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「見てください!!自分でお茶をわかせました!」


 沸騰したお湯の入ったお茶碗を勢いよくこっちに突き出してくる。そのせいで少し飛んだ熱湯がいくらかかかったが、

 何やら嬉しそうな少女を前に、我慢してなんでもないフリをした。


「お湯だけどな、」


「まあまあ、細かいことはお気になさらずに」


 少女は笑いながらそう言った。


「これ、お兄さんのぶん」


 熱々のお湯を目の前に出され、どうしたものかと考えるがここは素直に、ありがとう。と、伝える。


「っていうか、よく考えたらこれ、私の体内の魔力から生成された水だから、、、これ私の体液みたいなもん?うわあ、お兄さんのエッチ」


 茶碗を持つ手が止まる。


 たしかに、よく良く考えればそうではないか?

 なんだか今まで普通に飲んでいたが、自分の体液をそのまま摂取していたということになるのか、、?


 というか、自分から差し出しといてエッチとはなんだ


 僕が不服そうな顔をしているのを見て、しばらく笑ったあと、少女はまた口を開く。


「冗談ですってー、お兄さんになら、私の体液の1リットルや2リットルくらい余裕でプレゼントしちゃいますよ」


「おい、それも冗談だよな?、、」


「………、」


 なんか言えよ、、


 まあもう今更か。と、茶碗のお湯を1口飲んだ。


 ………うん、普通のお湯だわ、これ、


 それにしても、彼女は本当によく喋るようになった。ここ数週間で緊張感というものが完全になくなってしまったようだ。


 それに、僕のことをかなり信頼してくれているようである。



 ……………それでは困るのだが、


 しかし、笑っている少女を見ると、何か重なるものがある。


 少女は、アクナのように明るく、イサノのような笑顔で笑った。


 そのことに気づく度、胸の奥が、少しだけ痛んだ


 その笑顔を見ると、どうしてもこの現状を維持していたくなってしまう。


 それはダメだと、わかっているのに、、、


「お兄さん、今日はなんの魔法?私ね、話に出てきた、ロケットの魔法やってみたい!」


「あれは、、、結構むずいぞ?」


 僕の言葉なんて聞こえていないようで、少女は早速立ち上がって準備を始めている。


「まずはさ、お兄さんがお手本見せてよ、二人乗りなんでしょ?だから私も一緒に!」


 まったく、こんな移動方法、魔力の無駄になるだけなのだが、、、


 まあ、いいか、


「しっかり掴まれよ?」


 おそらく少女の精一杯であろうか細い力で、少女は僕の体に腕を回した。

 大丈夫、絶対に落としはしないさ、


「おおお!!」


 浮遊魔法で空へ飛ぶ、


 色々と、懐かしい思い出が蘇る。

 楽しい思い出が、


 初めは制御できずに何度も2人とはぐれたが、今では熟練の精密度を誇っている。


 不意に笑みがこぼれた。


 まだ3人だった頃、みんなで実験した時、遠くまで飛びすぎて集合に何日もかかったことがあった。

 久しぶりに見たアクナとイサノは必死に探していたのか、酷い有様になっていた。


 いや、3人とも酷い有様だったな、だから、出会い頭に皆で大爆笑したのだ。


「どっちに行きたい?」


「んー、じゃあーー、あっち!」


 手をかざした。水を勢いよく噴射する。

 さっきまでいた場所が、どんどん小さくなっていった。



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