表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
ニ章   adventure children
60/70

第二五話 楽祭儀式 サクリファイス


ついに・・・動き出した。


カズキ達ヴェアリアスは意を決しサンリーを出てセカンエンデへ向った。


そして故郷であるセカンエンデに到着した子供達。



まだ子供達は何も知らないでいた。




カズキと子供達。




お互いに交わることは無いと確信していた。



だが・・・・・・今は誰も予想も出来ない事態に彼等彼女等は足を踏み入れるのだった。







【水幸源の町 セカンエンデ】



僕達はついに到着したのだ、僕等の故郷である、セカンエンデに。




ケイト

「凄い・・・僕等が出ていった時のまんまだ」




もしかしたら皮肉に取られかねないが、本当に何も変わっていなかった。


町の入口を抜けて進む。


静かで町の至る所には人工に作られた綺麗な川、所々には噴水が常に水しぶきを出していた。



ついつい飛び出して噴水に飛び込みたい気持ちを抑える・・・。




ヒルメ

「わぁあああああああい!!!!」


ダツ

「やほぉおおおおい!!!」




ザブゥウンッ!!!




ケイト

「って!! あちゃぁ・・・」



町の人達はみな僕達を見て笑ってた。


子供がこの噴水で遊ぶのは日常茶飯事、それもそのはずで水と戯れることを町が推奨しているくらいのものだから。


とは言っても日が昇ったばかりの朝にこんなことしてご近所さんに迷惑をかけるのも良くない。


ヒルメさんもダツもすぐ飽きたのかびしょびしょになって戻ってきた。




ダツ

「あぁああーー・・・帰ってきたんだなー俺達ー」


ネーネ

「そうだねー・・・」


ミニア

「うん・・・帰ってきたんだよ私達」





僕達は数年前にこの町を出ていった。


理由は単純だ、冒険者になりたいと夢見たから。


今考えれば、その後のことなんてこれっぽっちも考えてなかった。



けれど今はその先を考えてる。


しっかりとした言葉では、表せないけど・・・。



何故かはわからないけど、この町、僕等の故郷でそれが見つかるのかも知れないそんな気がした。



だってここが僕達が最初に夢を持った町なんだから・・・。




????

「え・・・嘘・・・・・・あなた達」




一人の女性が僕達を見て驚いていた。


その人は黒い服を着た女性だった、僕達もよく・・・知っている服。



そしてよく知っている・・・。



ケイト

「シスター・・・メレニア」


ネーネ

「え・・・シスター」


メレニア

「あなた達・・・!!!」




シスターが僕達に近付き四人を抱き締めた。


苦しいくらいに、強く。

まるでもう離さないようにと。




メレニア

「馬鹿!!! ケイトもダツもネーネもミニアも!!! どうして黙って出ていったの!!! どれだけ・・・どれだけ心配したか・・・!!!」




シスターは泣いていた。


心配・・・それはそうだよね。

当時の僕達に聞かせて上げたい、どれだけの人が心配するのか。



心配・・・心配しないわけないよね。




きっと本当は・・・今も・・・きっと。




シスターの泣きながらのお説教は長かった。


僕達は、しっかりと聞いた。


脳裏に焼き付けるようにした。



こうなるんだ、と。



だから・・・だからしっかりとお別れは・・・必要なんだと。





----------------------------------------------------------------------------------




【水幸源の町 セカンエンデ 孤児院】




偶然にシスターメレニアと出会った、私達はシスターに連れられ孤児院に一緒に行くことになった。


373さんは仕事の為にと一度別れることになった。


それに対してヘスティアが凄く落ち込んだ顔を見せていた。



373

「・・・・・・」



手をヘスティアの頭に当て撫でた。


そして何も言わずにその場から飛んでいったのだった。






チヨー

「ごめんね、私達もお邪魔して」


ネーネ

「仕方ないよ、私達は大歓迎だもん」



あの後チヨー達との旅は続いたのだった。


本当ならゾーゼスまでという話だったのだが、チヨー達の上司さん?が急用とかですぐにセカンエンデに向かったようだった。


それからの二人は凄かった、あまりにもカンカンに怒って私達の邪魔をするモンスター達を次々と倒していった。


完全に私達は置いてけぼりだった。


二人の強さは本当に凄いものだった。



お仕事でこういうモンスター駆除をしていると言っていただけあって、モンスターを圧倒していた。


私達も負けじと頑張ったが二人の強さには敵わなかった。


ヒルメさん、じゃなくてヒルメは、ミニアをよく挑発していたけど、チヨーは自分達と同じくらいの歳なのにって褒めてくれた。


それが凄く嬉しくなって、私達は楽しく旅が出来た。



そして今もセカンエンデに到着した連絡を入れたがまだ時間はあるから好きにしていてと言われたらしく、申し訳ないけれど、まだまだチヨー達と一緒にいられるのが嬉しかった。




メレニア

「マザードールブ、ただいま戻りました」


ドールブ

「遅かったですね、あなたにしては珍s・・・あら、あなた達」


ケイト ダツ ネーネ ミニア

「「「「ただいま戻りました、マザードールブ!!!!」」」」




私達の挨拶に眉毛一つ上げずにいた。


相変わらず凄いとんがりを見せる眼鏡。


意外にもシスターよりも歳を取っていないんじゃないかと勘違いする程に怒っているかのようなおでこの皺は常にあった。



ドールブ

「おや・・・どこの子達かしら???」


ケイト

「そんなぁああー!!!」


ドールブ

「冗談です、そちらのお二人は本当に知りませんがいいでしょう。まずは荷馬車は業者用の所を使いなさい、あと、ダツとそこの金髪子」


ダツ

「は、はい!!」


ヒルメ

「私も!!?」


ドールブ

「忘れたとは言わせませんよ、ここのルール」



ルール。


つまりはこの孤児院の決まりごとだ。

私はすっかり忘れていた。


改めてダツを見ると・・・。



ダツ

「えっとぉお!! えっとぉ・・・」


ドールブ

「いついかなる場合において汚い姿で院へは入れさせません、これは汚い格好をしないように気を配る為でもある、思い出しましたか?」


ダツ

「はい、すみませんでした」


ドールブ

「ふむ、しっかりと謝れるくらいには成長したということですね、いいでしょう今日はその成長に免じて多めに見ましょう」


ヒルメ

「やったぁああ!!!」


ドールブ

「お風呂が沸くまで、二人はそこで反省するようにわかりましたね」




ヒルメがガッツポーズから一気に落ち込んだ。


ダツは元々こうなるとわかっていたのか最初から落ち込んでいた。




ドールブ

「それから、シスターメレニア。日頃から何かあればすぐに私に連絡するようにお伝えしたはずです」


メレニア

「あっ・・・それは・・その」


ドールブ

「あなたはダツ以下ですか?これでは朝食の量が足りないではないですか」


メレニア

「ダツ・・・以下ぁぁぁ・・・」




まるで過去に戻ってきたような会話が今繰り広げられていた。


改めて私達は帰ってきたんだ、その実感が凄い勢いで湧いてきた。


シスターメレニアは言い訳をして更にマザードールブに叱られている。

このやり取りが本当に面白くて、私達は笑みを溢してしまった。



本当に帰ってきたんだ。




私達はマザーの手招きで院の中に入っていく、ダツとヒルメと最終的に一緒に反省するようにと怒られたシスターメレニアを置いて。





バタンッ・・・。




ドールブ

「それにしても良く戻られましたね、人目見ただけではわからないくらいには成長しているようで何よりです」




全員がその言葉に驚いていた。


マザーからそんな言葉が・・・。


あの帰宅時間を一秒でも守れなかった場合は次の日の朝まで締め出していたあのマザーが。


嫌いな物を残すと次の日10倍にして出すマザーが。


怪我した時にずっと治療してくれながら怪我をしなようにと超人的な行動を取れなんて無理言うマザーが。


勉強でずっと部屋に籠もると強制的に外で遊ぶように引っ張り出してくるマザー。




ネーネ

「あの・・・! 朝食の準備私も手伝います!!」


ミニア

「私もーー!!」


チヨー

「部外者だけれど私も」


ケイト

「僕は・・・お風呂沸かしてきますね」




率先してみんなでマザーの動きを抑えた。


別にマザーのご飯が不味いとかじゃない、ただの見栄っ張りだ。

なんだか成長を褒められたらもっと成長した所を見せたくなった。




ネーネ

「マザーは・・・この子の面倒お願いしていいですか!?」


ヘスティア

「アンッ!」


ドールブ

「・・・この子は?」


ネーネ

「私達の5人目の仲間です」




それだけ伝え私はミニアとチヨーが待つキッチンへと走って向かったのだった。














ドールブ

「お名前は?」


ヘスティア

「アァアンッ!!」


ドールブ

「そうですか、ヘスティアというのですか」


ヘスティア

「ンッ!!!?!?」





----------------------------------------------------------------------------




【水幸源の町 セカンエンデ 孤児院外】




俺とヒルメとシスターが締め出せれたかという物、院からはめちゃくちゃ美味しそうな飯の匂いがする。


あれは多分・・・ネーネとミニアがフェーチスさんから貰ったタルシナ特製のクリームだ!! 間違いない。




ヒルメ

「うぇええ・・・死ぬぅう・・腹がぁあ腹がぁ」


ダツ

「あぁー懐かしいなー・・・こうして門の前でこの匂いを嗅いで今日の飯なんだろうなーって考えながら飯食ってる自分を想像するこの感じ」


メレニア

「あんたいつもそんな事やってたの!!!? 次はやらないようにどうしようとか反省しなさいよ!!!」




だってしょうがねぇーじゃん、事あるごとに俺ここで反省させられてるんだから。


多分歴代孤児で一番じゃないか俺? おぉこれは中々誇って良いのでは??




メレニア

「何をその誇った顔・・・」


ダツ

「んーー・・・シスターには負けるかもしれないなー」


メレニア

「何の話よ!! 私はちゃんとした大人なの!! ダツなんかと一緒にしないで!」


ダツ

「えぇーだって大人って・・・おっぱいだけじゃブエェエエ!!!」




近くの林まで吹き飛ばされてしまった。

あぁーこの感じも懐かしいー・・・威力だけ上がってやがるいてぇ・・。



改めて門の前に戻る。


んでいつもみたく下の町を見降ろす。


ここの孤児院のいい所の一つだよなぁ、町全体が良く見える。




あ、もその分めちゃくちゃ遠いのが難点だったわ、いい所じゃねーわ。




ダツ

「ん? なんだあれ? なんかの催し物?」


メレニア

「あぁーあれはねー楽神祭よー。あそうかあんた等が出て行っちゃった時はやってなかったもんねー」




楽神祭??

聞いたこともねーな、シスターの言い分だと俺らが町を出た後の話か。




メレニア

「ここ数年モンスターとか盗賊とか色々な問題があったんだけど、町長が変わってからこうしてお祭りを開いて神様にお祈りを捧げるの。それからというものモンスターや盗賊の問題が徐々に解決されたというわけ」




胸張って自慢気に話すけど、それってつまりお祈りすれば町にモンスターとかが近付かなくなりましたってか?


随分と都合のいい話だな、なんて思うけど、町のみんなからしたら死活問題ってわけだもんな。


町の主な収入源は魚だったり天然の水だったりと何かとモンスターとかが問題になるし、昔は常に冒険者だったり警護団体が町をうろついてたのはよく覚えてる。



言われてみれば昔のその面影がないな。




ダツ

「御祈りだけでそんな事できるとか、世の中変わるもんだな」


メレニア

「なわけないでしょーが、世の中そんな甘くないわよ。このお祭りで一番大事なのは、『水幸楽神の巫女』っていうかかせない人が大事なの! 祭壇で神様にしっかりとお祈り出来ないと意味がないのよ?」


ダツ

「スイコウ・・・ラクシン・・の・・・何??」


メレニア

「ったく、相変わらず話しを聞かないわねぇ。その特別な巫女様が選ばれてから何日も何週間も何カ月も掛けてその御祈りを会得するの!! そりゃあもうお清めの為に何時間も冷たい水に浸かるし、神様を迎える際の作法とかもやらないといけないし! すっごく大変なんだから!!」




へぇーめちゃくちゃ詳しいじゃん。


そんな巫女とかになったらたまったもんじゃないな、何かいいことあるのかそれ?

そりゃあ町の為だったら名誉あることだと思うけど、そんなん一日中やらされたら俺なら頭おかしくなるぞ。




メレニア

「とにかく! それだけ大事なお祭りってこと! わかった!?」


ダツ

「何となくーー」




軽い返事をしてしまった。

それを見て更に怒るのかと思ったけど、溜息だけで済ませていた。


このやり取りも本当に懐かしいな、いつもいつもシスターの雑学自慢に付き合わされて結局こういうオチで終わるのが日常だったな。





ヒルメ

「もぉおおお!!! お腹へったよぉおおおーー!!!!」





ヒルメの叫びがその神様とやらに届いたのか丁度、院の扉が開き俺達はようやく飯にあり付けるのだった。


風呂にはヒルメが先に入る事になって、俺は外で飯を食う事になったのは、別の話だった・・・。



-----------------------------------------------------------------------------------




【ナイクネス道中】




俺達ヴェアリアスは大所帯で移動をしている。


メンバーとしては俺達ヴェアリアスとユミィの第5近衛騎士団、そしてサンリーの特殊工作部隊の面々。


俺はその特殊工作部隊と同じ荷馬車だ。


騎士団が主にユミィの警護を担当し特殊工作部隊はクレエスさんが率いる情報収集部隊と誘導迎撃部隊の二つだ。


どちらもサンリーが作成した特殊な訓練を受けた者達だ。


一対複数戦を得意とする者達の為に俺がよく実験台として使われることが多かった。

最初の頃は全然余裕だったし俺の出来る範囲で助言をしてみてはいたものの俺が最後に演習相手をした時にはもう助言は必要ない程のものだった。


そんな彼等もあれから世界各地を回って実戦経験も積んだんだ、鬼に金棒。

小さいことくらいじゃあ負けることはないと信頼厚い奴らだ。



だが、一切の情報も無い中で戦うのがどれだけ大変か、みな不安に思っているようで先ほどから何か無いかと手持ちにある資料を全て読み返していた。




カズキ

「んっんーーー・・・」


クレエス

「大丈夫ですか、少し横になっていても構いませんよ?」


カズキ

「あぁーサンキュー、勝手に寝てたらお願い」




俺も彼等のように資料を見る。


情報源はシュリーのお弟子さん達だ、よくここまで調べ上げれた物だ、クレエスさんやジャパニアのトゥトゥーも驚いていたくらいだ。



セカンエンデで行われる祭りの名は『楽神祭』


ここ数年前に町長が変わってから行うようになったとされる町を挙げて行われるお祭り。

主に町全体が祈りを神様に捧げる一大イベント。


これは外敵から町を守ってもらう為の物でモンスターや盗賊もそうだが、一番の問題はこの町の水に関わる物らしい。



水幸の町と呼ばれる所以として、この町から出る水はほぼ聖水に等しいとされている。


毒素もない完璧な水、話しによれば病をも治すとされている。


シュリー曰くそんな物ではなく、毒素もないかなりクリアな水の為に薬の調合などで他の水よりも数段に効力を発揮できる代物だからということの由来らしい。



それが今じゃ世界から注目されるようになり金儲けには持ってこいだってセイトーのおっさんも言っていた気がする。






そしてその祭りでの最重要人物が『水幸楽神の巫女』


俺達に間で対象人物とされている者の一人だ。


身元もわからず町の者達も詮索しないのがルールとなっているらしい、それほどに大事な人物だと。


巫女がこの祭りの最重要人物と挙げられた理由は、町の全体の御祈りを祭壇で巫女が一人で請け負い神様へとそれを届けるという物らしい。


その為に町の人間でさえ当日になるまで誰が巫女なのかまではわからないということで捜索は打ち切られた。



そして俺達が一番に気になった部分はその後の話だ。



その祈りを捧げ終わった巫女の所在だ。



昨年までの情報によると、セカンエンデで祭りの祈りを終えた巫女はスプラクアの王都へ迎えられて神官と呼ばれる職に就くとされているようだ。



だが、そこに奇妙な点が浮かんだ。



何故そうも何度も何度も同じ人間を使わずに次から次へと別の巫女を用意する必要があるのかということだ。


確かにその巫女に選ばれたら王都へと招かれるようになるのは喜ばしいと皆言うだろう。


一つの町から一人が選抜されて王都へと行くのは名誉ある事だと喜ぶもわかるが、俺達の知っている情報がそうはさせなかった。



本当に大事なのであれば王都から直接巫女を派遣すればいい、そちらの方が明らかにコストパフォーマンスが良いはずだ。



なのにそれやらない理由。



俺達が思っていること、"巫女は王都に居ない"。


それが俺達の答えだった。



奴らの詳細を調べれば調べるほど不可思議な事が出てきていた。


だからこそ俺達は巫女、名も知らぬ彼女を突き止める必要がある。

タイムリミットは楽神祭が始まる前だ。



それまでに巫女を探し詳細を聞き付ける。


そしてこの祭りの真相を暴くことが、俺達の目的。



いや最後の抵抗だ。



これまで奴らハイトスの陰謀を食い止めてきたつもりでいたが、それはただのおごりだった。


だからこそ、今度こそ奴らを食い止めないといけないんだ、野放しにしてしまっていた俺達の落ち度を払拭するためにも。




カズキ

「ふわぁーー・・・」




その為にも寝ておこう。


最近なんでこんなにも眠いんだ、本当におかしいと思う。


ミツバも異常がない所を見るとやっぱり俺自身何かあるんだろう。



俺自身か・・・・・・思い当たるのは最初のジャパニア・・・。



そんな事を考えようとした時には俺はもう眠りについていた・・・。




-------------------------------------------------------------------


【水幸源の町 セカンエンデ 孤児院】



私達は昔話に花を咲かせながら朝食を取っていた。


意外にもこういった食事をする時は私語厳禁とされているのがマザーは逆に食事中の会話を推奨していた。



ドールブ

「会話が人を見定める一番最適な手段、子供達の様子を知るには打ってつけなのです」



確かにと今更になって気が付いた。

昔は何も考えずに食事をしていたけれど、改めてそう聞くと流石はマザーだと言わざるおえないと思った。


でも結局シスターとダツとヒルメとミニアの四人が騒いでしまってマザーからお叱りが飛んでしまっていたので私のような引っ込み思案は黙ってみんなの話を聞いているのが好きなんだなと思った。






ボォオオオォオオオォンッ!!!!!




そんな楽しい朝食が突然の轟音と共に終えてしまったのだ。




ケイト

「今のは!?」


ネーネ

「町の方からだよ!!」




私達は立ち上がりシスターとマザーの静止を聞かずに院の外へと出た。



最初に目に入った物は煙だった。


大きな建物から煙が上がってしまっていて、あまりに遠くで詳細は見えないが・・・。




ネーネ

「あれ・・・モンスター、だよね?」


ダツ

「多分そんな気がする」




すぐに装備を取りに院に戻った。


シスターとマザーは、何があったのか聞くが私達も詳細がわからないこと、そして調べてくると告げ院を出ようとするが。




ドールブ

「待ちなさい! あなた達、一体どうするつもりですか!?」


ミニア

「決まってますよマザー! 人助けです!!」


ケイト

「マザー達に昔から言われていることです!!!」


メレニア

「そんな・・・! ちょっとあなた達!!」




私達は余裕の笑みを二人に見せてすぐに走った。


目的地は一先ず煙が今も上がっている建物、昔なら遠かった道のりも今の私達なら数分も掛からない。




ヒルメ

「チーちゃん、ノリで一緒に来たけど、いいのかな?」


チヨー

「さぁ、連絡も何もないし」




ヒルメとチヨーも一緒に来てくれた。


これなら大した物がなければ大丈夫、けれど私達は一度惨敗してる。


あのダンズでの出来事を私達は口にはしないが忘れていない、もうあんな負けはないようにあれからたくさん力を付けたんだ。



それで少しでも・・・誰かの役に立つ為にも・・・!




ケイト

「見えた!」




煙を上げている建物のすぐ傍にまできた。


建物に目が行った、この建物は新しいもの? 昔私達が居た時にはなかったような気がした。



けれどすぐに私は目線を正面に戻した、そこには敵がいた・・・。





グワァアアアア!!!




叫び声で敵が人で無いと思ったが・・・。


モンスターが・・・甲冑を着てる!!?


一瞬だけ人が襲撃をしていると思ったけれど、あれは紛れもないモンスターだ。


甲冑を着たゴブリンだ。



そうとわかれば一気に距離を詰める。




「っ!!? 子供がこんな所くr」


ダツ

「どりゃぁあ!!!!」




町の人の言葉の前にダツが早速一発決めた。


ゴブリンの顔面を甲冑ごと殴り飛ばした。


息絶えたのかゴブリンはそのまま消滅していった・・・。




ネーネ

「っ!! ミニア、これって」


ミニア

「うん! 多分、術技かジェムの召喚式!


ネーネ

「やっぱり! みんな短期戦で行こう!」


ヒルメ

「よーーし!! よくわかんないけど任せて!!」


チヨー

「人命救助優先で、後衛のフォローは私がするから、前衛はそれでいい?」


ケイト

「お願いします!」


ダツ

「おっしゃ行くぜぇー!!」




前衛3人、中衛1人、後衛が2人の陣形。


一転突破で一気に進む。


襲いかかってくるモンスターが次々と薙ぎ倒されていく。

傷を負った人にポーションと治癒術技をかけながら進んでいく。



建物の周囲には同じ様な甲冑を着たゴブリンがうようよいた。



だけどただいるだけではなかった、私達が目的地としていた場所である煙の発生地を守っているようにも見える陣形だ。




ネーネ

「囲まれたら厄介だからこのまま一気に建物の中に入ろう!」


チヨー

「うん! いいと思う、道を作るね!」



チヨーが持つ小太刀が大きく振り下ろされた。

その瞬間に正面の3人は高く飛ぶ。


チヨーが放った斬撃波が目の前のゴブリン達を切り刻み吹き飛ばしてく。



穴が一気に、空いた!



そこへ目掛け一気に全員で駆けより建物の出入り口までたどり着いた。



ミニア

「後続は私とちんちくりんでやるわ、みんなは先に行って!!」


ヒルメ

「任せてーー!! って今悪口!!? さりげなく悪口言ったよね!!?」



ケイト

「わかった! すぐに止めるからそれまで耐えて!!」


ネーネ

「無理だけはしないでね!!」




私達は扉を開け施設の中に入っていった。


あの二人なら大丈夫だ、敵もそれほど強くない


それよりも私達が早く止めないといけないんだ、ここから集中しなくちゃ!




ダツ

「そらいるよなぁ!」




建物の中もモンスターで占拠されていた。


だけど、全て下級のモンスター。



ネーネ

「これなら・・一気に!!」



【アクア オン】

【コンタクト リンクイン】




エレメタルキーをフロラに差し込み集中する。


敵全てを視界に入れ一気に術技を発動させる。




ネーネ

「タイダルンバニッシュ!!」




私が視界に入れたモンスターの地面から一気に水が噴き出す。

次々と噴き出す水にモンスターは溺れ意識を飛ばし消滅していった。


当然ここも召喚式で生み出されたモンスター達だ。



モンスターが全て倒され私達は更に奥へと進もうと走るが。




グワァアアアア!!!




更に敵襲!?




ケイト

「ネーネ!!」




次の扉に手を掛けた途端にモンスターが現れた。


何処かに隠れていたんだ、うかつだった。

しかもその数は多くはないとはいえ、進む為には挟撃されるのは好ましくない・・・迎撃しなくては。




ケイト

「チヨーと二人で先へ!!」


ダツ

「ここは! 俺とケイトが受け持つ!! 頼んだぜ!」




ネーネ

「・・・わかった! チヨー行こう!」


チヨー

「うん!」





二人に回復術技と能力上昇術技を使い私とチヨーは扉に手を掛け開いた・・・。




扉の先は・・・あまりにも綺麗な場所だった。



建物の中ということを忘れてしまいそうな空間だった。



ここは・・・・・・?




「なんだ、ただのガキか、警護団体が来るにしてははえーとは思ったが」




そこには一人の男の人が居た


そしてもう一人・・・その男の人に剣を突き付けられている老人がいた。







【水幸源の町 セカンエンデ】




トゥトゥー

「ふむ・・・・・・」



我々の意向として手を出さないようにとの御達しではありましたが、またしてもこれは一体。


騒ぎが起きた施設、建物には大量のゴブリンとそれを退治する子供達ですか、そしてその子供の一人が・・・。



トゥトゥー

「あぁーあー、こちら赤組。少しよろしいでしょうか?」


カズキ

「ん? 俺に連絡なんて珍しいな、どうした?」



本当なら今すぐにでもスリーエッジを掻き毟って殴り付けてルシュカ様に献上したい気持ちは山々ですが、ここは老いぼれとして冷静に対処せねば。



トゥトゥー

「前回ダンズでお見受けした、金髪大斧使い、覚えておりますでしょうか?」


カズキ

「あぁ、アンリバンデットの連中か? 金髪は確かルシュカにぶっ飛ばされた方だったか」


トゥトゥー

「ルシュカ様だズボラ、まぁいいでしょう。その金髪娘、どうやらセカンエンデに来ているようですぞ?」




通信先でズボラの驚いた表情が良く見える。

このフォンというのは相変わらず素晴らしい出来ですな。




カズキ

「何かあったのか?」


トゥトゥー

「えぇ、どうやら内乱・・・のような物ですね、首謀者はモンスター共を展開して籠城するつもりだったようですが、どうやらアンリバンデットのお仲間達に難なく突破されたようで」


カズキ

「仲間?あんなのがまだ数人いるのか、でその内乱の詳細はこれから調べる感じか?」


トゥトゥー

「お察しが早くて助かります、早急な報告ということです。 ルシュカ様にもそれくらいお察しがよけれb」

カズキ

「詳細がわかったらまた連絡してくれ」





勝手に通信を切るとは本当に不届き物、不届きズボラ野郎ですね。


まぁ私怨はこの辺にしておいて・・・。




スタッ・・・!




事件が起きている建物の裏はモンスターを展開していないようで安心しました。

これなら私の術技で中を透視と、盗聴が・・・。




トゥトゥー

「おや・・・ほほほっほ、これは良い物が得られそうです」




-------------------------------------------------------------------



【事件発生建物 内部】




ネーネ

「剣を治めてください! 時期に警護団体も到着します! これ以上の抵抗はやめてください!」



「黙れガキが!! 俺はこいつに用があってここにいるんだ話しかけんな」




下手に刺激を与えないようにするのが定石なのか、こんな事は初めてだし、元々こうゆうことはカズキさんが極力私達にやらせないようにしていたから何がいいのか経験値不足過ぎる。


まずは落ち着いて様子を見よう、それとカズキさんがやっていた・・・参考になりそうにないから落ち着いて様子を見よう。




???

「一体何が目的なのかね・・・」


「知れたこと・・・てめぇなんだろうが! 妹を殺したのは!!」




妹さんを殺した?


あの老人さんが?



ネーネ

「・・・・・・その人が何をしたって言うんですか!?」


「こいつが!!! こいつが妹を・・・巫女なんかに・・水幸楽神の巫女なんかに選ばなければ!!!」


???

「何を言っているだね君は!!」


「とぼけるなオノス!! てめぇ町長権限使って妹をたぶらかしたんだろうが!! 王都に行けるって!!!」




オノス・・・町長権限ってことは、この人が今の町長さん。


そして巫女というのは、今朝ダツ達がシスターから教わったっていうあの?


男の人は巫女に選ばれたことを悔いているようにも見えるけど・・・一体。




「ただ一生懸命なアイツを・・・お前は!!!」


オノス

「何かの勘違いではないかね! 君の妹さんは今も元気に王都で勤めを果たしているはずだ!!」


「ふざけるな!! なら何で王都の在籍記録がないんだ! 答えろ!!」




在籍記録って、確か王都に入る時には必ず必要とされる物と聞いたことがある。

どの国でも身分を証明する為に必要な物で必ず申請しないといけない物。


それが・・・無い?


確かここで巫女を努めた人は王都で女神官として迎えられるという話のはず。




オノス

「それは何かの間違いだ、私はこの目でしかと彼女を見送った!間違いない!」




オノス町長が言う事が本当ならもしかしたら神官という職業柄在籍記録の登録が不要な可能性もある。


だけど、この男の人の様子を見るに・・・。




「なら・・・! これは・・・なんだ・・・」




男の人が剣を付き付けたまま片方の手で紙をオノス町長に付き付けた。


それを見た町長の様子が激変した。

怯えているようにも見えた。


何か確信的な物を突き付けられているような様子だ。




「なんなんだこれはよぉ・・・間違いなく妹の字だ・・・見ろ!ガキ共! これが妹の最後の形見なんだよ!!」




紙を・・・私達にも付き付けた。


そこには大量の字が書き留められていた・・・。





タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ





ネーネ

「・・っ!?」




妹さんの字だと男の人は言った。


つまりこれは、妹さんがこの人に向けて書いた物ということになるのか。


助けを求めた物・・・?

一体妹さんに何があったというのだ。




「こいつが妹の部屋から出てきた時は死にそうな思いだった、すぐに王都に調べに行ったが門前払い、金を大量に払って裏道から探ったら・・・」




王都には・・・妹さんは居なかった。




オノス

「何を馬鹿な事を! そんな不確かな情報を信じるというのか君は!!」


「じゃあこの手紙はどう説明するってんだ!!」


オノス

「それは・・・」




町長が黙ってしまった。


これでは、黙認するも道義。


男の人の手に力が入る。




ネーネ

「駄目!!!」




付き付けていた剣が上へと振りかぶる。


術技・・・いや駄目だ間に合わない、この距離じゃあ!





ボトッ・・・。





ネーネ

「・・・え」




何か生々しい物が落ちた音が部屋に響いた。



「うあぁあああああああ!!!あぁああああ!!ううぅうあぁああ!!」


男の人の悲痛な叫びが部屋を覆った。


男の人の右手は剣の変わりに大量の血が吹き荒れていた。

切り飛ばされていた。



私は恐る恐る、後を振り向いた。



そこには・・・小太刀を手にしていたチヨーがいた。




チヨー

「・・・・・・」


ネーネ

「なんで・・・どうして」





グサッ・・・!!!





私の思考などお構いなしに事が進んでいった。

背後に何かを刺した音がした。




グサッ!グサッグサッ!! グサッッ!!!!!




何度も何度も音がした。

振り向くのが恐ろしくなるほどに、音だけが・・・音が私を凍らせていた。




ケイト

「二人とも大丈夫っ!!? っ!!?」


ダツ

「なんだ・・・これ」


ミニア

「どうゆう・・・状況なの・・・?」




ネーネ

「み・・んな・・・」





ヒルメさんも一緒にみんなと合流できた。


つまりは、召喚式の術技が解けた・・・。


解けた・・・・・・ということは。




オノス

「やぁ・・・」


ネーネ

「っ!!!!?」




すぐ後ろに町長の声が。


震えが・・・止まらない。




オノス

「二人のお友達・・・仲間かな? 助かったよありがとう、もう少しで盗賊に殺されかけた」


ケイト

「そ、そうなんですか・・・」




駄目だ。


どうして・・・体が・・・。




オノス

「いやぁ参ったよ、警護団体が丁度居ない隙を狙ってこられてね。改めて礼を言うよ、君等は冒険者かい?」


ダツ

「え、えぇまぁ」


オノス

「では、後ほど冒険者ギルドにお礼の品を送らせてもらう事にしよう、こんな子供達が勇敢に戦ってくれるなんて未来は明るいねぇ」


ミニア

「ありがとう・・・ございます」




私は・・・、っ!?




チヨー

「ネーネ・・・ごめん、行こう」


ネーネ

「・・・・・・・・・」




私は・・・私は・・・結局何もせず、振り向くことすらせずに、建物を後にした。



さっきまでのは一体なんだったんだ。



きっと・・・あの男の人は・・町長に・・・・・・。









コロサレタンダ。





------------------------------------------------------------------



【水幸源の町 セカンエンデ】




私は今率直に申しますと追われている状況と申した方が適切でしょう。



トゥトゥー

「お話しをしながらというのは中々どうして年寄りには厳しい物がありますな」


カズキ

「いいから、死んでも逃げろよ!」



死んでも逃げろとはこれまた面妖な、ズボラでは無く阿呆でしたか。


とは申してもこれはこれで・・・。




「・・・っ!!」


トゥトゥー

「甘いです、ぞぉ!」



襲い掛かってきた襲撃者を一発で蹴り飛ばす。

ナイフを大振りで振るうとはこやつら素人と判断してよろしいでしょう。


建物の屋上を乗り継ぎ退路を確保しようにも次々と追ってが来る。



仕方ないですね。

あまり使いたい物では無かったのですが。





【バッシング オン】





シュリー博士より頂いた腰に付けていた脚力上昇装置に属性鍵ならぬ物を接続する。


一気に地面を蹴り上げ追手に対等する。




「くっ!?」


トゥトゥー

「ふんっ!!!」



一人を蹴り飛ばすそしてその反動を利用し次の敵の顔面を踏みつける。


その動作を続ける、どうやら私の速度、いやこの装置の力に付いていけないようだ。


半信半疑で使用してみたものの中々どうして。




「ストレートボム!」


「ウィンドシュート!」




なるほど近距離戦では分が悪いと踏みましたか、ならば。




【コネクト オープン】




属性鍵を捻る。


これが属性鍵の力ですか、年寄りには少し刺激が強いように感じるが、真素の力が込み上げてくるのがよくわかる。




トゥトゥー

「奥義 波脚術技!」




飛んでくる術技へ向け脚撃波を放つ。


敵の遠距離術技を全てを打ち消しそのまま敵を攻撃した。




ボォオオオオオオンッ!!!



トゥトゥー

「ほぉ・・・これはまた、制御が難しい代物・・・ですが丁度よい頃合い、このままお暇させて頂きましょう」




追手は完全に撃沈させた。


もちろん警戒は怠らずにこのまま一度町の外まで退避する事に。


私を追ってくる者は・・・今のところ無し。





改めて先ほどの光景を思い出す。


過去に巫女に選抜された者の末路、そして所在は不明になる。

あのオノスならぬ町長も関わりがあると見て間違いないでしょう。


そしてあの妹さんが書いたとされるメモ・・・。




やはり我々の予想通り、いやそれを上回る何かが動いているのは明白。


これは本当に心して掛からねばこの一件、一筋縄ではいきませんぞルシュカ様・・・・・・後、阿呆・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ