↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/33

第十試合 破壊の斧と虹の剣

作品は完結させております。

安心してラストまでお楽しみ頂ければ幸いです。


たくさんのブックマーク、評価、コメント。

また誤字・脱字報告も全て受け付けしております。


よろしくお願いします。それではどうぞ!


闘技場を包んでいた歓声が、これまで以上に大きくなっていた。


『さあ続きまして!第一回戦、第十試合の開幕です!!』


実況の声が会場中へ響き渡る。


左右の入場口から、二人の戦士が姿を現した。


一人は、屈強な肉体を持つ大男。


その肩幅は広く、歩くたびに地面を踏みしめるような重圧を感じさせる。


もう一人は、長い金髪をなびかせる騎士。


細身ではあるが、その立ち姿には隙がない。


二人が闘技場中央へ歩み寄る。


『それでは、両者――武器を顕現!』


大男が宝珠へ手を伸ばす。


瞬間――


凄まじい光が弾けた。


その手に現れたのは、巨大な戦斧。


分厚い刃。


重厚な柄。


ただそこに存在するだけで、圧倒的な破壊の気配を放っている。


『パラシュ!!』


実況の声が轟く。


『インド神話に名を残す英雄、パラシュラーマが振るったとされる伝説の斧!』


『その名が意味するものは、まさに――斧!』


『神話において幾多の戦いを繰り広げた英雄が手にした、強大な破壊の象徴です!』


パラシュが斧を片手で持ち上げる。


その重量を感じさせない動きだった。


『その巨大な刃から繰り出される一撃は、まともに受ければただでは済まないでしょう!』


『圧倒的な破壊力を誇る、まさに力の武器です!』


続いて、金髪の騎士が宝珠へ手を伸ばす。


光が弾け――その手に現れたのは、一振りの長剣。


一見すれば普通の剣。


だが――


その刀身には、見る者を惹きつける異様な美しさがあった。


『対するは――カラドボルグ!!』


観客席からどよめきが起こる。


『アイルランド神話に伝わる、英雄たちの物語に登場する伝説の剣!』


『その名を轟かせるのは、ただの剣としての切れ味だけではありません!』


実況の声が熱を帯びる。


『振るわれたその刃は、巨大な虹のように空へ伸び、敵を薙ぎ払ったとも伝えられています!』


カラドボルグが剣を構える。


その刀身が淡く輝いた。


『巨大な斧による圧倒的破壊力か!』


『それとも、変幻自在の刃を持つ伝説の剣か!』


『第一回戦最後の一戦――まもなく開始です!』


パラシュが斧を肩へ担ぐ。


「剣か」


カラドボルグが笑う。


「斧か」


二人が互いを見据える。


「単純でいい」


「そうだな」


カラドボルグが剣先を向ける。


「小細工はいらない」


パラシュが笑った。


「同感だ」


『両者、構えて――』


二人の足が地面を踏みしめる。


『試合――開始!!』


先に動いたのは――


パラシュだった。


「ぉおおおおおっ!!」


地面を蹴る。


巨体が一気に距離を詰めた。


「なっ――!」


カラドボルグが剣を構える。


パラシュの斧が振り下ろされた。


――ドゴォォォン!!


地面が爆発した。


土煙が舞い上がる。


カラドボルグは横へ飛び退いていた。


「危ない……!」


その頬を冷や汗が伝う。


斧が振り下ろされた場所には、大きな亀裂が走っている。


「これが……パラシュか!」


「逃げるな!」


再び斧が振られる。


カラドボルグが剣を横へ薙ぐ。


――ギィィィン!!


斧と剣が激突した。


凄まじい衝撃。


「ぐっ……!」


カラドボルグの身体が後ろへ吹き飛ぶ。


だが、空中で身体を回転させ、着地する。


「なるほど……!」


剣を握り直す。


「力なら、こちらも負けてはいない!」


カラドボルグが駆ける。


「はあっ!」


横薙ぎ。


パラシュが斧で受ける。


――ガァン!!


その瞬間。


カラドボルグの刀身が伸びた。


「な――!?」


虹のように輝く刃が、まるで鞭のように空中を走る。


「おおおおっ!!」


パラシュが咄嗟に身を引く。


刃が肩を掠めた。


血が飛ぶ。


「……面白い」


パラシュが笑う。


「なら、俺も本気でいくぞ!」


斧を大きく振り上げる。


「来い!」


カラドボルグも剣を構えた。


次の瞬間。


二人が同時に踏み込んだ。


――ドォン!!


斧。


――ズァン!!


剣。


二つの巨大な力が正面から衝突する。


一度。


二度。


三度。


互いに退かない。


パラシュの一撃が地面を砕く。


カラドボルグの刃が空を裂く。


『凄まじい!!』


実況が叫ぶ。


『まさに力と力の激突!』


観客席から歓声が巻き起こる。


「まだだ!」


カラドボルグが剣を振り上げる。


刀身がさらに伸びる。


「これで――!」


巨大な刃がパラシュへ迫る。


パラシュは避けなかった。


「正面から来い!」


斧を構える。


「だったら――」


全身の力を斧へ込める。


「叩き潰す!!」


――ゴォォォォン!!


斧と剣が激突した。


衝撃波が闘技場を駆け抜ける。


カラドボルグの身体が大きく揺らぐ。


「ぐ……っ!」


パラシュが一歩踏み込む。


「もう一度!」


斧が振り下ろされる。


――ドォン!!


カラドボルグが剣で受け止める。


だが――


「ぐあっ!!」


膝が落ちた。


「まだ……!」


立ち上がる。


「まだ終わっていない!」


再び剣を構える。


パラシュは笑った。


「いいぞ」


斧を構える。


「それでこそだ」


二人が最後の一撃へ向けて走り出す。


カラドボルグの刀身が、虹色の光を帯びながら巨大化していく。


「これが――俺の全力だ!!」


パラシュもまた、斧を頭上へ掲げた。


「俺もだ!!」


二つの武器が交差する。


――――轟音。


一瞬。


何が起きたのか、誰にも分からなかった。


やがて。


カラドボルグの刀身に、大きな亀裂が走った。


「……!」


パラシュは無言だった。


そして――


もう一度。


斧を振り抜く。


――バギィィィン!!


カラドボルグの剣が弾き飛ばされた。


身体も同時に吹き飛ぶ。


「ぐあああああっ!!」


地面を転がる。


カラドボルグは立ち上がろうとする。


しかし――


身体に力が入らない。


片膝をつく。


そして、そのまま倒れた。


パラシュは斧を肩へ戻す。


「……終わったな」


静まり返った闘技場。


実況が息を呑む。


やがて――


『勝負あり!!』


会場中へ声が響き渡った。


『第一回戦、第十試合――!!』


観客が固唾を呑んで見守る。


『勝者――パラシュ!!』


瞬間。


大歓声が爆発した。


パラシュは振り返る。


倒れたカラドボルグを一瞥する。


「強かったぞ」


それだけを告げると、闘技場中央へ歩き出した。

お疲れ様でした。

読んで下さり感謝致します。


話数は少ないので更新は一日一話の更新となります。

更新時間:毎日12:00となっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。