失うまで馬乗りになって顔を殴り続け…


泣きながら許しを乞う者を髪を掴んで引きずり倒し、踏みつけ、蹴り飛ばし、鼻を砕いて、歯を踏み折った。


桔梗は何度も忠光のことを呼んだ。

凶行を目の前で繰り広げる忠光を案じて、何度も…忠光の名を叫び続けた。

そうでもしなければ、自分の知る忠光が……いなくなってしまいそうだったから。


やがて、独りも立っているものが居なくなった時…教師たちが騒ぎを聞き駆けつけた時だ。


忠光の身体が、腰から燃え始めた。


将武の暴走により、炎が身体を焼いた。

呆然としながら教室で自身を焼かれながら桔梗を見つめる忠光の表情が、今でも忘れられない。


「……桔梗。ごめんな。」


意識が焼き切れそうな心の痛みと、身体を焼く炎に包まれながら、忠光は泣いていた。



…これが、織田 忠光の…旧校舎炎上事件の真相。その炎は旧校舎を半焼させ、表向きはヤンキーの煙草の吸殻による火災と発表されたが、上級生達は今でも、その事件の真相を知っている。


忠光は治療を受けた後、すぐに少年院に入れられ…その精神状態から罪は軽く済み、一年と三ヶ月、少年院の収容期間を過ごした。


そして出所し……今に至る。


千代子は息を呑んだ。夢の中で聞いた、家康の言葉を思い出す。


織田 忠光の大切なモノ……それがまさか、織田軍だけではなく、自分の親友だったなんて……



「忠光は、今でも苦しんでるよ…だって、私が河原で忠光を止めた時、凄く辛そうな目をしていたの…学校休んで、旧校舎で会った時も…!私…そんな忠光のこと、見ていられなくて…っ、私のこと、突き放していたのだってどうしてなのか…本当はわかってた…!!」


"もうオレについてくるな。"


そんな言葉が、いつまでも胸に突き刺さって……あの日、初めて見た忠光の泣き顔が心の奥深くに残ってしまって…


桔梗の握りしめた手の甲に、ぽたぽたと、涙が零れた。


「自分と一緒にいて、私がいつか、危ない目に合わないようにって…けど……それでも…!ついてくるなって言われても…私は忠光を独りになんかしたくなかった…っ!!独りぼっちで、周りから疎まれたり、怖がられながら毎日毎日過ごすなんて…そんなこと、耐えられるわけないもん…私、忠光が…大好きだから…また家族みたいに…一緒にいたいから…!!」



大切な人が、自分を守るために辛い思いをする。

そんなこと、耐えられるわけがない…桔梗は涙を流しながら、千代子へ過去を……思いを話し終えると、しゃくりあげながら泣いた。


「桔梗ちゃん……」



親友のこんな姿は、初めて見た。いつも明るくて、自分に笑顔を向けてきた彼女の辛い過去……


全てを知った千代子は、固く決意を固めて…桔梗のきつく握られた拳を力強く包んだ。


「……桔梗ちゃん、約束する。オレが絶対に、織田を助けてみせる。だから、信じて欲しい。オレは、この東乱楠高校の…ヒーローになる男だからな。」


「……ありがとう、葵先輩…不思議。双子だからかな…?千代子と話してるみたい。とても…とても安心するよ。」


その言葉を聞き、千代子は桔梗へ力強く笑みを向けた。


大切なモノを守り抜くと決めた千代子の勇ましい表情は、桔梗の悲しみに濡れた心を優しく包んだ。



「……」


その言葉を、廊下で聞いていた者がひとり。


千代子の意志を確かに聞いた早雲は、その場に立ち尽くしていた。


行かなくては……迷っている暇はない。


あの男の言葉も、気になるから……





数分前……



降り荒れる雨の中、倒れ伏したヤンキー達の中心に立ち尽くしていたのは、鬼の角を模した額当てを付けた月白色の髪の人物であった。


雨に打たれ、マスクの黒は深くなっていく。



「……さて。」


たった一人で、葵ヤンキーズ…そして、織田軍の傘下であるヤンキー達を倒したこの男……


私塾・奮導學院…鎮西八陣将の一人、如水。


彼の視線は、泣き咽ぶ雨空(あまぞら)から、ある物へと向かう。


雨露を避けて置かれた、落書きまみれのバイク…


見つめる彼の身体は、バイクと共に霧に消えた。


……


「えっ……?」


東乱楠高校、校門に辿り着いた早雲は、不思議そうにバイクと、傍らに立っていた人物を交互に見ていた。


「やぁ、こんにちは……酒井 早雲。」


「あ、ど、どうも……それ、オレのバイク…届けてくれたのか?」


鬼の額当てを付け、和服を着た異様な出で立ちの如水。早雲はおずおずと会釈をして、バイクを届けてくれた彼に礼を言った。

如水は、にこりと微笑んで早雲へと向き直る。



「礼には及ばないよ。君には、ここで止まってしまっていては困るのでね。」


「どういう意味だよ……あんた、いったい…」


「松永 八雲……彼との戦いに、キミが求める答えがある。酒井 早雲……これは、君にとって重大な試練だ―――。」


周囲が濃霧に包まれ、やがて霧が晴れる。


目の前には獲飛巣喰だけ。突然現れ、相棒を届けてくれた人物は…どこにも居なくなっていた。



早雲は、そんな数分前の出来事を思い出すと…自分の手のひらを見つめた。


「オレが求める答え……か。」


彼の求める答え、それは松永 八雲との戦いに在る。

廊下の窓から見上げた空は、また荒れそうだ。





その頃、東乱楠旧校舎から高校へ戻ろうと歩く榊原たち。


夜一郎から与えられた攻撃で全身が痛むはずなのに、普段通りに振る舞う榊原は血まみれの白ランを見てため息をついた。


「ハァー……これアンちゃん先生のとこ行かないとねぇ…フルコースかしら。イイコちゃん、アンタも行くわよ。あの夜一郎に一発貰ってるんだから、念の為診てもらいなさいよ。」


その言葉を聞いた虎徹は、一気に血相を変えて挙動不審になった。その顔からは凄まじい冷や汗が流れ落ちる。


「えっ!?あっ、ボ、ボクゥ!?いいよ別に!!こんなの痛くもなんともないから!!」


両手をブンブンと振りながら、虎徹はあからさまに動揺する。

そんな虎徹に対して、三人はあくまで善意で力強く言葉をかけた。


「強がんなよ、井伊っ!」


「そうだぜ井伊!後になって具合悪くなって大事になるよりかは…なぁバラさん!」


「そうよイイコちゃん。まさか怖いんじゃないでしょうねぇ?」


「ばばばばばば…ばっかじゃないの先輩たち、ここ、この僕がこの程度で音を上げると、お、おもっ思ってるのかい?」


「すっげぇ汗だぜ、あんな至近距離で裏拳食らったからか…?」


宇佐見が心配そうに覗き込むが、物凄い(ども)り様で、虎徹は続ける。


「近距離も遠距離もないから!!こここ、この程度、僕にかかればタダの掠り傷だから!!直江先生に頼むほどでもないし!ホントだよ!?ほら見てよっ、へいき、へっちゃらッ!!」


「あたっ!!」


ガトリングの如き命乞いの大バーゲンを繰り広げる虎徹が拳を握って両手を上げてアピールをすると、右手に殴った感触。


「あっ、ごめん…って、あれ?ウチの生徒?」


「どこ見て歩いてんだてめぇこらぁ!ケガねぇかァ!?」


「ひっ……!ご、ごめんなさいっ!?」


尻餅をついて、顎を擦っている所を心配した宇佐見に詰め寄られて萎縮する男子生徒。ミサンガを手首に着けた彼は、ずれた眼鏡の位置を直すと、はっとして見開いた目を虎徹達に向けた。


「き、君たち…葵ヤンキーズだよね!?」


「そうだけど…君は、えっと…確か…」


「あ、アンタ知ってるわ!忠勝の友達の土御門くんよね?」



首を傾げた虎徹に詰め寄ったのは、土御門 明良。忠勝のクラスメイトだ。


「いっ、いますぐ学校に戻って!探してたんだよ!織田軍の蜂須賀くんが三河くんと喧嘩になって…理科室も爆発したりで…!とにかく大変なんだ!!」


「なんだって!?織田軍の連中なんてことしやがる!!」


「それだけじゃないんだ…っ、葵くんが…」


「……!!タケちゃんがどうしたの!?」


明良の肩を掴み、詰め寄る榊原の額に冷や汗が伝う。本当にタイマンを申し込んだのか…千代子の安否を早く教えろと、明良を揺さぶった。



「…酒井くんを助けようとして…織田 忠光にやられて…保健室に…!!」


「そんな…!って、イイコちゃん!?」


真っ先に東乱楠高校へ走ったのは、虎徹だった。スポーツだって努力したのだ、多少は自信がある。


「タケ兄ぃ……!」


早く行くから…

どうか無事でいて欲しい。


保健室なら、直江がいる。だから安心だろう。

けれど……それでも、早く顔を見て安心したい。


だから早く……もっと早く走れ、僕の足…!


ああ、はやく……はやく、はやく…!



「無事でいてくれ……タケ兄ぃ…っ!」


「そう思ってるの、アンタだけじゃあないわよ。」


「……!」


榊原だ。彼は痣だらけの顔で、頼もしく笑いながら虎徹の隣を走っている。


「水くせぇぞ井伊っ!オレらだって葵ヤンキーズだっつーの!」


「タケの兄貴を大事に思ってるのはおめぇだけじゃねぇんだぜ!」


宇佐見と、樺地も虎徹を見下ろしながら親指を立ててニカッと笑う。


自分と並んで、同じ思いを胸に走ってくれる三人を見て、虎徹はフッと口角を緩めた。


今までの自分には、無いものを実感する。


自分を真っ直ぐ仲間と認めてくれる存在がいる。

それだけで、自分は充分強く在ることができる…そんな気がした。




一人、残された明良は、走って次第に小さくなっていく虎徹達を見届けると眼鏡を外し、静かに立ち上がった。


ぱしゃん。


滑らせるように指先から落とした眼鏡は水風船を落としたように飛沫を上げて、形を無くし、地面に染み込んで消えてしまった。


「……こちらは上手くいったようですね…旦那様の読み通りに…彼らはこのまま、葵 千代子の元へ向かうでしょう…」



ぱしゃり、ぴちゃん。


しとり。



『式。』


明良の姿は水に溶ける絵の具のように揺らめいて、少女…式の姿へと"戻り"、旧校舎の校庭で仰向けに倒れている夜一郎を見遣ると共に脳に響いたのは彼女が"旦那様"と呼ぶ彼の声だった。



「旦那様、こちらは問題なく事を運べました。」


『よし…私はこのまま、金糸湾へと向かう。お前はそのまま帰るんだ。なにせ、門限が近いからな…うまくやるんだぞ。』


「はっ。」


短い会話。


御意の返答と共に、式は水の足跡を残してその場から姿を消した。



その頃、東乱楠高校。



新聞部室での戦いが終息し、忠勝は部室に開いた大きな穴から、永吉達を見下ろしていた。


蜂須賀は永吉の一撃で気を失っており、ピクリとも動かない。


永吉もまた、背を向けたまま空を見上げているだけだった。


「三河センパーイッ!無事ですか!?」


「お前ら…!避難したんじゃないのか?」


忠勝に駆け寄ってきた朝日と、部長。

ここまで走ってきたのだろう。ぜえぜえと息を切らしていた。


「やっぱり先輩のこと、すごく心配で…戻ってきたんです!私たちにもできることないかと思って…」


「う、うわぁ…部室が滅茶苦茶に!」


「そんなの後でいいですよ部長!!ひどい怪我…私たちのために…ごめんなさい。早く保健室行きましょう!」


忠勝の怪我よりも部室の惨状に目を向けた部長を窘めながら、朝日は忠勝の怪我を見て保健室に連れていこうと引っ張る。

だが、忠勝は朝日の手に、自分の手を重ねた。


「せ、せんぱい?」


「まだ、保健室には行けない。オレにも出来ることがあるかもしれないからな。葵ヤンキーズのみんなが頑張ってるんだ、オレも…なにか出来ないか探してみる。」


「けど……」


「代わりにさ、もし機会があったら…とびっきり最高の記事を書いてくれねぇか。その時になったら、頼らせてもらうから。」


そう言って、忠勝は校庭へと急ぐ。

行先は、永吉たちの方向だ。


辿り着いて、すぐさま息を呑む。背を向けているのに、鬼に睨まれているような気がした。


口の中が乾き、声を出すのに時間がかかる。


「なんで逃げなかったんだよ、三河。」


声をかけようとして、永吉に遮られた。

忠勝はその言葉に対して、絞り出すように返答する。


「……逃げたくなかったからだ。馬鹿にされたまま引き下がりたくなかった。」


「……そうかよ。」


永吉は蜂須賀の腕を掴みあげ、忠勝に向けて放り投げると忠勝は慌てて受け止めた。


「さっさとこの馬鹿を保健室に連れてけ。オレはやることがある。」


「やること?」


「カタギのテメェには関係ねぇよ。」


「……違うぜ、森。オレは葵ヤンキーズの三河 忠勝だ。…教えてくれるか、どうしたらお前みたいに、強くなれる?将武があれば、オレも…」


「やめとけ。お前じゃ無理だ。」


永吉は声色を低くさせて、背を向けながら忠勝へ言葉をかける。


「将武なんかに興味を持つな。テメェが思うような、ヒーローごっこの玩具のように上等なもんじゃあない。」



立ち去る永吉。認めたくない、厳しい言葉だったが、忠勝には、彼の背中が…なんとなくだが、物悲しそうに見えた。



「……お前なら、こういう時なんて言うかな……タケ。」




答えは、返ってこない。




漸く学校へ辿り着いた榊原達。先走る樺地を止めたのは、宇佐見だった。


「タケの兄貴…!ご無事でいてくれ…!」


「っとと、ちょい待て、樺地!…バラさん、あれ酒井さんのバイク…だよな?」


獲飛巣喰……早雲のバイクは、落書きで汚され酷い有様である。轢ッ殺し、とカラースプレーで落書きされたそれを見た宇佐見は、自分の袖でガシガシと拭ってみたが、落ちる気配がない…


「クソ、ひっでぇ…誰がこんなこと…!!」


「このバイクがあるってことはよ、酒井さん学校にいるんだよな…土御門ってセンパイが言ってたのがホントなら、タケの兄貴も一緒にいるんじゃ!」


宇佐見と樺地が、榊原と虎徹にそう言葉を掛ける。榊原は獲飛巣喰を見つめ、そして三人に指示をした。


「先に行っててちょうだい。アタシにまかせて。」


「お、おう……行こうぜ、井伊。」


「わかってるよ。…タケ兄ぃ、大丈夫だよね……」


三人が保健室へ向かうのを見届けると、榊原は獲飛巣喰に向き直る。そして彼は、ズボンのポケットからハンカチを取り出した。



ビンッ!!



「もうひと仕事するわよ、康政。」



虎徹達が廊下を歩いていると、早雲が歩いてきた。宇佐見が気遣うように、声を掛ける。


「…!酒井さん……」


早雲の表情は、明るいものでは無い。思い詰めたその顔は、彼には似合わないものだ。

苦笑しながら、早雲は三人へ挨拶を返した。


「……よぉ、お前ら。タケさんは無事だぜ…アントニーナ先生が治療してくれた。」


「そうか…よかった…」


「…じゃ、オレは行くからよ。」


そう言って歩みを進める早雲の背に、虎徹が言葉を突き刺す。自然と、虎徹の発した声は低くなった。


「……タケ兄ぃを、裏切る気はないよね?酒井先輩。」


「…自分との決着をつけに行くだけだ。」


早雲はキャップに手を掛け、深く被る。かけたサングラス越しに細められた瞳。彼の表情は険しいものだった。


虎徹は、更に言葉を続けた。竹康を裏切ることだけは、決して許さない。許さないと決めたら、彼はとことんやる男だ。


「答えになってない。…もしそうだとしたら、僕は許さないからね。」


「よしなさい、イイコちゃん。」


「…榊原先輩。」


二人の会話に割って入ったのは、榊原だ。

早雲は、傷や痣だらけの榊原の全身を見て、息を呑んだ。

だが榊原は普段と変わらない様子で、心配そうに自分を見る早雲の肩をポンと叩き、彼を真っ直ぐ見つめる。



「まだ、自分でも分からないんでしょ?酒井。だったらアンタらしく突っ走って、その先にある答えを見出してきなさい。アンタは走ってる方が冴えてるんだから。」


そう言って、榊原は早雲達を獲飛巣喰が置いてあった場所へと連れていく。そこには落書きされたバイクなど無く…ピカピカに磨かれた獲飛巣喰がそこにあった。


「バラさん…これ…!」


早雲は榊原の方へと顔を向ける。彼が一人で、あれほどの落書きを全て消したというのか。榊原の表情は達成感に満ちたものだった。


「決着つけるのに必要なんでしょ?なのに汚れたままじゃみっともないわ。」


「で、でもどうやって…!?」


ピカピカに拭われた車体には、落書きをされた跡すら分からない。虎徹の言葉に対し、榊原は笑顔から一転、子供が力任せに塗りつぶしたクレヨンのように先端が潰れた鼓帝架を擦りながらため息をつく。


「ひっどい汚れだったのよ。アタシの将武が磨り減っちゃったじゃない。もう汚されないようにしなさいよね?」


「ク、クイックル鼓帝架…」


いつぞやの掃除を思い出した虎徹。絵面は最低だと、彼は苦笑する。

早雲はキャップを被り直し…ぎこち無いが、嬉しそうに笑うと榊原へ礼を告げ、獲飛巣喰に跨った。


「行って、そしてケジメつけてらっしゃい…酒井!」


「……っ、ありがとよ、バラさん!いってくる…!」


エンジンをかけ、再び降り出した雨の中を行く。


答えを探しに、早雲は決着の地へと走り出した。




早雲を見届けた榊原達は、保健室へと戻る。

すると……


「三河先輩!無事でよかった。…!そいつ、蜂須賀!?」


忠勝は、将武以外何も纏っていない蜂須賀を抱えていた。虎徹達を見て、忠勝もほっとした様子で話しかける。


「ああ、こっちはなんとかな…とは言っても、オレじゃ手も足も出せなかったけどよ。森が来てくれなければ、きっとオレは今頃…」


「森……そう、あの子が…」


「すまねぇ、オレに力が無いばかりに…」


俯く忠勝に対して、宇佐見はバシッと忠勝の背を叩く。


「ンな事ねぇよセンパイ!兄貴の為を思って、戦ってくれたんじゃねぇか!そんな怪我までして…!!」


樺地もまた、忠勝を励ますためにニカッと笑って、うんうんと頷いた。


「土御門ってセンパイから聞いたぜ、織田軍の幹部とタイマン張るなんてよぉ…」


暖かい言葉だった。忠勝は照れくさそうに頬を指先でかきつつ、榊原に現状の確認をする。


「榊原先輩もひでぇ怪我だ…それで保健室に来たんだな。」


「いえ、アタシは二の次。タケちゃんが織田と戦って…保健室に運ばれ…あ、ちょっと!」



その言葉を最後まで聞かず、忠勝は蜂須賀を抱えたまま保健室のドアを開けた。

千代子が怪我を…!?冷や汗をかきながらベッドの方向を見る。そこには千代子の親友、桔梗と…千代子がいた。


「タケッ!!大丈夫か!?」


「…!忠勝…それに皆、心配をかけたな…すまねぇ。」


「「た、タケの兄貴ぃ゛〜〜っ!!」」


千代子は笑みを向け、忠勝達に心配をかけたことを謝る。宇佐見と樺地は泣き崩れながらベッドへと走る。安堵の涙で顔を濡らす二人をどうどうと宥める千代子を見て、榊原は不思議そうに目を丸くした。


不思議だ…敗北を経験したと言うのに、どこか垢抜けたような…彼女の中でなにか変化があったのか、と考える。


「タケ兄ぃ、体の方は?」


「ああ、もう大丈夫だ。虎徹も、来てくれてありがとうな。忠勝…それにバラさん、その怪我は…」


「平気よ、アンちゃん先生にちゃんと治してもらうから。」


「うげ…ありがたいんだけどな…」


口角を引き攣らせて苦笑する忠勝。

これほどの怪我だ、おそらく卍装甲(バンソウコウ)どころで済むとは言い難い。腹を括るか…と、忠勝はため息をついた。


「じゃあ、あとは酒井先輩が戻ってくるのを待つだけだね。」


「早雲…バイクを取りに行ったんだよな。それにしては遅いな…」


「酒井は決着をつけに行ったわよ。あと、バイクのことなら、心配しないで。アタシがなんとかしたわ。」


桔梗は千代子にそう声を掛けて、榊原がそれに対し早雲の行方を告げた。

千代子は、そうかと呟いて目を閉じる。ほんの少しの間の末に、彼女はニッと笑って毛布をとり、ベッドから出た。


「あ、兄貴っ、まだ寝てねぇと!」


樺地は千代子を気遣って、労りの言葉を掛けたが千代子は長ランを羽織り直し、凛とした様子で声をあげる。


「宇佐見、樺地っ!!」


「「ハ、ハイッ!!」」


ピシィ、と姿勢を正す二人。こうして改まって名を呼ばれるのも、久しぶりに感じる。


「他の葵ヤンキーズたちはすぐに集められそうか?」


「勿論だぜ、兄貴の頼みなら、なるべく多く集めてみせます!!」


「織田と正面衝突するんですね、オレたちに任せて、兄貴は休んでてくだせぇ!!」


そう意気込む宇佐見と樺地に対し、千代子は首を横に振った。

懐かしいな、家康さんと出会う前のあの頃を。


覚悟を決めたのだ。


座ったまま人任せなどするものか。




「イヤ、オレが織田と戦う。お前たちは今すぐに…ウチのパン屋に行って全部買い占めてこい。」


「「……へっ?」」



「アオヤンベーカリー…復活だ!!」



葵 千代子、復活!!





次回も尋常に…将武!!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ