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2 パーティー準備

題名変更の為に分割作業をしていました。

明日から連続投稿予定ですので許してください。

 ドックライム公爵令息アルムエルグです。今回の任務はミリアリア様と一緒に他国の令嬢達の接待役を承りました。

 ハッキリ言ってとても辛い任務です。ミリアリア様の毒舌がオレの心をえぐります。とても痛いです。


「この豚以下の、豚に失礼でしたね。……考えますね。どのような言葉でも表せない劣った人間であり、ドックライム公爵家に寄生している能無し令息で、自他ともに認める無能婚約者のアルムエルグ様です。皆様には覚えてもらう必要がない「モノ」ですので気にしないでください。ドアの前に待機させていますので扉の開け閉めは、アレに頼んでくれたら嬉々としてお仕事をしますよ。その程度しか出来ませんけど」


 ……最初の紹介でドアの開け閉めの仕事を押し付けられました。令嬢達から変な目で見られています。視線が痛いです。


「は、初めまして。エルドラージ王国のオルクーム公爵家のマユーラです。こちらが妹のシャルロッテ、伯爵家のフレデリーアです。よろしくお願いします」

「ではアルムにはドアの前でゆっくりくつろいでいて結構ですよ。そのまま寝ていてもかまいません。永眠してくれたら、とても嬉しいです。今までの行いを反省しながらドアに張り付いておきなさい」


 返事を言う前にミリアリア様から言われて、頭を下げて退出する。部屋を出てドアの近くの壁に寄りかかり、痛めた心の傷を慰める。ドアの近くに居た侍女さんと騎士さんから同情された。

 ドアが開いてミリアリア様がオレを責める。


「なに勝手に部屋を出ているの! ドアの内側にいないと私達が部屋を出るときに自動ドアに命令出来ないじゃないの! 本当に無能ね!」

「申し訳ございません」


 ……部屋に入り、ドアの前で待機する自動ドアになりました。近くには側近のエリスさんが、オレの近くにいる。確か学友のファムさんの姉で、ルックナー砦の責任者の娘さんだったな。


「アルムエルグ様、申し訳ありません。ミリアリア様は初めての他国の令嬢達と会話をして、気が動転しているのです。本心ではありませんので、お気に留めないでください」


 ……気にしないでって、気が動転しているって。無理があると思うけど。エリスさんが申し訳ないように頭を下げて謝るので「大丈夫です」と言ってドアの近くの壁と一体化するように動かず静かに立つ。……オレは無機物の壁になる!

 陛下がオレに与えた任務は護衛と情報収集である。ミリアリア様や令嬢達の護衛をしつつ他国の情報を集める任務だ。あまり女性の会話を盗み聞きするのは抵抗があるから、聴力強化でエルドラージ王国の密偵の情報や王都の賊の会話を聞いている。

 ……あれ? 王弟の事を話している人がいるな。……ベルファルト殿下が死ねば次の王位は王弟だって。

 この内容は後で先王陛下に伝えよう。あ、母上と妹と王妃様が部屋に入って来た。

初対面の妹がミリアリア様達に挨拶をする。ちゃんと挨拶出来ている。とてもいい笑顔だね。オレには見せた事ない笑顔だ。

 パーティー用の衣装の準備をするのですね。ではオレは部屋を出ましょうか。では王妃様達に挨拶をする。


「私は退出をします。それでは皆様、失礼します」


 ビックリする部屋の面々。……隣に居たエリスさんまで驚いている。どうしたんだ?

 部屋を出て先王陛下に会う為に移動した。





 ……ビックリしたわ。娘であるミリアリアの婚約者のアルムエルグが部屋に居たなんて、全く気付かなかった。ドックライム公爵夫人も気付いていなかったみたい。というよりも部屋に居た全員が驚いていたわ。アルムエルグは何時から部屋に居たのかしら?


「ミリアリア様は少し席を外します」


 ドアの近くに居たミリアの側近のエリスが他の側近を連れて部屋を出た。そのうちの一人が私とドックライム公爵夫人に言う。


「ミリアリア様の毒舌をこの部屋に居る者全員がお聞きになっています。出来ればフォローをお願いします」


 アルムエルグに毒を吐いたのですね。初めて聞いた侍女もいるようです。頭を抱える公爵夫人になんてお詫びをすれば良いのでしょうか。それよりも令嬢達の誤解を解かないと。


「アルムエルグが近くにいるとミリアは緊張して変な事を言うの。何を言ったか解りませんが気にしないでください」

「……ミリアリア様は婚約者のアルムエルグ様を嫌っているのですか?」

「ミリアリアは婚約者のアルムの事を大事に思っていますよ。愛情表現が下手なだけです」

 私が言うと令嬢達は表情を硬くして、笑顔を見繕う。……何を言って良いのかわからない笑顔だ。

「……愛情表現が過激というか、……独特ですね」


 伯爵令嬢のフレデリーア様がフォローするように言う。でも独特と言う前に過激と言った言葉に気になります。過激な事を言ったのでしょうか? 後で報告書を見ましょう。


「ミリアは愛情表現が下手ですから。緊張すると変な事を口にしてしまうのです」

「アルムもミリアリア様を嫌っていません。一緒にお茶を飲んでいますし、二人の間は良好ですよ」

「そうなのですね……」


 他国の令嬢達や侍女達の表情を見る限りでは納得をしていません。侍女達には箝口令を引いて、令嬢達にはどうにかして誤魔化さないといけませんね。


「そういえばドックライム公爵夫人はアルムエルグ様の……」

「はい、私の息子です。そしてその妹のラルーシャです。長男がいるのですが仕事があってご紹介できませんが、二人を皆様に紹介出来て嬉しく思います。兄妹共々よろしくお願いします。では早速、ドレスのサイズ合わせをしましょう。急がないと間に合いませんから」


 公爵夫人が話題をそらし、外で待機していた侍女達が何十種類のドレスも持ってきた。財政が豊かだと思わせる為に、陛下が予算を多く出した。その他にも装飾品など部屋に持ち込まれている。

こんなに用意して我が国の財政が少し心配していましたが、先日、賊のアジトから押収したお金を使っているらしいです。……かなり貯め込んでいたのですね。


「シャルロッテにはこのドレスが良いわね。フレデリーアにはこっちが合いそうね」

「マユーラ様にはこっちのドレスが良さそうですね」

「その場合の装飾品はこっちが良いですね」


 そういえばミリアリアはまだ戻ってこないのかしら? ……戻ってきたわね。早くマユーラ様達の会話に加わりなさい。詳しい事を聞こうと思って少し後ろに下がって側近の一人に聞いた。


「ミリアはアルムエルグに毒を吐いたのね」

「はい、体が成長するにつれて、毒舌も成長するのだと感じました。後で報告書を提出します」


 ……そんな成長は要らないのですけど。ミリアは会話に参加しています。アルムエルグの妹とも会話していますね。彼女は兄を嫌っていると聞いています。公爵夫人も、兄を嫌っている理由はわからないと言っています。

 あの優しいアルムエルグを嫌っているなんて、どうしてでしょうか?


「ミリアリア様はどんなドレスを用意しているのですか?」

「私は……、エリスはどんなドレスが良いと思います?」

「そうですね。水色のドレスなどはどうでしょうか?」

「その色も良いわね。そうだわ! アルム様はどんな衣装でパーティーの来るのでしょうか? アルム様の服装に合ったドレスが良いわ!」


 ミリアリアの言った言葉に驚く一部の者達。先ほどの毒舌を聞いた方々でしょう。


「ミリアリア様はアルムエルグ様をどう想っているのですか?」

「もちろん、大切な婚約者ですよ。将来はアルム様と一緒になる約束をしているのですよ」


 ……そんな約束なんてしていましたか? 願望ではなく? 貴方の側近達も呆れていませんか? 


「噂ではミリアリア様は兄を、仮の婚約者と言われています。ミリアリア様御自身が言ったと……」

「そ、それは気が動転して」

「他にも、兄は公爵家の権力を使ってミリアリア様を奪ったと」

「お爺様が提案して私も同意しました。王家から公爵家にお願いをしたので、そのような事はありません」


 ラルーシャがミリアリアに質問をして噂の払拭をしています。他にもアルムエルグがどんな素晴らしい人物なのか周りの者達に伝えていますね。……本当にアルムエルグに毒を吐かなければ、良い関係になるのに。

 神から祝福を与えられたときは喜びましたが、アルムを傷つける呪い付きの祝福などいりません。

ミリアリアの魔力を放つものに自愛と加護を与える祝福。

アルムエルグの魔力を放出できない者、欠陥魔法使いのアルムエルグに対して毒舌を吐く呪い。

その呪いを解くために、ミリアリアは神殿で祝福を封じる魔法を学んでいる。

 どうして娘は神から祝福を受けたのでしょうか?



誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスをお願いします。

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