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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第3章 一学期後半
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第90話 祝勝会

「準優勝、B組!」


「はい!」


「おめでとうございます」


 現在、体育祭の閉会式が行われている。B組代表のマサミは壇上に上がり、準優勝のトロフィーを受け取る。彼女は選抜リレーの後に保健室に送られたが、怪我は大したことなかったようで湿布だけ貼られて帰還していた。


「優勝、A組!」


「はい!」


 リョウコも壇上に上がり、マサミの隣に立つ。


「おめでとうございます」


 受け取った優勝トロフィーは準優勝の物よりも一回り大きい。そのトロフィーをリョウコはマサミにこれみよがしに見せつける。

 表彰が終わると閉会の言葉が述べられ体育祭は終わりを迎えた。


「ねえねえ、チカ! 焼肉食べさせてくれるって本当?」


「ええ、本当ですよ! レイナちゃん、とっても頑張ってましたから。この後、私の家まで来てください」


「わーい!」


「ユリちゃんとリョウコちゃんも来ますか?」


「行く行く! 僕、お肉大好き! 肉を食べて筋肉をつける!」


「私達までご馳走になっちゃって良いの? 親御さんに迷惑はかからない?」


「心配無いわよ! お友達が来ても大丈夫なようにお肉たくさん用意してあるから!」


「お、お義母様!? いつからそこに?」


「ユリちゃん、その呼び方だとあなたがチカのお嫁さんみたいじゃない?」


「す、すみません! つい……」


「まあ別に良いんだけどね。ユリちゃんみたいな子なら大歓迎よ! 将来、出世しそうだし」


 チカの母親は冗談めかして言うが、ユリはそれを真に受けてしまい顔を赤く染める。


「じゃあ私は帰って焼肉の用意をしておくから、あなた達はゆっくり帰ってきて良いわよ」 


 学校を去って行くチカの母親を、四人は手を振って見送った。


「あ、そうだ! 良いこと考えちゃいました!」


 チカは急にどこかに走っていってしまう。彼女が向かったのはB組の集団だ。チカの急な行動に三人は呆気にとられてしまった。


「高坂昌美ちゃんですよね?」


「ん、そうだけど? 君は確かリョウコの友達の……」


「明智千花です! マサミちゃんの活躍を見ていました。尊敬しちゃいます!」


「そりゃどうも」


「この後、うちで焼肉パーティーをやるんですがマサミちゃんも一緒にどうですか? リョウコちゃんも来ますよ!」


「え、良いのか? 私は敵だぞ」


「皆で肉を食べれば、敵も味方も関係ないですよ!」


「じゃあ行かせてもらおうかな」


「ぜひお友達も連れて来てください!」


「おう!」


「おーい、チカ! 急に走り出してどうしちゃったの?」  


 チカを追いかけて、リョウコがB組の集団にやって来た。


「マサミちゃん達を誘っていたんですよ」


「え、何で!? せっかくの肉が不味くなっちゃう!」


「まあまあ良いじゃないですか。この機会にB組の子とも仲良くなりたいんですよ」


「ちぇっ、チカが言うなら仕方ないな……」


 リョウコは不貞腐れながらもマサミの焼肉参加を許可した。彼女にも他クラスの友達を作りたいという思いがあるのだ。

 A組とB組の生徒が入り混じった集団は、ぞろぞろと大名行列のようにチカの家を目ざした。 









「お肉焼けたわよー! じゃんじゃん食べちゃって!」

 

「いただきまーす!」


 夕暮れの中、チカの家の庭では盛大な焼肉パーティーが開かれている。チカの母親は肉を焼いては女子高生達に配る。


「んー、美味しい! お義母さん、こんなに美味しい焼肉をありがとうございます」


「スーパーの特売のやつだけどね〜」


「そうなんですか!? それでもすごく美味しいです!」


「そう、味=値段じゃないってことよ!」


 莫大な資産がある家にしては庶民的な食事だ。かつてチカの父親は実家が裕福だったため異常な金銭感覚を持っており、彼女はそれでは子供に悪影響だと考えて質素な生活を強制させたのだ。その甲斐もあって今では一般的な金銭感覚に修正されている。


「食べても食べてもお肉が無くならない。きっと僕はこの日のために生まれてきたんだ!」


「あの、リョウコ……」


「何?」


 肉を堪能しているリョウコの肩をマサミが力無く叩いた。


「ありがと……」


「ん?」


「だから、転んだ時に助けてくれてありがとうと言っているんだ!」


「何でキレ気味なんだよ……」


「とにかく、私はお前に感謝してるんだ! 何かお礼をさせろ!」


「そういうの良いから早くあっち行ってくれないかな。しっしっ!」


 リョウコは虫を追い払うように右手をブンブンする。


「リョウコちゃん、ライバルに対してそれは酷いんじゃないですか?」  


「そうだぞ! 私達は中一の頃からのライバルだろう?」


「え? 高坂なんてライバルでも何でもないけど」


「は? 何言ってんだ、お前!」


「だって高坂さ、公式戦で僕に勝ったこと一度も無いでしょ?」


「うぐっ……でも、けっこう良い勝負してただろ? 中三の最後の大会とかデュースだったし」


「でも負けは負けだろ?」


「うっ、ううっ……」


 決してマサミが弱い訳ではない。リョウコとは別の地区大会で優勝したことで彼女も何度も県大会に出場している。それ以上にリョウコが強過ぎるのだ。


「君はライバルじゃない。ただただ僕のことが大好きなストーカーだろ?」


「ちちちちちちちちげーし!」


「だって君、遠くの地域からわざわざ二時間かけて通学してるんだろ? 僕と同じ高校に通うためだけに」


「たまたまだよ、たまたま!」


「良い加減認めろよ。僕のこと好きなんだろ?」


「ま、まあ……どちらかと言うと……好き……かも……」


「へー、そうなんだ。僕は君のこと大っ嫌いだけどね!」


「……」


 マサミはショックのあまり声も出す気力も無くその場にへたりこんだ。



 


マサミとリョウコみたいな距離感が一番好き

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