表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の心はおじさんである【書籍漫画発売中!】  作者: 嶋野夕陽
14章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1642/1645

ナギちゃんご案内

 ナスコに案内されてやってきた場所は、闘技場のすぐ近くだった。

 今はまだ準備の兵士たちがうろうろとしているばかりで、他には下見に来ている〈武闘祭〉の参加者くらいしか見当たらない。

 闘技場はそもそも街の外に作られており、〈武闘祭〉の時にはみんな外へ出て見に行くようになっている。

 一応柵のようなものが用意されており、街の内部とは区切られている。

 当然ナギを隔離できるような立派なものではなく、ナギに人々が近づきすぎないようにするための境界線を示しているだけだ。

 ナギは人通りを眺めていられるし、人々は珍しい大型飛竜を見ることができる。

 別に外にいる分には好きにしていて構わないので、ナギが見られたくなければ、こっそりと城壁の方へ移動して隠れてしまえばいいだけだ。

 なかなかいい場所を用意してもらったかもしれない。


「もうここにナギを連れてきてしまっても大丈夫ですか?」

「構わんよ。ただあの柵だけ越えないように、良く言い聞かせてもらっていいか?」

「わかりました。それじゃあちょっと呼んできますね。ありがとうございます」


 ペコッと頭を下げたハルカは、すぐにそのまま空を飛んで去っていく。

 ハルカにとっては当たり前のことであったが、それを見送ったナスコは鬚を撫でながら呟く。


「空飛べんなら、わざわざ竜に乗ってくる意味あんのか?」


 ナスコからすれば、目立ってしょうがないし、あちこちで問題が起こるのだから、連れてこなけりゃいいのにと思うわけである。

 性格的に自分たちの力を誇示したいわけでもないだろうからと推測すると、いよいよ何のために連れてきているのかが分からない。

 理由としては単純に、留守番させるとかわいそうだからというだけの理由なのだが、聞けばナスコはきっと『あー……』と言ってまたハルカに対する理解を深めることになるのだろう。


 ちなみにノーレンは、ナスコと話を始めた時点で別れて街へ入るための列に並んでいる。入れたらすぐに冒険者ギルドへ向かって、大会の参加登録をしてくるつもりなのだとか。

 いつ締め切りになるかわからないので、大慌てである。

 あとで冒険者ギルドで合流予定だが、登録が間に合わなくて落ち込んでいたら慰めてやるしかない。


 ハルカは仲間たちの下へ戻ると、再びみんなでナギの背中に乗って出発。

 ゆったりと空を飛んで、真っすぐに指定された場所へ向かう。

 ナスコが待ってくれている場所に、できるだけそーっと着陸したナギは、ぺったりと地面に伏せて周囲の様子を観察し始めた。


「ナギ、ここに案内してくれたナスコさんです。前に一度お会いしてますよ」


 ハルカが言うと、ナギはずずずと顎を移動させて、ナスコの正面にやると、じっとその顔を見つめて、喉から地鳴りのような音を立てた。


「前より大きくなっていやしねぇかな……?」

「確かに、少し大きくなりましたかね。〈武闘祭〉が始まったら、そこの柵の向こうにいっぱい人が来ますからね。眠たかったらあっちの壁に隠れて寝ててもいいですし、気になったら見に来てもいいですからね」


 ナギはふんふんと鼻を鳴らすような音を立てながら返事をして、大人しくしているが、驚いたのは下見に来ていた〈武闘祭〉の参加者たちだ。

 思わず武器を抜きはらった者たちなんかもいたが、ナスコの部下たちが説明をして大人しくさせている。


「一応うちの兵士で、余計なちょっかい出す奴らがいないように様子を見ておく。……こんなにでかい飛竜に手を出すような馬鹿は、流石にいないと思うけどな」


 ナスコは冗談めかしてそう言って笑ったが、ハルカはちょっと笑えなかった。

 ハルカの知る限り、命知らずの冒険者とか、〈武闘祭〉に参加するような人たちの中には、ちょっかいを出すような者がちらほらいる。


「ありがとうございます。一応……、私たちもできるだけナギと一緒にいますので。流石に買い物へ行ったり、〈武闘祭〉を見ている最中はお任せすることになってしまうかもしれませんが」

「は? いや、多分宿とか用意されるはずだぞ? ここでいいのか?」

「はい、ここで大丈夫です。あの、なんかこう……、適当に過ごしますので」


 プライベートは障壁で区切れば簡単に確保できる。

 街の外で休むことも慣れているし、無理に宿をとる必要もないだろうとハルカは考えている。


「まぁ、俺は好きにしてもらって構わねぇんだが……。その辺の話は、フォルカー伯爵閣下としてもらっていいか?」


 ナスコはぽりぽりと頬を掻いて、首をひねって答えた。

 特級冒険者が変な奴らであることはよく知っているし、いくらハルカが穏やかな性格をしていようと、それに準拠する存在であるのは間違いない。

 いちいち考えても無駄であると判断できるナスコは、できる大人であった。


「そうします。お屋敷にいらっしゃいますかね?」

「いるんじゃねぇかな、空にナギが飛んでたって噂はもう聞いてるだろうし」

「ではちょっと訪ねてみることにします」

「ああ、そうしてくれ」


 これでやっとお役御免かと、ナスコは部下の兵士たちの方へ向かった。

 ハルカの背後には、ナスコもよく知っている暴れ者である【鉄砕聖女】が、相変わらずガラの悪い感じで道行く人にガンを飛ばしている。

 ナスコは全然関わりたくないけれど、部下たちにはくれぐれも余計なことを言って刺激しないように、あらかじめ注意しておく必要があった。


ニコニコ漫画 春のマンガ祭

「週刊ニコニコ漫画」が開催中で、『私の心はおじさんである』の1-25話が無料で見られるようです。

まだ見てないよーって方いらっしゃいましたら、よかったらどーぞ。

https://manga.nicovideo.jp/comic/69532



あ、コミックPASH!neoの方も更新日です!!

37話上がってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ナギパート良い…。
ナギに挑んでくる馬鹿が来たらレジーナが嬉々としてぶっ飛ばしそうw
レジーナじゃないけど、厄介ごとの匂いしかしない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ