ルイスの噂
読んでくださり、ありがとうございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
よろしくお願いします!
「最近、ご婚約者様のパイライト公爵閣下と仲が深まられたようですね」
書類の束をわたしに差し出しながら、にやりと微笑む男。
わたしの補佐官、アルノーだ。
「アルノー・・・。からかっているわね?」
わたしがじとりとした目でアルノーを見ると、アルノーはこほんと咳払いをしてみせた。そして、わざとらしくニッコリと人畜無害そうな笑顔を浮かべた。
「まさか!わたくしめのような、貴女さまの忠実な僕が貴女さまをからかう?そのような、僭越なことは致しません!わたくしめは、ただただ事実を貴女さまのお口からおききしたいのみでございまして、決して揶揄うような意図はございません!」
「—————白々しい・・・」
思わず、ぽつりと呟いてしまう。アルノーは、その呟きをすかさず拾うと、なっ!と目を悲しげに見開いた。
「白々しい!?わたくしめは、事実を申し上げたまででございますよ!それなのに、白々しいだなんて・・・。僕をもう少し、信用してほしいものです。我が主様には、いつも全力を尽くしておりますものを」
「はいはい。いつもありがとね。それで?どこから情報を掴んだの」
わたしが、こめかみを押さえながら問い返すと、アルノーはまたもやわざとらしく肩をすくめた。
「わたくしめが貴女さまの忠実な僕であることをご存知でしょう?どこからでも、貴女さまのことを聞き出しますよ」
「————護衛ね?」
わたしがはあっと大きくため息をつきながら、アルノーを見遣った。アルノーは、はてさて何の事やら、とうそぶいている。
「もう・・・。護衛にはきちんと黙っておいてもらうように言っておいたはずなのに・・・」
「まあまあ。そんなに、お気になさらず。わたくしめ以外に広まってはいないと思いますよ」
「あなたに一番、広がってほしくなかったのよ・・・」
一応、これでも彼は辺境伯の息子だ。だから、幼いころから王宮に上がり、わたしの幼なじみであり、
六歳年上なので兄のような関係だ。もう結婚して、一歳の子どももいるはずなのに、どうしてこうも落ち着かないのか。謎すぎて仕方ない。
「それはそうと。セシリア様がご婚約なさったことはもう民に広まっていますから。外で、婚約者殿は
貴女さまのことを『皇女』とはっきり口にしたそうですね?」
アルノーの真面目な口調に、わたしも背筋をのばす。
そして、記憶を探ると、確かに口にしていたよう、な・・・?
わたしの曖昧な表情を見て、アルノーは少し表情を厳しくする。
「セシリア様。このような事、申し上げたくないのですが・・・。パイライト公爵令息は、おやめになった方がよろしいと思いますよ」
目をみはって、黙り込んだわたしに、アルノーは困ったように眉を下げた。
「あのですね・・・。実は、パイライト公爵閣下って悪い噂があるんですよ」
「どんな?」
食いつくように、ばっと目を見開きながら、アルノーに迫る。皇女としてはとても、はしたない振る舞
いだけれど、今は多めに見てほしい。わたしの将来の夫のことなのだ。
「どうも、調べてみると、複数の女性と遊んでいるようなんですよね。あとは、違法賭博をやっていたり、悪い連中を裏で繋がっていたりなど・・・。様々なんですよ。あくまで、噂なんですけれどね。少なくとも、一人だけ囲い込んでいる愛人がいるのは確認しましたが」
「————嘘でしょ」
「嘘じゃあありませんよ。何故、セシリア様に私が嘘をつかなきゃいけないんです?まあ、でもあくまで噂ですからね?」
わたしが呆然としている間に、アルノーは冷静な突っ込みをくれる。
けれど、わたしの思考は完全にフリーズしてしまっていた。
「取り敢えず、これからどうします?私、貴女さまの指示がないと動けないんですよね」
アルノーの一言に、わたしははっとした。そうだ。今は、これからのことを考えなきゃ。
今教えてもらった事が事実かどうかを、皇帝陛下に掛け合って、調べてもらおう。
「お父様に、面会をとってちょうだい、アルノー」
引き続き、読んでくださり、ありがとうございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
次に続きます!
投稿は不定期に行いますが、頑張るので、読んでくださると嬉しいですᕦ(ò_óˇ)ᕤ
他にも、作品を投稿しております!
よろしければ、そちらもご覧くださると嬉しいです。
彼とわたしの穏やかな婚約生活が始まります
https://ncode.syosetu.com/n7754kq/




