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貴族はお金でできている 5

特に意見が出ることもなく、議会は終了した。

ここで決まったのは、税は普通の平民だったら収入の2割ほどを貴族に収める、結婚税と死亡税の廃止、税は人頭税と収入税のみ、税を変えるなら申請が受理されなければいけない。

ーーそしてそれを審査するのは役人と平民。


私達が見限るかもしれないぞーって煽ったら、面白いくらいに上手くいった。高位貴族達でも、でも王家に睨まれるのはまずいと思ったらしい。


とはいえこちらを恐れて全く申請が来ないわけではなく、ちょくちょく貧乏貴族から届いていたりしているから機能はちゃんとしている様だ。


「で、現在申請はどのくらい届いてるの?」


「アミティエ公爵から一件ですね」


「アミティエ…」


宰相の言葉に首を傾げる。

アミティエかぁ…どっかで聞いたことがある様な、ない様な…。


「アミティエ公爵って、アナのライバルだったご令嬢のところか?」


「…あーそんなのいたわね」


そういえば、そんな気がしなくもない。

確か…彼女はセオドリクのことが好きで、なにかと突っかかってきたんだっけ?

…いや違うな、これだと彼女は私に嫉妬した小物に聞こえてしまう。

正しくは、王太子の婚約者に権力でゴリ押ししてなった私を、という文がつく。


彼女は歳がリクと少し離れていたから王妃に選ばれることはなかった。貴族の年の差婚は女が若いというのが基本だからだ。


今ならわかるけど、賢明な彼女は私が王妃になったらヤバいって分かっていたんだろう。

だから彼女はまだ小さい我が儘娘に嫌がらせをした…ま、それは結局私に告発されて厳重注意をもらっちゃったんだけどね。


「そんなのって…それ以来お前、アミティエ公爵に嫌われてるだろ?」


「娘に何してくれんじゃーって?」


「彼は娘さんを可愛がっていますからね」


「そうなの?」


「多分、今回の件は嫌がらせも兼ねているのでしょう。公爵の申請を断るには、それなりの理由が必要です」


新事実ね。

私はそのアミティエ公爵から嫌われてて、なおかつ申請は嫌がらせ…って


「それなりの理由が必要…?どんな理由?」


「そうですね…公爵が嘘をついている、とかだったらいいでしょう」


「嘘か…」


公爵が嘘をついているとしたら、平民や役人じゃ見破れないかもしれない。

とは言っても、ちゃんとした申請をしているかもしれないんだけどね。

まぁ、警戒することに越したことはないけどね。


「そういえば、申請の内容は聞いてなかったな」


「…内容は、関税についてですね。フィエルテ領からの品物に一部、関税をかけたいと」


「十中八九嫌がらせじゃないか…」


流石にこれは呆れた。

せめて他の領の物にも関税をかければいいのに…。


「…陛下の仰る通りなのですが、証拠がないので下手に突っ張ることができません」


公爵の狙いは証拠か。

彼の言う通り証拠がなかったら申請を通すわけにはいかない。でも、通したは通したで他の貴族の反発を買う。贔屓だ!って…。


「あ、証拠か…。じゃあ、調査隊を送って審査するの?」


「でしょうね。調査隊になる役員は決まりました」


「平民の抽選は?」


「もちろん今回も手配します。まだ決まっておりませんが」


そっか…それじゃあちょっと不安だな。

どうせなら私が行きたいけど、それこそ贔屓だ。

私は前世が平民だったし行けないかなぁ?…あれ?


「…今回の調査、私達が平民として潜入してみない?」


「潜入!?…いや、無理g」


「潜入ですか…調査団の視察としてであれば問題ないでしょう。」


「いけるんだ…」


まぁ、一度調査の様子を見たかったから丁度いいもんね。

私が一人で納得していると、宰相が何やら真剣な目でこちらを見た。


「どうしたの?」


「…陛下、王妃様、差し出がましいお願いなのですが、どうか倅も連れて行ってはくれませんか?」


それは…倅とは次期宰相って言われてた攻略対象のことよね?


「倅は陛下の仰った通り、思い込みが激しいです。ですが、今回の調査に行くことで視野が広がればそれも変わるかと」


「そうだな…確かに、彼はその欠点がなくなれば宰相になっていたような人物だ。」


「…このままでは惜しいってこと?」


確かにその欠点がなくなれば優秀な人材が手に入る。

…でも、いいのか?


「だが、私は彼との仲は良いとはいえないだろう。それによって調査に支障は出ないのか?」


リクの懸念は最もだ。

私達には彼に負い目がある。特に、リクとはつい先日まで友達だったのに裏切られたんだ。


「…正直、分かりません。ですがもし倅が少しでも哀れに思われるなら、どうか倅を変えてください…!」


「「…」」


宰相は必死に頭を下げて言う。

そんなのーー叶えないわけないじゃないか。


「…頭を上げてくれ」


「!」


「俺は…いや、俺たちも国民もお前に感謝している。そんなお前の願いだ、叶えないわけないだろう」


宰相は、あの前王の頃からずっと政治を支えてくれた。

そんな彼の願いを、私達(王と王妃)は叶えなければいけないんだと思う。


「ありがとうございます…!」


「もう、頭を上げてって…」


ただそこまで遜らなくていいのよ?

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