第二十話
死線は越えた、ヴェアリアスの力で。
だが戦いは終わらない。
ドーンツがロエとピュリファーリングを飲み込み大型の変異モンスター体へと変貌し襲いかかる。
それに立ち向かうのはサナミとシュリーのヴェアリアスの人間。
二人は人質救出を諦めドーンツを倒すと苦い思いをしながらも宣言した。
それを聞いたミニア達は独自でロエを助ける道を模索する為その場を離れた。
子供達が向かったのは、襲撃で負傷してしまったリュゼルのもとだった。
状況を説明し、救出方法を聞き出す四人にリュゼルが提案した事は・・・。
【ブレレント博物館 式典ホール】
戦いはまだまだ続いていた。
ドーンツ
「ドウシタァア!!! モウイキギレカァアアアー!!!」
シュリー
「この豚ぁ・・・」
先からずっと私を集中的に攻撃してくる。
サナミのように剣で奴の攻撃を防ぐことが出来ないからだろう。
こっちが弾丸で光弾を防ごうにもこっちの真素が減るだけ。
何の代償も無く撃ってるわけじゃない、自分自身の真素を使って撃っているのだからこう長期戦になれば節約したくもなる。
シャリー
「くっ・・・また」
再び奴の翼から大量の光弾が撃たれる。
最小限の弾丸で撃ち落とす。
シュリー
「んっ・・・!」
一発撃ち漏らし肩に当たった。
痛みはほぼ無い、ユミィが作ってくれた耐衝撃用の服が守ってくれてはいるが・・・。
ドーンツ
「フハハハハハハハハ!! マタマソヲヌイテヤッタゼ!!!」
豚の言う通りだ。
最悪だ、また当たってしまった。
あの光弾に当たる度に真素がごっそりと持ってかれる。
これじゃあ本当にこっちがじり貧なだけだ。
シャヌアには悪いけど、本当に覚悟を決めて貰いたい。
サナミ
「はぁああああ!!!」
さっきから懸命にサナミがヘイトを稼いでくれてはいるのだが、それが知性の無いモンスターなら効いているのだが。
相手は意識のある人間、しかも最悪な下品な品性の持ち主のだ。
ドーンツ
「テメェハアトデユックリタノシンデヤル、サキニオメェエエーダヨォオオ!!!」
サナミ
「シュリー・・・!」
馬鹿の一つ覚えのように光弾を大量に撃ってくる。
またサナミが私の間に入り剣で数発弾き防ぐ。
さっきから私が守られてるみたいな形・・・なら・・・!
シュリー
「借りばかり作らせたくないからね、打ち漏らししないでよ!!」
サナミ
「うん、背中は任せたよ」
サナミと背中合わせになり対処する。
この形は昔から何度もしている、言葉を交わさずとも退くタイミングはわかってるつもりだ。
だが、量が本当に多い。
私達の布陣を見て更に量を増やしてきたか。
一度移動してポジションを変えながら迎撃する。
それでもやはり時間の問題か・・・。
シャヌア
「うおぉおおおお!!!」
シュリー
「シャヌアッ・・・」
私の隣まで飛んできて、光弾を払い出す。
少しでも私の負担を軽減するつもり?
でも・・・。
シュリー
「無理するんじゃないわよ、ただでさえあんたガタガタじゃない」
シャヌア
「いいんです・・・もう・・・それを伝えにきました」
シュリー
「あんた・・・」
シャヌア
「終わりに・・・して下さい・・・これ以上はもう・・・若様も望みません、もう・・・」
サナミ
「シャヌアさん・・・」
光弾の雨は収まらない。
今もシャヌアはしっかり迎撃していた。
だけど、顔はもう決心した顔だった。
シャヌア
「若様の分まで・・・生きてみせますよ、この命は若様だけじゃない、もっと多くの人からもらったものだから」
シュリー
「・・・・・・わかったわ」
ライフルに手を掛けた。
ゴォオオアオシュュウーーンッ!!!!
トリガーを引き光弾全てを打ち落とし、そして奴にも同じように弾丸の雨を降らせた。
効果無いのはわかってる。
けどやらずにはいられなかった。
ただの八当たりだ。
サナミ
「・・・・・・っ」
サナミは私を見る。
シャヌアは私にお願いしてきたんだから私がやらないと。
そう思ったけどこの子はいつもどうして無駄に背負うとするのか。
どうせ断ることが出来ないのもいつものことか。
ドーンツ
「ドンナコトシヨウガ、ムイミナンダヨテメェエエーラハアア!!!!
シュリー
「そう・・・そうね、無意味・・・だったわね」
ライフルを再び構える。
それに合わせるようにサナミが銃剣を構えた。
もう一度シャヌアを見る。
確認をしようとしたが、止めた。
彼女をこれ以上・・・傷付けない為に。
一秒でも早く、苦悩を解放させる為に。
信じてもらったのにこの体たらく・・・最悪な気分だ。
ボルトアクションで弾丸を込める。
そしてそっとトリガーに触れ・・・。
この戦いを終わりにしようとした時だった。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「ちょっと待ってぇええええ!!!!」」」」
私は・・・すぐに引き金から手を離した・・・。
本当の救いの手は・・・やっぱりこの子達だったんだ。
----------------------------------------------------------------
それは・・・数分前の事。
子供達が式典ホールに到着する前。
リュゼルから詳細な説明を受けていた話しだ。
【ブレレント博物館 大広間】
私達はミニアに付いてきて先生を見つけ話しを聞いた。
その内容はあまりに私達を驚かした。
人質を助ける方法・・・それが、あの卵だと。
リュゼル
「私の話は覚えているかい? この卵の事」
ケイト
「えっと・・・この卵に真素を食べさせる・・・とかですか?」
この卵に食べさせるのが救出の手段?
私達は全く理解出来ていなかった。
一先ずそろそろ持ち上げている腕が限界でプルプルしている手にある卵を受け取った。
リュゼル
「ふぅ・・・、実際に見ていないから状況が不明慮なのはあるが、もしその化け物の正体が、ギフトとギフト生成者の間に無理矢理に割って入って暴走して形成されていると仮説するならば答えは簡単だ、どちらかを消せばいい」
先生の言葉をみな真剣に聞いた。
確かに先生の言うことは何となくだがわかる、三つある力のどれかを機能停止させればあの化け物を倒すことが出来るかもしれない。
ミニア
「そうか、だから教授さんは、わかってたんだ・・・あれを倒す方法を」
私も思い出していた。
教授さんも団長さんも二人は倒す方法を知っていた、それが今先生が説明してくれた通りの物。
どちらかを消す・・・つまりはギフト生成者であろう人質を消せば化け物を倒せる。
ギフトを破壊しようにも、真素は常に発してる物、完全に破壊することはほぼ不可能に近い・・・。
ダツ
「おぉお!! そっか!! 『財布の中身取る作戦』!!」
ダツが手を叩き納得した、名前はあえて無視しておくとして。
リュゼル先生が言っている助ける方法、あのお二人がやろうとしたことの逆、つまりはギフト側を無効化すればいいということだ。
リュゼル
「中身が空の財布に、お金はもちろん無い、その力も失うということだ」
方法が・・・道が見えてきた・・・!!
私達とこの子で助けられる!
ネーネ
「けど、真素が凄くどす黒かったんですけど・・・大丈夫ですかね、この子に何か影響が出たりなんて・・・」
レイドラ
「それはきっと大丈夫だよ」
ダツ
「あぁああ!!? また頭に!!!」
ダツが頭を払い暴れる。
ただのちょっかいだったらしくすぐに離れ私が持っている卵の上に乗った。
ドッックン・・・!
ネーネ
「卵が・・・一瞬動いた!?」
レイドラ
「ほぉ元気だね君」
ミニア
「えっーーと、子竜さん! 大丈夫ってどうゆうことですか!?」
レイドラ
「いや子竜じゃなくて我にはレイドラって名前g」
ケイト
「レイドラさん教えてください!!」
全員で危機迫る勢いでレイドラさんに近づいた。
それ圧倒されながらもレイドラさんは説明してくれた。
レイドラ
「あのね、生命が誕生する力は君達人間が思うほど小さな物じゃない、それはもおおおおおー物凄い力が起きてるんだそれを君達がただ視認できないだけなんだ。当然だよね?この星、この世界に一つの命が生まれるんだから、それは人間だろうと動物だろうとモンスターも同じなんだ、みな等しく平等、この子も同じだよ」
リュゼル
「つまり、その生命誕生の力は、妨げる事や変えることは出来ないと?」
リュゼル先生が寝ながらレイドラさんに聞いていた。
妨げる事や変える力・・・一体どの程度の事を指しているのか・・・それが問題だ。
レイドラ
「そうだね、世界を破壊する程の真素の力があれば止めること変えることが出来るんじゃないかな? 神様でもない限りは出来ないと思うけど」
ネーネ
「じゃあ!」
ダツ
「やれるってことか!!」
やれる!
そしてこの子にも影響を出すこと無い。
これで私達は心おきなく向かっていける。
リュゼル
「なるほど、とても勉強になったよ・・・虚空蒼竜と話すことが出来て私はもう満足だ・・・睡眠の世界へ行ってくる」
ミニア
「出来るってことですね先生!!」
リュゼル
「ん・・・あぁ出来るだろう、だが人質が完全無傷で切り離すことが出来るという保証出来ない、が、その暴走とやらの突破口にはなるだろうさ」
そうだ、今はそれが突破口なんだ。
今はそれだけあれば十分じゃないか!
きっと試す価値はある。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「ありがとうございました!!!!」」」」
全員で頭を下げてすぐに私達は式典ホールへと急いだ。
ダツ
「って!! また頭に!!」
ケイト
「一緒に来てくれるんですか!?」
レイドラ
「うん・・・最悪な事が起きたら我がなんとかするよ、マイロードもそれを望んでるみたいだし」
マイロード・・・?
そう言えばさっきも私達の事を後輩だとかなんとか言っていたような気がしたが。
ネーネ
「もしかしてマイロードって・・・カズキさんの事ですか?」
レイドラ
「うむっ! 改めて名乗ろう! 我が名はレイドrおぉおわぁっ!!?! 揺らすな!!」
ダツ
「あぁ悪い、ごめんよ」
カズキさんが・・・レイドラさんのご主人?
駄目だ、これから大変だと言うのに気になってしまって集中できなくなる。
そう、今は目の前の事に集中しなくちゃ。
私達にしか出来ないこと。
それが今現時点での・・・希望なんだから。
・
・
・
そして僕達は式典ホールに到着した瞬間に大声を出した。
教授さんと団長さんの決意を止めた。
サナミ
「みんな・・・」
シュリー
「っ・・・」
僕達の声は届いた!
武器を降ろしてくれた・・・。
レイドラ
「あいつは我が引き受ける、君達は二人に作戦を!!!」
レイドラさんがダツの頭から飛び姿を変えた。
巨大な竜に・・・あれはいつぞや見た竜・・・。
やっぱりあの時に助けてくれたのは・・・。
駄目だ今は。
ミニア
「お待たせしました!!」
ネーネ
「方法!! あります!! 助けられるかもしれないんです!! この子で!!!」
ネーネがお二人に卵を差し出す。
それを見てキョトンとした顔をしたがすぐに表情を変え僕達に説明を求めた。
リュゼル先生か言われたことをそのまま口にして説明をする。
あの化け物を止める方法、ギフトかギフト生成者を無力化すればあの化け物を止めることは出来る。
ギフト生成者を殺さないで、この卵にギフト本体の真素を食べさせてギフトを無力化すると。
そしてこの作戦で卵には影響がないことをレイドラさんに教わったと。
シュリー
「そんな事を・・・一体誰に」
サナミ
「シュリー今はこの子達を信じよう、どうせもうやれることはないんだし」
お二人の顔を見て僕達は目を輝かせた。
サナミ
「やろう・・・これが最後だよ」
シュリー
「そうね、その為には・・・」
改めて僕達をお二人は見た。
真剣な眼差し。
その意味をすぐに理解した。
いや、僕達はそれを望んでいた。
サナミ シュリー
「「みんなの力、貸してくれるかな??」」
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「はいっ!!!!」」」」
すぐさま僕等は各自の武器を取り出す。
みんなで・・・戦うんだ!!
サナミ
「みんな!! カウント行くよ!!」
レイドラにも聞こえる声でサナミは叫んだ。
自分に力を入れることを兼任していた。
今度こそ諦めない為に。
サナミ
「3!2!1! ゴー!!」
サナミの合図と共に全員が一斉に散らばる。
卵をあの化け物にぶつける、それが全員の目的、この作戦の勝利条件。
ドーンツ
「ザコガフエタトコロデェエエエエエエ!!!!!」
サナミ
「敵の光弾迎撃! 間違っても、うなじを攻撃しない事!!それと光弾は真素を抜かれるから絶対に当たらないで!!」
ネーネ ミニア
「「はいっ!!!」」
シュリー
「わかってるわよ!!」
レイドラ
「だからか疲れたの!!! もう!!!」
これまで以上の光弾が飛び交う。
だが標的はあまりにも多い。
前衛にはサナミ、ケイト、ダツ。
後衛にはシュリー、ネーネ、ミニア、レイドラ。
四人の後衛が全ての光弾を打ち落とすのは容易い。
ミニア
「すっご・・・!!」
シュリー
「ぼうっとしない! スイッチ来るわよ!!」
ネーネ
「は、はい!!!」
ドーンツの右手が前衛の3人に襲いかかろうとしていた。
サナミ
「ケイト君ブロック行くよ!」
ケイト
「はい! ディフェンドプロテクション!!!」
サナミとケイトが同時に攻撃を受け止める。
二人の全力で攻撃の気道をずらした、そこを見過ごさずシュリーが合図を出した。
シュリー
「今!! フルシュート!!」
ネーネ
「タイダルンショット!」
ミニア
「エレキスウェーブ!!!」
レイドラ
「ミラージュフェザー!!!!」
全員の術技が入り乱れながらずれた敵の右腕へと一斉に襲いかかる。
サナミ
「ダツ君アタック行くよ!」
ダツ
「よく見えねけど・・・フレイミー!!ナックル!!!!」
ダツが煙の中突っ込む、そして遠距離術技が攻撃した場所を当てにしその場所を攻撃した。
ダツ
「っ!!! ぐぅうぅ・・・かてぇえ!!!」
サナミ
「大丈夫!! そのまま壊せぇえ!!!」
ダツが攻撃している場所と同じ場所に攻撃を加える。
その瞬間・・・。
ついに、攻撃が通り右手の鱗を破壊した。
ドーンツ
「グウググウグウウ!!! キサマラァアアアアー!!!」
再び光弾の雨が式典ホール全体に降り注ぐ。
サナミとシュリー二人だけでは鱗一枚も破壊出来なかった。
ドーンツもそれに驚きを隠せないでいた、まさか・・・まさかと自分の脳裏に何かが浮かんでしまっていた。
シュリー
「ラインを上げるわよ!! レイドラはそのまま援護!」
レイドラ
「了解!!」
この狭い室内ではレイドラの全力が使えない。
ただ倒すだけなら構わないが、今はそうにもいかない判断だ。
シュリーは、ネーネとミニア二人を率い前線の者達を追う。
シュリー
「止まらないでしっかりついてきなさいね!」
ネーネ
「はい!」
ミニア
「止まりません!!」
走りながらも全ての光弾を打ち落としていく。
シュリー前方しか見ていないように二人には見えた
だが、二人に光弾は襲ってこない。
全てシュリーが事前に撃ち落とし、二人を安全に走らせていた。
そして前線の三人へも同じ様にほぼ自由に動けるようにする為にほとんどを請け負っていた。
サナミ
「ターゲット!左脚、行くよ!」
ケイト
「了解です!」
ダツ
「ぶっ飛ばしてやるぜ!!」
ドーンツの足元へ一気に切り込む。
剣で足首を攻撃する、だが攻撃は届かない、ケイトの攻撃力だけでは間接を狙ったとしても結果は同じ・・・。
ダツも同じ足首を狙う。
結果はケイトと同じ・・・だがこれでよかった。
二人の攻撃は全て囮・・・本命は。
サナミ
「はぁあっ!!!!」
二本の剣を左脚に地面へと押すように叩き付けた。
本命・・・意識を左脚に向けさせて力ませること。
それで起きる現象は・・・。
ドーンツ
「ナンダァアアア!!?!?!?」
大きな穴が作り出された。
左足が檀上に穴を開けてそのまま体勢を崩していた。
これが三人の狙いだ。
攻撃が通らない敵にはこうやって地形を利用するんだと、日頃からサナミが二人に教えていたことだ。
そして全員がその隙を逃さなかった。
ドーンツの背後に素早く回り一斉に攻撃を開始した。
「「「「「「いっけぇええええ!!!!!!」」」」」」
全員の攻撃が背中へと叩きつけられる。
サナミが最初に言った通り、うなじを狙うことただけは避けた。
狙いは転倒。
ほぼ片足で立っているドーンツの隙をさらに大きな隙にする為の攻撃。
サナミ
「今だよ!!!」
シュリー
「みんなぁ!!」
子供達は一斉に走った。
何処にどうすればいいのかわかっていた。
サナミがうなじへの攻撃をさせなかった理由をすぐに察していた。
だから今度は逆に全員うなじへと走った。
全力だ、だが自分達の最高速度ではない。
これまでの戦い、回復しきっていない身体を我武者羅に振り回した。
この一瞬の戦闘で子供達は緊張と瞬間的判断力、そして何よりも集中力で疲労が限界を超えていた。
それに加え真素も徐々に抜かれている。
もう普通の大人でも倒れてもおかしくなかった。
それでも彼等は走った・・・そして目的の場所について再び力を入れ直す。
これで・・・これで助けられると祈り、振り絞った。
ケイト
「行くよ!」
ダツ
「おう!」
ネーネ
「うん!」
ミニア
「はいよ!!」
全員でネーネが持つ卵に手を当てる。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「えい!えい!!」」」」
掛声と共に一気に全身の力を振り絞り卵を当てる手へ全てを解き放った。
そしてギフトとギフト生成者がいる場所へと押し込んだ。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「おおおおおおぉぉー!!!!」」」」
キィィィイイィイイイイイイイイイィィイィイイイインッッ!!!
激しい耳鳴り、そして卵から眩しい光が湧き出てくる。
それでも子供達は目を閉じずにただただ目を見開く。
閉じてはいけない、ここで力を抜いてはいけない。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「ぐうぅううぅうう!!!!」」」」
真素の波が子供達を包み込む。
衝撃波と強風が吹き荒れる。
そしてドーンツが最初に装置を使ったのと同じように真素が収束していく。
だが明らかに違う物、それはどす黒い真素ではない、温かく優しい光を纏った真素。
これらは全て卵とピュリファーリングが共に出している物。
ドーンツ
「グゥウウウゥうううううあぁあああ!!!ヤめロぉぉぉおおおおお!!」
サナミ
「大人しく・・・!!!」
シュリー
「してなさいっ!!」
子供達を攻撃しようと翼を広げようとするもサナミとシュリーが抑え込む。
あの光弾は翼を開き切らないと撃つことは出来ない。
サナミとシュリーももう真素がほとんど空っぽの状態だ。
それでも、4人の子供達と最後まで戦うと誓った。
これ以上見っとも無い姿を見せる訳にもいかないと意気込み。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「うぅうう・・・!!!うぅう!!!」」」」
卵を支えている腕が震えだす。
両手で押さえるも震えが止まらない。
誰か一人でも気を抜き力を抜こうものならこの場から弾き飛ばされるのは間違いない。
全ての力を振り絞りに振り絞り耐え抜く。
まだピュリファーリングの真素を引き抜く力は健在。
ここにいる人間全員が真素をほぼ使い果たしてるのは間違いない。
全てはこの時の為、今ある光景の為に全力を尽くした結果。
あと少し、あと少しで・・・終われる・・・!!
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「ぉおお・・・ふぅぅう・・おおっぉおおおおおおお!!!!!」」」」
持っている全ての体力、真素、願いと想い。
全てを・・・捧げて。
ドクンッ・・・!!
何かの鼓動・・・。
これは・・・卵から伝わってくる。
この新しい感覚、息吹。
まさか・・・。
子供達は目を点にした。
それだけじゃない・・・サナミもシュリーもレイドラもその光景に言葉を発することが出来ないでいた。
みな上を見上げていた。
光る者・・・卵じゃない。
子供達が見た・・・卵の記憶の親子と似た姿・・・。
卵が・・・・・・孵った・・・。
三角翼狼
「アオオォォォォォーーーーーンッ!!!」
小さな体、生命。
短い三本の角。
小さくも広げる翼。
そして大きくあろうとする透き通る遠吠えがホール内を響かせた。
・
・
・
ケイト
「生まれ・・・た?」
全員その場で固まってしまった。
一匹の狼?
たた今、ずっと大事にしていた卵が孵った。
浮いている子を僕達は見ていた。
そしてその子もまた僕達を見る。
お互いまるで時間が止まったかのように見惚れていた・・・。
ドーンツ
「うおぉおぉおぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」
急に足場が動き出した。
それにバランスを崩しそうになる。
すぐに離脱をしようとするも力が入らずに全員その場に倒れそうになる。
サナミ シュリー
「「・・・っ!!」」
ボォオアァオオオオオオオオオオオオオン!!!
檀上は倒壊した。
化け物が苦しみ暴れている、悲鳴のような物を上げながら。
僕とダツは団長さんに、ネーネとミニアは教授さんに運ばれ一度離脱した。
だがあの子、翼狼の子供は生まれた場所から動くこと無く化け物を見続けていた。
三角翼狼
「スゥゥ・・・アォァオオン!!!」
息を吸い大きな声が上げた。
目に見える何かの波動が化け物へ向けられ更に化け物の悲鳴が激しくなった。
だが動きが徐々に遅くなり次第に胴体のみがその場に固定されたかのような動きを見せる。
そして胴体が変異を起こしていた。
まるで空間がねじ曲がったようにえぐれていく。
胴体に穴が現れる・・・。
そしてそこには、あの人質の男の子が姿を現した。
ドーンツ
「ふざけるなぁあ・・・!! こいつまで・・・渡してたまるかぁあ!!!」
翼狼によって動きを封じられてるのにも関わらず両手を動かそうとする。
人質ごと穴を手で塞ごうとしている。
翼狼も生まれたばかりで早速無理をしているのがわかった。
あの子の力で恐らく化け物を抑え込み人質をこちらに引きずり出しているんだ。
だとすると。
一世一代のチャンス。
これを逃したらきっともう助け出すことは出来ないかもしれない。
団長さんも教授さんもすぐに飛んで向かうが、明らかに距離があり過ぎる。
僕達の安否を優先してあまりに遠くに距離を取り過ぎたのが裏目出てしまったんだ。
これじゃあ化け物の両手が人質ごと・・・。
シャヌア
「っ!!!」
人影・・・!?
お姉さんが一人駆け抜けた。
まるでこの瞬間を待っていたかのように。
シャヌア
「今度・・・こそぉおっぉおおおお!!!!!!」
一気に飛び込む。
かなりギリギリのタイミング・・・。
ドォォオンッッ!!!
両手は胸を抱きしめるように穴を塞いでいた。
僕達からの目線ではどうなったのかわからない、けれどすぐに状況がわかった。
シャヌア
「若様ァ!!!」
ロエ
「ぅ・・・ぁ・・・」
シャヌア
「若様・・・ぁ・・んぅ・・・!!」
きっと、上手く行ったんだ。
よかった・・・これで・・・。
ダーンツ
「ふざけやがってぇええええええ!!!!!」
まだ化け物の姿は変わらない。
だけど明らかに動きも遅く、あの頑丈な鱗が徐々に溶けだしていた。
力はまだ有り余っているということか・・・。
シャヌア
「っ・・・!」
シュリー
「何腰抜かせてるの!!!」
教授さんが人質を助けたお姉さんと化け物の間に入った。
迫る攻撃を全て見えない防壁術技で防ぎきる、それを見てすぐに人質を抱えすその場を離れようと全力で走る。
バリンッ!!
シュリー
「くっ・・・たるんでるわね私・・・、っ!!」
教授さんの防壁術技は破られてしまった。
だが逃げる時間は稼げた、すぐさま教授さんも飛んで離脱した。
化け物はそれを追撃しようとしなかった。
それよりも先に目を向けたのは・・・。
ドーンツ
「お前だろぉおお!!!? お前させ取り戻せばぁああ!!!」
三角翼狼
「ハァハァ・・・アァオォオオー!!!」
ドーンツ
「効かないんだよぉおーおおーー!!!!」
腕無数の触手に変貌し翼狼を取り込もうと襲いかかった。
まずい、あの子はもうあの一発でほとんどの力を使い果たしたのかも知れない。
ただでさえ生まれて間もなさすぎるというのに・・・!!
サナミ
「はぁあ・・・あぁあ!!!」
ケイト ダツ
「「団長さん!!」」
迫りくる触手の群れを一閃で全て切り落とした。
攻撃は触手のみならずに攻撃してきた右腕全てを切り落とし化け物は悲鳴をあげていた。
サナミ
「ありがとう・・・みんなを助けてくれた」
三角翼狼
「ファァ・・・」
そして翼狼を回収しすぐに離脱。
僕達のもとまで戻ってきて、翼狼をこちらに差し出す。
「「「「・・・・・・」」」」
三角翼狼
「アンン!!」
近くで顔を見合わせた瞬間に僕達へと飛んできた。
動けない僕等の回りを嬉しそうに飛び回った。
レイドラ
「物凄い喜んでるみたいでよかっ・・・たぁあ・・・」
レイドラさんがあの小さい姿に戻ってその場で倒れ込んでしまった。
凄い疲労だったのだろうか、ダツが広い上げ頭に乗せた。
ダツ
「お疲れ様だな」
レイドラ
「障壁突破、真素も吸われて、この子が生まれようとしたのを手助けするのに疲れたもう無理・・・」
小さなレイドラさんに僕達は笑みを浮かべた。
それにしてもそうか・・・僕達も君に会いたかったのと同じようにこの子も僕達の事を・・・。
シュリー
「はぁはぁ・・・ちょっとそろそろヤバいんだけど」
サナミ
「はぁ・・弱音・・・はぁ・・吐くなんて珍しいね・・・」
団長さんと教授さんが僕達の前に立つ。
このお二人の方が僕等よりもずっとあれと戦ってきたんだ。
とてつもない力を持ってしても限度がある。
敵は弱り切ってる、けれど力が無くなったわけじゃない。
ドーンツ
「お前らぁあ・・・本・・・トうに・・コろス!!! ゼッ・いニ!! こロォおおおおォオォス!!!」
一気に僕達が集まっている場所に飛んできた。
僕達は避けることどころか動くことが出来ない、団長さんも教授さんもあの質量を受け止めるほど力は残っていないと思う。
僕達は絶望的だった・・・が。
けれど何故か僕は・・・僕達は・・・ここにいる全員が何かを待っていた。
必ず来る、そう・・・今来るのだと。
あの人が・・・。
ドーンツ
「・・・・・・は?」
飛び上がっていたはずの化け物が吹き飛んで檀上の方へと激突した。
何かの攻撃が直撃したんだ。
一撃で巨体を吹き飛ばす力・・・そんな物ある人は一人しかいない。
カズキ
「随分と・・・かわいがってくれたみたいじゃないか、おい?」
この場にいる全員が一気に気を抜いた。
安心した。
もう戦いは・・・終わるのだと。
・
・
・
急いできたが結界があまりにも厄介過ぎた。
まさかここまで時間が掛かるとは思わなかった。
まぁ途中で弱くなったから一気に突っ込んできたんだが・・・原因は。
三角翼狼
「アオン?」
カズキ
「ふっ・・・」
5人目・・・というわけだな。
レイドラ
「マイロードォォォオオオオオ!!!」
レイドラが俺に抱き付き肩に纏わり付きいつものポジションに居座る。
お前がこの姿って事は相当無理したのか、相変わらず無鉄砲に真素を使った・・・両方だな。
改めて周囲を確認する。
みんなボロボロ、一体何があればあのサナミさんとシュリーもいてここまで劣勢になるのか。
ロエは・・・無事みたいだな。
ドーンツ
「て・・・てメェはあノときノっぉお!!!」
カズキ
「悪いけど誰だ、そんな素敵な礼装をぶら下げてるのに記憶にないなんて不思議なもんだな」
ドーンツ
「なんダト・・・テメぇ・・・」
カズキ
「女の子一人斬り傷付けられただけでビビっちまった黒豚野郎の声に似てるなぁー??? もしかして本当に豚になろうとしてるのか? いい転職先が見つかってよかったな?」
ドーンツ
「ゴロォオォオォッス!!!!」
素敵な翼をめいいっぱい広げて威嚇か。
最近の豚は羽も生えるのか、進化したもんだな。
ケイト
「まずいですって! あの光弾は・・・!!」
背後からケイトの声が聞こえたので振り向いた。
その瞬間に周辺が爆発した。
ダツ
「あんちゃん!!!?」
カズキ
「・・・・・・」
光弾・・・か、なるほどね。
これがみんなを苦しめた奴ってことか?
肩にいるレイドラも全力で俺のフードの中で丸くなってる所をみるとこれがこいつの攻撃か。
へぇー・・・。
ドーンツ
「何で・・・なンでキカナエェんだよぉお!!!??」
カズキ
「さぁ? 効力もわからないから全く説明ができんな」
予想は付く、多分真素を吸収とか無効化とかそんなくだらないものだろう。
俺がつい数カ月前に真素っていう物を知った人間だって知ったら驚くかな?
まぁ下手な事は言わないが吉だな。
本当のところは恐らく・・・。
カズキ
「試してみるか? お前の攻撃で俺の真素空に出来るかどうか」
ドーンツ
「なな・・・ナニを・・・言って・・・」
ビビり出した奴にミツバを構え更に近寄る。
カズキ
「これだけは教えてやる・・・俺とこいつ、ミツバの真素をお前ごときが削り切れると思うなよ」
ドーンツ
「うぅう・・・うぅう・・!!! ああぁあああああああああああああ!!!!!!」
光弾を無作為に撃ちだしたか。
このまま受け続けてもいいけど、もう博物館の結界は破られてる。
下手に長引かせるのも不味いか。
というか挑発し過ぎだと怒られる前に終わらせるか。
カズキ
「さて・・・お礼の時間だ」
ドーンツ
「うあぁああああ!!!!あぁあ!!あぁああああああああああ!!!」
カズキ
「ディメンション・・・セイバーァア!!!!」
これが・・・この戦いの幕を引く最初で最後の一撃だった・・・。
--------------------------------------------------------------
【ブレレント博物館 出入り口前外】
シュリー
「あんたがね!あんたがねぇええー!!!んんんんん!!!」
カズキ
「血を吸うなぁあ!!!! やめろぉおお!!!」
サナミ
「ふふふっ・・・もうみんな見てるってシュリー」
ダンズの警護団体は壊滅。
今回の首謀者であるドーンツはあの力の代償として息絶えていた。
サンリーの部隊の面々が人々の救護に動いている。
サナミさんの部下のニーネさんとクレエスさんが館長に全ての事情を説明していた。
ドーンツがハイトスと結託しアンリバンデットを雇い秘密裏にこの展示式典を狙っていた。
その計画を阻止する為にも旧ダンズの人間が介入したこと。
最初はただピュリファーリングを奪おうと旧ダンズは画策していたことはあえて黙っておいた。
館長もこちらの話をしっかりと聞き入れてくれ理解してくれた。
館長
「ロエ・・・君、少しいいかね?」
ロエ
「館長さん・・・」
ロエは衰弱しきっていた。
当然あんな物に取り込まれたんだ、今こうして喋ることが出来るのが奇跡のようなものだ。
動くことはできずにシャヌアの膝の上で安静にしていた。
ロエ
「館長さん・・・あの・・・これ」
ロエはの手にはピュリファーリング、父親の形見だ握られていた。
俺は驚いていた、彼が救出された時にはもうリングを手にずっと持っていた。
あの翼狼の力じゃない、彼が意識の無いはずの中で手を伸ばして掴み離さないようにしていたのだから。
それだけあれは大切な物なんだと、そしてを今返そうとしていた。
館長
「ロエ君・・・いえ、ロエ様。それはあなたの物ですよ」
ロエ
「え・・・?」
館長
「ずっと心配しておりました、この街の何処かにいると聞き及んでいました。ですが私には見つけたところで何かを出来るほど強い人間では、ありません・・・お許しください」
館長がリングを持つロエの手を優しく握る。
自分の無力さ、見ない振りをしてしまっていた自分の汚さを悔いるように。
館長
「これは・・・本来あなたの為に取り寄せた物なのです、展示にはレプリカを使うつもりでした。私が出来ることなどお父上様、ご当主様の形見を探すことくらいしか」
ロエ
「そ・・・! そんなことない!!」
シャヌア
「若様・・・」
ロエ
「僕なんて、見てくださいよ・・・みんなに支えられてやっと生きていられる、僕なんて一人じゃ・・・なにも・・・頑張っても頑張っても一人でなんか・・」
声が続かない。
それでも続けようと必死に涙をこらえる。
悔しい自分、けれどこんなにも・・・。
「んんんん!!!ロエ坊ちゃまぁああ!!」
「ご無事で!!!ご無事でぇええ!!」
「あぁああああ!!!ぼっちゃまぁああああ!!!」
どいつもこいつも死に損ねた連中。
盗賊として生きてきてシャヌア達に拾われ、そして今日もまた死に損ねた。
どいつもこいつも・・・馬鹿ばかりということか。
館長
「ロエ様・・・こちらはあなたの物です。どうか、どうか・・・」
ロエ
「んっ・・ぅう・・・ありがとう・・・ございます・・・!!」
ゆっくりと手を離し館長はその場を立ち去った。
ロエは・・・ただその形見を大事に大事に抱えるようにして眠りに付いた。
カズキ
「はぁ・・・言い物見せてもらった、ということでいいか」
ケイト
「何がです?」
カズキ
「んんー?」
ケイト達が不思議そうにして俺の顔を見る。
あの後すぐにサンリーの部隊が救助に来て子供達を回復させた。
相変わらず子供の力は凄いと感じた、少し回復術技を使ったらすぐに良くなってしまったのだから。
もちろん歩けるくらいの話だが・・・。
三角翼狼
「アグゥウゥ!!!」
カズキ
「いててててててっ!!!」
これで3回目。
どうやらこいつは俺の事が嫌いなのかわからんが隙あらば噛み付いてくる。
こいつの事は基本子供達に任せるつもりなのだが、教育の教育なんて流石に俺は知らないぞ。
ネーネ
「こら、めっだよ!」
三角翼狼
「ンンンッ・・・プイッ!」
決まった、間違いなく俺の事嫌いだわこいつ。
ミニア
「あの・・・いいんですかね、この子の事、あの人に言わなくて」
ミニアの言っている事はつまり、ロエに話すかどうかということだろう。
今持ってるピュリファーリングは何の効力もないただの腕輪。
この翼狼が全部根こそぎ食い散らかして生まれた。
ある意味ではこの子犬もあのリングの一部のような・・・。
三角翼狼
「アグゥ!!アグゥアグゥウ!!」
ネーネ
「どう!どうどう!!どうどうどう」
子犬と考えちゃった事に怒ったのか、生まれたての子犬相手にも俺は表情を読まれてしまうのか・・・。
ミニア
「カズキ・・・さん?」
カズキ
「大丈夫、少なくても後でみんなで説明しに行こう。今はまだそっとしておくのがいいよ」
ミニア
「・・・・・・、はい、わかりました!」
ミニアは満足といった笑みを浮かべネーネ達と翼狼のもとに向かった。
きっとロエは全然気にしないだろう。
あの能力があるからリングが欲しかったわけじゃない、むしろ力が無くなって変なのにつけ狙われなくなるかもしれない所を考えると逆に感謝されるかもしれん。
レイドラ
「どわぁああー!!振り回さないでよぉおー!!」
ダツ
「だはあはははははっっ!!」
レイドラはレイドラで子供達のおもちゃにされてる。
なんか年相応の光景に心が温まる。
レイドラと翼狼が子供達とはしゃいでいるのを見てふと思った。
カズキ
「なぁーー、そいつ・・・その子の名前は決めないのか?」
俺の言葉に子供達が動きを止めて笑顔で答えてきた。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「もう決まってまーーす!!!!」」」」
早いな・・・。
つまりは卵の段階でみんなと話し合っていたということか。
卵が孵らない可能性なんて考えずに、夢と希望に胸躍らせる日々。
そんな毎日だったあの子達が考えないわけもないか。
そして翼狼が高く高く胴上げのように空に上げられた。
三角翼狼
「アゥ・・・?」
そして全員が声を大にして名前を叫んだ。
ケイト ダツ ネーネ ミニア
「「「「ヘスティア!!!!」」」」
空に上げられた翼狼は声を上げながら子供達のもとに急降下する。
ダツ
「どわぁああ!!!」
三角翼狼ヘスティア
「クゥウンッ・・・アオォオオオオーン!!!」
全員笑っていた。
ただただ笑っていた。
難しいこともなんて何もない、嬉しいから楽しいから笑うんだ。
新たな五人目も小さいながらも喜びの遠吠えをして喜びを分かち合っていた。
ガグゥゥウッッ!!!
カズキ
「いっ・・・・・・・でぇええええええええ!!!」
俺はまた・・・"ヘスティア"に噛まれたのだった・・・。
第二十話 三角翼狼 ヘスティア 終




