↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第3章 一学期後半
PR
91/212

第91話 祝勝会②

「リョウコちゃん、可哀想ですよ! ちゃんと謝ってください!」  


「高坂は少し雑に扱うくらいがちょうど良いんだよ。落ち込んでもどうせすぐに立ち直るから」


「リョウコ! 私に恥ずかしいことを言わせた報いは必ず受けてもらうからな! 部活でボコボコにしてやる!」


 マサミは地面から飛び上がり、人差し指をリョウコに突きつける。


「ほら、もうこんなに元気そう。牛カルビでも食べる?」


「食べる!」


 マサミはリョウコから受け取った肉を口いっぱいに頬張る。その姿はまるで口いっぱいにひまわりの種をつめこんだハムスターのようだ。


「マサミ、リョウコって子に振られたんか?」


 一部始終を見ていたオレンジ色の髪の少女がマサミをからかうように言った。彼女の言葉からは訛りが感じられる。


「うるさい、黙れ!」


「あんたがリョウコ? 確かにクールな顔立ちやなあ。マサミが惚れるのもわかるわ」


 訛りのある少女は、顔を真っ赤にして怒るマサミの言葉を無視し、リョウコに話しかける。初対面の相手に対して、いきなり肩を組むなど妙に距離感が近い。しかしリョウコもコミュニケーション能力の高い人物のため、それを嫌がるような様子は無い。


「えっと君は確かB組の……」


「ウチの名前は山県美穂(みほ)、よろしく頼むで!」  

 

「こちらこそよろしく!」


 ミホはリョウコに右手を差し出す。リョウコもすかさず自分の右手を差し出し、二人は固い握手を交わす。


「ところで君は高坂とは仲良いの?」


「めちゃめちゃ仲ええで!」


「どうしてこんな奴と?」


「この子からかうと可愛い反応するやろ? だから一緒にいて飽きないんや」


「わかる。高坂をからかうのハマるよね〜」


「でしょ〜!」


「そんなことで意気投合するんじゃねえ!」


「ほら、そういうところや。その怒り方が可愛いんや! あめちゃん食べる?」


「食べる!」


 ミホが取り出した飴玉をマサミはひったくるようにして口へ放り込んだ。どんなに怒っていても食欲には勝てないのだ。


「じーっ……」


「ウチをそんなに見つめて、どしたん? 金髪のねーちゃん」


「何かどこかで見たことあるような気が……」


「そういえばウチもねーちゃんのこと見たことあるかもしれんわ。でもどこで見たかが思い出せへん……」


 レイナとミホは互いの顔をまじまじと見つめ合う。しかし、いっこうにどこで会ったかを思い出すことができない。


「もしかして二人は騎馬戦で戦っていたのではないですか?」


「あー、そうそう! 私、この子に帽子取られたんだよん!」

 

「そういえばそうやったな」


「私、丹羽怜奈。改めてよろしくね!」


「こちらこそよろしくやで!」


 二人はガッチリと握手を交わす。


「それにしてもミホ、強かったね! 私、速攻で負けちゃったよん」


「それはこっちが三騎で襲いかかったからや。サシでやりあったら多分あんたの方が強いで」


「へへへ、そうかな?」


「あんたスポーツの経験は?」


「学校の体育くらいしかやってないよん!」


「へえ、それなのにそんなに強いんか。ちゃんと鍛えたらオリンピック出れるレベルやで。どうや、ウチのテニス部に入らへんか?」


「えーっとね……」


「無駄だよ、ミホ。僕もバドミントン部に勧誘しちゃったけど断られちゃった。バイトが忙しいんだってさ」


「へー、大変なんやなあ」


「そこまで大変ってわけじゃないよん! 週三しかシフトいれてないから休みもそこそこあるのだ!」


「なら休みの日に一緒にテニスやらへん? ウチが教えたる。君、飲み込み早そうやし」


「お、良いね良いね! ぜひともやりたいよん! 体を動かすのは大好きだからね」


「ちょっと待って! それなら僕とバドミントンやろうよ!」


「だ〜め! レイナはもうウチのもんや」


「何だと〜!」


「ちょっと、二人ともやめて! 痛いからやめて!」


 リョウコとミホはレイナの腕を引っ張って、綱引きのように取りあっている。マサミとは真逆の扱いだ。


「あなた達、落ち着きなさい! レイナちゃんが痛がってるでしょ!」


「あっ、ごめんなさい……」


 チカの母親が仲裁に入り、リョウコとミホは素直に謝罪をする。


「ほら、牛タン焼けてるから仲良く食べなさい」


「はーい!」


 焼き上がった牛タンを皿に盛りつけて皆に配る。


「うんま〜い! 柔らかくてジューシーで美味しい! 肉の中でも僕は牛タンが一番大好きだ! いや、やっぱり一番はホルモンかな……とにかく牛タンはうまい!」


「ちょっとリョウコ、食べ過ぎ! 私達の分が無くなっちゃうよん!」


「世の中は弱肉強食だよ!」


 その瞬間、レイナの顔から全ての表情が消えた。


「……」


「ちょっと、無言で竹刀を取り出すのはやめて! 怖いから!」


「世の中は弱肉強食なんだよね?」


「牛タンを独り占めするのはやめて皆で仲良く食べる。だからその物騒な物をしまって!」


「わかれば良いんだよん!」


 レイナはいつも通りの笑顔に戻ると竹刀をしまう。どこから取り出してどこにしまうのか、その原理は永遠の謎である。

 リョウコ牛タン事件は一件落着し、一同は楽しい焼肉パーティーを再開した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。