番外編⑿「遠く離れた恋人――妹たちが知る、千鶴の寂しさ」
番外編⑿「遠く離れた恋人――妹たちが知る、千鶴の寂しさ」
高橋肇がU-18日本代表として世界の強豪たちと戦っている一方――。
今回は少し視点を変えて、日本の私立富山第二高等学校に残っている東雲千鶴、そして肇の双子の妹・真悠と眞衣の三人を中心に描きます。
学校ではいつも通り「教師と生徒」。
そして肇と千鶴が恋人同士だと知っている人物は、ごくわずかです。
ところが昼休み。
真悠と眞衣が友人たちと一緒にいる中、偶然千鶴と出会ったことで――眞衣が何気なく、
「お兄に会えなくて寂しいでしょ?」
と口にしてしまいます。
家族の前なら何でもない一言。
しかし、ここは学校。
しかも二人の友人たちがすぐ近くにいました。
秘密が知られてしまうかもしれない一瞬の出来事を、真悠はどう切り抜けるのでしょうか。
そして三人きりになった後。
千鶴は眞衣を注意します。
けれど――。
「寂しくないの?」
そう尋ねられた千鶴からこぼれたのは、教師としてではなく、一人の恋人としての本当の気持ちでした。
さらに二人の関係を以前から知っている校長と教頭からも、
「遠距離は寂しいですか?」
と尋ねられることになります。
毎日テレビ電話で顔を見ることはできる。
声も聞ける。
試合の話もできる。
それでも、電話が終われば肇はいない。
世界の舞台で戦う肇と、日本で帰りを待つ千鶴。
今回は本編の裏側で過ごしていた千鶴の「会いたい」という気持ちを描く番外編です。
U-18日本代表が世界の舞台で戦っている頃。
私立富山第二高等学校では、いつもと変わらない学校生活が続いていた。
朝のホームルーム。
授業。
昼休み。
放課後の部活動。
ただ一つ大きく違うのは――。
校内に、高橋肇と前薗晃大の姿がないことだった。
二人は今、日本代表。
胸に「JAPAN」の文字を背負い、世界一を目指して戦っている。
学校でも試合結果が話題になることが多かった。
「昨日も日本勝ったんだって!」
「高橋君、また打ったらしいよ」
「前薗君も日本代表でマスク被ってた!」
「すごいよな。俺らと同じ高校生だぞ?」
そんな声を聞くたびに。
東雲千鶴は教師として、静かに微笑んでいた。
「皆さん、応援するのは構いませんが、授業中は授業に集中してくださいね」
「はーい」
いつもの東雲先生。
学校一の美人教師。
生徒たちからは高嶺の花とも呼ばれている。
誰もが憧れる存在。
だが――。
その千鶴が、日本代表として戦っている高橋肇の恋人だということを知る者は、ごく限られていた。
そして。
肇が海外へ行ってから。
千鶴自身も思っていた以上に。
彼がいない日常は――寂しかった。
◇◇◇
昼休み。
千鶴は職員室を出て、廊下を歩いていた。
次の授業で使う資料を取りに行くためだった。
すると。
「あっ、千鶴先生」
声をかけたのは――。
高橋真悠。
その隣には双子の妹である高橋眞衣。
さらに今日は二人だけではなかった。
真悠と眞衣の友人である女子生徒たちも一緒にいる。
「こんにちは」
千鶴は当然、教師として応じた。
「次、移動教室ですか?」
真悠が尋ねる。
「ええ。少し資料を取りに行くところです」
「先生も大変ですね」
「皆さんも次の授業に遅れないようにしてくださいね」
「大丈夫です」
ここまでは。
何の問題もない、ごく普通の教師と生徒の会話だった。
ところが。
眞衣が何気なく言った。
「でも千鶴先生、お兄に会えなくて寂しいでしょ?」
「…………」
千鶴の足が止まった。
真悠の顔も固まった。
「眞衣」
「ん?」
眞衣自身は。
本当に何気なく言っただけだった。
家族の中では。
千鶴と肇が恋人同士であることは秘密ではない。
だから普段の感覚で、つい口から出てしまった。
しかし――。
ここは学校。
しかも。
真悠と眞衣の友人たちが隣にいる。
「え?」
友人の一人が眞衣を見る。
「今、何て言った?」
「高橋君に会えなくて寂しいって……」
別の女子生徒も千鶴を見る。
「東雲先生が?」
「え?」
「どういうこと?」
眞衣。
「……あ」
ようやく気づいた。
千鶴は何も言えない。
ここで慌てれば。
逆に怪しまれる。
その瞬間。
真悠が一歩前へ出た。
「ああ、それ!」
「何?」
「お兄、野球部で東雲先生にもいろいろ学校行事とかで迷惑かけてたじゃん」
「え?」
「ほら、甲子園行って、そのままU-18でしょ?」
友人。
「うん」
真悠は自然な口調で続ける。
「先生たちも大変なんだって。生徒がずっと学校にいないから、連絡とか授業のこととか」
千鶴は。
すぐに意図を理解した。
「そうですね」
教師の顔へ戻る。
「高橋君だけではありません。前薗君も長期間学校を離れていますから」
「ですよね?」
真悠が合わせる。
千鶴。
「代表活動は学校としても大変名誉なことです。ただ、帰国後の授業についても考えなければいけませんから」
友人の一人。
「ああ、そっちの話か」
「びっくりした」
「私、東雲先生と高橋君が何かあるのかと思った」
千鶴の心臓が跳ねる。
しかし。
表情は変えなかった。
真悠が笑う。
「ないない。お兄は今、野球しか頭にないから」
眞衣。
「そ、そうそう!」
真悠が眞衣を見る。
その目が。
――余計なこと言わないで。
そう訴えていた。
眞衣も理解した。
「お兄、昔から野球ばっかりだから!」
友人。
「確かに」
「甲子園であれだけ活躍して、今度は日本代表だもんね」
「プロ行くのかな?」
話題が。
自然と肇の野球へ変わっていった。
千鶴は内心で大きく安堵する。
「では、私は資料を取りに行きますね」
「はい!」
「先生、また!」
千鶴は歩き出す。
真悠と眞衣も。
友人たちと一緒に反対方向へ。
しかし。
角を曲がる直前。
千鶴と真悠の目が一瞬だけ合った。
真悠は。
小さく頭を下げた。
千鶴も。
ほんのわずかに頷いた。
◇◇◇
その日の放課後。
人気のない場所。
千鶴。
真悠。
眞衣。
三人だけになった。
「眞衣さん」
千鶴が呼ぶ。
「……はい」
声だけで。
眞衣にも分かった。
怒られる。
「今日のお昼のことです」
「……ごめんなさい」
「学校では絶対に気をつけてください」
「はい」
「もし真悠さんが話を変えてくれなかったら、どうなっていたと思います?」
「……バレてたかもしれない」
「そうです」
眞衣は俯く。
「本当にごめんなさい」
真悠も隣から言う。
「眞衣、家と学校を混ぜちゃ駄目だよ」
「分かってる……」
「お兄と千鶴先生のこと知ってるの、本当に少ないんだから」
「うん」
千鶴は。
少し厳しい表情をしていた。
しかし。
眞衣が小さく言う。
「でも……」
「何ですか?」
「本当に寂しいんじゃないの?」
千鶴が黙った。
真悠。
「眞衣……」
「今は三人だけだよ」
「そうだけど」
眞衣は千鶴を見る。
「毎日会ってたんでしょ?」
「…………」
「学校でも会えて、家に帰ったらお兄がいて」
千鶴は何も答えない。
「それが急に、日本代表で遠くに行っちゃったんだから」
真悠も。
今度は止めなかった。
三人だけ。
ここなら。
東雲先生でいる必要はない。
眞衣。
「寂しくないの?」
長い沈黙。
やがて。
千鶴が小さく息を吐いた。
「……寂しいですよ」
真悠と眞衣が千鶴を見る。
千鶴は。
少し困ったように笑った。
「ものすごく寂しいです」
眞衣。
「やっぱり」
「毎晩テレビ電話はしています」
真悠。
「お兄から?」
「肇さんからの日もありますし、私からの日もあります」
眞衣。
「結構長く?」
「放っておいたら、いつまでも話そうとします」
真悠が笑う。
「お兄らしい」
千鶴も笑った。
「『あと五分』って毎回言うんですよ」
眞衣。
「絶対言いそう!」
「三分と言ったら四分にしてほしいとか」
真悠。
「子供じゃん」
三人が笑う。
だが。
千鶴の表情が少しだけ変わった。
「テレビ電話で顔は見られます」
「うん」
「声も聞けます」
「うん」
「試合の話もできます」
「うん」
「でも……」
千鶴は自分の手を見る。
「画面の向こうなんですよね」
真悠と眞衣は黙った。
「いつもなら家へ帰れば肇さんがいるのに」
「…………」
「今は、いない」
千鶴は。
教師ではなく。
一人の女性として本音をこぼした。
「会いたいです」
眞衣。
「千鶴先生……」
「すごく会いたい」
真悠が優しく言う。
「お兄も同じだと思います」
千鶴。
「そうでしょうか?」
「絶対そうです」
眞衣も頷く。
「だってお兄、千鶴先生のこと大好きじゃん」
千鶴の頬が少し赤くなる。
「眞衣さん」
「今はいいでしょ?」
「……まあ」
眞衣。
「帰ってきたら、いっぱい甘えさせてあげて」
千鶴は笑った。
「毎日のテレビ電話でも同じことを言われています」
「何て?」
「膝枕してほしいとか」
真悠。
「お兄……」
「抱きしめてほしいとか」
眞衣。
「完全に甘えん坊じゃん」
千鶴は。
優しく微笑む。
「でも」
二人を見る。
「帰ってきたら、たくさん褒めてあげようと思っています」
真悠。
「世界一になったら?」
「世界一にならなくてもです」
眞衣。
「そっか」
「日本代表に選ばれて、遠く離れた場所で頑張っているだけで十分ですから」
その言葉には。
恋人としての愛情が込められていた。
◇◇◇
翌日。
昼休み。
千鶴が職員室で資料を整理していると。
「東雲先生」
教頭から声をかけられた。
「はい?」
「校長室へお願いできますか?」
「私ですか?」
「ええ」
何かあっただろうか。
千鶴は少し不思議に思いながら校長室へ向かった。
コンコン。
「失礼します」
「どうぞ」
中には。
校長。
教頭。
二人だけ。
千鶴。
「何かございましたか?」
校長。
「そんなに構えなくても大丈夫ですよ」
「はい?」
教頭も笑う。
「高橋君のことです」
千鶴が止まる。
この二人は知っている。
高橋肇と東雲千鶴。
教師と生徒。
そして――秘密の恋人。
もちろん。
学校内でその関係を公にすることはできない。
校長。
「日本代表、頑張っていますね」
千鶴。
「はい」
「東雲先生も試合を?」
「見られる時は見ています」
教頭。
「恋人が日本代表ですか」
「……教頭先生」
千鶴が困ったように笑う。
「ここには私たちしかいませんよ」
校長も笑った。
「しかし羨ましいですね」
「羨ましい、ですか?」
「恋人が日の丸を背負って世界で戦っている」
千鶴。
「心配の方が大きいですよ」
教頭。
「やはり?」
「160kmを何度も投げようとしますから」
校長。
「高橋君らしいですね」
「一条先生と前薗君が止めてくれているようですが」
教頭。
「東雲先生もテレビ電話で?」
「止めています」
三人が笑った。
◇◇◇
少しして。
校長が尋ねた。
「ところで」
「はい」
「遠距離というのは、やはり寂しいものですか?」
千鶴は。
少し驚いた。
教頭も続ける。
「毎日のように会っていたのでしょう?」
「……はい」
「それが急に海外ですからね」
千鶴は迷った。
教師として答えるなら。
「大丈夫です」
そう言えばいい。
しかし。
校長も教頭も。
二人の秘密を知った上で。
ずっと守ってくれている。
だから。
千鶴は本音を言った。
「寂しいです」
校長と教頭は黙って聞く。
「思っていた以上に」
「そうですか」
「テレビ電話は毎日しています」
教頭。
「毎日ですか?」
「はい」
「仲がいいですね」
千鶴。
「向こうから『あと五分』と言われ続けるので、なかなか終われないだけです」
校長が笑う。
「高橋君らしい」
千鶴も笑った。
「でも」
少しだけ声が小さくなる。
「電話が終わると、急に静かになるんです」
「…………」
「画面では顔を見られていたのに、通話が終わった瞬間、家には私一人しかいない」
校長が静かに頷く。
「それが一番寂しいのかもしれません」
教頭。
「会いたいですか?」
千鶴は。
迷わなかった。
「はい」
「すごく会いたいです」
校長。
「なら、帰ってきたら最初に伝えてあげてください」
千鶴。
「何をですか?」
「寂しかった、と」
千鶴は少し驚く。
「高橋君は喜ぶと思いますよ」
教頭。
「間違いなく喜ぶでしょうね」
「そうでしょうか」
「東雲先生に会いたかったと言われたら、あの子なら世界一より喜ぶかもしれません」
千鶴。
「それは困ります」
三人が笑った。
◇◇◇
校長は机の上に置かれた書類を見る。
そこには。
U-18日本代表として派遣されている。
高橋肇。
前薗晃大。
二人の名前。
「高橋君は今、学校を代表しているわけではありません」
千鶴。
「はい」
「富山県だけでもない」
「はい」
「日本を代表して戦っている」
千鶴は頷く。
「だからこそ」
校長は続けた。
「学校にいる私たちは、帰ってくる場所を守っておけばいい」
千鶴。
「帰ってくる場所……」
「ええ」
「高橋君も前薗君も、代表活動が終われば本校の生徒として帰ってきます」
教頭。
「一条先生も帰ってきます」
校長。
「東雲先生も」
千鶴を見る。
「恋人として心配する気持ちは分かります」
「……はい」
「ですが今は、信じて待ってあげてください」
千鶴は。
ゆっくり頷いた。
「はい」
◇◇◇
校長室を出る。
廊下。
窓の外には。
富山の空。
千鶴は立ち止まった。
遠く離れた場所。
その空の先で。
肇は今も。
野球をしている。
日の丸を背負って。
世界一を目指して。
千鶴は小さく呟いた。
「……頑張ってください、肇さん」
会いたい。
寂しい。
抱きしめたい。
帰ってきてほしい。
それが本音。
しかし同時に。
最後まで戦ってきてほしい。
十八人で。
世界一になってほしい。
それも本音だった。
◇◇◇
放課後。
千鶴が校門近くを歩いていると。
「千鶴先生!」
振り返る。
真悠。
眞衣。
二人が走ってきた。
「どうしました?」
眞衣。
「今日、お兄の試合あるよ!」
「知っています」
真悠。
「先生も見る?」
千鶴は周囲を確認する。
他の生徒がいる。
だから。
教師として答えた。
「日本代表ですから。応援しますよ」
真悠。
「ですよね」
眞衣。
「じゃあ――」
言いかける。
真悠が。
すぐに眞衣の腕を掴んだ。
「眞衣」
「……あ」
昨日の失敗。
眞衣は口を閉じた。
千鶴は。
思わず笑った。
「学習しましたね」
眞衣。
「昨日は本当にごめんなさい」
「もう大丈夫です」
真悠。
「じゃあ、また明日」
「はい。気をつけて帰ってください」
二人が離れていく。
そして。
誰にも聞こえない距離になったところで。
眞衣が一度だけ振り返った。
口だけを動かす。
――お兄、勝つよ。
千鶴も。
小さく頷いた。
◇◇◇
その夜。
自宅。
千鶴は一人。
テレビの前に座っていた。
画面には。
U-18日本代表。
そして。
高橋肇。
日本代表のユニフォーム。
JAPAN。
千鶴は画面を見つめる。
今日。
真悠と眞衣に本音を言った。
校長と教頭にも。
「寂しい」
「会いたい」
今までは。
なるべく言わないようにしていた。
肇が世界大会へ集中できるように。
自分が寂しいと言えば。
肇が心配するかもしれない。
だから。
テレビ電話でも。
笑って送り出していた。
でも。
本当は。
毎日会いたい。
「……肇さん」
画面の中。
肇が仲間と笑っている。
前薗。
白峰。
君彦。
神城。
玲央。
日本代表の仲間たち。
千鶴は。
優しく微笑んだ。
「今は、そちらで頑張ってください」
そして。
小さく続ける。
「帰ってきたら……」
少しだけ照れながら。
「寂しかったって、ちゃんと言いますから」
画面の向こうの肇には。
もちろん聞こえない。
それでも。
千鶴はもう一度。
「頑張ってください」
そして最後に。
誰もいない自宅だからこそ言える言葉を。
静かに口にした。
「大好きですよ、肇さん」
遠く離れていても。
二人の気持ちは。
離れてはいなかった。
番外編⑿「遠く離れた恋人――妹たちが知る、千鶴の寂しさ」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回はU-18日本代表として戦う肇ではなく、日本で彼の帰りを待っている千鶴を中心としたお話でした。
そして危なかったのが――眞衣の一言。
「お兄に会えなくて寂しいでしょ?」
事情を知っている人たちだけなら、ごく普通の会話です。
しかし学校内では意味がまったく違います。
しかも真悠と眞衣の友人たちに聞かれてしまい、一歩間違えれば肇と千鶴の関係そのものを疑われかねない状況でした。
そこで咄嗟に話題を変えた真悠。
肇と前薗がU-18日本代表活動で長期間学校を離れているため、教師として心配している――という方向へ自然に話を持っていき、何とか秘密を守りました。
その後、三人きりになってからは当然、千鶴から眞衣へ注意が。
しかし眞衣から改めて、
「本当に寂しいんじゃないの?」
と聞かれると、千鶴も隠し続けることはできませんでした。
「……寂しいですよ」
「ものすごく寂しいです」
毎日テレビ電話をしていても、実際に隣にいることとは違う。
画面越しに顔を見て笑っていても、通話終了の瞬間には静かな部屋へ戻ってしまう。
普段は教師として毅然としている千鶴ですが、今回は真悠と眞衣の前で、一人の恋人として「肇に会いたい」という本音を見せました。
そして校長と教頭もまた、二人の関係を知る数少ない人物です。
「恋人が日の丸を背負って世界で戦っている」
それは誇らしいこと。
けれど千鶴にとっては、誇らしさと同じくらい心配や寂しさもあります。
そんな千鶴へ校長が伝えた、
「学校にいる私たちは、帰ってくる場所を守っておけばいい」
という言葉。
今、肇がやるべきことは世界で戦うこと。
そして千鶴たちができることは、その肇が安心して帰ってこられる場所を守りながら応援することです。
最後に千鶴が一人、自宅で画面の向こうの肇へ伝えた言葉。
「帰ってきたら……寂しかったって、ちゃんと言いますから」
そして――。
「大好きですよ、肇さん」
離れているからこそ、改めて分かった相手の存在の大きさ。
世界大会を終えて肇が富山へ帰ってきた時、千鶴はこの期間に抱えていた気持ちを本人へ直接伝えることができるのでしょうか。
遠く離れていても、二人の気持ちは変わりません。
そして本編では再び――U-18日本代表、世界一を目指す戦いへ戻ります。




