責任とってください
最終回です!
いつも、本当にありがとうございます!
よろしくお願いします!
「お久しぶりですね、セシリア様。お変わりありませんでしたか?」
実は、わたしとルイスのお茶会はしばらく開催されていなかった。理由は、わたしが断っていたから。
囲い込んでいる女性がいると疑いがある中、お茶会はしたくなかったのだ。
けれど、そんなわたしの勘違いによって、身勝手に断られ続けてきたというのに、ルイスは不満を微塵も見せなかった。
「———はい。お久しぶりですね、ルイス様」
なるべく、いつも通りの笑顔を浮かべる。ルイスは、笑顔で話しかけてくれるけれど、それをわたしは遮るようにして話しかけた。
「それで、石について学んでみたんです。セシリア様、私は、この石が特に好きで————」
「あの。申し訳ないのですけれど、今日は重要なお話があるのですわ。少し、付き合ってくださいませんか?」
ルイスはきょとんと不思議そうな表情を浮かべたものの、良いですよと朗らかな笑みを浮かべる。
「ルイス様。わたくし、実はルイス様のお噂をきいてしまったのです」
「噂?どのような?」
「————女性を囲い込んでいらっしゃるとか、複数の女性と交際をなさっているとか」
わたしの指摘に、ルイスは全く動揺しなかった。ああ、と言って肩をすくめただけだった。
「アレでしたか。私も、知っていたのですが、まあ小さな噂ですし、関係ないだろうと放っておいたのですよ。まさか、それが皇女殿下のお耳に入るとは思いもしませんでしたが」
「ご存知でしたのね。けれど、あえて放置なさったのは、囲い込んでいるのは異母妹だから?」
わたしの指摘に、ルイスは目を丸くする。
「そこまで、お調べになったのですね。ええ、そうですよ。異母妹がいるんです。お恥ずかしいお話ですので、詳しい出生は申し上げられませんが・・・」
「ええ、存じていますから。平気です」
「そうでしたか・・・。それで、えっと醜聞がある人とは婚約できないというようなお話でしょうか?」
「えっ?違います!」
わたしは慌てて否定した。彼と婚約を解消するなんて、するつもりは毛頭ない。
「えっ?違うんですか?」
「はい。わたくしは、ただおききしたい事があったのですわ」
ルイスはえ、何でしょうと呟いている。
「あの、お好きな女性はいらっしゃらないんですよね?」
わたしの質問に何故か、ルイスは言葉に詰まったような顔をした。
「え?」
「あ、いや・・・。その、います、よ」
ルイスのまさかの告白に、わたしはえっ!と紅茶を少し零してしまった。
ずきり、と胸がいたむ。けれど、それをなんとか遣り過ごして。
「ま、まあ!そうなのですか!?では、その方の待遇を考えなければなりませんわね。だって、わたくしが正妻でないと父も納得しませんでしょうし。悪いですけれど、その方には愛人、もしくは公妾という立場になっていただくしか・・・。あっ、コレもしかして、わたくしが離れにいくような感じでしょうか!?まあ、ではお客様がいらしたときだけ、せめてわたくしが公爵夫人として立ち会わせていただくというのは如何でしょう?それならば、ばれませんでしょうから!」
わたしの早口な提案に、ルイスはすっかり固まってしまっている。そもそも、こんなにわたしは嫌われるような人なのだろうか。
元婚約者を思い出し、むっとする。
わたしが一人でムカッとしていると、ルイスはようやくフリーズがとけて、えっえっ!?と戸惑ったように視線をさまよわせた。
「あの、何の事ですか?」
「はい?何の事?わたくし以外にお好きな方がいらっしゃるんでしょう?ならば、その方との関係を予め決めておかなければなりませんわ。後からこじれたくありませんしね」
わたしの説明に、ルイスはますますぽかんとした。すっかり間抜けな顔になっている。
「あの・・・?」
声をかけると、ルイスははっと我に返った。
「あっ、申し訳ありません!改めて言いますが。貴女以外の、好きな人はいませんよ!」
「はっ・・・?」
思わず、声がこぼれる。どういう事・・・?
わたし以外の、好きな人はいない・・・?けれど、好きな人がいるって・・・。
唐突に、意味を理解して、目を大きく見開く。
まさか、けれど、まさか。
「まさか・・・その好きな人って・・・」
わたしの恐る恐ると言った質問に、ルイスははっきりとして言った。
「貴女です。セシリア様」
「わ、わたくし・・・!?」
じんわりと意味を理解して、頬が熱くなる。わたしが、ルイス様の好きな人。
「な、な、な、っわたくし?」
「ええ、貴女です。貴女だけですよ、セシリア様」
「あ、え、う、嘘・・・」
「嘘じゃありません。本気です」
頬が火照りすぎて、恥ずかしさで倒れてしまいそうだ。涙がじんわりと出てきて、視界が狭くなる。
「わ、わたくしも!あなたのことが好きです・・・ルイス様」
意を決して、ルイスに告白する。滲む世界の中で、ルイスが目をみはったのが分かった。けれど、すぐに相好を崩す。
「本当ですか、セシリア様。責任をとってもらいますからね」
「せ、責任?」
思わず問い返すと、ルイスが微笑みながら言うのが分かった。
「僕をほれさせた責任ですよ。結婚しましょう、セシリア様」
ここまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました!
実は、今だから言えることですが・・・これ、下書きの時点でまだ、完成していなかったんです!!
途中で、あれ?これ、どうやって完結させよう!?って焦ったのを覚えています笑
本当に、ここだけで言える話ですよぉ・・・!!
けれど、どうにか皆様のおかげで完結致しました!
セシリアの性格は、最初と最後で大分変わったなあという印象を持ちましたが、元は最後のような可憐な性格だったんだろうなという気がします。
ここまで、読んでくださり、本当にありがとうございました!
良ければ、他の作者の作品も読んでくださると嬉しいです!
新連載も、始めましたので!!
彼とわたしの穏やかな婚約生活が始まります
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こちらが新連載になります!
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完璧な『社交界の白梅』は、完璧な王弟殿下と婚約を結びました 〜こんなドキドキするなんて聞いてません!〜
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