将武その11「龍虎襲来!!」
「戻ってこい、酒井。」
鈍色の空の下で、森 永吉は酒井 早雲へ…そう言葉を掛けた。
永吉の言う通りに、織田軍へ戻ること。
それは…"轢ッ殺しの酒井"と恐れられていた日々へと戻ること。
「永吉、それは"あの事"を…あの時のオレの気持ちを知ってて、言ってるのか?」
「知っているさ。そしてそれを知ってなお、カシラはお前を呼んでいる。」
轢ッ殺しの酒井。
織田軍にいた頃、早雲はそう呼ばれていた。
喧嘩においての、容赦のなさ。
他者を決して寄せ付けず…そして追い抜かせず、ひたすら走るその姿。
爆走し、そして疾走し、暴走する将武使い。
それが、かつての早雲だ。
拭いきれぬ後悔が…彼の言う"あの頃"と、共にある。
そしてそれを知って、それでもなお織田軍は彼を呼び戻すのだ。
早雲の表情は、キャップに隠れてはいたが…今日の空のように暗く、曇った。
一方、視聴覚室隣の空き教室。
3年の溜まり場である教室にいたヤンキー達は、榊原の指示によって場所を変えさせ、簡易だが控え室を確保した。
しかし…やはりヤンキーの溜まり場であった教室は散らかり放題の荒れ放題…アイドルの控え室として使うために、忠勝と虎徹、そして榊原の三人で掃除を行うことにした。
千代子と鈴々は、校舎の案内中。控え室から近いトイレの場所等を教えるためである。
鈴々の所属事務所のマネージャーやプロデューサー、カメラマンたちが来るまでに掃除を済ませなくては…忠勝はホウキ担当、虎徹は汚れた床と、机を雑巾で拭いている。面倒くさそうに手を動かす虎徹がため息をついた。
「まったく…なんで僕までこんなことしなきゃいけないんだ…三年の教室なんだし、榊原先輩だけでやるべきでしょ…」
「そう言うなよ、虎徹。みんなでやったほうが早く済むだろ、ほら…同じところばっかり拭いてないで早く次の机やれって。まだ半分だぞ。って、あー…榊原先輩。オレ、隣からちりとり取ってきます。」
忠勝は教室の隅の埃をホウキで掃いていくが届かない所もある。そこは諦めるか…と一度ちりとりを持ってきたが…なんてことだろう。ヤンキーの教室を甘く見ていた。ちりとりが凹んでいて使い物にならない。これでミット打ちかなにかでもしたのか…ホウキでちりとりの中に入れようとしても入らないのだ。
忠勝が教室を出た後も面倒くさそうに掃除をする虎徹を、榊原が叱咤する。
「ほらほらイイコちゃん、そんなんじゃ日が暮れちゃうじゃないの!もっと腰入れて!ワンツー!!ワンツー!!ほーらそっち!雑巾の角も使ってワンツー!!ワンツー!!」
虎徹の後ろでパンパンと手拍子をする榊原の声が二人だけの教室に響く。
虎徹は鬱陶しそうにため息をつき、榊原へゆっくりと振り返ろうとする……
「うるさいなぁ…こういうのは使用人に全部やらせてるんだよ。だいたい先輩たち3年のたまり場なんだから日頃から綺麗にしてればこうならないのに…榊原先輩も口じゃなくて手を動かし…………どこ動かしてるの榊原先輩ッ!?」
キュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュ!!!!!!!
凄まじいスピードで、床が摩擦され…艶を帯びる。そんな持ち手が紫色のモップ、ロッカーにあっただろうか?いや違う。これはモップではない。
振り向かなければよかった…と虎徹は後悔した。
否。どちらにせよ、遅かれ早かれ今の榊原は虎徹の視界に入っていただろう。
榊原の将武…鼓帝架、榊原 康政の先端で雑巾を固定し、見事な腰使いで床が美しさを取り戻していった。
「解体屋舐めるんじゃないわよ、この程度の汚れぜーんぶバラしてやるわ!!」
「うわっ、こっち来るな!!」
そのままの勢いで虎徹に接近する榊原。逃げる虎徹。追いかける榊原…!!
恐怖ッ!!追いかけるムラサキ於亀!!!
「榊原先輩、ちりとり持ってきたぜ…って、すげぇ、床が綺麗になってる。ワックスかけたみたいじゃないっすか。」
絵面は汚いけど。と内心苦笑しながら戻ってきた忠勝は榊原の将武を改めて見る。手には何とか使えるちりとりが握られていた。
「将武って、本当になんでも出来るんだな…」
自分は将武を持っていないが、もしも自分にあれば…千代子や彼等のように戦えるのだろうか。
忠勝のそんな心中を、榊原は悟ったのだろう。ぽん、と忠勝の肩に彼は手を置いた。
「将武の有り無しじゃないわ。大事なのは逃げないことよ。シマパンを追い返した時も…あんたは自分から、アタシの助太刀に来てくれたじゃないの。」
「榊原先輩…」
「ちゃーんと、あんたの気持ちはタケちゃんの助けになってるんだから…もっとシャンとしなさい、忠勝。」
頼もしく自分を支える榊原の言葉を忠勝は噛み締めた。
そうだ、将武がなくても…自分は千代子の助けになりたいのだ。
「ハイハイ、掃除再開するわよ!いーい?掃除にはね、起点と応用が必要なの。たとえばこのボロボロになったカーテン!!一見使えないと思ったら大間違い、こうしてアタシの将武に巻きつければ……ほぉらビックリ!!クイックル鼓帝架のできあがりよ!これで忠勝が諦めた部屋の隅のホコリも…!!」
「あ、あのー…結城 鈴々の控え室はこちらで合ってますか?」
「あ、はいこっちです!榊原先輩、早くそれしまって!!」
はやく何とかせねば。鈴々のマネージャー達が気まずそうにこちらを見ている!!
「待って!せめて先っちょ!!先っちょだけでいいからッ!!」
虎徹が後ろから引っ張り榊原を引き離そうとして……
「いいからそれも剥がしてください榊原先輩!!」
「いやぁーん!ケダモノー!!」
忠勝が榊原の将武からカーテンを無理矢理剥がそうとする。
あられもない悲鳴をあげる榊原…教室を間違えただろうか…と来訪者たちはドアをからり……と閉じ始める。それを虎徹が静止させた。
「待って、合ってますから!結城 鈴々さんの控え室ここですから!!」
「ほ、ほんとですか?よかった……」
カメラマンと、マネージャーが来た。榊原は将武を渋々収め、ファスナーをしめる。
気を取り直してマネージャーが名刺を忠勝に差し出した。
「この度はお世話になります。本当は今日ウチの鈴々は仕事がオフのはずだったのですが、急に東乱楠でライブをしたいと言ってきて…こちらも驚きでしたが、ぜひ学校のイメージアップも兼ねて、よろしくお願いしますね。このまま校長先生にもご挨拶と、プランを話しにいきます。あ、よければこれ、どうぞ。たくさんあるので…」
マネージャーが差し出した箱入りのスナック菓子。ハート型の、キャラメルチョコレートが掛かった厚切りポテトチップス……鈴々と虎徹が話していたものだろう。榊原が菓子を受け取る。
ふと、榊原はある事に気が付きながら、箱を開けた。甘いような、塩辛いようなスナックの香りが漂う。
違和感があるのだ。校長室にいた時から、感じていた違和感…榊原がマネージャーに質問を投げかけた。
「にしてもなんでいきなりこっちでライブやろうってのよ?仁双楠って結構都会な方だし、あっちの方が機械とか場所とか、充実してるんじゃないの?」
東乱楠は都会から少し離れた町。都会感を感じさせるものといえば、先日アオヤンが暴れてしまったデパートくらいだろう。鈴々が、わざわざここでライブをしたいという理由とは……?
「実は……」
「ヤンキーに狙われているだって?」
千代子は、相談を持ちかけてきた鈴々にそう聞き返した。
「そうなの、甲斐女華と、越後聖歌っていうんだけど…鈴々がライブをしようとするとね、いつも二人で仲間を連れてきて妨害してくるんだ…すっごく怖いの。」
「甲斐女華といえば、長篠レディースや駿河愚連隊を傘下に入れてるどデカい女暴走族じゃねぇか!」
宇佐見は露骨に驚いて、樺地が噂のサイトを開いてスマートフォンを宇佐見にみせる。
画面に映るのはトゥーチャンネルだ。
「トゥーチャンネルでも噂がすげぇんだよ。ヤクザの娘、長尾 鶴姫の率いる越後聖歌…それから甲斐女華のアタマ、武田 立歌は度々争ってて、そこにリンリンも混ざって仁双楠三天女なんて言われて勢力争いをしてるとか!!ひっでぇもんだぜ!!」
甲斐女華、越後聖歌。この二勢力は結成時から仁双楠にて、アタマを決める為に争っている。そんな中アイドルとして目立つ鈴々を狙うのは…まぁ自然といえば自然だろうが…どこか釈然としない。
千代子は、鈴々へと質問を投げかけた。
「なんで狙われているのか、心当たりは?」
「わかんないよ…鈴々はただ、みんなにハッピーになってもらいたくてライブしてたのに…だからタケお兄ちゃんの噂を聞いて、ボディーガードになってくれたらなって…タケお兄ちゃん、鈴々の味方でいてくれる…?あの二人が来たら、鈴々のこと守ってくれる?」
鈴々は千代子の前に立ち、その手をとってきゅっと握りながら、潤んだ瞳を向けてきた。
宇佐見と樺地が、そんな鈴々を見て鼻下を伸ばす…
そして鈴々を守る瞬間は、真っ先に訪れた!!
「あーっ!リンリン!!それに…ッ葵 竹康さんじゃないですかー!!」
あっ!新聞部の朝日さんが飛び出してきた!
朝日さんは野次馬の女子生徒たちを繰り出してきた。サインを書いてもらおうとノートや色紙を持って迫り来る。ドドドド、と迫る様子はなんとも圧巻だ…!!
「タケの兄貴ッ!!オレたちで食い止めます!控え室にリンリンを連れてってくだせぇ!」
「今こそイイ所見せてやるぜ!アオヤンの懐刀の俺らを倒してから行けやぁあーーーッ!!!!」
「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」
ゆけっ!宇佐見、樺地!!
宇佐見と樺地のたいあたり!!
女子の集団には効果がないようだ……
女子の集団のとっしん!!
宇佐見と樺地は吹っ飛ばされた!!
「グヘェエ!!通勤ラッシュよりやべぇええ!!」
「女子の力ってすげーッ!!」
「た、タケお兄ちゃん、どうしよう〜!」
千代子は困った様子で袖を引っ張る鈴々の肩に手を置いた。
退路がない訳では無い…そうだ、がら空きの場所があるじゃないか!!
「鈴々、しっかり掴まってろ!」
「ええっ!?」
鈴々を抱きかかえて、千代子は横に跳躍し壁を走る!!
「悪いな、皆ッ!!サインはライブが終わってから貰ってくれ!!」
そう女子たちに言い残しながら鈴々を抱きかかえ、走り去る千代子。それをぽかんと見つめていた朝日は、走ってズレてしまったカチューシャを直しつつ…ぽつりと呟いた。
「か、かっこいい……」
「リンリン!女子校舎が騒がしいと思ったら…大丈夫かい!?」
「タケお兄ちゃんが守ってくれたから大丈夫だよ〜!遅くなってごめんねっ♪」
視聴覚室前に辿り着いて、鈴々を下ろした。
もうマネージャーと、カメラマン…そして天海校長も来ていた。
「タケお兄ちゃん、すーっごくかっこよかった!お姫様抱っこなんて鈴々はじめてだったよ!」
ヒーローみたいだね、と鈴々は嬉しそうに笑って抱きついてくる。
マネージャーが近付くと千代子に礼を言いつつ、プランを話す。控え室にいた忠勝たちも揃って出てきた。
「それじゃあリンリン、はじめは校長先生とのお話だよ。それからライブね!」
「はーいっ♪それじゃあ校長先生。よろしくおねがいしまーすっ♪」
そうして天海校長も鈴々との会話に。
打ち合わせをする為に、鈴々達は視聴覚室前で話し始めた。
「アイドルってのも大変だな…もう大騒ぎになっちまったか。ん?…タケ、宇佐見たちは?」
「あいつらは犠牲になった…女子の力の犠牲にな。」
「あー……お疲れさん。」
忠勝が千代子を労う言葉をかけると、今度は榊原が言葉を続けた。
ボリボリ…と、榊原は貰った菓子を食べながら話し始める。
「むぐ…女の子の情報網って、(バリ)侮れないわねぇ…。(バリッバリッ)もういっそのこと…(ボリボリ)…んぐっ、視聴覚室の前でアタシたちが突っ立って見張ってた方が (ボリ) いいんじゃないかしら? (バリボリッ、バリッ)」
「それはそうだけど…榊原先輩。食べながら話すの行儀悪いよ。こぼれてるし…っていうかさっきからずっと食べてるけど、気に入ったの?」
虎徹に窘められても止まらない榊原。
厚切りのチョコが掛かったポテトチップス。ギザギザにカットされたハート型の菓子……パッケージには、「ブーチョコランタン」と書いてある。
「あぁ、ごめんなさい。なんか癖になるのよねこれ。やめられないし止まらないっていうか…でもハート型は狙いすぎだわぁ…」
「それ、ハートじゃなくてブーメランだよ。」
虎徹の補足に目を見開く千代子と榊原と忠勝。なるほど、だからブーチョコランタンか…
ふと、こちらに目線を向けてきた鈴々が駆け寄ってきた。
「あーっ!オカマのお兄さん、鈴々のお菓子食べてる!しかもそれ鈴々が好きなハート型のチョコチップス〜!」
「いいじゃないのよォ、沢山あるんだし…むぐ、あとコレ、イイコちゃんが言うにはハートじゃなくてブーメ…」
ギィイイイイイン!!!!!!!!!
突如として鳴り響いた、鼓膜を突き破るような、大きな音。
控え室である教室に電撃が走ったような痺れを感じる。
掃除ロッカーが音の振動だけで倒れ、窓ガラスが割れた。虎徹と榊原が耳を塞ぎながら、震える空気によってガラスの割れた窓から外を見る。
「あっ、あの二人だ…!タケお兄ちゃん!あの二人が来たよ!」
「鈴々はここにいろッ!いいか、絶対に顔を出すなよ!!」
散ったガラス片を蹴飛ばして千代子も共に外を見ると、今度は怒声が響き渡った!!
「葵 竹康ゥゥゥッ!!!!!轢ッ殺しィイイイイ!!!!!出てこいやぁあーーっ!!!!!!!!」
現れたのは真っ赤な長髪をポニーテールに纏めた特攻服の女と、白い和服を着た女。
二人組の内の一人、赤髪の女が怒声とギターの主だ。
あろうことかギターのネックを下に、ボディを上にという…まるで鈍器でも扱う様な、奇妙な持ち方で、彼女はあれほどの轟音を出したのだ。
その持ち方は鈍器とも、そして合戦においての軍配のようにも見えた。
そう……奏で弾くこと嵐の如く…!!
甲斐女華…武田 立歌ッ!!!
「落とし前をつけに来ましてよ…仲間の仇、いまこそ!!」
白雪のような美しい柔肌にさした淡い頬紅。青い花の模様が描かれた着物。おろした黒髪は墨で描き流したように美しく、艶やかだ。
身八つ口から取り出した三段警棒は青白い雷撃を纏っており、殺気を放っている。
指揮者のように警棒を構えたその姿。
月光の如き美貌に、かかる雲なし……
越後聖歌……長尾 鶴姫ッ!!!
龍虎、襲来ッッ!!!!
「あわわ……大変だ。急いで他の先生たちに知らせなくちゃ!」
と言って職員室へ走っていく天海校長。放送室が視聴覚室の隣にあるのだからそこで生徒や教師たちに教えればいいのに…大事な髪の毛をハラハラ落としながら慌てて行ってしまった。
武田 立歌の言葉に顔を顰める榊原。まさか、その名をまた聞くことになるとは…
「轢ッ殺し……なぜ今になってその名前がタケちゃんと一緒に出るのよ!」
「榊原先輩、轢ッ殺しって…!?」
「酒井の呼び名よ…もう昔の名だけどね…何をしたって言うのよあの子ったら…!!」
忠勝は榊原に視線を向ける。その名を持つ者を探さなくてはならない。この事態を知るだろう人物……酒井 早雲を。
「忠勝、イイコちゃん!酒井を探しに行くわよ!タケちゃんは先に行っててちょうだい!後から向かうわ!」
控え室から出ていく4人。二手に別れようと虎徹が提案し、榊原と忠勝、そして虎徹に別れ、校内を捜索することにする。
「た、タケお兄ちゃん…!」
「心配するな、鈴々。オレに任せてくれ!」
不安そうに千代子を見上げる鈴々に対し、千代子は頼もしくそう言い残して、外へと急いだ。
そして視聴覚室から鈴々達を残して離れていく千代子達を見届ける。
……鈴々は視聴覚室の扉に手を掛けながら口角を吊り上げた。
「アハッ…✩思ったよりも早く来やがったな、あのメス豚共…でも上手くいった。あの二人を葵 竹康に任せて、疲弊したところでウチがライブをすればこの田舎町でウチの名前も挙げられるし…織田軍の後ろ盾もゲット…ついでに連中も倒して葵 竹康も仲間にできる…あのガリガリ野郎も、よく考えるわァ。」
「り、リンリン…本当にいいのか?こんな事して…」
「もしバレたら…」
「なに、ウチに指図するの?いいんだよ、あんた達のしたことバラしても。……鈴々はアイドルだもんっ、上手くいくよっ♪ほら、早く準備しよーよ、マネージャーさんっ♪」
結城 鈴々は、本性を顕にした。
…計画通り。蜂須賀 転助の提案した策が、まさかここまで上手くいくとは思いもしなかった。
邪魔な仁双楠の二勢力を、葵 竹康によって戦わせるのだ。
互いが消耗したところで武田と長尾を自分のファン…もとい、豚たちに襲わせる。そうして豚の仲間入りをさせたところで竹康も飲み込む。自分には織田の後ろ盾もあるから、実質東乱楠高校は自分の傘下として組み込めるわけだ。
怖気付いた様子のマネージャー達を脅しながら、普段のぶりっ子を披露する鈴々は、視聴覚室の中へと入っていった。
今の真実を、一番聞かせてはいけない人物に気づかないままに。
「そういう事だったか…どうりでおかしいと思った。」
井伊 虎徹は、カツン、と履きなれた上履きのつま先を軽く床に打ち付けながら誰もいなくなった廊下で…フン、と鼻を鳴らした。
「しかし…織田軍かぁ。ということは今回の件は、織田 忠光の計画なのかな。」
…いや、違うか。と虎徹は自分の黒髪の毛先をくるりと指に絡ませ思案に暮れる。
織田 忠光は、寧ろ自分から竹康を狙いに来るだろう。
入学前にある程度、織田軍の情報を取り入れてはいた。こんな狡い真似をするより、自分で率先して喧嘩でもなんでも吹っかけるだろうに。
そして、織田軍にかつて所属していた酒井を、武田が呼び出していたのも引っかかる。なにか、裏があるかもしれない……
「タケ兄ぃの為にも、僕が調べないとね…それに、奥の手はもう打ってある。」
ぶりっ子がいい子に勝てると思うなよ。
人の使い方を教えてやる。
虎徹はズボンのサイドから片手を入れて、パチンと将武を鳴らした。
「――任せてくれよ、タケ兄ぃ。ブーメランは帰ってくるのさ。」
井伊 虎徹…参戦!!
次回も尋常に…将武!!
千代子以外で初めての女将武使いが来ましたね。
武田 立歌の将武…武田 信玄は、くまさんパンツならぬ、虎さんパンツ!かわいい虎の顔がプリントされてます。
長尾 鶴姫はガーターベルト付きのショーツ。綺麗なレースがあしらわれてるのでしょう。
そして結城 鈴々は…毛糸のパンツ。
け〜いと〜のパ〜ンツ〜…け〜いと〜のパ〜ンツ〜……け〜いと〜のパ〜ンツ〜はあった〜かい〜…
それでは次回もお楽しみに!




