貴族はお金でできている 1
「アナ、そろそろ税について考えないか?」
昨夜のことはあまり気に留めていないようなセ…リクが話しかけてきた。手には税金の資料をどっさりと持っている。
「税金ね〜貴族の増税について?」
「うん、学費として使う分を決めるのに使うし」
「そうね…」
前世の日本のように、学校の最初の建設費以外の費用は税を使おうと考えている。その税は、以前宰相さんに相談された貴族の税を調整するって話で片付いたのだ。
パラパラとどのくらい税金が取れたかが書いてある、ここ数年の資料を読む。…めんどくさい。
「そろそろ本格的にやらないと」
「だよね…でも、そもそもだけど貴族の税をどうゆう風に調整する?貴族がどのくらい取るか決めてる税を私達が確認しないといけないっていうのは大変だし、貴族を信用してないって思われるからね」
「だよな…じゃあ、申請を通さないとダメっていうのはどうだ?」
「それだと、王が前王みたいだったら不正し放題よ。せめて他の誰かにも意見を聞かないと」
「いや、それだと賢人会の時みたいにならないか?」
確かに賢人会の時みたいに、反対派閥の貴族が力をつけるために…なんてことになるかもしれない。
「…でも、とりあえず今ある税をなんとかしないとな」
「じゃないと、生活が苦しい人増えて私達の人気が…」
「クーデターでも起きなきゃいんだけど」
「アントワネットみたいになりたくない…!」
そうだ、呑気に過ごしている今も死人が出てるかもしれないのだ。このままのんびりしてたら、フランス革命の王妃のように処刑されるかもしれない…!それは嫌!
「今ある税金ってなにがあるんだろ?」
「色々だけど…人頭税と結婚税と死亡税だろだろ。てか、本当に中世ヨーロッパみたいだな」
「あー、まあ異世界のイメージが中世ヨーロッパだしね」
「意外と日本の偉人を真似したらいいかもな…あ、聖徳太子をもとにしたら貴族任せじゃなくても上手く行くんじゃないか!?」
まぁ、聖徳太子って税金とか公地公民とかやってたもんね。でも、それだけじゃダメだろう。
「それじゃあ貴族の役目がなくならない?」
「うっ…でも、日本じゃ大丈夫だっただろ?」
「それは日本がある程度設備が発達してたからでしょ?
結局公地公民は民が歩いて都に行かなくちゃいけなくて、道中で飢える民が結構いたらしいわ。交通設備が整ってないここも同じよ。」
「うぐぐ…」
「それに、凶作の年もあるんだから私達が全ての領地を管理できないわ」
「でも、凶作の年なんてそんなにたくさんあるか?」
「え?…あれ?」
よく資料を見てみると、税金がどっと増えている年があった。
「ねぇリク、この年ってなんで税金がこんなに大きいの?」
「豊作だったんじゃないか?ほら、貴族はそこらへんも調節するから」
「…豊作の年は多く税を取るの?」
「あぁ…って、習わなかったか?」
「私はバカ娘よ、聞いてなかったに決まってるじゃない…って、ちょっと面倒なことになったわね」




