前途多難はこのことか 2
「ふんっ、あなた方がこの国の王と王妃ですか」
なんだろう、この上から目線。
一応こっちの方が身分が上な気がするんだけど…?
なんかこの感じ見たことがある気がするけど、ウチの貴族には流石にいなかったと思うわ。だって流石に自国の偉い人相手にこの目線はないよね。
彼のこんな態度が許されているのは、彼が帝国の高位貴族だからだ。武力でも経済的にも帝国の方が上だから、そんな国の高位貴族だなんて下手に扱えないのだ。
とはいえ、なんかどっかでみたことがあると思えちゃうのよね。
「あぁ、そうですね」
目の前にはものすごく偉そうなインテリ眼鏡。
…ゴホン、間違えたわ。帝国の公爵家の神童と言われる次男でした。
どう偉そうかって?ドヤァぁぁってやってんの、物凄くドヤァぁぁって。
なんでドヤ顔してるの?
目の前にいるコイツは数時間前宰相からの知らせで教えてもらった、皇帝に行くように言われた?貴族らしい。
いや〜、びっくりしたよ。だってスッゴク焦った宰相さんが来たんだもん。汗がダラッダラッの宰相だよ。
で、男の言い分は「皇帝に命じられ、この神童とも呼ばれた私が来てやったんだ。ありがたく思え愚民ども」らしい。
現在は面接…というか挨拶としてこの男と会っているわけだ。
「我ら帝国民がわざわざ来てやったんですよ、このような小国に」
ありがとうございます??
…いや呼んでねぇよ、こんな教育に悪そうな奴。私が呼んだのはまともな人なんだけどな?
「…この度はご足労していただき誠にありがとうございます。では、皇帝に命じられた、というのはどうゆうことですか?」
「どうもなにも、陛下にリベルテで教師をやるように言ったんですよ。陛下は私のことを信用しているから、お前がリベルテに行ったら安心かもしれない、と仰ったんです。」
「はぁ」
うーん、それって命じられたっていう?陛下は安心かもしれないとしか言ってないでしょ?…コイツの勘違いとか?
私達が微妙な顔をしていると、男は苛立ってきたらしい。…ここは褒めてみよう。
「まあ、確かに安心ですわね!貴方のような神童とまで呼ばれた方なら、子供達をよく教育してくださるに違いない!」
とりあえず褒めてみた。
反応は…しらけた?なんで?
「そんなことを言いながら、この国の神童と呼ばれる我が従兄弟には、随分な仕打ちをしたようですがね」
「…あぁ、マシューのことですね。確か貴方の叔母様が彼の母親でしたね」
え、あいつそんな血筋だったの?
マシューというのはあの卒業パーティーで断罪した男の一人で、次期宰相だった宰相さんの息子さんだ。
というか、さっきからどっかで見たことあると思ってたのは、アイツと親戚関係だったからなのね。
「そうです、あの神童が生まれたのは帝国の血筋が尊いからです。だというのにあんな仕打ち…半分ですが帝国の血を継ぐものになんということでしょう…。」
「まあ!帝国の血筋は尊いんですね!」
すっごーい、帝国すっごーい。じゃあその帝国の血なんて飲めば頭良くなるのかな!
…とは言わない。流石にご本人の前で言うのはまずいでしょ。
「先程から君は帝国の血筋が、と言っていますが…科学的根拠はないのでは?」
「なっ!」
言っちゃよオイ。
セオドリクゥ、流石に本人の前で言うのはまずいって…心が折れちゃうかもしれないでしょ?w
「いやー、そんなに言うなら君の血でも吸ってみようかな?頭が良くなるかも!」
「まあ!私もリク様と同じことを思っていたのですよ?」
「す、吸うだと!?」
まさかセオドリクもおんなじこと思ってたとはねー!
とはいっても、本当にやったら吸血王国とか言われそうだからやらないけどね。
私だってイライラするんだ。自分達と、可愛い可愛い国民をこうまでしてバカバカ言うんだ。
なら、少しぐらいざまぁしたくない??
「…そうそう、貴方は今回雇いませんから」
だからこんなことまで口走ってしまったのだ。




