貴族はお金でできている 3
そしてその作戦会議?から少し経った頃、リクは私を不安そうに見つめてくる。
「…本当にやるの?」
「やるしかなくない?」
現在、私達はやったら絶対貴族の反感を買うであろう政策を、貴族の前で発表しようとしている。
とは言えそれは承知している。…だってあいつら、プライドとお金の塊だし。
「当たって砕けろか…」
「…どうせ何もしなかったら砕けるでしょ」
「だね」
そう言いながらも私達は議会への扉を開けるのだった。
「両陛下の御成り!!」
そうやってに言われるのは今でも慣れないなぁ…てか、慣れる日なんて来るのかな?
そんな風に思いながらも、リクが話し始める。
「表を上げろ」
貴族たちが顔を上げる。
「皆の者、集まってくれてありがとう。礼を言う」
リク…なんだろう、今までで一番陛下っぽいよ。すっごい頼りになりそう。
「本日は皆の者に税のことで話がある。王妃よ」
「はい。では、ここからは私が説明しますわ」
笑顔でにっこり笑ってやる。
多分今でも我が儘なんじゃないかとか思われてんだろうな…。
あ、なぜ私が説明することになったか、それはリクの押し付けという一言に尽きる。
あの野郎貴族の反応が怖いらしく、私に押し付けやがったんだ。
なぁにが好感度アップだよ?好感度駄々下がりに決まってんだろうが、バーカバーカ!
…こほん、今は王妃モードだ、がんばろ。
「現在、信頼する皆様には税についての権限を任せていますね?ですが、それを私達にも関わらせていただきます」
「っどうゆうことですか?それは貴族に任せないということでは…」
「黙りなさい。…はぁ、せめて最後まで聞きなさいな」
私はわざとらしくため息を吐いてみる。
今意見してきたのはなんちゃら侯爵よ。…忘れたわ、あんな小太りハゲ。
「まず、貴方たちが課すことのできる税、その割合を決めるわ。それを破ることは許しません」
それには流石に他の貴族もざわざわし始めてしまった。
まぁ、そうなるよね。だって貴族は税を管理できてナンボだもの。
「…失礼ながら、それでは不作の年はどうするおつもりで?国だけで税を管理するには、いささか無理があるかと」
少し混乱気味のお父様が聞いてきた。いや、今は公爵って呼んだ方がいいだろう。
「もちろん、国だけで管理しようなんて無謀は致しません。」
「それは歴史の王が物語っているからな」
「陛下の仰る通りですわ。…ですので、こちらに申請し、審査に通れば税を減らす、増やすを変えてもいいです」
それを聞くとざわめきは治る。ま、一部の貴族は安心した、なんて表情はしてないけどね。
だって、こっちは何でもかんでも申請を受理するわけにはいかないからね。
「王妃様、審査に通るにはどうすればいいのですか?」
こちらの意図を察したようなお父…公爵が言う。
「審査に通るには、道理が通った理由がなければなりません。…もし下らない理由だったら、申請が受理されることはありません。そして、もちろんそれが本当のことか調査をさせます」
「では、誰がその審査をするのですか?」
誰が…それは本当に私が悩んだことだ。
だって、貴族に任せたら不正を…なんてこともありえるんだ。
「それは役人、そして抽選で選ばれた国民にしてもらいます」
それを聞くと、さっきまでわりかし静かだった貴族たちが騒ぎ出す。
だって私が言ってるのは、平民に自分の給料を任せろってことだもん。
でも、今のところ一番中立の立場が平民だ。
これを思いついたのは、リクと税金についての相談をしている時だ。
当初は国の役人のみだったが、それでも中立とは言い難い。それに悩んでいるとリクは、「もう、平民にやってもらいたいよ」と言ったのだ。
この抽選というのは、裁判の裁判員の抽選を元にしたんだ。
いや本当、現代知識万歳だわ。
騒めく貴族たちを見ながら、私は笑みを浮かべていた。
時折聞こえる悪魔の笑みとかは、聞かなかったことにしてあげよう。
…だって、タイミングが悪いといえ私も自分で思っちゃったし。




