前途多難はこのことか 3
「は…?」
思わず呆然とするインテリ眼鏡と、心配そうにこちらを見つめるセオドリク。
そりゃそうだよね、帝国に真っ向から逆らう感が出てるし!
でも、もちろん私がそんなバカなことをするはずがない。ちゃんといいわけだって用意してるんだ。
「は…?じゃないですわ。私達は、自分の意思で来る者を募集しました。」
「…そ、それがなんだと言うんです!!」
「貴方のような、命じられた者は募集しておりません。どうぞ、お帰りはあちらから!」
ニコニコしながら出口をさす私に、開いた口が塞がらないインテリ眼鏡。そして、ここまで来ると流石に理解したであろうセオドリク。
最初はね、私だって長いものには巻かれろ精神でいいと思ってたのよ。もちろんコイツを教師なんかにせず、子供達の教育上穏便に帰ってもらおうって思ってた。
でも私がその方法を思いつく前に、セオドリクが反撃してしまった。
だからもう、ノリでいいよね!異論は断じて認めない!!
「あ、あ、あなた方は…!!」
「私達がどうかしました?」
怒りに震えるってこうゆうことだったんだ。そしてノってきたセオドリク。
「こんなことをして、帝国が黙っていると思うのですかか…!!」
「…勘違いなさらないで欲しいのですが、私達が雇う側です」
「はぁ…?」
「私達が上、お前が下」
多分、今すっごい本業してると思う。
本業?悪役令嬢…いや、今は悪役王妃か。悪役って結構楽しいね!!
そして、目の前で震える小物に最後に言う。
「さっさとお帰りくださいな、出口はあっちよ。トートイ?帝国民ならわかるでしょ」
「…あれ、美味しいとこ全部アナに取られたんですが??」
セオドリクがなんかボヤいているが無視だ無視。
…あれ?これってもしかしなくても王妃が王のいいとこ取りしてるけど、そこのとこ大丈夫なのかな??
すると、小物がなんか呟く。
物凄く悔しそうな、怨念を感じさせるような感じで。
「…私は、帰るわけにはいかない…。あそこでは、私は己の才能を活かし切ることなどできやしない…!」
「は?」
「…お願いします!私は帝国になんかに戻ることができない!!」
「…どうゆう心境?」
さっきまで帝国万歳みたいな感じだったのに…?
あ、でも血筋が素晴らしいって言ってるだけで、帝国が素晴らしいとは言ってない?
「お願いします、雇って下さい…!私は帝国で兄に負けました。ですが、頭脳だけでは帝国の誰にも負けません!!」
私とセオドリクは戦慄する。
え、コイツさっきからずっと私達のことバカにしてたよね。なにこれ、早替わりすぎでは?
そして、目の前の男は土下座する勢いで語る。
コイツは後継者争いで兄に敗れ、現在帝国に居場所がないらしい。まあ、持ち前の頭脳と皇帝…っていうかこっちに留学してた第一皇子の覚えがあって、そこまで冷遇はされてなかったけどね。
ただ居心地は悪いそうで、そんな中皇帝に聞かされたこっちでの人材募集。
それで、ただの愚痴?みたいな皇帝の言葉を命令と間違え、こっちにやってきたらしい。
「…本当は、分かっていたんです、アレが命令じゃないことくらい。でも、私を必要としているんじゃないかって」
「で、反対を振り切ってここまで来たと」
正直皇帝の言い方が悪い気もするが、インテリ眼鏡は反省しているらしい。
「よし!これなら国に帰s」
「お願いです、働かせて下さい!!」
被せんなって…。つーか、こんなの雇いたくないんだけど!?




