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番外編⑽❷終「再会するU18の仲間たち――全国の強豪が動く頃、肇は千鶴との休日へ」


番外編⑽❷では、前回登場した全国二十六道県の強豪校の選手たちの中から、実はすでに昨年のU18日本代表を経験していた選手たちが明らかになります。


金足農業高校・成田蓮。


松商学園高校・真田蓮。


山梨学院高校・甲斐悠成。


県立岐阜商業高校・飛騨悠人。


常葉大学菊川高校・駿河大和。


中京大中京高校・名古屋悠成。


三重高校・桑名翔。


近江高校・彦根颯太。


鳥取城北高校・倉吉悠真。


佐賀北高校・有田蓮。


創成館高校・佐世保蓮。


神村学園高校・桜島蓮。


木更津総合高校・柏颯。


彼ら十三人は、ただ全国各地の強豪校に所属しているだけではありません。


昨年、日の丸を背負って戦った経験を持つ選手たち。


そして神城颯真、崇道君彦、白峰蓮司たちとも、U18を通じてすでに面識があります。


高校では別々のユニフォームを着て戦うライバル。


しかし、日の丸を背負えば仲間。


そんな彼らが久しぶりに再会し、当然のように話題となったのが――甲子園を制した高橋肇でした。


最速160km。


高校通算70本塁打。


甲子園決勝でサイクルヒット。


さらに二本塁打。


投打で私立富山第二高等学校を創立以来初の全国制覇へ導いた肇を、U18経験者たちはどのように見ているのでしょうか。


その一方で――。


全国の強豪選手たちから注目されている本人は、そんなことをほとんど知らないまま東雲千鶴との家デートを楽しんでいます。


学校一の美人教師。


高嶺の花と呼ばれる千鶴。


そして誰にも言えない肇の恋人。


全国のライバルたちがU18について語り合っている頃、二人だけの家ではまったく違う穏やかな時間が流れていました。


野球選手として全国から注目される「高橋肇」。


千鶴の前でだけ見せる、一人の高校生としての「肇」。


二つの顔を描く番外編⑽❷です。



甲子園が終わっても、高校野球界の熱はまだ冷めていなかった。


富山県代表・私立富山第二高等学校。


そのエース兼四番、高橋肇が甲子園決勝で見せた活躍は、全国各地の強豪校の選手たちにも大きな衝撃を与えていた。


最速160km。


高校通算70本塁打。


そして決勝戦でのサイクルヒット。


投手としても打者としても、高校生離れした数字を残した肇。


しかし――。


全国には、肇とは別の意味で注目を集めている選手たちがいた。


昨年、すでにU18日本代表として日の丸を背負った経験を持つ者たちである。


その中には、番外編⑽❶で登場した二十六道県の強豪校からも、十三人が名を連ねていた。


秋田県・金足農業高校――捕手、成田蓮。


長野県・松商学園高校――投手、真田蓮。


山梨県・山梨学院高校――投手、甲斐悠成。


岐阜県・県立岐阜商業高校――中堅手、飛騨悠人。


静岡県・常葉大学菊川高校――三塁手、駿河大和。


愛知県・中京大中京高校――一塁手、名古屋悠成。


三重県・三重高校――左翼手、桑名翔。


滋賀県・近江高校――二塁手、彦根颯太。


鳥取県・鳥取城北高校――遊撃手、倉吉悠真。


長崎県・創成館高校――外野手、佐世保蓮。


佐賀県・佐賀北高校――投手、有田蓮。


鹿児島県・神村学園高校――左翼手、桜島蓮。


千葉県・木更津総合高校――中堅手、柏颯。


十三人。


彼らには共通するものがあった。


去年。


日の丸。


U18日本代表。


そして――。


その時、一緒に戦った仲間たち。


◇◇◇


甲子園終了から数日後。


関西地方にある野球施設。


そこには、高校野球界で名前を知られる選手たちが続々と集まっていた。


最初に到着したのは神城颯真。


そして。


崇道君彦。


白峰蓮司。


三人とも、今では高校野球ファンなら名前を聞いたことがあるほどの存在になっていた。


だが、この場所では違う。


「おーい!」


遠くから聞こえてきた声。


神城が振り返る。


「……え?」


そこにいたのは。


「久しぶり!」


金足農業高校・成田蓮。


神城の表情が一気に変わる。


「成田!」


「神城!」


二人は近づくと、拳を合わせた。


「何か月ぶり?」


「結構経っただろ」


「去年のU18以来?」


「いや、その後一回会ってる」


「あ、そうだった」


そこへ。


「お前ら、全然変わってないな」


崇道が笑いながら近づく。


成田が振り返った。


「君彦!」


「久しぶり」


「お前、また球速上がっただろ?」


「少しだけな」


「少しって何km?」


「それは秘密」


「絶対上がってるじゃん!」


さらに。


「白峰!」


「久しぶり」


蓮司も成田と握手する。


「甲子園見てたぞ」


「俺も」


「大阪桐蔭戦、惜しかったな」


その言葉に蓮司は苦笑する。


「高橋にやられた」


「高橋肇?」


「ああ」


そこへ別の声。


「その話、俺も混ぜろよ」


全員が振り返る。


松商学園高校・真田蓮。


山梨学院高校・甲斐悠成。


県立岐阜商業高校・飛騨悠人。


常葉大学菊川高校・駿河大和。


続々と集まってくる。


「真田!」


「甲斐!」


「飛騨!」


「駿河!」


久しぶりに名字を呼び合う。


高校ではライバル。


地区も違う。


都道府県も違う。


しかし一度、日の丸を背負って同じユニフォームで戦った仲間たちだった。


「去年以来だな」


「本当に久しぶり」


「全然変わってない奴いるな」


「誰だよ」


「お前だよ」


笑い声が広がった。


◇◇◇


さらに到着する選手たち。


中京大中京高校・名古屋悠成。


三重高校・桑名翔。


近江高校・彦根颯太。


鳥取城北高校・倉吉悠真。


佐賀北高校・有田蓮。


創成館高校・佐世保蓮。


神村学園高校・桜島蓮。


木更津総合高校・柏颯。


「うわ、懐かしい!」


「彦根!」


「桑名じゃん!」


「柏、久しぶり!」


「有田!」


「お前まだそのグローブ使ってるの?」


「当然だろ!」


高校の垣根を越えて会話が始まる。


そして彼らの周囲には、さらに今年注目されている選手たちの姿があった。


神城颯真。


成瀬迅。


水城拓真。


桐谷蒼生。


堂本龍輝。


藤原慶士。


北条悠真。


佐伯海斗。


大河内蓮。


高瀬悠生。


瀬戸蒼空。


比嘉龍之介。


真田圭吾。


高倉翔馬。


佐々木悠成。


牧野大河。


黒木晴翔。


榊原航平。


南雲颯太。


彼らもそれぞれ、全国の強豪校に所属している。


読者にも分かりやすく整理するなら――。


神城颯真――東海大相模高校。


成瀬迅――仙台育英高校。


水城拓真――智辯和歌山高校。


桐谷蒼生――大阪桐蔭高校。


堂本龍輝――広陵高校。


藤原慶士――京都国際高校。


北条悠真――関東第一高校。


佐伯海斗――明徳義塾高校。


大河内蓮――花巻東高校。


高瀬悠生――敦賀気比高校。


瀬戸蒼空――星稜高校。


比嘉龍之介――沖縄尚学高校。


真田圭吾――作新学院高校。


高倉翔馬――浦和学院高校。


佐々木悠成――報徳学園高校。


牧野大河――天理高校。


黒木晴翔――明豊高校。


榊原航平――霞ヶ浦高校。


南雲颯太――関東第一高校。


全国各地。


それぞれ違うユニフォーム。


違う野球。


違う環境。


それでも、U18という場所へ集まれば一つのチームになる可能性がある。


そして去年の代表経験者たちは、すでにその感覚を知っていた。


◇◇◇


「そういえばさ」


駿河大和が話題を変えた。


「今年、一番気になる選手って誰?」


数人が顔を見合わせる。


「それ聞く?」


「決まってるだろ」


そして。


ほぼ同時に名前が出た。


「高橋肇」


一瞬。


静かになった。


その後。


全員が笑った。


「やっぱり!」


「そうなるよな!」


「だって決勝見ただろ?」


「見た見た」


成田蓮が言う。


「160kmだぞ?」


真田蓮。


「しかも何回も」


甲斐悠成。


「変化球もある」


飛騨悠人。


「打者として高校通算70本」


駿河大和。


「決勝でサイクル」


名古屋悠成。


「その後に3ラン」


桑名翔。


「五打席五安打」


彦根颯太。


「七打点」


倉吉悠真。


「もう情報量が多すぎる」


笑いが起こった。


だが。


白峰蓮司だけは少し違う表情をしていた。


「実際に対戦すると」


全員が見る。


「もっと面倒だぞ」


「面倒?」


「うん」


蓮司は思い出す。


大阪桐蔭と富山第二の激戦。


「球速だけなら対策の方法はある」


「うん」


「でも高橋は、急にカーブを入れる」


「なるほど」


「スライダーもある」


「シュートも」


「それで打者になったら?」


蓮司は苦笑する。


「俺たちが苦労して取った一点を、自分で取り返す」


「最悪じゃん」


「相手からしたらな」


そこへ崇道君彦。


「俺も握手したことある」


甲斐が驚く。


「高橋と?」


「地区大会の後」


「どうだった?」


「普通」


「普通?」


「普通の高校生だった」


神城が笑う。


「それが一番怖いんじゃない?」


「確かに」


◇◇◇


そして。


彼らの誰一人として知らない。


その頃。


話題の中心になっている高橋肇本人が何をしているのかを。


◇◇◇


富山県。


高橋家ではなく――千鶴と肇が二人だけで過ごせる家。


甲子園という大舞台を終えた肇は、久しぶりに野球から少しだけ離れた休日を過ごしていた。


ソファ。


「……疲れました?」


東雲千鶴が尋ねる。


「ちょっと」


「甲子園が終わったばかりですからね」


「うん」


肇は千鶴の膝へ頭を乗せていた。


膝枕。


学校では絶対にできない。


学校一の美人教師。


高嶺の花と呼ばれている東雲千鶴。


そして肇にとっては――誰にも言えない恋人。


「千鶴」


「はい?」


「もう少しこっち」


「どういう意味ですか?」


肇が少し甘えるように見上げる。


千鶴は意味を察すると困ったように笑った。


「仕方ありませんね」


「お願いします」


千鶴が少し身体を寄せる。


そして肇の頭を抱えるようにして、自分の胸元へ優しく引き寄せた。


千鶴のJカップの胸に顔を預ける形になる。


「これでいいですか?」


「……うん」


「本当に甘えん坊ですね」


千鶴は肇の髪を優しく撫でる。


「甲子園優勝投手とは思えません」


「今は野球選手じゃない」


「では?」


「千鶴の恋人」


その一言。


千鶴の頬が赤くなる。


「そういうことを簡単に言わないでください」


「本当だから」


「……もう」


肇は安心したように目を閉じる。


160km。


甲子園優勝。


サイクルヒット。


高校通算70本。


全国ニュース。


ドラフト候補。


そんな言葉は、今だけは関係なかった。


ただ好きな人のそばで過ごす。


それだけの時間だった。


◇◇◇


しばらくして。


二人は映画を見ることにした。


肇が選んだ映画。


千鶴が飲み物を用意する。


「何飲みます?」


「ジンジャーエール」


「またですか?」


「好きだから」


「はいはい」


千鶴は自分の紅茶も持ってくる。


二人並んでソファへ。


映画が始まる。


だが。


三十分後。


「千鶴」


「映画を見てください」


「見てる」


「私の顔を見ています」


「……綺麗だから」


千鶴の顔が一気に赤くなる。


「またそれですか」


「だって本当に綺麗」


「映画」


「はい」


数分。


肇は映画を見る。


しかし。


また隣を見る。


千鶴。


「肇さん」


「はい」


「前を見ましょう」


「はい」


また数分。


「千鶴」


「今度は何です?」


「好き」


「……映画に集中してください」


「千鶴も好き?」


「知っているでしょう?」


「聞きたい」


千鶴は少し困った顔をした後。


「好きですよ」


肇が笑う。


「大好きです」


千鶴も続ける。


「私もです」


それだけ。


それでも二人には十分だった。


◇◇◇


映画の途中。


画面では恋人同士が唇を重ねる場面。


肇は無意識に千鶴を見る。


千鶴も。


同じタイミングで肇を見てしまった。


視線。


そして。


互いの唇。


数秒。


何も言わない。


肇は、ほんの少しだけ顔を近づけようとして――止めた。


千鶴も動かない。


「……したい?」


千鶴が小さく聞く。


肇は正直に答える。


「したい」


「私もです」


「でも」


「はい」


二人には約束がある。


高校を卒業する。


教師と生徒ではなくなる。


そして肇のプロ入りが正式に決まる。


それまでは――キスをしない。


肇は息を吐く。


「我慢する」


千鶴が微笑む。


「私も我慢します」


「卒業したら?」


「その時は」


千鶴は少し照れながら。


「もう、先生と生徒ではありませんから」


「覚えておく」


「忘れてください」


「絶対忘れない」


「肇さん!」


二人で笑った。


そして千鶴は代わりに、肇の頭を優しく撫でる。


肇も千鶴の手を握った。


それ以上は進まない。


今はまだ。


恋人として寄り添うだけ。


◇◇◇


一方。


全国の選手たちの集まりでは。


神城がスマートフォンを見る。


「そういえば高橋、今何してるんだろ」


崇道。


「休んでるんじゃない?」


白峰。


「甲子園であれだけ投げたからな」


成田。


「トレーニングしてそう」


甲斐。


「映像研究じゃない?」


駿河。


「バット振ってるだろ」


桑名。


「いや寝てる」


彦根。


「俺も寝てるに一票」


誰も正解を知らない。


まさか。


その高橋肇が。


学校一の美人教師。


高嶺の花と呼ばれる東雲千鶴の膝枕でくつろぎ。


千鶴に頭を撫でてもらい。


二人きりで家デートを楽しんでいるとは。


ましてや。


二人が恋人同士であることすら――誰も知らない。


神城。


「今度グループで聞いてみる?」


白峰。


「何を?」


「甲子園終わって何してましたかって」


崇道が笑う。


「普通に休んでました、で終わるだろ」


「それでもいいじゃん」


◇◇◇


夕方。


映画が終わる。


肇は再び千鶴の膝へ。


「またですか?」


「今日だけ」


「さっきも言っていました」


「甲子園頑張ったから」


千鶴が笑う。


「それを言われると弱いですね」


肇の頭を撫でる。


「お疲れさまでした」


「うん」


「本当に」


「うん」


「日本一、おめでとうございます」


肇が目を開ける。


「ありがとう」


そして。


「千鶴」


「はい?」


「次はプロ」


千鶴の手が一瞬止まる。


「そうですね」


「ドラフトで決まって」


「はい」


「高校卒業して」


「はい」


肇は千鶴を見る。


「その先も」


千鶴は意味を分かっていた。


以前から聞いている。


肇が描いている未来。


それでも今は答えを急がない。


「まずは卒業してください」


「はい」


「高校生として残っている時間を大切にしてください」


「はい」


「そして」


千鶴は微笑む。


「身体を休めること」


「……はい」


「返事だけじゃ駄目です」


「分かりました、千鶴先生」


「家では先生と呼ばなくていいです」


「千鶴」


「はい」


二人は笑う。


全国の高校球児たちが。


U18日本代表を見据え。


ドラフトを見据え。


高橋肇という選手を語っている頃。


当の本人は。


全国が注目する野球選手としてではなく。


ただ一人の高校生として。


大切な恋人との休日を過ごしていた。


しかし。


その穏やかな時間の外側では。


去年の日の丸を知る選手。


今年初めて日の丸を目指す選手。


そして甲子園で戦ったライバルたちが。


再び集まり始めている。


次に彼らが同じユニフォームを着ることになれば。


そこには――。


富山県。


私立富山第二高等学校。


高橋肇。


その名前も加わるのか。


U18日本代表。


高校野球の夏が終わった先で。


次の舞台へ向けた物語が、静かに動き始めていた。



番外編⑽❷「再会するU18の仲間たち――全国の強豪が動く頃、肇は千鶴との休日へ」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


これにて番外編⑽❷は完結です。


前回の❶では、これまで登場機会の少なかった二十六道県の強豪校へ視点を広げました。


そして今回分かったのは、その中にも昨年のU18日本代表を経験した選手が十三人もいたということ。


彼らにとって神城颯真、崇道君彦、白峰蓮司たちは、ニュースで名前を見るだけの有名選手ではありません。


一度は同じ日の丸を背負って戦った仲間です。


だからこそ、久しぶりの再会では高校や都道府県の壁を越え、以前と変わらない高校球児同士として言葉を交わしました。


そして、そんな彼らの話題の中心となったのが――。


富山県・私立富山第二高等学校。


高橋肇。


甲子園で直接戦った白峰蓮司。


地区大会後に肇と握手を交わした崇道君彦。


そして肇の存在を知る神城颯真。


彼らから語られる肇は、単に「160kmを投げる投手」ではありません。


スライダー。


カーブ。


シュート。


球速差を利用した投球。


そして打席に入れば高校通算70本塁打。


甲子園決勝では二塁打、三塁打、満塁本塁打、単打によるサイクルヒットを完成させ、第五打席ではさらに3ラン本塁打。


だからこそ、全国の強豪たちも、


「一度対戦してみたい」


「同じチームで戦ってみたい」


と思うようになっています。


甲子園では敵だった者たちが、今度はU18日本代表として同じユニフォームを着るかもしれない。


それも、これからの大きな見どころとなります。


そして今回もう一つ描いたのが――肇と千鶴の時間でした。


全国では、


「高橋は今頃トレーニングしているんじゃないか」


「映像研究しているんじゃないか」


「身体を休めているんじゃないか」


などと想像されています。


ところが実際の肇は、千鶴との久しぶりの家デート。


千鶴の膝で横になり、Jカップの胸元に顔を預けながら頭を撫でてもらう。


甲子園優勝投手でもなく。


高校通算70本を放ったスラッガーでもなく。


ドラフト候補でもなく。


千鶴の前でだけは、一人の恋人として甘える肇の姿を描きました。


もちろん二人の関係は今も秘密です。


野球部員たちも。


全国のドラフト候補たちも。


昨年のU18日本代表経験者たちも。


高橋肇が、学校一の美人教師で「高嶺の花」と呼ばれる東雲千鶴と交際していることを知りません。


そして二人が守っている大切な約束も変わりません。


互いにキスをしたいと思っていても――今はしない。


肇が高校を卒業し、千鶴の「生徒」ではなく「元生徒」になること。


そしてドラフトを経てプロへの道が正式に決まること。


そこまでは待つ。


甲子園優勝を果たしても、二人にとって越えてはいけない一線は変わりません。


そして肇が以前から描いている未来――。


高校卒業。


プロ野球入り。


その先で千鶴へのプロポーズ。


甲子園全国制覇という大きな約束を一つ叶えたことで、その未来も少しずつ近づいてきました。


しかし、その前に待っている可能性が――U18日本代表。


全国から集まる同世代のトップ選手たち。


去年の日の丸を知る者。


今年初めて代表入りを目指す者。


甲子園で肇と戦った者。


まだ肇と一度も対戦したことのない者。


彼らの中から、誰が選ばれるのか。


そして――。


富山県・私立富山第二高等学校、高橋肇の名前はそこにあるのか。


甲子園編が終わったことで、高校最後の物語も次の舞台へ。


全国制覇のその先へ――。


高橋肇の新しい夏が、再び動き始めます。


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