番外編⑻❸終「決戦前夜――六十一人の願いを胸に、準決勝の朝へ」
番外編⑻も、今回の❸で完結となります。
甲子園準決勝を翌日に控えた高橋肇たち。
対戦相手は――仙台育英高校。
全国制覇まであと二勝。
しかし、一条昴監督が選手たちへ伝えたのは、
「決勝を見るな」
「全国制覇も今は考えるな」
「明日の一試合だけだ」
という言葉でした。
大阪桐蔭高校との一対〇。
東海大相模高校との一対〇。
どれだけ強豪校を倒してきても、それはすべて過去の結果。
次の仙台育英高校に勝たなければ、高校最後の夏はそこで終わります。
そして肇を支えるのは、レギュラーやベンチメンバーだけではありません。
野球部七十人。
マネージャー十一人。
吹奏楽部。
チアリーディング部。
家族。
一条監督。
そして東雲千鶴。
さらに、地区大会前から六十一人が秘密で折り続けてくれた二十人分、合計二万羽の千羽鶴。
たくさんの願いを背負いながら迎える準決勝前夜。
そして翌朝――。
いよいよ肇たちを乗せたバスが、甲子園へ向けて出発します。
甲子園準決勝を翌日に控えた夜。
高橋肇たちが宿泊するホテルでは、いつもより少し早く夕食が終わっていた。
対戦相手は――仙台育英高校。
勝てば、甲子園決勝。
負ければ、高校最後の夏が終わる。
全国制覇まで、あと二勝。
しかし一条昴監督が選手たちへ何度も伝えていたのは、決勝のことではなかった。
「明日の一試合だけ考えろ」
その言葉だった。
夕食後。
ミーティングルームには、レギュラーメンバー九人とベンチメンバー十一人が集まっていた。
高橋肇。
前薗晃大。
鈴木和誠。
神谷悠斗。
藤堂拓海。
宮坂大智。
桐生翔。
長谷川颯汰。
相馬健吾。
そして、
黒崎蓮。
早川慶介。
久我直哉。
松岡亮平。
橘優成。
西川陸斗。
安西航。
倉田陽向。
森川駿。
大野蒼真。
榎本悠生。
二十人。
前には一条監督。
ホワイトボードには大きく、
『準決勝 仙台育英高校』
と書かれていた。
「いいか」
一条監督が全員を見る。
「ここまで来た」
誰も喋らない。
「地区大会を勝ち抜いた」
「はい」
「甲子園へ来た」
「はい」
「一回戦を勝った」
「はい」
「二回戦を勝った」
「はい」
「大阪桐蔭にも勝った」
「はい」
「東海大相模にも勝った」
「はい!」
一条監督は一度、言葉を止めた。
「だが」
全員を見る。
「全部、過去だ」
肇が顔を上げる。
「明日になれば、大阪桐蔭に勝ったことも、東海大相模に勝ったことも関係ない」
「はい」
「仙台育英から一点取らなければ勝てない」
「はい!」
「仙台育英から二十七個のアウトを取らなければ勝てない」
「はい!」
「だから決勝を見るな」
一条監督は強く言った。
「全国制覇も、今は考えるな」
肇は静かに頷いた。
「明日の試合だけだ」
「はい!」
「目の前の一球だけだ!」
「はい!」
◇◇◇
ミーティングでは、仙台育英の特徴が細かく確認された。
走塁。
守備。
投手陣。
長打だけに頼らない打撃。
バント。
エンドラン。
進塁打。
一つのアウトと引き換えに走者を進め、相手へ少しずつ圧力をかけてくる。
一条監督がホワイトボードを指した。
「高橋」
「はい」
「相手は、お前からホームランを打つことだけを狙ってくるわけじゃない」
「はい」
「単打でもいい。四球でもいい。内野安打でもいい。とにかく塁へ出て、お前を揺さぶってくる」
前薗が頷く。
「走ってきますね」
「ああ」
一条監督が前薗を見る。
「だから明日はお前も重要だ」
「はい!」
「盗塁を全部刺せとは言わない」
「はい」
「ただし好き勝手に走らせるな」
「分かりました」
肇が言う。
「俺もクイックを意識します」
「それでいい」
一条監督は続ける。
「それと高橋」
「はい」
「三振を取りに行きすぎるな」
「……はい」
「大阪桐蔭戦も東海大相模戦も、お前はよく投げた」
「はい」
「だからこそ疲労は確実にある」
肇は黙って聞く。
「明日は準決勝だ。気持ちだけなら何球でも投げられるだろう」
「はい」
「でも身体は別だ」
「はい」
「守備を信じろ」
一条監督がレギュラーを見る。
「こいつらがいる」
藤堂拓海が笑う。
「任せてください」
神谷悠斗。
「全部捕ります」
宮坂大智。
「一塁には俺がいます」
桐生翔。
「三塁線も抜かせません」
鈴木和誠。
「外野に飛ばしてくれていいぞ、肇」
長谷川颯汰。
「俺もいます」
相馬健吾。
「任せてください」
前薗が最後に。
「俺が受ける」
肇は仲間たちを見た。
そして笑った。
「分かった」
一条監督。
「何がだ?」
「明日は一人で投げません」
「そうしろ」
「みんなに守ってもらいます」
鈴木が言う。
「最初からそうしろよ」
小さな笑いが起こった。
緊張していた空気が、ほんの少しだけ柔らかくなった。
◇◇◇
ミーティング終了後。
二十人が部屋を出る。
廊下の先には、マネージャー十一人がいた。
篠崎美月。
相沢琴音。
西野七海。
高瀬彩花。
藤本美羽。
森下結菜。
小泉杏奈。
水川真帆。
山岸ひなた。
桜木莉子。
白石美琴。
明日の準備をしている。
スポーツドリンク。
水。
タオル。
氷。
救急用品。
テーピング。
着替え。
補食。
スコアブック。
十一人も準決勝へ向けて動き続けていた。
肇が足を止める。
「美月」
「高橋君?」
「昨日の」
「千羽鶴?」
「うん」
肇は頭を下げた。
「改めて、ありがとう」
美月は少し驚く。
「急にどうしたの?」
「明日だから」
「まだ準決勝ですよ」
「分かってる」
肇が笑う。
「だから明日、一つ勝ってくる」
美月も笑った。
「お願いします」
すると琴音が言う。
「でも無理しないでね」
七海も。
「高橋君、この大会かなり投げてるから」
「分かってる」
美羽。
「本当に?」
「本当に」
杏奈が少し疑うような目をする。
「高橋先輩の『大丈夫』、信用できない時ありますから」
「ひどいな」
笑いが起きる。
一年生のひなたも言った。
「私たち、飲み物いっぱい用意します」
莉子。
「氷もあります」
美琴。
「だから絶対、ちゃんと休んでください」
「はいはい」
「返事一回です」
「はい」
また笑いが起きた。
だが。
肇は分かっていた。
この十一人も戦っている。
グラウンドには立たない。
打席にも立たない。
マウンドにも立たない。
それでも。
同じ準決勝を戦う仲間だった。
◇◇◇
ホテルの自室へ戻った肇は、自分へ贈られた千羽鶴を見た。
『高橋肇』
『全国制覇』
千羽。
これが二十人分。
合計二万羽。
地区大会前から六十一人が折り続けた願い。
肇はスマートフォンを手に取った。
千鶴へ連絡する。
『明日、準決勝』
少しして返信。
『はい。いよいよですね』
『緊張してる?』
『肇さんに聞かれるとは思いませんでした』
肇は笑う。
『俺はちょっとだけ』
すぐに。
『嘘ですね』
『バレた?』
『肇さんの「ちょっと」は信用していません』
『マネージャーにも同じようなこと言われた』
『皆さん、肇さんのことをよく分かっていますね』
肇はベッドへ腰掛けた。
そして。
『千鶴』
『はい』
『明日も見てて』
返信まで少しだけ時間が空いた。
『もちろんです』
さらに。
『吹奏楽部顧問として、学校の先生として、皆さんを応援します』
肇は画面を見る。
そして送る。
『それだけ?』
しばらく既読だけ。
やがて。
『……それ以上は、今は文章に残しません』
肇は思わず笑った。
『分かった』
そして最後に。
『おやすみ』
千鶴から。
『おやすみなさい。明日は一人で全部背負わないでくださいね』
肇。
『分かってる』
『みんなで勝つ』
千鶴。
『はい。待っています』
そこでやり取りを終えた。
肇は千羽鶴を見る。
「みんなで勝つ……か」
ゆっくり横になる。
目を閉じた。
明日は準決勝。
だが。
決勝のことは考えない。
まず――仙台育英。
◇◇◇
同じ頃。
応援組が宿泊するホテル。
千鶴は吹奏楽部三十人と最後の確認を行っていた。
「明日は朝が早いです」
「はい!」
「楽器の確認をして、今日は早めに休んでください」
「はい!」
「体調が悪い人は?」
誰も手を上げない。
「分かりました」
部長が千鶴へ。
「東雲先生」
「はい?」
「明日、勝てますよね?」
千鶴は少しだけ考えた。
「先生が『必ず勝てる』と言うことはできません」
部員たちが聞く。
「相手も同じ高校生です」
「はい」
「仙台育英高校の選手たちにも、今日まで努力してきた時間があります」
「はい」
「だから」
千鶴は微笑む。
「私たちは、私たちにできる応援をしましょう」
「はい!」
「最後の一球まで」
「はい!」
「演奏で背中を押してください」
「はい!」
部員たちが部屋へ戻っていく。
千鶴は一人になってからスマートフォンを見る。
肇とのやり取り。
『明日も見てて』
その言葉をもう一度見る。
千鶴は小さく呟いた。
「もちろんです」
誰もいない場所だから言える。
「ずっと見ていますよ、肇さん」
◇◇◇
翌朝。
準決勝当日。
まだ空が完全に明るくなる前。
肇は目を覚ました。
時計を見る。
予定より少し早い。
「……朝か」
起き上がる。
カーテンを少し開ける。
甲子園で戦える日も、あと最大二日。
今日負ければ。
そこで終わる。
だが。
肇はその考えをすぐに消した。
一条監督の言葉。
――明日の一試合だけ考えろ。
「仙台育英」
小さく呟いた。
顔を洗う。
身体の状態を確認する。
肩。
肘。
腰。
脚。
大丈夫。
そこへ。
コンコン。
「肇、起きてる?」
前薗。
「起きてる」
扉を開ける。
「おはよう」
「おはよう」
「肩どう?」
「大丈夫」
前薗がじっと見る。
「本当に?」
「お前まで?」
「俺が一番確認しないと駄目だろ」
「大丈夫」
肇は肩を軽く回す。
「痛みなし」
「張りは?」
「多少」
「監督に言えよ」
「言う」
「絶対?」
「言うって」
前薗はようやく頷いた。
「ならいい」
肇。
「お前は?」
「俺?」
「身体」
「問題なし」
「本当に?」
「お前と同じこと聞くな」
二人が笑った。
「朝飯行くか」
「うん」
◇◇◇
朝食会場。
すでに何人もの部員がいた。
鈴木和誠。
「おはよう」
「おはよう」
神谷悠斗。
「肇、寝られた?」
「普通に」
藤堂拓海。
「俺、夜中に一回起きた」
宮坂大智。
「緊張?」
「多分」
桐生翔。
「俺も」
長谷川颯汰。
「準決勝だからな」
相馬健吾。
「でも腹減った」
鈴木が笑う。
「それだけ食欲あれば大丈夫だ」
朝食。
ご飯。
味噌汁。
焼き魚。
卵料理。
野菜。
果物。
選手それぞれが身体へ必要なものを食べていく。
一条監督も少し離れた場所から様子を見ていた。
「高橋」
「はい」
「食えてるか?」
「はい」
「前薗」
「はい」
「高橋が残したら食わせろ」
「分かりました」
「俺、子供じゃないですよ」
「お前は野球になると自分の身体を忘れるから言ってる」
部員たちが笑う。
肇も苦笑した。
「全部食べます」
「よし」
◇◇◇
朝食後。
出発準備。
マネージャー十一人はすでに動き回っていた。
「スポーツドリンク確認!」
「はい!」
「氷!」
「あります!」
「タオル!」
「準備できました!」
「救急バッグ!」
「大丈夫です!」
篠崎美月がチェック表を見る。
「忘れ物ない?」
「ありません!」
「もう一回確認しよう」
「はい!」
肇はその光景を少し離れた場所から見ていた。
前薗が隣へ。
「昨日の千羽鶴」
「うん」
「俺、ホテルに置いていくの嫌なんだけど」
「俺も」
「でも全部持って球場行けないよな」
「写真撮った」
「俺も」
肇はスマートフォンを見る。
千羽鶴。
『全国制覇』
その写真。
「これでいい」
「うん」
「本物は帰ってきた時に見る」
前薗。
「勝って帰ってくる?」
肇。
「当たり前」
二人は拳を軽く合わせた。
◇◇◇
一方。
応援組も朝を迎えていた。
真悠。
眞衣。
父親。
由紀子。
そして千鶴。
吹奏楽部。
チアリーディング部。
学校の生徒たち。
それぞれが準決勝へ向けて準備する。
真悠が千鶴へ。
「千鶴さん」
周囲に誰もいないことを確認してから呼ぶ。
「はい?」
「お兄ちゃん、昨日連絡した?」
千鶴が少し驚く。
「しましたよ」
眞衣が笑う。
「やっぱり」
「何ですか、その顔は」
真悠。
「別に」
眞衣。
「今日のお兄ちゃん、絶対千鶴さん探すよ」
千鶴が赤くなる。
「試合中にそんな余裕はありません」
「試合前」
「……それは」
由紀子がやって来る。
「三人とも何の話?」
真悠と眞衣。
「何でもない!」
由紀子は千鶴の顔を見る。
「千鶴、赤いけど?」
「何でもありません、由紀子先輩」
「そう?」
千鶴は話題を変える。
「そろそろ出発ですよ」
「はいはい」
由紀子は少し笑っていた。
◇◇◇
そして。
野球部のホテル前。
大型バス。
荷物が積み込まれる。
七十人の部員。
十一人のマネージャー。
一条監督。
スタッフ。
全員が準備を終える。
一条監督が最後に人数を確認した。
「全員いるな?」
「はい!」
「忘れ物?」
「ありません!」
「体調不良?」
「ありません!」
一条監督が頷く。
「よし」
そして。
「行くぞ」
その一言で空気が変わった。
肇がバスへ乗り込む。
いつものように一条監督の近く。
前薗。
和誠。
神谷。
藤堂。
宮坂。
仲間たちも次々に乗る。
マネージャーたちも乗車。
扉が閉まる。
エンジン音。
ゆっくり。
バスが動き始めた。
肇は窓の外を見る。
スマートフォンを開く。
千鶴から一件。
『私たちも、もうすぐ出発します』
肇は返信する。
『甲子園で』
すぐに。
『はい。甲子園で』
それだけ。
今日は長い言葉はいらなかった。
一条監督が隣から言う。
「高橋」
「はい?」
「今日は何をする?」
肇は少し考えた。
そして。
「勝ちます」
一条監督。
「違う」
「え?」
「目の前の一球だ」
肇は笑った。
「はい」
一条監督も少し笑う。
「それを二十七個積み重ねろ」
「はい!」
バスは甲子園へ向かう。
準決勝。
仙台育英高校。
六十一人が地区大会前から折り続けた二万羽の願い。
野球部七十人。
マネージャー十一人。
一条監督。
家族。
吹奏楽部。
チアリーディング部。
学校の仲間。
そして――千鶴。
たくさんの人たちの想いが、肇たちの背中を押している。
それでも。
今は全国制覇を見ない。
決勝も見ない。
見るのは。
次の一球。
次のアウト。
次の一点。
高橋肇はバスの座席で拳を握った。
「行ってきます」
誰に言ったのでもない。
仲間たちへ。
家族へ。
千鶴へ。
そして千羽鶴を折ってくれた六十一人へ。
心の中で伝えた言葉だった。
全国制覇まで、あと二勝。
だが、その前に越えなければならない大きな壁がある。
仙台育英高校。
甲子園準決勝。
高橋肇たちの高校最後の夏を懸けた戦いが――。
もうすぐ始まろうとしていた。
番外編⑻❸終「決戦前夜――六十一人の願いを胸に、準決勝の朝へ」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これにて番外編⑻は完結です。
❶では、甲子園ベスト4に残った高校が決定。
さらに、マネージャー十一人とベンチ入りしていない野球部員五十人が、地区大会前から秘密で作り続けていた千羽鶴が完成しました。
ベンチ入り二十人へ、一人千羽ずつ。
合計二万羽。
❷では、その日の夜に肇が千鶴へ千羽鶴について詳しく話しました。
マネージャーたちの想い。
グラウンドへ立つことのできない部員たちの想い。
そして千鶴から伝えられた、
「皆さんの想いも託さなきゃいけませんね」
という言葉。
二人はさらに、高校卒業とドラフト会議を終え、肇の進路が正式に決まった後にキスをするという新しい約束も交わしました。
そして今回の❸。
舞台は準決勝前夜から準決勝当日の朝へ。
一条監督が選手たちへ何度も伝えたのは、全国制覇まで「あと二勝」ということではありません。
見るべきなのは――次の一試合。
そして次の一球です。
特に肇は、ここまで甲子園で何度もマウンドへ立ってきました。
だからこそ一条監督も前薗晃大も、肇の身体を心配しています。
エースだからといって、一人ですべての三振を奪う必要はありません。
藤堂拓海。
神谷悠斗。
宮坂大智。
桐生翔。
鈴木和誠。
長谷川颯汰。
相馬健吾。
そして捕手・前薗晃大。
肇の後ろには、信頼できる仲間たちがいます。
「明日は一人で投げません」
肇が口にしたこの言葉は、ここまでの甲子園を通して成長した証でもあります。
そして準決勝当日の朝。
肇と前薗は互いの身体の状態を確認。
一条監督からも無理をしないよう念を押されます。
一方、応援組では真悠、眞衣、両親、千鶴たちも準備を開始。
学校では誰にも言えない肇と千鶴の関係。
それでも二人は出発前、
「甲子園で」
「はい。甲子園で」
と短い言葉を交わしました。
長い言葉はいりません。
千鶴は応援席から。
肇はグラウンドから。
二人はそれぞれの場所で、同じ準決勝へ向かいます。
そして今回、改めて描かれたマネージャー十一人の存在。
水分。
氷。
タオル。
テーピング。
救急用品。
補食。
スコアブック。
選手たちが試合だけに集中できるよう、朝早くから準備を続けています。
甲子園で戦っているのは、テレビに映る九人だけではありません。
ベンチメンバー十一人。
ベンチ外の五十人。
マネージャー十一人。
一条監督。
そして多くの応援する仲間たち。
全員でここまで来ました。
番外編⑻は、そんな「グラウンドの外から支える人たち」を中心にした三話となりました。
そして次回。
物語はいよいよ甲子園準決勝へ戻ります。
対戦相手――仙台育英高校。
勝てば、決勝。
負ければ、高校最後の夏は終わり。
六十一人が折った二万羽の願いとともに、高橋肇たちは甲子園のグラウンドへ向かいます。
全国制覇まであと二勝。
しかし――。
まず必要なのは、目の前の一勝。
高校最後の夏。
いよいよ、甲子園準決勝です。




