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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
ニ章   adventure children
63/70

第二八話 不明慮材 タービュレンス


楽神祭までの時間が徐々に迫っている。


カズキ達は黒幕であるハイトスを探し出そうと動く。

町全体の詳細を把握し解析を進め、調査に動いているが一向に有力な情報が手に入らない。


全員が焦りを覚えながらもいつも通りに振舞う。

ここで早まった行動を取れば敵の思うつぼになり取り返しが付かない事になるかもしれない。


そこにスプラクア国の王女であるターゼがヴェアリアスを訪ねたのだった。


妹であるムーゼと自分を助けてほしい、その言葉をカズキ達は受け入れた。



そんな中で子供達は日常を送っていた、今後の自分達をテーマに何をすべきなのか考えながら。


だがダツだけは、ある違和感を拭い捨てきれないでいた。





【水幸源の町セカンエンデ 町外設営地】


日が昇った次の日。


俺達は全員フォンを装着しターゼから話しを聞こうと待っていた。


昨日の夜にターゼは自分達を助けて欲しいと俺達に語った。


本当を言うと俺達が助けてほしいくらいだった。

この町に到着してからという物有力な情報が入らないでいた。


町全体をスキャンすることには成功したが、全ての地下通路や不穏な建物を全て調べて回っても全てがダミー、トラップなども仕掛けてあった。


まだ調査は進めているが、みな内心何かが足りないと思っていた。


その何かをターゼから拾えれば敵の足がかりになると俺とサナミさんとシュリーとルシュカで、信じて待っていた。



そしてついに通信が来た。




ターゼ

「あぁあああ!!!うんうん僕は今日まだ寝てるよーー疲れてたからさ!!うんうんうん!!ムーゼは???」




機械音痴なのか、ただのバカなのか急に繋がった通信では日常生活の光景、声、音が流れてきた。


映像がおかしなカメラワークなところみると、慌てて起動したはいいがムーゼがいるから不自然に装着は出来ないというところか。


完全にこいつ俺達昨日の夜に約束した時間ギリギリまで寝てやがったな。


声もごもってるし何か食ってる様子だし。




ムーゼ

「はぁ・・昨日言ったでしょ?町長と行事の打ち合わせ、明日は他の国の人達が来る予定なんだから。って! 明後日には楽神祭が始まることわかってる!!?」


ターゼ

「うんうんうんうんうん!!! 大丈夫大丈夫!!全然大丈夫ー!! いったらっひゃぁ~~~い」


ムーゼ

「もう・・・ユミィーリア王女達の所とかに勝手に行かないでよね?」


ターゼ

「行かない!!行かない!! 心配無用だ~~~い」


ムーゼ

「・・・・・・・・・なら、いいけど」




ギリギリ映像ではムーゼが部屋から出ていくのが見えた。


一瞬振り向きターゼを見た気がしたが、表情までは見えなかったが。

もしかしたら、もう気が付いてるのかもしれないか・・・。




ターゼ

「あぁああえっとえっと!!? あれ何処にやったんだっけか??」




ガタンッ!!




映像が更に傾いた。


今度は落としたなこいつ・・・。




ターゼ

「ありゃぁぁー・・・落としちゃったわいぃごめんよ」


サナミ シュリー ルシュカ

「「「っっ!!!?」」」




水色・・・・・・。




カズキ

「ぶへぇえええ!?!?!」




なんでかなー、不可抗力じゃないか。


映像化なんてするからこうゆう事故が起きるんだよ。




サナミ

「ごはんはいいからまず服着て!!」


ターゼ

「えぇ~~だって起きたばっかりなんだも~~ん、あれ!?もしかしてみんなって素っ裸で寝る系女子??」


シュリー

「じゃあ音声に切り替えるわ」


ターゼ

「なんでさぁー!! あぁ!! 僕の素敵な素敵な体に嫉妬ですか~い???」


ルシュカ

「時間の無駄だ、シュリー博士切り替えよう」


ターゼ

「わかったってばぁ~~・・・でもそうかそうか、こうゆうこともできるのか」


シュリー

「素敵ね~本当に、そんな谷間なんて作って、引き千切られたいのかしら??」


ターゼ

「あぁ~~んいや~~~ん」





早く終わらねーかなこれ。


でも少し気になるから録画だけはして・・・何、操作不能だと!?

くっ・・・遠隔操作か、流石に開発者相手だと分が悪いか。


まぁでもあれのなんて見ても気が滅入るだけか。


好きな男が出来た時の脅しネタくらいにしかならんか。

こんな奴に好かれる男は溜まったもんじゃないな。



結局あれから10分近くの漫才が繰り広げられていた。



いつも見たくうちの面子が押され出してた。

その度に俺を殴る蹴るするそのストレス解消サンドバック本当にやめてほしい。






ターゼ

「よいしょぉ~~・・・で何処からお話しすればよいですかい?」



ちゃんと、服も着替えベッドの上で寝転んでいた。


変にポーズ取ってるのがすげぇ腹立つけど、ここで口に出したら本当に話しが進まない。




カズキ

「で、お前としてはどうしてほしいんだよ、お前ならわかってるとは思うが俺達にも目的があってこの町に来てる」


ターゼ

「わかってるわかってる、ハイトスでしょ~?」




さらりと言いやがったこいつ。


ほぼ確実にいるってのが完全な確証になったというわけか。




サナミ

「随分とあっさりしてるけど、もしかしてわかってたの?」


ターゼ

「ん~~?? だって楽神祭ってハイトスが言い出した物だもん」


カズキ

「は・・・?」




おいおいおい。


本当にさらっととんでもない事言ってるぞこいつ。


嘘だろ・・・まさか。

この町・・・って。




ターゼ

「ほぼ、ハイトスの支配下だと思って間違いないよ、だから助け求めたんだけど」


サナミ

「嘘でしょ・・・!! ユミィの所行ってくる!!」


ルシュカ

「私の方も厳戒態勢を取るように伝えてくる」




一気に慌ただしくなってしまった。


サナミとルシュカは急いでテントから出ていった。



だが通信は切らずに音声のみのモードに切り替えていた。




ターゼ

「やべーーまずった?」


カズキ

「いや、こっちの爪の甘さを悔やんでるだけだ」




元々罠だとは思って望んだ。

だからあらゆる物を持ってきたしシュリーの開発等も急がせて完成させたし作戦や人員も用意してきた。



だが、土台が、思考ベースを誤ってた。



一大行事、そこで何かをやる、楽神祭をハイトスが利用して何かをする物だと。




完全な落ち度だ。


頭を抱えたくもなる。




ターゼ

「私としてはムーゼの邪魔をして欲しくなかっただけだから、警告したんだけど」


カズキ

「邪魔とは? またとんでもないことを口にするつもりだろ?」


ターゼ

「ん~~どうだろう、ただあの子・・・自分が水幸楽神の巫女になろうとしてるんだよね、今回の楽神祭で巫女を殺してでもって勢いで」




だから助けて欲しいか・・・更に頭を抱える。


急展開に急展開が続いて本当に頭を抱える所か痛くなる。




シュリー

「そんな巫女なんて簡単になれるものなの? この間の話が嘘がなければ容易だとは思えないけど?」


ターゼ

「最近のは知らないけど、意外にそうでもないんだよね。聞いた? 2回目の楽神祭の話」




確か初代巫女であるターゼが二度目の巫女として楽神祭に挑んで倒れてしまったという話か。


間違ってなければ楽神祭は人知れず失敗に終わったという内容だったか。




ターゼ

「あれさ、成功したみたいなんだよ。後で聞いた話だけど、楽神祭は一回目と同じようになって成功したってさ」


カズキ

「は? だってお前は気絶・・・そういうことか」


ターゼ

「そう、ムーゼだよ。名も知られぬ二代目水幸楽神の巫女は、それでまた今巫女をまたやろうと躍起になってる」




思考の暴走か。


ターゼと肩を並べたいあまり自分も巫女を通して王女になろうとでもしているのか。


片や王女、片やその側近、言うまでもない格差があったのか。


ターゼが初代として名乗りを上げたのは偶然かもしれない、だが常に一緒にいたムーゼにとっては「自分がやれば立場が変わっていたはずなのに」と思うに決まってる。




ターゼ

「馬鹿だよね・・・ムーゼに無理なんかさせるわけにはいかないって僕自ら立候補したらそれが上手くいっちゃって、ムーゼを更に突き放しちゃったんだからね」


シュリー

「滑稽ね、よくある話し・・・どちらにせよ同じような事態にはなってたわけだろうけど」


ターゼ

「あはは~そうかもね~・・・」




シュリーのフォローでターゼは笑うが、正直気持の良い話ではないな。


必ずどちらかが不幸になる可能性が高い話。

そんな状況を恨みたいだろうがな。




シュリー

「改めて聞くけど、その祈りってのは本当に祈るだけなのかしら? 気絶するほどの何かがあるようにしか思えないけど」


ターゼ

「そうなんだよね~、一回目は本当に湖で祈らされてた、二回目も同じで気が付いたらってやつ」


シュリー

「そう・・・」




シュリーは口に手を当て考えていた。


シュリーの聞いた内容はその祈りとかいう名前だけは普通の癖にめちゃくちゃ物騒な事の詳細。


気絶なんかするってことはそれ相応の何かが絶対にあるはず・・・。




ターゼ

「一回目のその成功ってのもよくわからなかったし、何か変わったわけでもないし、何か起きたわけでもないし、知らない奴らが喜び出して終わった感じだし、祈る内容もただ怖かったから無我夢中で助けて欲しいって思っただけだし、二回目だって必死にやったんだけどさー」




気が付いたら終わっていた。

祈った内容も特別性はない。


そして次に祈ったら気絶した・・・。


共通点がわからない・・・。


何か特別な。


感情が・・・必要?


強い気持ち的な・・・?


何の為に?





待てよ・・・。


俺は一度似たような物を聞いた。

それもつい最近。


強い思いを必要とした、もの。


それが届かないと痛い目を見る話。



まさか・・・。





カズキ

「まさか・・・"ギフト"!?」


シュリー

「私もそれを考えてた、あの子達が手に入れた"者以上な者"の可能性がある・・・ね」


ターゼ

「ギフト・・・?」




長い長い年月をかけて祈りという名の真素を流し込む。


真素は人によってほぼ一つしか持っていない、ヴァリアーズだ。


人一人の真素はあまりにも限られてる、もしそのギフトが生きている存在なら一度食らった真素はいらないと感じても不思議ではない、むしろ一気に吸い上げかねない。




カズキ

「だからか・・・だからムーゼは」


シュリー

「何かしらで知ったんでしょうね、だからこの日まで自分を鍛練し続けた。真素を吸われ尽くされないように、自分一人で成功・・・いや、今後も自分一人で楽神祭を遂行し続ける為に・・・どうしてもターゼに追い付くために」


ターゼ

「そんな・・・ムーゼ・・・が?」




真素は鍛えれば鍛えるほど優れていく。

その中で術技が使えたり、新しい術技を取得出来たりできる。


恐らくそれは真素の貯蔵量もきっと関係しているに違いない。


ムーゼは己を磨くと同時にこの為に長年、二回目以降ずっと考えていたのか。



これなら、ターゼと同じ場所へいけると。




ターゼ

「私・・・! ムーゼを止めてくる!!」


カズキ

「待て! 迂闊に動くなって言ったのはお前だろうが、それを知ったところできっと彼女は止まらない、余計に拗れるだけだ」


ターゼ

「でもさ!」


カズキ

「安心しろ、祈りは必ずさせないしムーゼに巫女をやらせない」




そうだ、これは絶対に止めないといけない。



ムーゼの事もそうだ、自分がどんなことをやろうとしているのかを理解してない。

俺達の憶測が当たってしまっていた場合ムーゼは王女どころか下手したら世界から指をさされる存在になりかねない。



それだけは決してさせてはいけない。




シュリー

「ちょっと出てくる」


カズキ

「・・・・・・シュリー、お前何か隠してるのか?」


シュリー

「・・・どうゆう意味?」




いつもと違う表情だ。


そう、何かを知っている顔だ、真剣に今自分のやれることをやろうとしている顔だ。


コイツともこの世界に来たばかりの俺からすると長い付き合いだ、わからないとでも思ったのか。




カズキ

「お前・・・もう最悪な事態を想定してるんだろう? 何が出てくる、ギフトの中身は」


シュリー

「・・・・・・私がわかるわけないでしょ」


カズキ

「シュリー・・・」


シュリー

「・・・はぁ、なんであんたはそうゆう所だけは鋭いのよ、腹立つわね!」



頭を掻き毟り気持ちを落ち着かせたようだ。


深呼吸して表情を和らげ、俺に告げてくれた。




シュリー

「ロストエンシェント、けど中身まではわからない。きっと奴らそれを手なずける可能性がある、強引にね」


カズキ

「手なずける・・・、だからか」




それが奴らの計画って訳か。


光輪計画。



それが奴らの計画名、名前の由来なんて知らない。



奴らが長年かけてやってきたことを改めて考える。



ギフトの調査。


それからギフトの収集。


そしてギフト生成者とギフトの統合。



恐らく奴らは数年前に偶然見つけたのだろう、この町にある湖という名の巨大なギフトを。

それを長い間調べ尽くしたが成果を上げれないでいた。



そんな中でギフトの同時多発的な発生。



これを好機と思い、実験に利用していったのか。


生まれてくるであろうギフトを自分達の手足のように扱う為に。




やっとか・・・やっと見えた・・・。




カズキ

「シュリー俺も行く、何が出来るかわからないが」


シュリー

「わかってるわよ」


カズキ

「ターゼ、一応聞いておくがその湖は?」


ターゼ

「ううん、一回目も二回目も場所が違ったし今はもう何もない」




やっぱりそうか、同じ場所にずっと留まるとは思えないわな。


ギフト自体は湖その物ではない、なら中に何かがあると考えた方が自然か。


移すことが出来ると考えると子供達の卵のような物か。


歴代の巫女に悟られないようにしている可能性は高いな、そのカモフラージュの為に湖にしているのか。



そうなると余計に厄介・・・・・だな。




シュリー

「カズキ、行くわよ」


カズキ

「あぁ、ターゼは一先ず待機だ、ムーゼに何かあったらすぐに俺に連絡しろ、すぐに駆け付ける」


ターゼ

「わ・・・わかった・・・」



それじゃあ、と通信を終える。



ターゼ・・・。



通信を終えた瞬間の顔が頭にこびり付いてしまった。


だが立ち止ってはいられない。

すぐにでも解決方法を模索しなくちゃいけないんだ。



約束したんだ、必ず助けると。




ターゼもムーゼも・・・ハイトスの連中を好きにはさせない。




これ以上・・・!!



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【水幸源の町セカンエンデ 孤児院】



昨日からの掃除も粗方終わり俺達昼食を取りながらおしゃべりに花を咲かせていた主にシスターメレニアが勝手に騒いでるだけなんだけど。


内容はもちろん楽神祭の事だった。




メレニア

「いやーそれにしても今回も凄い来客がだねー」


ミニア

「もう来てる人もいるの?」


メレニア

「詳しくはわからないんだけど、どっかの御姫様が来てるみたいよ~? あぁーきっとかわいいドレスに身を包んで素敵なお姿なんだろうな~」




シスターがいつものように自称乙女な事を言い出した。


お姫様ねー・・・。


確かに俺達もその御姫様みたいな人と出会ったことがある。

あれはたしかタルシナでナザのあんちゃん達と飯を食ってる時だったかな、ヴェアリアスの人でサナミ団長やシュリー教授とは違った素敵な人だったなー。


流石に俺もケイトも顔を赤くしてたっけかな。

いや、ネーネもミニアも赤くしてたような気がするわ。




メレニア

「あれ? 意外に反応薄いわねあんた達」


ケイト

「もちろん、気にはなるけど・・・まぁうん」


ダツ

「俺達は俺達で姫様っぽい人と会ったことあるからねー」


メレニア

「は!? 何それ何それ!? 聞かせて聞かせて!! やっぱり可愛いの!?今後の参考までにー!!」




両手を合わせてお願いされた。

そんなにお願いされても俺達も一回しか飯食ってないし。


終始俺達を見ながらニコニコしててこっちは気が気じゃなかったし、食事が終わったらサナミ団長が現れて連れてかれちゃったし。




ダツ

「それこそ姫様って言ったらさ、昨日のターゼ王女殿下だってさ姫様だろ? マザーに聞いた方がよくわかるんじゃないのか?」


メレニア

「あんたね、あえて触れないようにしてたのに、相変わらず空気読まないわね?」


ネーネ

「ううん! 私は気にしないで、逆に気になるし、マザーがよく知ってるんですよね?」




全員の目線がマザーに集まる。


それに気付いてるのかわからない様子で食事を黙々と続けていた。

が、俺達の視線がうっとうしかったのか、ガンッとシルバーを食器に勢い良く置いた。




ドールブ

「・・・・・・いいでしょう、とは言ってもあまり詳しくはありませんよ」


ネーネ メレニア

「お願いします!」




ネーネはともかくシスターはどうしてそこまで気になるんだ・・・あの惨状を見たら少なくても興味はあまり出ないというか、俺は嫌な思い出しかないんだが。



ドールブ

「そうね・・・まだあなた達がここにいた時ですね、私が二人に最初に出会ったのは」



え、マジか全然気が付かなかった。


もしかしてあっちは俺達の事知ってたのかな?




ドールブ

「妹の方は常に怯え、声もまともに聞くこともありませんでした、一目見て人間不信、姉意外の人間は怖い対象、そう捉えましたね」





あの妹さんが?ムーゼさんだっけか?


そんな馬鹿なって思うのは当然だろう、常に振り回せれてる印象を受けたが。

変わったってことか?


確かに王女の側近なんてやってるならビクビク怯えてちゃ話しにならないのはわかるけど、そんなもんなのかな?




ドールブ

「そして王女殿下、姉の方ですね。 実話言うと私は一瞬誰かもわからない程に彼女は劇的に変わっていましたね。ムーゼ同様私を警戒していたのは間違いありませんでしが。彼女の目は非常に澄んでいて、正義感、妹を守らなくてはいけない使命感で動いている、そんな印象を受けましたね」


ケイト

「正義感・・・です・・か?」


ダツ

「うえ、それこそ信じられねー」




昨日の天真爛漫の破天荒な事ばかりするあいつが正義感や使命感なんて思うものか。


あれか、王女になって変わったってか?

贅沢で裕福な生活になった事で逆に今まで溜まってた物が爆発したっていうあれか?




ドールブ

「あなた達は私の話を聞いてどう思いましたか?」


ミニア

「んーーー、どうって言われてもなぁ」




この場に居た者は全員首をかしげていた。


あの性格からは考えれない時期。


それも数年前、俺達が院を出るか出ないかの時期ってこと。

人がそこまで一気にガラって変わるには短いとは思うけどなー・・・ってガキの俺が言うのもなんだけど。




ネーネ

「・・・・・・何となく、わかる・・・気がします、直に見たわけじゃないからわからないけど」


メレニア

「ネーネ・・・?」


ネーネ

「あの・・・なんて言うか、上手く言えないんだけど。私達もそうだったかなーって」




俺達が?


あの姉妹と?




ネーネ

「自分で言うのは恥ずかしいんだけど、私達は確実にこの院に居た時よりも確実に成長してる、絶対に変わってる。それはさ、あの事件があったからじゃない?


時々考えるんだ、もしあの時にあのクエストを受けなかったら、もしあの時冒険者ギルドにいなかったら、もしあの時ウェイスにいなかったら・・・私達ってどうしてたのかなって。


私は少なくても、今の自分にはなれなかったと思う。昔に思った素敵な冒険者になりたい、ううんみんなと誓った"真の冒険者"になるって夢は、今の・・・今の好きな自分じゃないとなれないと思うんだ」





ネーネの言葉をみんな黙って聞き入ってしまっていた。


あの事件に会わなかったらか・・・俺は考えたこともなかったな。

あんな怖い思いは二度とごめんだとしか、あれをもう味わいたくないし他の奴らに味あわせたくないって思ったらからもっと強くなろうと決心した。


だから今の自分がいるとも思うし・・・。




ダツ

「あ、そっか・・・これが変わるってことか」」




今の今まで無我夢中だったから振り返ることなんかほとんどしなかった。


ここを出た時は適当にやってれば冒険者なんて簡単だろうって考えてた。



そしてネーネの言う通り、俺も・・・今の自分が好きだな。




ドールブ

「そうゆうことです、人は中々変われない、確かにその通りです。ですがそれは環境や状況、きっかけなどがなければ為し得ない事。あなた達は素敵な指導者の下で立派になられた、誇っていいでしょう。ですが」




素敵な指導者・・・か。


そんなの言われなくてもわかってた、だから俺達は旅だったんだ。


あの人の所から、このまま浸ってていいのかって、みんなで話し合って。




ドールブ

「だからこそ、あの二人は・・・変わってしまったのですよ。あなた達のように成長したのかどうかはわかりませんがね」




そういうことか。


変われる、けどそれは難しいことなんだ。



だって変わりたい自分へと変わることと変わってしまったじゃまるで意味は違う。



マザーの話だけではわからないけど、それがあの二人が求めていた物なのかどうかは本人達にしかわからない。

けれど、少なくてもマザーからは変わった、変わってしまったと映っていた。




ケイト

「やっぱり・・・戻ってきて正解だったね」


ミニア

「うん・・・やっぱりマザーにはまだまだ敵わないってのがよくわかった」




俺達はずっとひそかに後悔をしていた。

ここへ来れば何かわかるかもしれない、けどここへ来て数日、たった数日で不安や不満が少しずつ出てきていた。



でも今はめちゃくちゃ健やかな気持ちなんだと思う。



来てよかった、これに気付けた大きさは、俺達をまた一つ大きくしてくれたような気がした。

それはほんの少し、ほんのちょっと。

他の人が見たらわからない程度かもしれない。


けど。





俺はみんなの顔を見る。


みんなもやっぱり同じように考え感じてた。


俺達の夢へはまだまだだ、けど俺達の夢の見本はずっと目の前にあるんだ。

今はまだその背中の大きさを半分もわかってないかもしれない。


もっとわかってないかもしれない、でもそれを追い続けるのは未熟な俺達にとってはまだ必要な事なんだ。



だってそれをしていただけで、こんなにも夢に近付けたんだから。





ケイト ダツ ネーネ ミニア

「「「「マザー!ありがとうございます!!!!」」」」





全員で立ち上がり頭を下げた。





ドールブ

「ふんっ・・・伊達に長年マザーをしてませんよ、火遊びでやけどしようが、湖の中に全員飛び込んでびしょびしょになろうが、人様の家の物を壊して怒られようと、あなた達が・・・あなた達がどんな姿になろうと、私があなた達の唯一のマザーなのですから、そのことを忘れるんじゃありませんよ?」




ケイト ダツ ネーネ ミニア

「「「「はい!!マザー!!」」」」




随分と懐かしい話を持ち出された物だ。


全部事実で返す言葉もなく俺達は笑ってた。


これも全部マザーと・・・・・・。




メレニア

「・・・・・・・・・」




シスターメレニア・・・?


どうしたんだろう、珍しく下を向いて塞ぎ込んで。

いつものシスターなら号泣でもしそうな物だけど。


会話に一切入ってこない?




ダツ

「シスターどうしたんだよ? うんこでもしたいのkぶぇげ!!?」


ミニア

「あんたね!! 聞き方ってもんがあるでしょうが!!」


ドールブ

「前言撤回が必要なようですね」


メレニア

「・・・・・・ごめん、朝から体調悪くね」




みんなで笑い合っていた中シスターは一人食器を片づけてしまい、振り返ることなく自室へと籠もってしまった。




ネーネ

「ダツが変な事言うから・・・」


ケイト

「今のは良くないようん、次会う時にはちゃんと謝るんだよ?」


ダツ

「ったく! わかってるよ、すみませんでしたぁああ!!!」




そしてまたミニアにどつかれた。


それからもみんなで談笑しながら昼食を取った。

うるさいくらいにマザーに俺達がどんな旅をしてきたか話した。


どんなことがあったのか、歯止めが効かずに。

残りの掃除をしながらずっと聞いてもらっていた。


マザーは嫌な顔せずずっと聞いてくれていた。

相変わらず眉間に皺を乗せた表情だったけど。



ネーネとミニアも・・・チヨーとヒルメ出会った話しをしてくれた。


俺とケイトも始めて聞く話で物凄く盛り上がった。


ミニアが最後にヒルメに掛けた言葉通り、俺達はまたいつか会える気がしていた。



どこかで・・・また。




シスターにも・・・聞いて欲しかったな。






ヘスティア

「クンッ??」


ダツ

「ん?どうしたヘスティア?」



ヘスティアが院の出入り口に目線を向けた。


誰かが来る気配はない。

見ているのは町の方?































メレニア

「私・・も・・・これで・・きっと・・・」



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【水幸源の町セカンエンデ 地下空洞】




カズキ

「っ!! こん・・・のぉ!!!」




俺も町内調査に参加した、シュリーとルシュカと共に怪しいとされる点を重点的に潰していった。


奥へ進むとモンスターの群れが多く配置されていた。


罠なのか、本気で奥へと行かせないような配置になっている為にここが本命なのかどうかすらわからない。




ルシュカ

「足場も悪いし、大技も出せないとなると時間がかかるな!シュリー博士どうだそっちは!?」


シュリー

「あと・・・ちょっと待って・・・」




シュリーは俺達の背後で座り込み目を閉じていた。


自動操作索敵型術技の弾丸を撃ち込みそれで奥の奥まで探索をしている。


地図は完全に解析済みだが、細かな詳細を解析している暇がなかった。

俺達はこうして現場へと向かって自力で探す事にした。



俺とルシュカはその護衛、シュリーが迅速に作業を進める為の盾役だ。



それにしても本当にここは厄介だ。


ライトスフィアである程度は照らせるが足場小さな川のようになってやがる。


足元も薄らしか見えず、何度か小さい穴で躓きそうになるし、デカイ術技で一気に吹き飛ばそう物なら絶妙な設計で作られたこの空洞を破壊して町に被害が出かねない。


ここまで緻密にやるとは、敵も本気ってことか。




シュリー

「ちっ・・・終わったわよ」


カズキ

「結果は・・・って言わなくてもわかれってか」


ルシュカ

「よし、撤退だ、奥義 爆光術技」



爆竹のように辺りが一斉に光り出す。


モンスター達の動きが止まりその隙に俺達は撤退する。




シュリー

「はぁ・・はぁはぁ、んっ!!???」




シュリーを持ち上げお姫様抱っこをしてやる。




カズキ

「いいから少しは休んでおけよ、お前が要なんだし」


シュリー

「・・・・・・馬鹿」




いつもなら殴られる行為だが、ここはいた仕方ないってことはこいつもわかってるのか。

いくら吸血鬼といえど限度はあるに決まってる。


こいつに無理されすぎるとネシーやお弟子達に悪いしな。




ルシュカ

「ふっ・・・・・・、こちら特組、中組へ調査結果不良撤退中、次の指示を」


クレエス

「中組了解、C3ポイントの援護を、負傷者により援護要請有り、急行願いたし」


カズキ

「了解・・・、あっちはどうなんだ?」


クレエス

「ユミィ様とターゼ様は今の所異常はありません、ユミィ様はサナミ団長が、ターゼ王女殿下にはレイドラ様が配置済みです」




あの二人は問題ないか。

最初はターゼの告発がバレたら問題になる可能性から護衛は考えたが流石に心配だったからレイドラを手配した。


最悪の場合はレイドラがターゼを救出する手筈になってる。


このまま何も無ければいいが。




ルシュカ

「心配するな、なんだかんだであの陸棚水晶は強い、そう簡単にやられたりしないさ」


カズキ

「お前がそう言うなら心強いよ」




俺とルシュカは一気に空洞を一気に抜けた。


そしてすぐに要請のあった地点へと飛んで向かう為一度町に出る。


上から眺めても改めて見て思う、綺麗な町だと。

だけどここはもうハイトスの手に落ちている。


そう思うと本当に苦い思いが込み上げてくる。







ルシュカ

「特組、目標地点に到着、これより突入する」


クレエス

「了解、内部詳細に大型モンスターありと報告が、くれぐれも慎重に」


シュリー

「了解よ、もういいわよ降ろして」




シュリーを降ろし俺達は一つの扉の前へと立つ。


これは・・・錯覚させる術技と移動型術技の複合。

中へ入ると一気に別の空間へと飛ばされる代物。


いつぞやの物と同じ、つまり・・・あいつが作った物か。




カズキ

「いくぞ・・・」




扉に手を掛け中に入った。


その瞬間に空間が歪み、俺達は広い洞窟内部へと移動していた。





ブオオォオォオォォオオオオオオオオオ!!!





モンスターの咆哮。

すぐ目の前には大剣を持った大型モンスター。


そしてサンリーの部隊員が仲間を助けながら迎撃していた。



ルシュカ

「後退しろ!! 我々が時間を稼ぐ!」



「っ!!? ルシュカ様にシュリー様!!?」



すぐさま突撃をかける。


ミツバの一撃をぶち込み俺に注意を引かせる。




カズキ

「・・・っ!」




なんだ・・・視界が。


まさか嘘だろ・・・こんな時に。




ブゴォオオオオ!!!




モンスターが俺の一撃を耐え反撃をしてくる。


反撃をミツバで払い弾くが、そのまま吹き飛ばされ地面へ激突する。




カズキ

「っ・・・! くっ!!」



受け身も取ってダメージも少ない。


だが・・・力が上手く入らない、ミツバを握ってる感触が薄い。


こんな時にかよ・・・。



シュリー

「カズキっ!!!」


カズキ

「っ!?」


チヨー

「くぅぅうっ!!!!!」



頭上から高速で俺に突撃を掛けてきた。


あの時の黒髪か!!




ガキィィイイイイッィイインッ!!!!




二本の小太刀とミツバがぶつかる。


鍔ぜり合うも集中しきれてない俺が押されてるか。



チヨー

「あなたを・・・殺す!! それがぁあ!!!」


カズキ

「お前なんかに殺される筋合いはないが、なっ!!」



蹴り飛ばし鍔ぜり合い拒否する。


だが相手もダメージにならないよう寸前で防いだか。

ミツバを改めて構え直す。




ブォオオアァアアアアアアアア!!!!




ルシュカ

「撤退を急げ!! こいつは私とシュリーが食い止める! カズキ!お前はその二人、頼めるか!!」





二人・・・。


黒髪の後ろから大斧を持って姿を現した。



ヒルメ

「・・・・・・」



なんだか様子がいつもと違うような気がするが、まぁいい。


一先ずここは部隊員の救出が最優先だ、こいつらを倒す必要はない。



こいつ等がここにいるということは、ここに何かある?


可能性はゼロじゃないが、俺の直感が囁く。

恐らくこれは誘導か。


ついに動き出した俺達にここへ誘導するように仕組んであんな大型モンスターとここの幻術技を使ったんじゃないかと思ってきた。




ヒルメ

「チーちゃん、落ち着いて行こう、きっと私達なら勝てるから」


チヨー

「・・・・・・」



なんだか本当に何があったのか聞きたい物だ。

今まで戦ってきたあいつ等と明らかに違う。


戦闘をただ楽しんでいた金髪、だが今は相方を宥めるように思える。


対しての黒髪は、今にも飛び出そうだ。

隠す気の無い猛烈な殺意を俺に向けている、口数の少ない冷静に状況を判断していた時とは大違いだ




チヨー

「お前を・・・殺せばきっと・・・」


カズキ

「・・・・・・」


チヨー

「きっと戻れるんだぁあああ!!!」




っ・・・超大型の斬撃波か、本当に俺を殺したい一心だな。


その悲痛な叫びは何なんだ!!




カズキ

「スレイヴスラッシュ!」




同じように斬撃波の術技で迎撃する。


その隙頭上から金髪が斧を振り被り飛んでくる。




カズキ

「こっちが合わせてくるのか・・・!」


ヒルメ

「お願いだからくたばれぇええーー!!」




金髪の重い一撃が防いだミツバから全身に伝わる。

衝撃が俺の立っている地面を砕くほどの威力だ、こいつもまた今まで以上で挑んでるってことか。




カズキ

「っ!!?」


ヒルメ

「チーちゃ・・・!!?」




金髪が剥がされるように退かせれた。


その時にはもう俺へと小太刀を向けていた。




チヨー

「死ねぇええええ!!!!」




ズサァアア!!!




斬られた・・・!


ミツバを弾きその一瞬の隙を見逃さまいと俺に一撃を与えてきた。




カズキ

「ぐぅう・・・はぁ!!」




よろめきながらも体勢を立て直し距離を取る。



左肩から痛みが襲う。


血ももちろん流れてる。



だけどおかげで目が覚めた。




カズキ

「・・・・・・」


チヨー

「やった・・・今日こそやれる、お前を・・・殺せる!」


ヒルメ

「チーちゃん!! っ!!」




単独での突撃。


金髪は遅れて続く・・・ならフォローは間に合わない。




カズキ

「フルブレイクブラスター、スタンバイ」


チヨー

「このぉおおおお!!!!」


カズキ

「スラッシュセイバー!」



飛び上がって襲いかかってくる黒髪に斬撃術技。


盛大に振るった俺の攻撃は黒髪へを吹き飛ばした。



寸前で防いだか・・・だが。



ヒルメ

「チーちゃん!!? はっ!!?」


カズキ

「慈悲なんて無いぞ、ディスチャージ!」



吹き飛ばした黒髪に追撃をかける。


金髪が俺を止めることは出来ない、それを読んでの追撃だ。


俺はトリガーに指を掛け力強く引いた。





ボゴオォオオオオオオオォオンッ!!!!





術技は放たれた。


確実に黒髪を吹っ飛ばした場所に俺の一撃は飛んだ・・・はずだった。




カズキ

「・・・・・・・・・」




俺はその光景を見た。


複雑な気持ちを抱いてしまった。



チヨー

「ヒー・・・」


ヒルメ

「げほっ・・・ぅ・・大丈夫・・ごほぉ・・大丈夫だから」



庇ったか。


俺の攻撃を防ぐことが出来ないと悟って、もう一人を庇いに間に入って術技を緩和したか。


いい判断、だがダメージが入らなかったわけじゃない、実際に金髪口か血を吐くほどの物だ。



勝負あったか。




チヨー

「ぁぁ・・あぁ・・・ヒー・・ぁぁあ・・・」




声にならない音が黒髪から聞こえた。


自分の考えなしの行動が招いた結果だ。



俺はミツバを構え続ける。

いつ・・・あの子が暴れ出してもいいように。



チヨー

「あぁああああああぁあああああああああああああああぁあ!!!!」




感情の爆発。


獣にも似た声が響く。


それがどういった感情の物なのか、俺は考えないようにした。



俺は静かに目を閉じトリガーを引こうとした・・・。




だがその瞬間、大型モンスターの叫び声が耳に入った。





ブァオオァオア!?!!? グオァアオオオァォォオオオ!!!!!



カズキ

「っ!!」


シュリー

「何っ!?」


ルシュカ

「・・・モンスターが・・・吸い込まれていく?」




何が起きてる。


黒髪がどす黒い靄が出始めた。



それだけじゃない・・・モンスターに靄が取り付き出し次々と肉片へと変えていった。




グオアオァオアアアアァアグググウググアァアウウウァアァア!!!!




大型モンスターの・・・悲痛な叫びが耳を刺激する。


あの靄に・・・食われてるのか・・・。



グオォオァア・・・・・・。





グチャグチャという音が今度は聞こえ始めた。


本当に食ってたのか、モンスターの声で聞こえなかったが・・・一体何が・・・、・・・くっ!!!




カズキ

「シュリー!! ルシュカ!!」


シュリー ルシュカ

「「・・・っ!!」」




俺の声にすぐに反応を示してくれる。

全員あの靄の発生源である黒髪へと視線と武器を向ける。


そして一斉に遠距離攻撃を開始した。



飛び交う銃弾と斬撃波、全てが直撃していく、過剰だと思われるほどに攻撃をぶつけていく。




チヨー

「うぅううぅぅうあぁあああああああああああああ!!!!」




駄目か・・・。


呆けていた・・まさか目の前で大型モンスター食らう少女なんて見たことも聞いたこともない。

その光景に俺達は言葉を詰まらせてしまっていた。




チヨー

「うあぁあああ!!!うぅうう!!!あぁああああああ!!!!」




叫び声がまだ続いていた。

悲痛な・・・苦しんでいる獣のような声だ。


聞いていたいものではない。




シュリー

「食った・・・か・・・ルシュカ、カズキ、あの二人殺すわよ」


カズキ

「は? 撤退戦だろ、部隊員ももう」




救助は成功している。

俺達が今ここに居座る必要はない。


ここは撤退してもいい・・・あんなわけのわからない物と戦う必要は・・・。


まさか・・・。




カズキ

「・・・確証はあるのか?」


シュリー

「言ったでしょ、わかるわけないって。けどあいつ・・・あの子はモンスターを食った、真素ごとね」




まさか、あいつが・・・あいつ等が。


計画の一部・・・?




ルシュカ

「言っていたな、ロストエンシェントを手懐ける方法・・・これがそうなのか」


シュリー

「可能性の話よ、異常よ・・・あんな物を取り込んだらただじゃ済まないのに。普通は取り込むだけで体がおかしくなって破裂するのがオチだけど・・・ダンズの件があったからまさかとは思ったけど」




俺も確かに見た。


朽ち果てていく警護団体長の姿を。

強引に取り込んだ人間の末路を。

その力は弱りはしていた物の完全に自らを超越した力を手にしていた。


そして最後には、俺が手を下さなくても奴はきっと死んでいた。



なのに・・・目の前で叫び声を上げている、あいつはなんだ・・・?



朽ちることが無く次々とモンスターを食らってる。

次第にどす黒い靄が全てを食らい終えようとしていた。


これがあの子の強さの秘密とでも言うのか、あの歳で身に付けていた力は・・・こんな残酷なものだったのか。



チヨー

「もう・・・いやだ・・・・・・」


カズキ

「・・・・・・・・・」


チヨー

「いやぁあああああぁああああぁあぁああ!!!!」




黒髪から大きな衝撃波が俺達を襲う。

まるで叫びがこちらを襲ってきたような衝撃だ。




カズキ

「・・・・・・止めよう」


ルシュカ

「あぁ・・・」


シュリー

「・・・えぇ」


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