王妃と王は詰んでいる? 5
「ーーでは、誓いのキスを」
なんやかんやでもう一度結婚式をすることになった。周りには貴族ではなく子供達がいて、シスターが式を執り行なっている。
セオドリクとキスするのはいいんだけど、このあとどうしようか。どうやって本来の目的の方を聞こうか…。
悩んでいると、シスターが声をかけてきた。
「えっと、上手くできたでしょうか…?」
「出来たと思うよ!」
「とはいっても手本を知らないからなんともいけないけどね」
あ、そうだった。これは初めての式ってことになってるから。
「よかった…私、本当はまだシスターじゃないんですよね」
「え?…ってことはシスター見習い?」
「はい、シスターに拾ってもらって」
「へー」
「…拾ってもらって?」
「あ…」
セオドリク、そこ突っ込む?ねぇ、そこ突っ込んじゃう?
また警戒心あらわにされるでしょ…
「シスター…」
うわ、ちょっとシスターに同情したいな。
年下の子にめちゃくちゃ呆れられてるって…。
「あ、えと」
「シスターは捨て子なの?」
「…はい」
流石に認めたようだ。まぁ、拾ってもらっての時点で察しがつくよね。
捨て子っていうのは孤児だね。孤児は一般的に嫌がられる。特に貴族なんかは露骨にね。
孤児院とかもあるけど数は少なくて、行き場のない孤児が行くのは大体スラム街。
そのせいか捨て子とか孤児って嫌がられることが多いんだよね。
「…その、せっかくの結婚式を私みたいなのがやってゴメンなさい。」
「え?…あー、別にあんまり気にしてないよ?」
「俺ら、そういうのあんまり気にしないタイプだから」
そういってセオドリクと笑いかける。
実際日本で過ごした記憶があるからか、孤児を嫌がることはない。むしろ気の毒だと思うよ。
ただ、だからって孤児全員を救いに行くわけじゃない。手が回らないし。
だからまぁ、他人みたいなものだ。
「そうなんですか…」
シスターはホッとした
「あの、教会って孤児とかを引き取ったりしてるんですか?スラムの」
「!?」
のもつかの間、顔を強張らせる。
この反応だと、スラムの子供を引き取っていたから教会が関係してくるのかな。
「…だったら何?」
またもやめちゃくちゃ警戒されながら、最年長の子に聞かれる。
「いや、特に何もないよ?ただ、それで救われる子がいるなら凄いなって」
「え…?」
「だって、救われる人が沢山いたら嬉しくない?」
国の政策に取り入れようと思ってる、なんて言えないから適当なことを言った。まぁ、本心だけど。
「いやでも、救われるのは孤児だろ?」
「それでもおんなじ人間でしょ?」
「…おんなじ」
呆然としてしまった。
可笑しかっただろうか?普通に同胞が苦しんでたら助けたいとか思うし。
あ、セオドリクは別ね。
すると、なんかよく分からないけど、最年長の子は泣き出してしまった。




