(1)事件解決?
さて、記憶がかなり抜けてしまったな。
まさか、こんな短期間に二度も気を失うとは思わなかったぜ。
あれから、警察が来て、校長が駆けつけて、それで僕達は保護され、一件落着。
教頭は、気を失っていたのが功を奏した? のか、警察にも疑われなかったらしい。
僕が正気だったら証言していたと思うが、その場には、がたがたと震え、喋ることも出来ない蘭花しか居なかったわけで、その後、校長によって、うまくまとめられた様子。
以上が、後日蘭花や親父から聞いた話。
因みに、僕は救急車で病院送り。
難しいことはよく分からないが、僅かに脳から出血していたらしい。
ただ、量が、ごく微量であったことと、既に止まっており、その後の進行がなかったことから、入院・手術にまでは至らなかった。
意識が戻ったとき、ベッド脇で泣きそうな顔をしていた蘭花の表情が、みるみるうちに緩んでいき、穏やかな笑みを湛えたのを見逃さなかった。
思い過ごしでなければ、人が幸せを感じる時のそれであったと思う。
直後、いつもの不敵な笑みに変わり、『まあ、あたしんとこの部員なら当然ねっ』と言い残して、病室を後にしたのだが。
残念な変化だが、その笑みを見て逆に安心してしまう自分がいたり。
蘭花を見送りながら、『俺に似て、ややこしいのを選んでしまったな』と親父がぼそりと呟き、それを聞き逃さなかった母親に『話があります』とかで連れ出されていった。
それから、一晩、病院のベッドで過ごし、CTっていうんだっけ? 何回もそのトンネルをくぐって、次の日の昼過ぎに解放されたってわけ。
まあ、そんな状態で、あれだけ走ったり緊張したりしたんだから、当然。
血管が切れなくて良かったぜ。
間違いない、黒服のせいだ!
でも、言えない。
まあ、いいか、生き延びたんだし。
あきらも、校長が手を回してくれたらしく、暴走行為については、きつくお灸を据えられたらしいが、無罪放免となったらしい。
そんなこんなで、僕達に愛しい日常が戻ってきたわけだ。
今後、性懲りもなく、蘭花は波乱を起こすだろう。
それに僕も振り回されるのだろう。
でも、良いじゃないか?
そんな蘭花と僕との関係も……
って、おい!
ちょっと待て!
何まとめに入っているんだ?
まだ、話は終わっていないぞ?
あいつだよあいつ!
あいつをとっちめないと終われないぜ、この話。
蘭花も、そのために命張ったんだろ?
全く、頼むぜっ!




