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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
ニ章   adventure children
54/70

第十九話 希望連鎖 ホープビギニング



ブレレント博物館は地獄絵図と化していた。


戦う者は次々と破れていった。


ケイト、ダツは、コートスが呼び出したあの大型モンスターのデーモンに負けた。



ネーネ、ミニアも、奮戦乏しくモンスターの質量に抵抗空しく敗北を決した。



すぐに向かう。


そうカズキは考えていた、だがそれは叶わぬ事となりつつあった。


間に合わない、カズキだけでは・・・みなを守ることが出来ない。




カズキだけでは・・・。





【ブレレント博物館 大広間】



それは突然の出来事だった。


大広間に猛々しい咆哮が鳴り響いた。



竜の咆哮。



まだ生きている者はみなその声に耳を傾けた。


ある者は絶望し・・・ある者は・・・それに希望を見出していた。







レイドラ

「グアァアアアアオアオアオオ!!!!」



レイドラの叫びと共にモンスター達は光りへと消えていった。


圧倒的な力。


モンスターはそれを今味わっていた。


抵抗など虚しいとさえ思うことするら出来ずに消滅していった。




そしてレイドラの背中から次々と大勢の人間が飛び下りていく。


動きは統率が取れた動き、一切の無駄のない動きで市民を背に取り囲んで行く。




「B組より中組へ報告負傷者多数」


クレエス

「中組よりB組、予定通り積み荷を下せ」


「B組了解、負傷者の救命に入る」




指示が飛び交ってる間に一人の赤と黒の衣装を着た者がレイドラより降りてくる。


辺りを見渡し、すぐに子供二人が倒れている場所へ走る。










ネーネ

「ぅ・・・何が・・・?」



私は確実にモンスター達の下敷きになっていた。


けれど・・・今は誰かの膝の上・・・?



シュリー

「喋らないで・・・今良くするから」


ネーネ

「私・・より・・・ミニア・・・を」


シュリー

「すぐそこにいるわ心配しないで」



女の人?の言葉通りもう片方の膝にミニアが頭を乗せていた。


薬をゆっくりと頂く。


なんだろうこの薬・・・ポーションとも違う・・・。



シュリー

「大丈夫? 喋れる?」


ネーネ

「はい・・・私はなんとか・・・」


ミニア

「私も、大丈夫です・・・」


シュリー

「よかった・・・それじゃあ悪いんだけど、後の二人は、何処?」




二人・・・ケイトとダツのだ。


私はゆっくりと手を出しホールのある方を指差した。





ボォォォォオォオオオオオンッっ!!!!!!





指差した瞬間に何かが差した方角へ飛んでいった。


その音と現象に少し驚いてしまった。




シュリー

「今のは大丈夫気にしないで・・・」



凄く優しい声で私達に声をかけてくれる。


改めて女の人を見る。


顔は凄く幼く見えるのに、全く私達と同じ歳かもなんて不思議と思わなかった。


恐らくミニアもさっきから声を出さないところを見ると私と同じように見惚れているのだろう。




「報告! モンスター多数接近! 繰り返すモンスター多数接近!」


「撃ち方用意! 撃てぇええ!!!」




バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!


バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!


バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!バァァンッ!!!




何かの合図と同時に凄まじい音が鳴り響く。


女の人がこれも大丈夫だと言うが、つい何が起きているのか見てしまう。



あれは・・・カズキさんと同じ・・・銃ってやつ?



引き金を引くと真素の塊の弾が飛び出し標的を貫通させる物と教わった物。


それがあんなに・・・。



一斉に放たれた物は次々と迫りくるモンスター達を一撃で倒していった。





「中型モンスター確認、ファイヤフライ!」


「水鍵用意!!」



【【【【【タイダリング オン】】】】】



「撃てぇえー!!!」





更にエレメタルキーまで・・・!?


一体この人達は・・・。



シュリー

「本当に・・・心配したんだからね・・・」


ネーネ

「・・・・・・もしかして」



この声・・・。



ネーネ ミニア

「「教授さん?」」



シュリー教授

「うん・・・ネーネ、ミニアもう大丈夫だから心配しないで」



やっぱり・・・教授さんが・・・助けに・・・助けに来てくれたんだ。



ミニア

「きょ・・・教授・・・さんっ・・・うぅう・・・」


シュリー教授

「うんうん、よく頑張ったわねミニア」


ネーネ

「ひくっ!・・・うぅうああぁああああああ!!!!!!!」


シュリー教授

「ネーネも、よく耐えたわね」




教授さんが私達の頭を撫でてくれた。


私達はただただ泣きわめいていた。


あの恐怖を払拭するように・・・ただ・・・泣き喚いた。




ネーネ ミニア

「「うあぁああああぁああああぁあああー!!!」」












【ブレレント博物館 式典ホール】





ボォォォォオォオオオオオンッっ!!!!!!




シャヌア

「なんだ!?」


ドーンツ

「あん!?」




壁が壊れた。


そこから誰かが一瞬で移動した。


迷い無く今も壁に埋もれているケイトの下へと。



サナミ

「・・・よかった、ごめんね遅くなって」



ケイトを抱えシャヌアのもとに歩み寄る。




ノッォオオオオオオ・・ブゴアァアアア!!!!?




サナミ

「後で相手するから少し黙っててもらえるかな」



右手に持ったガンモードで一撃でデーモンを吹き飛ばし防壁へと叩き付けた。


術技ではない、ただ一発の弾丸だ。



サナミ

「その子を寝かしてあげてゆっくり・・・」



サナミの指示に戸惑いを隠せないまま従いダツを床へと寝かせた。

その隣にサナミが連れてきたケイトゆっくりと並ばせ薬を二人に飲ませた。


これはシュリーが他の二人に飲ませた物と同じ物だ。


製造にかなりの貴重資源を大量に使いそれを凝縮させた即効性のある薬だ。


多様し過ぎると逆に毒になってしまうくらいに危ない物でもあるが、その効果・・・。








痛い・・・体中が悲鳴を上げてるのがわかる。


あのデーモンに殴られて俺は・・・生きてる?



ダツ

「んっ・・・ぁ・・・?」



目を開き一人の綺麗な黒髪のお姉さんが俺を覗いていた。


首を回した先には隣でケイトが同じように俺を見て目が合った。



そっか・・・いてて、しっかりと痛い・・・生きてるってことか。




ケイト

「ダツ・・・?」


ダツ

「あぁん・・・生きてるみたい、ケイトは?」


ケイト

「うん、驚いてるから・・・生きてるみたい」



サナミ

「よかった!!!!」



俺達の安否が確認できた綺麗なお姉さんが俺達に抱き付く。




ケイト ダツ

「「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」」



サナミ

「本当によかった、ケイト君・・・ダツ君・・・遅くなってごめん」




俺達の名前を知ってる・・・?


それにこの声・・・もしかして。




ンオォアオオオアオ!!!!!!




まずい!デーモンがこっちに・・・。




サナミ

「・・・・・・」




表情が変わった・・・いや無になったというのが正しいか。


さっきまで俺達に抱き付いて涙を流していた顔はどこかへと消えていた。


そして振り下ろしてきた骨を片手に持った剣で軽く振るった。





バギイィィイインッ!!!!!




骨が・・・砕け散った。


それだけではない、骨を持っていた腕も一緒に吹き飛ばした。


嘘だろ・・・鶏の卵割るのと訳が違うんだぞ?


でも今目の前には同じように軽がるとデーモンの武器と右腕を粉砕した。




ダツ

「まさか・・・」


ケイト

「うん・・・」



声からもう確信していた。


基本優しいのに・・・たまに出す雰囲気が鬼のように怖い時がある・・・。



ケイト ダツ

「「団長さん・・・」」



サナミ団長

「はい! 団長です」



今度は何事もなかったかのように笑顔でこちらを振り向いた。


それを見てははっと笑っちまった・・・それだけで激痛が走る。




ドーンツ

「なっなななななな・・・なんだよ・・・あれ・・・」


コートス

「そ・・・そんな・・・まさか煌煌ノ騎士が、何故こんなところに・・・」




団長さんの姿を見てたじろいでる。


それもそうだろう・・・味方の俺達もたじろいでるんだから。




サナミ

「動けそう? 二人とも」



俺達を覗き込むように膝に手を当てお姉さんポーズで俺達に聞いてくる。


ついなんか目を逸らしてしまった。


またケイトと目が合った・・・。




ケイト ダツ

「「うぅぅぅぅぅうおっぉおお!!!!!」」



痛い!!!!


けど痛くない!!!!


大丈夫じゃないけど、大丈夫!!!


頑張れないけど、頑張る!!!!




ダツ

「あぁあ・・・はぁはぁ・・・はぁ」


ケイト

「ぅぅうえ・・・ぅうあ・・・ふぅうー・・・」


サナミ

「流石男の子・・・だね!」




俺とケイトは全力で作り笑いをした。


顔中も痛いのに何故か団長さんに良いところ見せようと張り切ってしまってる。


だってしょうがねーじゃん男なんだし。



シャヌア

「あのーー・・・すみません煌煌ノ、お邪魔して申し訳ないのですが」


サナミ

「はい、大丈夫ですもう話しはわかってますんで」



剣をもう一本取り出す。


そして剣を変形させた。


あれは・・・銃だ。




パァアンッ!!




一発の弾丸が放たれた。


弾丸は・・・デーモンの頭部を貫通させ、そのまま防壁へ行き・・・。




バリィィイィイインンッッ!!!!!



ドーンツ

「はっ・・・・・・」




豚男の頬を掠めた。


そしてデーモンはその場で無残にも倒れ消えていった。



いやいやいやいや、めちゃくちゃ過ぎるだろ流石に。


デーモン一発で脳天貫通させてそのまま防壁も破り壊して豚男をビビらせた。



人間ってここまで出来るものなんだ・・・。




サナミ

「さぁ、抵抗はやめて、人質を解放してください。今の一撃を食らいたくないのならですが」



ダーンツ

「はっは・・・へへへ、いくら馬鹿みたいに威力があって強くたってなぁ!! こっちには数の暴力があんだよ!!」




豚男が何かをまた放り投げた。


それを合図にまた所狭しとモンスターが出現し始めた。




サナミ

「召喚術技・・・やっぱりあの男が・・・」


ドーンツ

「さぁあ行け!! モンスター共!! あのくそアマを・・・ん!?? おいどうしたぁあ!!! 動け!!!」




モンスター達が急に動きを止め出した。


それどころか、徐々に姿が・・・消滅していく。



ケイト

「何が・・・術技師はまだあそこに・・・」


サナミ

「そう・・・けど二人も知ってるもっと凄い術技師がなんとかしてくれんだよ、ふふっ・・」




俺達が知ってる術技師・・・?


術技師と言えば・・・ミニアとネーネを教えてた・・・。





ダツ ケイト

「「教授さんも来てるの!!?」」





-----------------------------------------------------------------



【旧ダンズ跡地】




俺は三人の攻撃を避けようとしなかった。





ドゴォオンッ!!!





聞き覚えのある音。


実のところ今後は聞きたくないような音。




カズキ

「まさか・・・あんたが来るなんてな」




俺の前には、二人の人間が佇んでいた。


一人は少女を抱えた老人。



そしてもう一人は、橙色の野太刀を握りしめてる金髪の女。




ヒルメ

「何今の!?」


チヨー

「爆発・・・? 一体何が」


373

「あれは・・・妖爆姫君・・・ルシュカ・コードー」




三人はすぐさま俺達から距離を取っていた。




ルシュカ

「相変わらず問題ばかりを起こすな、あなたは」


カズキ

「お互い様だろ・・・この間だって内戦止めてやったろうに」


トゥトゥー

「ははははは・・・元気そうで何よりです」


???

「カズッ!」




トゥトゥーが抱えていた子が俺に抱き付いてきた。


よしよしと頭を叩くと喜んだ。




カズキ

「君も元気みたいだね、『カルー』」


カルー

「うん、元気っ!」




俺と初めて会った時の奴隷少女とは思えない元気を見せてくれる。


あれから結構経つがまだ言葉が上手く使えないのは相変わらずか。




ヒルメ

「援軍が来た所で、数は同じーー!!」


チヨー

「・・・どうする?373」


373

「・・・思考処理中」


ヒルメ

「んじゃああたしがその間にーー!!」





金髪が一人飛び込んできた。




ヒルメ

「一人ぶっ飛ばしてやるよーー!!!!」


ルシュカ

「舐められた物だな」




太刀を鞘から抜き出し迎撃しに金髪と同じように飛び出す。


お互いのスピードはほぼ同じ、大斧とルシュカの太刀がぶつかった瞬間。




ドゴォオンッ!!!




破裂音が響く。


武器同士が触れた瞬間に破裂、金髪の少女は為す術なく吹き飛ばされた。




チヨー

「ヒー!!」





何度も地面へ叩きつけられ衝撃が収まるまで何度もそれは続いた。


金髪はダメージは想像に固くない。



だが、これでわかっただろう。




形勢は完全に逆転したと。







ヒルメ

「・・・ぅぅ・・・ごめ・・・ん、あははミス・・ちゃった」


チヨー

「喋らないで・・・!」


373

「これ・・・撤退を進言、勝算皆無」





黒髪が金髪を担ぐ。


追撃しようとルシュカは動くが373が銃を乱射しその動きを止めた。



その瞬間に3人の姿は消えていった・・・。




カズキ

「・・・・・・」



俺は居なくなった場所を見る。


番号373・・・。


奴の事が頭から離れない、全てが幻覚だったらいいなと考えてしまった。



サナミさんと同じ顔・・・。



トゥトゥー

「それにしても、カズキ殿がここまで深手を負うとは意外ですな」


ルシュカ

「そうだ、一本打たせてもらっただけでわかったが、あなたが苦戦する程の物とは思えなかったが?」




随分と過大評価してくれるじゃないか。


さぞ俺が地に膝を付いてたのが嬉しかったのかね。


懐から薬を取り出しすぐに傷を癒す。




カズキ

「なぁ、二人は何か気が付いたか?」


トゥトゥー

「ん? はて、そうですねあれだけの年齢でまぁ凄いとしか?」


ルシュカ

「あぁ、年齢にしては強いとは思ったくらいだが・・・」



二人は見てなかった、見えなかっただけか・・・。


嘘を言っているようにも見えないし確認できなかったということに一先ずはしておくか。




ルシュカ

「それよりも、博物館の方に急ぐんじゃないのか、サナミもシュリーも、もう向かったみたいだが?」


カズキ

「手伝ってくれるのか? 妖爆さんは」


ルシュカ

「いや、私達は"たまたま"通りすがっただけだからな、散歩の続きさ」


カズキ

「はいはい・・・そうですか」




たまたま、ですかそうですか。


こいつがこっちに来てくれれば助かる、というよりも面倒が減る。


一戦も交えるのは本当に勘弁したい。





カルー

「えぇー? もうお別れ?」


ルシュカ

「あぁそうだ、どうせまた会えるさ」


カルー

「またサンリー!? やたーー!!」


トゥトゥー

「はっはっはっは、 姫様これは大変ですな」




完全に親子みたいなやり取りだ。


ついついほっこりする。



っと愉悦感はここまでにして身体を伸ばす。




カズキ

「改めて助かったよ、暇な時はまたサンリーに寄ってくれ」


ルシュカ

「あぁ、そうさせてもらう・・・カルーが喜ぶからな」


カルー

「ばいばいーー!!」




それだけを言い俺はその場から飛んだ。




あの二人の絡みを見て少し気が落ち着いた。


二人と会う度に嬉しくなる、その信頼関係に。



そして今の俺にも・・・信頼する、信頼してくれる子達がいる。



もしかしたら・・・。


駄目だ、そう考えるのはやめよう。



ただでさえ今は頭の中がぐちゃぐちゃなんだ、今はただ・・・。






カズキ

「待っててくれ、みんな・・・」








----------------------------------------------------------------



【ブレレント博物館 大広間】



私達を助けてくれたのは紛れもなくカズキさんの仲間だ。


銃を全員が武装し襲いかかってくるモンスターをことごとく倒していった。


私達のようなその場で合わせているような戦いじゃない。


動きも連携も統率の取れた物、ただ数で押してくるモンスターではもろともしなかった。



ニーネ

「避難民の捜索完了です、ホールの人間以外はここにみんないます、いつでも行けます」



眼鏡を掛けた女の人が教授さんに声を掛けた。


それを聞き私達はいつまでも教授さんの膝で寝ている訳にも行かないと察してすぐに立ち上がった。




シュリー教授

「索敵の方は?」


ニーネ

「もちろんそちらも完了してます、キーに情報を転送しました」


シュリー教授

「了解よ、ありがとう」




教授さんは手を上げた、すると何処からか長い杖のようなものが上げた手に収まる。


恐らくあれは武器、見たことのない物。


強いてあげるのであればカズキさんのミツバと酷似している。




【シューティング オン】


【コネクト オープン】




エレメタルキーを武器に挿入する。


そして眼前に構えた。

その構えを見てわかった、これは・・・銃、しかも大型の。



シュリー

「数だけは無駄にあるわね・・・無駄な事だけど」



カシャンッ・・・!



教授さんは前を見ていた、目の前のモンスター・・・いや違う、もっと別の何かを見ている。




シュリー

「・・・っ!!」




ゴォオオアオシュュウーーンッ!!!!



大型の銃から弾丸が発射された、しかも一回で数えきれてない程の弾丸だ。


それは次々とモンスターを倒していく・・・だが打ち漏らしているものもある。


目的はモンスターを倒す事じゃない。


なら・・・。




「こちらB組、モンスターの挙動に異変あり・・・消滅数多数」



ミニア

「えっ・・・!? どんどん消えていく」



目が点になっていた、あれほどいたモンスターが次々と消えていく。


一匹や二匹じゃない、今目の前にいるモンスターが動きを止め消滅していく。



ネーネ

「え・・・教授さんがやったんですか?」


シュリー

「えぇそう、このモンスター達は召喚術技で現れたモンスター、それも厄介な事に本物に近い幻影。あいつ等は術技者が設置したジェムから召喚されてるの、それがこの博物館の至る所に設置されていたってこと」



ミニア

「まさか・・・それを・・・今の一発で・・・」


シュリー

「そうゆうことよ、全部破壊したわ。安心して」



考えが追いつかない。


その設置物・・・ジェムがどういった物かはわからない。

だけど、あれだけのモンスターを大量に召喚していたということは、それ相応の数が用意されていたはず。


しかも教授さんは今来たばかり・・・。



私はそれであの眼鏡の人の言葉を思い出した。



索敵・・・。



最初は博物館内に取り残されてる人がいないかどうかの確認だと思った。


それだけじゃなかった。


たった数秒でこの博物館に設置いた召喚ジェムを全部調べ尽くしたんだ。





それをたった一発で全て破壊する教授さん。


すぐに巨大な建物を即座に索敵。


モンスター相手に一歩も引くこともない人達。



私は言葉もなかった。





これが・・・カズキさんの仲間・・・?




シュリー教授

「さて・・・と」


ミニア ネーネ

「「・・・?」」




私達は両手を差し出された。



シュリー教授

「行きたいでしょ? 後二人の所」



ミニア ネーネ

「「・・・・・・はいっ!!」」




その手をネーネと一緒に取り私達は前へと向かった。


体中が痛みを訴えているがそんな事は関係なかった。



私達は、ダツとケイトを助けに行かなきゃ。



でも、もうきっと大丈夫だと安心している自分がいた。


最初ネーネが指差した時に起きたあれはきっと・・・。










【ブレレント博物館 式典ホール】



コートス

(まさか・・・僕の用意した召喚ジェムが全て破壊された? だがあの煌煌ノ騎士が来てから数分も経っていないのに誰が・・・まさか他にも来ている!?)



コートスは冷静に事態を分析していた。


目の前にはあのナイクネスの煌煌ノ騎士、それがあの二人の子供を助けデーモンを一撃で倒した。


さらに檀上の防壁も意図も容易く破壊したところを見ると何度張っても意味は無い。



状況は劣勢・・・いや、絶望的と言っていい。



ここから形勢逆転を思考するが、そんなものあるはずがなかった。



あの煌煌ノ騎士一人でも無理のある問題なのに、その後ろには恐らく更なる者『黒紅の天才』が控えている。




この建物に来ている、あの世界の復興を掲げるサンリーの人間達。




その戦闘部隊、そしてその中の精鋭にして中心核『ヴェアリアス』が。




コートス

「・・・・・・」



コートスは目を瞑った。


そして・・・一つを決意し動いた。



サナミ団長

「っ! やめなさい! これ以上!!」



サナミの弾丸が放たれる。

威嚇射撃、それは読み通りだ。



コートスは向かった、敵にでは無く味方に。


ドーンツのもとへ。




コートス

「くっ・・・これで!!」


サナミ団長

「っ!!」



ピュリファーリングを持ちロエに手を伸ばす・・・。




ドーンツ

「っっ!!!!」




近付くコートスを殴り飛ばした。


その突然の光景にみな驚き静寂した。




カランッカランッ・・・。




コートスが手に持っていた物がドーンツの足元に落ちた・・・。








大男が眼鏡の人を吹き飛ばした。


まるであの人質に近づかせないようにしたかのように。


実際それが正解なのかもしれない。



眼鏡の人は何かをやろうとした、そしてそれを大男が止めた・・・?




サナミ団長

「さぁ! これで本当に終わりです、あなたの行為は全てグレイブ国へ報告します、命までは取りません降参して、人質をこちらに引き渡して」



ドーンツ

「・・・・・・ふふふ」



警護団体の大男が笑った。


不気味に、こんな大逆転を受けて気が動転してしまったのか・・・。


大男は笑いながらも足元に落ちていた何かを拾い上げた。




ドーンツ

「ふははははははっははははは!!!ああぁああああっははははっはは」




高笑いだ。


一人檀上で、こちらへ向け高笑いをしている。


そして懐から何かの機械・・・装置を取り出した。



コートス

「まさか・・・!!! やめろドーンツさん!!! あなたいつの間に!!」




眼鏡の男の様子が一変した。


一体何が・・・。




コートス

「それはあなたが使える代物じゃ!!!」


ドーンツ

「黙れぇええええ!!! 誰が決めたぁあああ!!!? 俺が弱いって・・・誰が決めたんだよおぉおぉ!!!!」




大男は右手を掲げた、その手には何かの装置が握られていた。


更に左手を掲げ、その手には・・・さっき拾った物。


正確には眼鏡の男が衝突した時に落とした物。




この展示式典で発表された『ピュリファーリング』!?




ドーンツ

「これでもう・・・だれも・・・!!!!!」






シュリー教授

「サナミ!!」


サナミ団長

「シュリー!? ・・・っ!!!」




ドーンツ

「誰も指図させてたまるがぁあああああああああああ!!!!!」






キィィィイイィイイイイイイイイイィィイィイイイインッッ!!!






ケイト

「うっ・・・!!」


ダツ

「何だっ!!!?」




檀上から一瞬光り輝く、目を伏せた。


そして・・・僕は、驚きを隠せないでいた・・・。



シャヌア

「若っ!!!!」





大男を中心に真素の波が目で見えるほどに集まっていく。

そして真素の波が人質を宙へ浮かせた。



どす黒い、あまりにもどす黒い真素が次々と大男の中へと入っていく。





ネーネ

「ケイト!」


ミニア

「ダツ!!」



ケイト

「っ!? ネーネ!」


ダツ

「ミニアも・・・! 無事だったのか!?」



二人が僕等のものとに駆け寄ってくる。


お互いの安否に僕等はホッとした。



シュリー教授

「止められなかった・・・」


サナミ団長

「もしかして・・・あれが光輪計画の?」


シュリー教授

「えぇ、根幹を担う物、ギフトを人間の体内に押し込み暴走させる、そして・・・」




ドーンツ

「おぉぉおおおおおおあぁああああああああああああああ!!!!」





苦しんでる・・・?


大男の雄叫びが響く、真素に取り囲われただただ声を上げていた。


苦しんでなんかいない・・・あれは・・・。




ドーンツ

「これだぁああああああああ!!!!この力があればぁああああああ!!!」




ブチャァア・・・グチュァア・・・ガュゥア・・・。




肉体が・・・吹き飛んだ。


骨は砕け、歯は抜け落ち、目玉は潰され、指先までもどす黒い真素に覆われていく。



そして・・・形をさらに、形成していく・・・。


宙に浮いた人質の人も呑み込み、形作って言った。





ケイト

「化け・・・物・・・あれじゃあ・・・ただの、モンスターじゃないか」



シャヌア

「若ぁぁああああああ!!!!!」



ドーンツ

「ウオォォオォオオオオオオオオ!!!!!!」





巨大なモンスター。


形成された新たな肉体。


あれは・・・人間なの・・・!?



さっきまでの人とは見る影もない・・・大型モンスター。




ドーンツ

「テェメェエラァアアー・・・ブッコロシテヤルゥゥー!!!!」




両手は鞭のような形をしていた。


口は鳥のような口ばし、全身鱗だらけ。



鹿のような角に、そして翼が広げられさらに異質な形を物語っていた。





シュリー教授

「行くわよサナミ」


サナミ団長

「・・・うん」


シャヌア

「待て!!」




変わり果てたモンスターへ向かおうとする二人を止めた。


両手を広げ二人の進行を止め訴えた。




シャヌア

「見てなかったのか!? あれには若が・・・人質がいるんだぞ!!」


シュリー教授

「悪いけど、そんなこと言ってる場合じゃないわ」


シャヌア

「なんだと・・・!」


シュリー教授

「あんなのが野に放たれたらどうなるくらい、あんたならわかるんじゃないの?」





教授さんの言葉にお姉さんは黙りこんでしまった。


人質・・・きっとあのお姉さんにとって・・・。




ネーネ

「どうにかならなんいんですか!!?」


シャヌア

「っ!?」




ネーネが一人、教授さんと団長さんの所へ向かい必至に二人を説得した。


どうにかならないのか。


方法はないのか。



二人なら、何とか出来ないのか、と。




サナミ団長

「・・・・・・」


シュリー教授

「ほぼ無理よ、あれだけ暴走しきった物を止めることなんて不可能よ・・・あるとしたら・・・」


ミニア

「あるんですか・・・!?」


シュリー教授

「あの男を説得して動きを止めるくらいよ、最もその人質を戻るかどうかは別の話だけど・・・」




それはあまりに絶望的だ。


もはやあの人の敵意を消すことなんて出来ない。


それどころか、あの体内にあるであろう人質を取り戻す方法に繋がらないなら何の意味もない。




サナミ団長

「最悪・・・もう・・・」


シャヌア

「・・・そん・・な・・・ここまで・・きて」



お姉さんがその場で膝を付いてしまった。


僕達は掛ける言葉も思い付かなかった。



教授さんと団長さん二人がこう言っているんだ。



もう方法はないと。




ミニア

「・・・・・・」




みな沈黙した。


ふと教授さん団長さんの二人の顔を伺った。


あの顔を僕は知っていた。



本当なら助けてあげたい・・・けど、どうにもならない。



辛いけど、前を向かなくてはもっともっと辛い思いをする。

それを承知で、あの二人は・・・あの二人は言い聞かせたんだ。


このお姉さんにも、自分達にも・・・。



僕達も・・・そう、思うしか。




ミニア

「っ!!!」


ダツ

「おい! どうしたんだよ!!」


ミニア

「先生!! 先生にどうにか出来ないか聞いてくる!!!」


ケイト

「先生・・・ってまさか。 っ!」




僕達はミニアを追い走った。


二人を置いて式典ホールを飛び出した。



先生・・・リュゼル先生のもとに僕達は走った。








シュリー

「行っちゃったか・・・先生ねぇ、どうする?」


サナミ

「どうするも何も・・・」




子供達はホールを出ていった。


後先考えずに飛び出す癖は相変わらず治っていないみたい。


それに少し笑みを浮かべてしまった。



なるほど、カズキさんが言っていた事が少しわかった。


あの子達から教わることは多い・・・思い出させることは多いのだと。




サナミ

「・・・わかった、助けよう」


シャヌア

「え?」


サナミ

「諦めちゃ・・・駄目、だもんね」


シャヌア

「・・・・・・はい」




私が差し出した手を取る。


そして再び今も力を蓄えている化け物を見る。




シャヌア

「説得・・・なんて無理ですね、あのドーンツという男が改心するとは思えない」


シュリー

「はぁ・・・まぁ遅れてきた私達にも非があるってことで、今日は多めにみるわよ」


サナミ

「いつも多めに見てくれてありがとう」




そんな冗談を言っていられるのもここまでだ。


武器を握る力を強める。


ゆっくりと息を吸う・・・そして見開く・・・!




サナミ

「っ!!!」


ドーンツ

「ザコガァシネェエー!!」




翼から光弾。


接近を一度やめて横に逃げる。




サナミ

「追尾・・・!?」




私が逃げた場所で光弾が曲がりくねって襲いかかってくる。


剣を床に刺し急停止させ迎え撃つ。



両手の剣を降り続けた。


一発一発丁寧に弾き壊す、威力はそこまで高いように感じない。

だけど、あまりにも怪し過ぎる。


光弾の色は禍々しく強くこれは普通の真素の攻撃弾では無いと主張する。




サナミ

(一発でも当たれば・・・ヤバい)




ドーンツ

「フハハハハハハ!! ガンバッテフセイデミロォオオ!!」





ゴォオオアオシュュウーーンッ!!!!





一筋の光がドーンツという化け物にぶつかった。




ドーンツ

「アァァン?」



シュリー

「なるほど、あの鱗そこらの鱗とは別ってわけね、簡単にやらせてはくれないみたいね」



ドーンツ

「テメェエエエエモウゼゼエエエエエ!!!」




シュリーに光弾の気道が変わった。


すぐにその気道を確認する、シュリーは無事攻撃を避けきっていた。


シュリーは弾丸を複数周囲に発生させ相殺していた。



サナミ

「なら・・・今なら!」



シュリーの弾丸が一切効かなかった鱗。



ガキィィインッ!!!



やはり固い。

武器からの衝撃でわかる固さだ、ただ力だけで振るった攻撃じゃあビクともしない。



サナミ

「っ!?」



ドーンツの右手が振り下ろされる。


ビターンッと音を立て地面をえぐり取っていた、当然と言ったら当然か。

あれには当たれない。


だけど、今はまだ何とか攻撃を避けきれる。

どれだけ強くなろうと相手は恐らくまだ力に慣れ切れていない。


あの子達が到着するまでの時間はきっと稼げる。




サナミ

「・・・まだ行ける!」



そう意気込んだ瞬間・・・だった。


身体急に重くなった。




シュリー

「何・・これ・・・!?」


サナミ

「シュリーも・・・!?」




なんだ!?


攻撃を食らったわけはない、一体何が起きてる。


力は入る。


けど重い・・・自分の中の何かが抜けているような感覚に襲われる。


空気が抜けているように・・・これは・・・!?




シャヌア

「まさかこれ・・・ピュリファーリングの力!?」



ドーンツ

「ゴメイサツゥウウ!!! テメェエエラノマソヲヌカセテモラッテルンダヨォオー」




真素が・・・抜かされてる・・・!?


この違和感原因!?




シュリー

「なるほど、ピュリファーリングは瘴気などの力を浄化する力、だけどそれは本来の力の一端でしかなかった・・・本当の力は『真素の無力化』」



ドーンツ

「ソウユウコトダァアアアアアアアー!!!」




ボォオォォオオンッ!!!




サナミ

「シュリー!!!」



シュリーがいた場所にドーンツの腕が叩き付けられた。

そう簡単にシュリーがやられるとは思えない。

けど今のシュリーは真素を減らされてる・・・。



シュリー

「そう簡単に、私の真素が全部抜けると思わないことね」


ドーンツ

「ヘッ!!オモシレェエージャネェエーカ!!!」



盤面は一気に動いた。


一気にドーンツとの距離を詰める。




サナミ

「っ!!!」




何度も攻撃を繰り返すが決定打に至らない。


しかもやっぱり近付けば近付くほどに真素が抜かれる感覚強くなる。


接近戦は難しいか。



一度距離を取りシュリーの隣へと移動する。




シュリー

「結構持ってかれた?」


サナミ

「うん、ちょっと無駄に近付きたくないのが感想」




ドーンツ

「オラァアアアアアアアア!!!!」




私達へ向け腕が伸びてきた。


縮小も出来るなら・・・。




シュリー

「っ!!」


サナミ

「増殖もっ!!」




手から触手が何本も生え襲ってくる。


だが、それはもう予想通り、すぐに全て撃ち落とした。



本体にも何発も攻撃を入れようにも効果が見受けられない。


さっきからシュリーがあらゆる弾丸を撃ち込んでいるが効果がない。

だとすると私の遠距離攻撃の弾丸が届くとも思えない。



私はすぐさまシュリーの防衛とかく乱に移行した。



相手の目をくらませ、こちらに攻撃を仕掛けさせる。


その間にシュリーが攻撃し有効だ、もしくは何かが分かればいいけど。




ガァァアアアァァンッ!!!




ドーンツ

「ゴォォ!!? コンノォォオォオオ!!!」



ドーンツがよろめいた・・・?



その事に激怒したのか急に暴れまわる。




サナミ

「何か見つけたの?」


シュリー

「そうね、弱点・・・と言っていいのかわからないけど、恐らくそれが"倒す"手段ね」




シュリーにしては珍しく不確かな物言いだったことに疑問を感じた。


改めて今の攻撃を思い出す。


シュリーの弾丸が壁に跳弾させて当てた攻撃。


不意打ちのよな物、だけどそれは私も確認したけど駄目だった、あれは任意で強度を強くしてる物では当然無く、常に存在する物だった。



考えられる事は命中した場所・・・うなじ。




サナミ

「まさかシュリー・・・」


シュリー

「えぇ、わざと当てたわようなじに・・・人質が最後に吸収されたであろう場所に」


シャヌア

「あんた!!」




やっぱりそうだった。


あそこはドーンツという男が変化した時に人質が元々居た場所。


もしも時はそこを引き裂いて救出できるかもとは思っていた最初は。

けれど、あそこまで一気に近付いて真素のコントロールをする勇気が私にはなかった。


全力でやれば恐らく人質ごと破壊しかねない。




シャヌア

「助けるって煌煌ノ騎士様が言ってくれたのに!!!」


シュリー

「大丈夫よ威力も抑えたしあんな弾で倒れてたらこんな苦労はしないわよ、あとあんたもう助けれそうに無いからちょっと隠れてなさいよ」


シャヌア

「なっ・・くっ・・・」




シュリーの言葉は厳しいが正しい。


あのシャヌアさんって人が今まで生きてるのはシュリーが攻撃から守っていたからでもある。


だが、もう今は時間も経過してる、どれだけ私達の真素が抜かれているかなんてわからない。


いつ私達が手違いを起こすかなんて時間の問題にもなってくる。




シュリー

「別にぶるぶる震えて隠れてろなんて言ってないわ・・・ちゃんと見て、いざとなったらあんたがやるのよ」


シャヌア

「私が?・・・まさか!」


シュリー

「そう、あんたが選びなさい。私達を殺すか、愛しの人を殺すか」


シャヌア

「・・・あんた・・ううん、あなたまさか教授先生?」


シュリー

「今頃気が付くなんて、恋話仲間としては悲しいわね」





こんな状況でも笑っていられるのは流石シュリーと言ったところ。


ちょっとその恋話が気になるところではあるけど。




シャヌア

「わかりました・・・あなたを、信じます・・・それとすみませんでした」


シュリー

「いいのよ・・・勘違いされるのは慣れてるわ」




シャヌアさんが身を引き何処かへ見えない場所に身を隠し消えた。




サナミ

「後で聞かせてよね、ずるい」


シュリー

「ふふふ・・・嫌よ」











【ブレレント博物館 大広間】



私達はここへ戻ってきた。


そこはさっきまでの地獄とは一切違う。


だけれど安静が出来る状況ではなかった。



救出に来たカズキさんの仲間はみな負傷者の手当てに尽力していた。



それを見て察した、ここは入ったが最後で出ることが出来ないのだと。


入ることもただでさえ容易じゃない、あの竜がいたから・・・ってあれ?




ミニア

「ってあれ? さっきのあの大きい竜は?」



辺りを見渡してもいなかった。

あんな巨体を隠すなんて・・・。




レイドラ

「呼んだかな? 後輩達よ」


ダツ

「どわぁ!!? 頭に何かぁああー!!??」




ダツを抑え込み黙らせた。


私達は今目の前の小さい子竜に目が行ってしまった。


この小さい子が・・・あの大きな綺麗な竜!?




レイドラ

「うむ! マイロードの新たな教え子ということは我の後輩に当たる君達に教えてあげよう!! 我の名は、レイドラ偉大なr」


ニーネ

「どうしたの君達?」




眼鏡のお姉さんが私達に声掛けてくれて、はっ、となった。


私達は竜さんに挨拶しに来たんじゃなかったんだ。


すぐさま人が集まっている場所へ走った。




辺りを見渡す。


見渡せば見渡すほどに酷い光景ではあった。

でも、違う。


これは奇跡のような物だ、この光景は奇跡なんだ。



本当ならこれを見ることさえ・・・。




ケイト

「いたっ! リュゼル先生!!!」




ケイトが先生を見つけすぐに向かったそれを追うように私達も一緒に向かった。



先生は横になっていた、私達が託した卵を大事に抱えて。

だけど先生の服は左肩が破けてしまいそこから包帯が捲かれた姿だった。




リュゼル

「君達・・・、そうか・・・無事でよかった」


ケイト

「先生こそ、ご無事で何よりです」


ネーネ

「でも、ごめんなさい先生!! 力を貸してください!!」





負傷して横になっている先生はすぐに表情を変え私達の言葉に耳を傾けてくれた。


私達は落ち着いて一つずつ自分達が見てきた物を説明した。



まず大男が何かの装置を使って真素を大量に集めた。


集めた真素を使って恐らくピュリファーリングと自分を一つにし化け物の姿へと変貌させた。


そしてその変貌の過程で人質を吸収、一つになった。




私達はその人質をどうにかして救出したいんだと、その為には一体どうすればいいのかと。




リュゼル

「ピュリファーリング・・・ギフトと人の一体化・・・人質・・・」


ミニア

「何でもいいんです! 無理難題でもなんでも・・・教えてください!」





私達は膝を付き寝ている先生に頭を下げる。


私達には先生に頼る以外には、もう何も・・・。






リュゼル

「方法は・・・ない・・・」


ミニア

「そん・・・な・・・」




愕然とした。


やっぱり・・・もう助けることは出来ない・・・。








リュゼル

「だが・・・可能性はある・・・」





え・・・?





リュゼル

「これを使えば・・・な」





先生は私達へと見せた。


元々持っていた物。




それは・・・私達が先生に託しお願いした物。




そう・・・"卵"だ。


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