首
「魔法を使う上で気をつけて欲しいのは、、、まあ、前にも話したけど、魔力限界だ。」
「………なんでしたっけ、それ」
どうもピント来ていない少女に呆れつつも、そうだろうと思っていた僕はすぐに説明を始める。
「体内の魔力を全部使っちゃだめなんだ、ちょっとでも残しておけばいい、でも完全に使い切ると、、、」
「使い切ると、?」
「死ぬ。」
唾を飲み込む音が聞こえる。まあでも、魔力を使い切ることなんてそうそうないからな、
「き、気をつけます、」
──────────────────────
魔王の攻撃をかわした、
イサノの回復魔法ももう使えない。
これがラストチャンス、攻撃をぶつけるだけだ。
最大限スピードに特化した魔法、ほんの少しの攻撃力でいい。当てさえすれば、、、きっと、
放たれた光の針は、高速で魔王の首元へと走る。
風を切る音が、文字通り空気を揺らし、そして消えていく、
そのか細い攻撃は、魔王の眼前で、
完全に防がれた
「残念、顔はバリア二重なんだ」
そんなような事を魔王が言っていた気がした。
が、
定かではない。
気ずけば、視界は天を仰いでいた。
痛みとかはなく、ただものすごく強い衝撃が体を走った。
ん?
俺は吹き飛ばされたのか?
首を動かせない。
体の自由がきかないまま、自分が宙を舞って回転している。それだけがわかった。
1秒して、僕はある事実に気づいた。
首から下がない。
それに気づき、少しした後、僕は地面と衝突した。
…………………
あー、やらかした。
首じゃなくて、正直に胴体を狙えばよかった。
すぐ目の前にイサノが走って来るのがわかる、
きっと顔面蒼白だろうな、、
ていうか、逃げてくれよ、最後の攻撃はどっちかって言うとイサノが逃げる時間稼ぎの面の方が大きかったんだけど、
……そろそろ、死ぬかな、
ん、頬に触れてるのは、イサノの手かな、
暖かい。イサノが僕になにか言っている。でも、聞き取れなかった。
できることなら、、僕も彼女に、、、手を、、、
──────────────────────
それから、
それから少しして、僕は目を覚ました。
どういう訳か、腕があった。
そして腕の中に何かがあった。
冷たい。
そして、僕は自分の腕がある理由に気づいた。
「使ったのか、?」
魔法、
魔力、もうなかっただろ?
全部、使ったのか?
恐る恐る、自分の腕の中に抱かれているものを見る。
「……イサノ、」
腕の中で、イサノは笑っていた。




