エピローグ
そして、遂に結婚式が行われる。
それは王都の大きな教会で行われ、多くの貴族達に見られながら、美しい新郎新婦が真っ赤なヴァージンロードを歩いている。
「…それにしてもこの教会、本当に大っきいね」
「まぁ、多くの貴族の結婚式を執り行ってるぐらいだからな」
見渡す限りの人、人、人。
多分、国会議事堂くらいの広さはある気がする。
…そして勿論人の中には、セオドリクの元側近もいた。なるべく目を合わせないようにした。私に見られてもしょうがないから。
「…綺麗だな」
「うんうん、ステンドグラスとか本当綺麗!!」
「何せ国宝だし。でも、君も綺麗だよ」
「そりゃそうでしょ、このウエディングドレス特注品だし!」
私が今着ているウエディングドレスは、一言で言えばふっわふっわだ。可愛いお姫様が着てそうな。
因みにお姫様が着てそうだからと言って私に似合ってないわけではない。
私は可愛い系ではないが綺麗とか美人とか言われる程には顔が整ってる。
流石に乙女ゲームにヨボヨボのおばさんが出てくるわけないからね。
「でもそれを言うならリク様もすごくカッコいいよ」
「まぁ、一応乙女ゲーの攻略対象だし」
「でもカッコいいよ、旦那様!」
「ありがとう、愛しい妻」
セオドリクが着てるのは、言うまでもなく白いタキシード。キラキラ光って見えるのは多分、散りばめられた宝石だろう。
そして、ゆっくりゆっくり歩いていた私達も、遂に誓いを立てる時が来た。
「貴方は、妻となるものを愛し、守り抜くと誓いますか?」
「誓います」
「貴方は、夫となるものを愛し、支え合うと誓いますか?」
「誓います」
この誓いは神様が言ったことだとか。英雄である初代皇帝の結婚式で神様が言った言葉を誓いにしたんだって。
…誓ったけど、支えてもらう気はしても支えられる気がしない。
「では、誓いのキスを」
私はセオドリクと向かい合う。異世界にもあるんだね、誓いのキス。
って、これどうすればいいの?私がチュってしに行けばいいの?それとも待ってればいいの?
混乱している間に、セオドリクの顔が私の顔と近づいてーー
私のファーストキスを奪った。
「これにて貴方方は夫婦です」
今思ったんだけど…公衆の前でキスされるってどんな拷問?
でもこれで、私は正式にセオドリクの奥さんになってしまったようだ。
そして、その後すぐにお色直しをされ、パーティー会場へ。王宮にある、とっても大きな会場だ。
「それでは、即位の礼を始める!」
ここでセオドリクは王に、私は王妃になる。
2人で立っていると、セオドリクが話しかけて来た。
「緊張する?」
「しないはずないでしょ」
「だよな」
以前の私なら緊張なんかしなかっただろうが、今じゃチキンな女子高生だ。クラスの前で発表することですら緊張するのに、こんな大舞台で緊張しないはずがない。
「ーー王太子様、王太子妃様、前へ」
やばっ、全然聞いてなかったよ。授業中に突然名指しされた気分。
「前へ行こう、アナ」
「…えぇ」
セオドリクに言われ、前へ出る。
ここからが本当の勝負…。
「セオドリク・リベルテ、アナスタシア・フィエルテ」
低い、威厳を感じさせる声が聞こえる。
この方が、国王。何度見ても怖いイメージを感じさせる。セオドリクはこんな風になるのかな?
「お前たちを、王と王妃に任命する」
「「謹んでお受けします」」
そしてセオドリクは冠を受け取り、周りの貴族から歓声が上がった。
これが、悪役王妃の誕生だった




