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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
35/70

第35話 Believe in one step


人食い事件の黒幕は長年ルシュカに仕えていたメージャだった。


犯行の動機は、仕えているルシュカにあった。



嫉妬、束縛、独占欲。



ルシュカに抱いていた物だ大き過ぎた。


やがてその想いは破裂してしまった。



そして今目の前にはその破裂した感情が具現化して人間の姿を留めていた無かった。





【鍛冶加工町ゾーゼス 国兵館】




それは一瞬の出来事だった。


私とシュリーを握り拘束していた腕が粉々に弾き飛んだ。


腕を切った。



同時に握られていた手が爆音と共に私達を解放したのだ。




メージャ

「ぁあああ!!?!?!? 姫!!!?様!!!あぁああああ!!?!?!?」



サナミ

「っ・・・!?」



私とシュリーの前には綺麗な橙色の太刀を持ったルシュカの姿があった。


凛とした佇まい。


堂々とした太刀筋。


私が一番最初に出会った時のような強さ・・・いやそれ以上の物をルシュカから感じる。



ルシュカ

「すまない、二人とも・・・後は任せてくれ」


シュリー

「そう・・・はぁー・・・ならちょっとだけ一休みさせてもらうわ」


サナミ

「ルシュカ・・・」


ルシュカ

「本当に・・・何から何まで礼ばかりだな、後でゆっくりと感謝をさせてくれ・・・」



優しい笑顔から強い力の瞳を正面へ向けた。


今のルシュカを信じないわけもなかった。


シュリーと一緒に部屋の隅へと非難する。









背中で二人が引いたことを確認できた。


この太刀を手にしてから傷という傷が全て治り、左腕も気持ちが悪いくらいに好調だった。



そして何より私の中から泉のように何かが湧き出ている。



真素、闘志、高揚感。



全て、いやそれだけじゃない。



何か自分の中の不要な物が抜け落ち新たな物を吸収しているかのような気分だ。



その感覚に笑みすら浮かべる。



こんな状況なのにも関わらず。




メージャ

「美しいぃい・・!!! 更に美しくぅうううううう!!!!!」


ルシュカ

「終わりだメージャ・・・言葉が通じればいいのだが」




新たな太刀をメージャだった物、化け物へと向ける。


化け物よりも今伸ばしている太刀に目線が行くほどに、この太刀に惚れてしまった。



メージャ

「食らう!!! 食らって!!! その美貌を!!!美しさおぉおおお!!!」



同時に腕が伸びる。


太刀を振り被り防ごうとするも。



メージャ

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



まるで紙を切るかのように襲ってきた腕が両断された。



ルシュカ

「これほどとはな・・・ならば・・・」



太刀を強く握りしめ一気に踏み込む。



ルシュカ

「奥義 剛爆術技!!」



術技を巨体に一度撃ち込んだ。




ドォオォオオオオオオオオオオォオォオンンッッッ!!!!!!!




今まで聞いたことのないような爆音が響いた。


そして同時に斬撃を与えた場所が爆発し巨体のえぐり飛ばした。



メージャ

「あぁああああああ!!!!!!!ぁああああぁああああ!!!」



巨大な化け物の悲鳴が館内に響く。


効果が絶大過ぎる。


一体この太刀はなんだ・・・これが・・・過去を振りほどいた、誰かから与えられた力。









サナミ

「あれは・・・」


シュリー

「そうね、間違いなくミツバ大大大先生でしょうね」



遠目から見てもわかる強さ。


この強さは自分にも経験がある。


初めてミツバさんからもらった武器を手に持った時と同じだ。



サナミ

「ルシュカ!! 気を付けて! その武器!ミツバさんからの奴!あなたが思った以上の力を出すからーー!!頑張ってぇー!」



両手を口に当て大声で伝えた。




ルシュカ

「そうか・・・ミツバ殿、あの剣か」




カズキ君が持っていたあの剣か。


まさかここまであの剣・・・ミツバ殿に助けられてばかりだとは思わなかった。


ただの剣では無いとは思っていたが、みながミツバという名を称え大切にしていた理由が本当にわかった。



メージャ

「うあわぁああああ!!!あぁああああああああああああ!!」



悲鳴が終われば次は雄叫びか。


だがこの雄叫びで生み出されたモンスター達が起き上がった。


ただの死骸かと思っていたが奴の叫びに反応したのか。



ルシュカ

「っ・・・」



改めて新太刀を構える。


重いはずなのに軽さを感じる心地よさ。


これを振るうのが楽しくなってしまうほどだ。



そんな事を考えているとモンスター達が一気に襲いかかってくる。



ルシュカ

「奥義 円爆術技・・・」



ヒュゥゥゥーーーーーン・・・!



私はその場で回転した。


太刀に開いている穴が空気を切る際に音鳴らした。


そして・・・術技が発動する。



ドゴォオォオン!!!!ドゴォオォオン!!!!ドゴォオォオン!!!!ドゴォオォオン!!!!ドゴォオォオン!!!!・・・。



襲いかかるモンスター達が次々と爆発していく。


今までの爆発ではない、綺麗な橙色をした爆発がモンスター達全員を撃退させた。





ドゴォオォオン!!!!ドゴォオォオン!!!!



サナミ

「うえっ!!?」


シュリー

「ちょっ!! 危ないでしょうが!!!」



爆発がここまで飛んできた。


やっぱりまだ制御が出来てないみたい。


でも次々とルシュカは新しい太刀を振るいモンスターを撃退していった。



太刀を振るう度に特殊空気を切る音を響かせ、そして爆発させる。


それ次々と繰り返して生み出したモンスターを全て倒していた。



サナミ

「なんか・・・花火見に来てるみたいだね」


シュリー

「そう? 私には楽しくてしょうがない爆竹が暴れ回ってるようにしか見えないけど・・・」



そんな毒を吐くシュリーも楽しそうに笑みを浮かべルシュカの剣技を見ていた。



私も彼女の剣技に見とれてしまう、もしかしたらまた離されたかもなんて思いながら彼女の戦いを見守る。




メージャ

「あぁあああ!!!食べる!!!食べる!!!! 絶対に食べる!!!!!!!」



次々と伸びる手を切り捨てる。


同時に切り捨てた箇所から本体へ無数の爆発を起こしていた。


襲いかかる手の指を切るだけで腕は破裂していき、根こそぎ爆発破裂させていった。





ヒュゥーーンッ・・・!  ドゴォオォオォオンッ!!!




メージャ

「あぁあああああああぁあああああああ!!!」




巨体の顔は先ほどからずっと悲鳴を上げていた。


恐らく、ルシュカにはもう勝てない。



だけど・・・。



ルシュカ

「ちっ・・・」



決定打に欠けていた。


負けることはない、だが勝つことが出来ない。


次々と手は伸び本体も修復再生される。



私達二人・・・どちらかが手助けできればまだ可能性はあった。



メージャ

「負けない!!!勝てない!!! 食べる!!!!」


ルシュカ

「くっ・・・!」



巨大化が更に始まった。


このまま行くと館が崩れる。



最悪この街にも大きな被害が出てしまう。



今のこの場で決めないと・・・!






サナミ

「シュリー・・・」


シュリー

「わかってる・・・休憩は終わりってこと・・・でしょ」



お互いもうボロボロだ。



昨日からの一睡だけで好調というのは嘘になる。



だけど今ここで立ち上がらないと・・・今ここで・・・あれを止めないと・・・。




サナミ

「カズキさんが・・・」


シュリー

「カズキが・・・」

















カズキ

「呼んだか・・・?」



立ち上がった二人の間に立つ。


そして両手で肩に触れ下がらせた。



ルシュカ

「・・・っ!?」



妖爆も驚いたのかこちら向いた。



ゴドフ

「おい・・・なんだよありゃ・・・まさかレイナ」



ゴドフのおっさんの肩を借りてここまで連れてきたのは失敗だったのか。


まさか自分の奥さんの変わり果てた姿を見せられる羽目になるなんて想像なんて出来なかっただろうに。



サナミ

「あれは・・・レイナさんを手に掛けた犯人の熟れの果てです」


ゴドフ

「犯人・・・だと?」



サナミさんが本当に簡単に説明してくれた。

だがおっさんは、その化け物から目を離せないでいた。



カズキ

「おっさん・・・」


ゴドフ

「あぁ・・・」



目を閉じてもう一度現実を直視した。


拳を震わせ俺に言葉を掛けた。



ゴドフ

「終わらせてくれ・・・頼む」


カズキ

「わかった、任された」



ミツバを片手に前へと歩く。


そして。



ルシュカ

「もう・・・その・・・」


カズキ

「よくわからんが、二人を守ってくれてありがとう」



それだけ伝えた。


妖爆にはそれで充分に伝わったのか下を向いていた顔が上を向き眼前の化け物へと強い瞳を向けた。



これならやれる・・・必ず。



カズキ

「この建物壊れると思うが・・・いいか?」


ルシュカ

「あぁ問題ない、人質は他の場所だ」



人質か・・・。


一体何があったのかしっかりと聞く必要があるなこれは。



カズキ

「俺は病み上がりだからお前の補助だ、とんでもない力になるから気を引き締めろよ」


ルシュカ

「ふっ・・・いいだろう、望むところだ」



良い顔で笑いやがる。



メージャ

「あぁあああああ!!!食う!!食う!!!全てを!!!!」



こんな汚いボスには退場してもらう。



カズキ

「行くぞ、リサイクチャージライド ゲーティングロードスタンバイ!」


ルシュカ

「っ・・・」



引き金を引く。



カズキ

「フルディスチャージ!」



術技がミツバから放たれる。


増強門の術技が3つ、激しく光り輝き大きく広がった。



カズキ

「行け!」


ルシュカ

「秘奥義!!」






カズキ君の掛声と共に出現した門を潜り抜けていく。


一つ目の門を潜った瞬間、頭がおかしくなりそうな程の酔いに襲われる。



これは真素の活性化か。



二つ目の門を潜る。



自分の体内の真素が今にでも飛び出そうと全身で暴れているのがわかる。



そして三つ目。



ルシュカ

「んっ!!」



口の中に血の味が広がる。


まさかここまでとは・・・だが。



この力をぶつける。



勢いは止まらない。



目の前のメージャ・・・目掛けて。



一瞬目を瞑った。



まるで今までのメージャとの思い出を振り返るかのように。



そして目を見開く。



もうメージャは死んだ。



今ここにいるのは・・・ただの敵!!




ルシュカ

「術技・・・永爆ぅうう!!!!」





ヒュゥーーンッ・・・。





新太刀が触れた瞬間光りに満ちた。




その私は恐らく彼に庇われたのだろう。




覚えているのは最初で最後の鼓膜が破れるほどの爆発音が鳴り響き続けたいたこと。



ただそれだけだった。





---------------------------------------------------------------------------




【国兵館 跡地】



俺は妖爆・・・ルシュカを庇い館を出た。


ルシュカは一気に真素を吐き出したから気絶していた。


あまりの爆音で鼓膜が破れて数秒会話が出来なかった。


回復術技で鼓膜は治った物の数分キーーーン音が止まらなかった。



それから俺はシュリーとサナミさんに説明を受けた。



どうやら、俺は気を失い奴隷市場の国兵達に殺されそうになっていた所をミツバが呼び出したシュリー、レイドラ、サナミさんに救われたらしい。



それから目を覚ます間に多くの事があった。



裏で手を引いていたのはハイトスであり、シェインとヌーターとも出会ったようだ。


そして今後ミツバが狙われるかも知れないと教えてくれた。



カズキ

「そうか・・・ありが、おわっ!!」


シュリー

「この馬鹿ぁ!!」


サナミ

「もぉおおう!!!」


レイドラ

「マイロードォォォオオオオオオー!!」



レイドラは俺が起きた時からずっと泣いてるだろうに。


他の二人も抱き付いて全く離れない。


ゴドフのおっさんも見てるだろうに・・・。



カズキ

「はぁ・・・」



心配をさせた・・・。



のは間違いない。



けどおかげで全て上手くいった。



そう、三人・・・ミツバを含めて四人のおかげで・・・。




ルシュカ

「んっ・・・ぅう・・・うぇっ!!」




目覚めたと思ったらその場でゲロ吐きやがった・・・5人目・・・と言ったところか。



なんだろうか。



気の良い話だが・・・今は何もかも忘れて、解決の喜びと。


今いるみんなが無事であったことに安堵しよう。




迷惑を掛けたと後悔、反省するのは・・・その後だ。









そして俺はゲロ吐き終わったルシュカに連れられある地下室へと向かった。



ドスッ!

ドスッ!

ドスッ!



カズキ

「うぅえ・・・俺がゲロ吐く」


ルシュカ

「忘れろ」


シュリー

「死ねばいいのに」


サナミ

「流石に無い」



なんでこの女共はこんなにも血気盛んなんだ・・・!


そんなことを考えていたら目的地に到着したのか、ルシュカは固く閉ざされた扉を鍵を指し開けた。



ルシュカ

「少し待っていろ」



一人中に入る。


その瞬間中で歓声の声が聞こえた。


声に聞き覚えがあるような気がした。


中から出てきたのは・・・あの時の男だ。



トゥトゥー

「おぉーあの時の・・・三刃・・・いや、デッドアイと呼んだ方がいいかな?」


カズキ

「やっぱり・・・あの時の」



ある意味一度死んだ瞬間の執事風の男。


こんなのに合わせる為にここまできたのか。



トゥトゥー

「ほほほっ・・・冗談ですよ」


ルシュカ

「早く退けトゥトゥー!!」


トゥトゥー

「おぉ・・・これは失礼しました。



男が扉から退き道を作る。



暗闇の奥からルシュカと・・・もう一人の・・・女の子。



カズキ

「っ・・・!」


「っ!」



目が合った。



何も出来なかった・・・あの時みたいに。



そして俺に歩み寄ってきた。



服も髪も肌の汚れも全て綺麗になっていてもわかった。


あの時の子だと。



カズキ

「ぁあ・・・ぅう・・・」



涙が溢れる。


その瞬間少女に涙を拭われた。


小さな両手で俺の顔に触れ懸命に拭う。



「あ・・・い」


カズキ

「っ?」



何か言ったのか?




「あおう・・・あい、あおう・・・」




ありが、とう・・・。




カズキ

「・・・ううん、ごめんな。怖い思いさせて、ごめん」


「っ! っ! あいあ、おう・・・!」





首を横に振るってまたありがとうと笑みを浮かげて言ってくれた。



その笑顔を見た瞬間。



それ以上俺は何も出来なかった・・・何も言えなかった。







----------------------------------------------------------------------------



【鍛冶屋レイナ】



ゴドフ

「だからって! ここは宿屋じゃねーんだぞ!!」



国兵館は潰れてしまいルシュカとトゥトゥー、そしてあの女の子がおっさんの店に押し掛けていた。



カズキ

「いいじゃね、賑やかだし」


ゴドフ

「そうゆう問題じゃねーだろが!」


トゥトゥー

「ほほほほっ、では僭越ながらわたくし目、執事トゥトゥーが皆様へ素晴らしい感動話を致すとしましょう! あれはそう10歳になるルシュカ様の・・・」


ルシュカ

「ふざけるなぁああああー!!!」




あはははははははははははははっ!!!!1




何やらジャパニアの漫才でも披露してくれてるみたいだな。


あの子も笑ってる。


内容がわからなくてもその場の雰囲気で笑ってるのだろう。



カズキ

「あ・・・そういえば、その子の名前・・・」



「「「「「あ・・・」」」」」



「・・・?」



笑みを浮かべながら首を傾げた。


そこからはありとあらゆる思考錯誤に走った。



シュリー

「んんんんんんーーー!! 心理学は専門外だからパーース!」


サナミ

「ちょっとシュリー!!」


ルシュカ

「とは言っても喋れないし字も書けない、言葉も理解出来てるとは思えないし一体どうすれば・・・」



みながみな頭を悩ませている中、俺は一枚の紙に書き込んでいた。



カズキ

「よし、出来た」



一枚の紙を少女の前に出す。


その紙には五十音が全て書かれた画期的アイテムだ。


途中から術技で作ればよかった思ったが気にしない!



カズキ

「よしいいか、今から、君の、名前を聞く、な・ま・え」


「あ・あ・え?」



よし、多分大丈夫だろう。


まずはこのやり方を覚えてもらう。


か、の所に右指を置き、首を縦に振るう。


そして次に、ず、の所に右指を置き、首を縦に振るう。


次に、く、の所に右指を置き、首を横に振るう。


最後に、きの所に右指を置き、首を縦に振るう。



これで完璧だ。



シュリー

「何やってんのあんた」


サナミ

「しぃいいーーー!! 頑張ってるだから言わないで上げて!」


ルシュカ

「何をしているのかと思えばそんな物を作っていたのか」



こいつらみたいなまともな案を出さない奴らは嫌いだ。


そんな奴らを放っておいて早速やろうとした時。



レイドラ

「ん?マイロード・・・その子の名前知りたいの?」


カズキ

「そうだよぉお、ちょっと邪魔しないでくれるか! 今から大変なんだ・・・」



ペタッ・・・。



レイドラ

「我の名は、レイドラ、偉大なる神竜にして虚空を統べる二代目

マイロードカズキに付き従う最高最強になるの虚空竜だよ、君は?」



レイドラは空中に浮き少女のおでこに触れ語り掛ける。


まさか・・・わかるのか?



レイドラ

「そっか・・・わかったみんなに伝えてみる・・・ぐぇ!!」


ルシュカ

「わかったのかレイドラ殿! この子の名前が!!」


レイドラ

「ぐぅぅううぅうううぐるじいぃぃい」


ルシュカ

「グルジィ? それがこの子の名前か!」



こいつはこんなにも馬鹿なのか。


さてはこの子の世話をしてる内に母性が芽生えたか?


すぐにサナミさんが止めに入った。


俺も止めに入ればよかったが少し間抜けな光景を楽しんでしまっていた。



ガンッ!!



カズキ

「ごはぁあ!!」


ゴドフ

「商品を投げるなぁあ!!」




シュリー

「で、名前・・・わかったの?」



一番に聞いたのは意外にもシュリーだった。


なんだかんだで気になるのか。


こいつも・・・。



シュリー

「黙ってなさい」


カズキ

「・・・はい」




そしてレイドラの言葉にみな耳を傾けた。




レイドラ

「わからない」



ルシュカ

「っ!!!!」




レイドラを持ち上げるルシュカ。


全員で止めに入る。



レイドラ

「わからないって!言ってたの!!!」


ルシュカ

「・・・っ! そうか」



レイドラを降ろすルシュカ。


となるとやっぱり余計に大変になった。


名前が無いと今後の事を考えると大変になるし。



レイドラ

「あ、後ね。名前ならみんなに決めてほしいんだって」


カズキ

「は・・・?」


「っ・・・!」



少女が首を縦に振るった。


本当に決めてほしいらしいな。

だとしたら余計に困る。



カズキ

「んーー・・・」



みな頭を悩ませていた。


そんな中俺はルシュカを見る。


今後の事も考えると多分・・・。



カズキ

「あんたが決めなよ・・・ルシュカ」


ルシュカ

「なっ! 何故・・・私か・・・」



みんなも納得したのかルシュカに任せることにした。


少女もルシュカの下へ行き期待の眼差しを向けていた。



眉間にシワを寄せ考えてる。



カズキ

(人選・・・間違えたか・・・?)






それからルシュカは考えると言って今夜の命名は次回へと繰り越された。






---------------------------------------------------------------------------




そして俺達は数日この町で過ごした。


どうやらユミィの計らいによりゾーゼスの復興支援という形でサンリーの人員を派遣した。


第5騎士団の面々やヴェアリアスのみんなもゾーゼスに足を運んでいた。



それからの復興はあっという間だった。



ジャパニア国兵の大半が亡くなってしまったがルシュカが本国から救援を早急に呼んだりと大慌てだったがなんとか今まで通りの日常を取り戻すことが出来たと笑っていた。



カズキ

「ふぅ・・・こんな物か」


ゴドフ

「悪いな、俺は別に荷物だけでよかったのによ」


カズキ

「構わないよ、一番の功労者なんだから」



あれからゴドフのおっさんのサンリーの移住手続きも無事に終えた。


俺は引っ越しの準備として手伝ってた。


店の物殆どを荷車に運ぶだけだったが。



ゴドフ

「本当にこの町から出る日が来るなんて夢にも思わんかったよ」


カズキ

「俺の我ままだからな、やっぱ思い出深いなら・・・」


ゴドフ

「いやいいんだよ、これで因縁はお前が断ち切ってくれたし。こいつがあれば十分さ」



一枚の写真を手に取り見つめる。


その姿を見て本当に決心してくれたことに感謝をした。



カズキ

「あっ・・・忘れてた!」



やりたかった事を思い出した。


俺はすぐさまみなにインカムで連絡を取りヴェアリアスのメンバー全員を収集した。





全員がおっさんの鍛冶屋へ集合した。


そんな中3人の人影もまた鍛冶屋へ足を運んでくれた。



ルシュカ

「どうした急に呼び付けて・・・」


サナミ

「いいからいいから!」



ルシュカと少女を引っ張るサナミ。


執事のトゥトゥーも一緒に集団の中に入る。



ユミィーリア

「これは・・・一体何をされるのです? カズキ様」


カズキ

「せっかくだからさ・・・記念撮影をって」



俺は一つの機械を作り出していた。



それは・・・カメラだ。



それも特注品だ。

空中に浮くし、俺の真素を使ってシャッターも押せる。


そして何よりその場で現像出来る画期的スーパーカメラだ。




ナザ

「写真!? 待ってくれよ!髪ぼさぼさだっての!」


フェーチス

「えぇええ!!? 私大丈夫かな?」


クレエス

「別段いつも変わらないですから、心配ないかと」



全員がざわつく。


サナミさんにはルシュカ達を呼んでもらう為に教えておいた。



ルシュカ

「い、いいのか・・・私達は」


サナミ

「もちろんだよ! カズキさんに呼んでほしいって頼まれたんだから」



全員が集まる。


中央には少女とルシュカとサナミさん。


ゴドフのおっさんとトゥトゥー。


シュリーにナザ、フェーチスとクレエスさん。



そして俺とレイドラ。




みんなが集まった。




カズキ

「それじゃあいくぞー!! みんな笑えー! はい、チーズ!」




カシャッ・・・!!






「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」






カシャッ・・・!!









そうしてジャパニアでの戦いは全て終わった。



俺はほとんど何も出来なかった。



ただみんなに迷惑を掛けただけでもあった。



それでも・・・得た物は・・・たくさんあった。



求めた以上の物をたくさん得た。



今回だけじゃない。



俺がこの異世界に来てからたくさんのことを俺は教わった。



無い物を求めても、いいのだと・・・。





これからは・・・もっともっと求める。





俺が好きに求めたいから。




求めてもいいんだと。




その信じて踏み込んだ一歩が俺にたくさん教えてくれた。




一歩、踏み込んだ。




そして。








カズキ

「俺の、好きを求めた異世界物語が・・・ここから始まる」



ご愛読ありがとうございます?


ここで序章は終了です。


次より次章に移ります。



今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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