王妃と王は詰んでいる? 6
突然泣き始めてしまった少年の前で、私はオロオロしてしまう。
「ど、どうしたの?…え、これ私が泣かしちゃった?」
「いーけないんだ、いけないんだ!」
「そこ、悪ノリしない!!」
もう!…てゆうか、本当に私何かした?
時間的には私なんだろうけど、別に泣かせるようなつもりなかったし、心当たり全くないんだよなぁ。
「感動してるんですよ、フェリクスは」
「感動??…えと、フェリクスくん?ってこの子?」
「子供扱いすんな!これでも成人はしてる」
「「え?」」
あー、そういやすっかり忘れてたけど、こっちじゃ中3くらいの15歳が成人なんだよね。
え?…私達は高一枠だね。もう成長しきってるから。
「あ、違う違う。感動ってなんのこと?」」
「…あんたが、俺たちをおんなじって言ってくれたから。」
「俺たち??…もしかして」
「え、気づかない?」
どうやらセオドリクは気付いていなかったようだ。
いやだって、そもそもスラム近くの教会に子供がいるわけないじゃん。危険だし親が許すわけない。だからって子供達が自力で来たようにも、誘拐とかでもなさそうだし。
多分、シスターが拾ってきたのだろう。平民とあまり変わらない姿だったから分からなかった。スラムは汚れてるから、多分教会に住んでいるんだろう。
「いや、なんで分かるのさ」
「だって、教会が孤児を引き取るってとこに反応してたし。そしたらこの子供達の説明がつくでしょ」
「あ、それで」
どうしてここに子供がいるのかな、とか思ってたからね。
「で、なんで感動するのか分からないんだけど」
「いや、感動するだろ」
「え〜?」
ただ、お前も人間だろって言っただけなんだけどな。感動要素ある??
「いやよくあるだろ、テンプレだろ」
「テンプレ?…ああ」
そういや孤児院の子に感動されるってよくあるよね。よくわかんないけどそんな感じ?
「…俺、いっつも汚らわしいとか言われてたし、その天ぷら?ってのはわかんないけど、嬉しかったよ」
「天ぷらってw…でも、そんな感じなのね」
「あぁ…孤児ってそんなもんだ。ていうか、俺はスラム育ちだったし。」
「そうなんだ」
すると、少し悲しそうに話し出す。
「…俺はすごい奴じゃないし、俺みたいな奴を全員救うことはできないけどさ。…それでも目の前のコイツらは救いたいなって」
「…そっか」
フェリクス君にとっては辛いだろう。
昔の自分のような子供達を、全て救うことはできない。だから、目の前の子達だけでもって思ったのかな。
「ま、これからは今の王と王妃に期待だな」
「え…?」
「王は賢王で王妃は悪役王妃なんだろ?」
平民に伝わるのハヤっ!…まって、悪役王妃?
「王妃様はわざと自分の悪い噂を流して、王様を陰ながら助けてたんだろ?それで悪役って言われてるんだよな」
「へー」
そーなんだー(棒)
「だから、そんなにすごいって言われてるなら、俺たちを救ってくれるかなって!」
太陽のようなフェリクス君を見て思う。
あれ、こうゆう期待で私達詰んでね?




