いぼまい・・・?
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「調査結果が出た」
わたしはどくん、と自分の心臓がはねるのをはっきりと感じた。結果はどうだったのだろうか。
先日と同じように、目の前に皇帝と皇妃が並び、その前でわたしと兄達がいる。わたしがごくっと息を飲んだのが、分かりやすく部屋に響く。
母は、さすがは皇妃というべきか、泰然と構えている。
「結果は—————愛人というような女性は見られなかった。男性にも範囲を広げさせたが、そちらもいない事が判明した」
「えっ!?では、違法賭博などの方は・・・!?」
「そちらは、叔父の方がやっていたようだ」
「お、じ・・・?」
呆然として呟く。皇帝はわたしを見て、頷いた。
「叔父のシャール子爵がやっていたようだ。それを、子爵は甥になすり付け、自分はさもやっていないかのように振る舞っていた。そのせいで、パイライト公爵は悪い噂をたてられていたようだ」
「なんてことかしら。ただの被害者だったのね、彼」
皇妃がぐぐっと眉間にしわを寄せる。不愉快だということを全面的に表現した表情だった。
「信じられない方ですわ。陛下。子爵は身分を剥奪するべきです!きっちりと自分でおとしまえをつけさせなければ」
皇妃の鋭い視線に、皇帝はうむとこれまた厳しい顔で重々しく頷いた。
「今回の事は、流石に私も腹を据えかねている。だから、爵位剥奪の上、平民に身を落としてもらう事とする」
「では、次の貴族調整会で・・・」
「ああ。爵位剥奪を告げる」
貴族調整会とは、その名の通り、貴族たちの調整をする会議のことだ。爵位があがる貴族もいれば、逆に下がる貴族もいる。しかし、爵位剥奪をされた貴族は今までいなかった。これが、初めての爵位剥奪となるのだ。
「では・・・。パイライト公爵家にも、少なからず影響がありますよね」
わたしの冷静な指摘に、皇帝はああと頷いた。
「そこが難しいところだ。セシリア(皇女)が降嫁するにしては、良くない家柄になってしまう」
「まあ・・・。では、子爵に自分から爵位を返上していただければよろしいのではないかしら」
皇妃のおっとりとした物言いに、ぞくりと部屋の温度が冷えるのを感じる。皇妃は、怒ったときほど、
おっとりと穏やかな物言いになるのを知っているからだ。
「・・・。そうだな。そうするほかあるまい。では、それは私の方でなんとかしておこう」
「他にも、パイライト公爵令息になすり付けていた罪などがありそうですから、余罪をも突きつければ、あっさりと爵位返上しそうですからね」
アイザックのあっさりとした物言いにも、恐怖を若干感じていると、皇帝が平然として頷いた。
「では、よろしく頼もう、アイザック」
「はっ、かしこまりました」
アイザックは恭しく答えると、すぐに裾を翻して部屋を出て行った。
「では、セシリア。以上が結果だ」
「あの、わたくし、アルノーからルイス様は女性を囲い込んでいるという噂をきいたのですけれど!?噂の真相は何なのです?」
「ああ、囲い込んでいるのではなかったのだ」
「え?」
不審気なわたしに、父がさとすようにゆっくりと言ってくれる。
「その噂、恐らく異母妹だ」
「——————はっ?」
たっぷり十秒驚きで固まってから言った。
「いぼまい・・・?」
「そうだ。前パイライト公爵とメイドとの子だそうだ。前パイライト公爵夫人には、知らせていないらしい。まあ、知っているだろうけども」
「・・・え、そうなのですか?メイドとの子、つまり私生児ということなのですね」
「ああ。だから、そのメイドとともに捨てたらしいんだが、そのことを無責任だと怒った現公爵が、その親子を探し出して生活を保証させたらしい」
わたしが、思わぬ現実にうろたえてしまっていると、母が近づいてきた。
「————決して、同情しては駄目よ。皇女ならば、その現実も受け入れるの。その異母妹の子たちは、決して不幸ではないもの。良いわね?」
母の言葉は、さああっと涼風が吹いていくような心地を感じさせた。わたしは、大きく目をみはると、頷いた。
心が、すっと軽くなる気がした。これで、ルイスを心置きなく信じられる。
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彼とわたしの穏やかな婚約生活が始まります
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