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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
33/70

第33話 寄生石パラサイトジェム


赤紫色の光り。


それはカズキから出た光り。



触れた者に痛みと苦痛を与える。


最悪の場合は死をも与えるその光りはカズキ本人から発せられた物だ。


何故そんな物が出たのかも不明。


わかっていることは、その光りを出している時は正気でないこと。


理性は失い、敵味方の区別もつかず、言葉発することができず。



そしてその時の記憶はない。




そんなカズキを助けたのはジャパニアの妖爆、。



そしてヴェアリアスだった。



ミツバに連れられサナミ、シュリー、レイドラ。


4人とミツバの活躍により、赤紫の光を退けることが出来た。



安堵を感じていた4人に別の笑みを浮かべる者達がいた・・・。





【鍛冶加工の町ゾーゼス 奴隷市場】




一人の男が奇声を上げていた。




サナミ

「シェイン・トルテン! 何故あなたがここに・・・」


シェイン

「何故? 何故何故何故あなたこそここにいるのですかぁああああ!!? ここにはいないはずなのにいぃいい!!!?」




頭をぐしゃぐしゃと悔しいような素振りを見せる。


ここに自分がいるのがいけない?



シェイン

「そ ん な こ と ! あれはぁあああ!!!? 一体何をしたのですかぁああー!! 妖爆のおおおお!!!? 使徒様に一体なにされたのかぁああ!!?」


ルシュカ

「・・・・・・」



シェインが慌てふためいている。



前回のシェインは蒼い光、恐らくミツバさんの事を追及していたはずだが。



シェイン

「今回も!! あの神の力の為に!!! それだけの為に準備したというのにいぃい!! 何故!!!!?」


シュリー

「今回って、まさか・・・」


シェイン

「左様ですミスシュベンザー!! ヌーター氏とナイクネス評議会の合意の下!!!やらせて頂きましたぁああーっぁあああ!!!」



兵器獣に評議会。


まさかあの二つの事も裏でハイトスが絡んでいたなんて。


なら、今回の・・・。



ルシュカ

「人食いは・・・貴様等が」


シェイン

「気付かれましたぁあ????? これはまぁー実験のような物でしたが、使徒様がこの町にお越しになる聞き付けましたのでー!! ちゃちゃちゃちゃっっっっと段取りをつけました!!!」



人食い・・・。


第5騎士団の中でチラっと聞いたことがある。

今ジャパニアで起きてる連続殺人事件。


この言いようだろう、ハイトスが絡んでいたということなのか。



シェイン

「なのに!!!なのになのになのになのになのにぃぃいぃいー!! なんですか・・・あの禍々しい物は!!! あなたがぁあー!!あなたが何かしたんですよね!!! 妖爆ぅううう!!!」



また頭をくしゃくしゃと掻き乱している。


あの反応を見るに今回の件でまたミツバさんの光りを出現させるのが目的だった。

結果としては出すことには成功した。


だけど、シェインが言っている禍々しい物とは、恐らく・・・。



シェイン

「赤紫色・・・!!!! そんな物は聞いていません、いないんですよぉおお!!!」


サナミ

「・・・あなたも知らないなんてね」


シェイン

「知りませんよぉぉおおお!!! あんな物ぉおおお!!!!」



ハイトスの知らない何かが、今寝ているカズキさんにある。


だとするとあの光りはやっぱりカズキさん一人が出ていた物。

ミツバさんの蒼い光りとは全くの別物ということか。




シェイン

「さぁあああああ!!! あなた方の知っている事を教えるのですうぅよおぉおおお!!!」


ルシュカ

「断る・・・貴様のような異端者如きに教える物は何もない!」




ルシュカは近くに落ちている刀を拾いシェインに向ける。


私とシュリーもいつでも加勢できるように武器を取り出す。



シェイン

「あぁ・・・そうですか、はぁここまで真実に近付くことを恐れるとはやはり早急に信仰心の浄化は必要ということですか」


サナミ

「信仰心の・・・浄化?」


シェイン

「それではまた後日・・・、使徒様にはよろしくお伝え下さあぁああああい!!」



黒い霧がシェインの周囲を包むように現れ、姿を消した。



信仰心の浄化。


一体ハイトスは何を考えてるの。


また何か大掛かりな物を計画している?


ベルデラ大襲撃、兵器獣、正唱和、そして今この国で起きている人食い。

まさかこれらはその下準備とでも言うの。



シュリー

「・・・・・・とりあえず、サナミ、レイドラ」


サナミ

「うん・・・」



カズキさんを安全な所へ避難させないといけない。


シュリーと二人で肩を持ち移動する。



ルシュカ

「おい、そんな状態なら・・・」


シュリー

「悪いけど、あなたの回りは信用出来ないみたいだから。ごめんなさいね」


サナミ

「ごめんルシュカ」



ルシュカの気持ちはありがたい。

けれど下手に今カズキさんをジャパニア国兵の下に置くのはハイトスの件もあって危険だ。


ここの惨状を見ればわかる。


最悪、彼が目を覚ました瞬間にジャパニア国兵の姿を見て同じような目に合う可能性は低いわけではない。



ルシュカ

「だとしたら、ここへ行け。恐らくでは三刃・・・彼の知人がいるはずだ」



地図術技で場所を示した。



サナミ

「わかった、ありがとう」


ルシュカ

「いや・・・」



お礼の返事だけを言いこの場から動く。


顔を背けるルシュカの方から。



ルシュカ

「本当に・・・すまなかった」


サナミ

「・・・・・・」



すれ違いざまに謝罪の言葉。


詳細はわからない、だけどもしかしたらカズキさんの原因は自分にあるかもしれない。

この謝罪はきっとそのものなのだろう。



ルシュカに対して、私は無言を貫くしかなかった・・・。

















あまりにも情けない。


好敵手の煌煌ノ騎士が来なければ死んでいた。


それだけではない。


そんなサナミにただ謝ることしか出来ない自分が許せないでいた。



サナミ

「・・・・・・」



本当に、何も・・・出来ないのか。



顔を上げた時。



ふと目に映ったのは、地下へと続く道。


三刃はあそこから出てきた。


元々様子が良くはなかった、何かを見たのか。



サナミ

「っ・・・」



今も痛みはひいたとはいえ思うほど好調ではない。


それでも彼が見た物を自分の目で確かめなくてはと身体を動かした。


心の奥底では何が待ち受けているか容易に想像はできる。





それでも見なくては、いけないと・・・私を突き動かしたのだった。





----------------------------------------------------------------------------



【鍛冶屋レイナ 一室】



ルシュカが案内をしてくれた場所は鍛冶屋だった。


場所がすぐにわかったのはその店の前に私達の仲間のタロウちゃんが居たからだ。

近付くと鳴いて場所を教えてくれた。


私達が来る事を予期でもしていたのか、カズキさんの帰りを待っていたのか。


すぐに中へ入るとゴドフという大きな男の人がいた。



ゴドフ

『はぁ・・・また随分な格好で、とりあえず上に運んでくれ』



ゴドフさんの指示に従い上の階の一室に彼を運びベッドへ寝かせた。


すぐに私とシュリーの自己紹介をした。

意外にも驚かずにいてくれた。


レイドラさんの自己紹介には少し驚いていたようで、この子に乗って自分達は来た事にした。



事情を自分達がわかる範囲で説明し、逆にゴドフさんからカズキさんとの出会いから今までどんなことがあったのかということを聞いた。



シュリー

「この馬鹿・・・」



悪態をつきながらシュリーは溜息をはく。


だけども表情と瞳はただただ心配に満ちていた。


レイドラさんは久しぶりのカズキさんと一緒に寝ていた。



ゴドフ

「でよ、これからあんた等も帰るのかい」


サナミ

「それは・・・」



彼が望んでいたのはゴドフさんを連れてサンリーへ帰ること。


それしかもうないと、カズキさんは追い詰められていた。


彼の事を考えるなら・・・。



サナミ

「・・・・・・」


ゴドフ

「へっ・・・今日はお二人さんももう寝たらどうだ、別に俺はいつでもいいんだからなー」



ゴドフさんは背を向け手を振るい部屋を出た。


その通りだ。


彼の意思を私達が決めるのには少し時間が必要だろう。


シュリーを見ても首を縦に振るい今日はそれでいいとした。




その後ゴドフさんが私達用の布団を用意してくれてシュリーと一緒に各自の布団を敷いて布団に入った。



サナミ

「はぁ・・・」



ついため息をついてしまった。


もちろんカズキさんの事だ。


多くの事があり過ぎて何から手を付けていいのかわからない。



シュリー

「サナミ・・・あの光りの事」


サナミ

「うん、もし覚えてなかったら。言わないでおこう」



それがきっとカズキさんの為になる。


これだけはシュリーと同一見解だ。

きっと知ってしまったら、もっと辛い思いをさせてしまうに違いない。



横に立て掛けてるミツバさんを見る。



ミツバさんもそれを望んでるような気がした。





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【鍛冶加工町ゾーゼス 国兵館】



あの夜から日が明けた。


一睡もできずに朝を迎えた。



ルシュカ

「・・・・・・」



部屋を出て朝食を寝室で食べることを伝えに行かなくてはいけない。


寝室を後にした廊下でメージャにであった。



メージャ

「姫様! ご無事で!?」


ルシュカ

「メージャか、私は大丈夫だ」



息を荒げ走って来たメージャに無事であることを伝える。


私の下へ駆け寄ると体中を触る。



メージャ

「報告は聞いています、やはり国兵を総動員し三刃を・・・」


ルシュカ

「いや、必要ない。 指名手配も取り下げるんだ」


メージャ

「何を言っておられるのですか! 昨晩の件、我らの国兵には多大な」



全くその通りで。

正確な数字はわからないが、昨日の一件でゾーゼスに滞在している国兵の半分が死んだ。


それにもし国兵を総動員しても太刀打ちできるかどうかも怪しい。



ルシュカ

「それよりも、全ての黒幕がわかった。 ハイトスだ」


メージャ

「異教徒の!? それは本当なのですか!?」



間違いない。

自分がこの目で見たことをを伝える。


ハイトスの人間が人食い事件の首謀者であることを。



ルシュカ

「すぐにそれを国兵達に知らせ調査するように指示を頼む、それとトゥトゥーを見なかったから? 先日から姿が見えない」



三刃の調査をすると言ってから一切連絡もない。

トゥトゥーの事だから死ぬようなことはないと思うが、些か不穏だ。


だが、メージャはトゥトゥーの行方は知らないようだった。

そしてすぐに軍へ伝令を飛ばすと言い、この場を後にしようとする。



メージャ

「それと・・・館の者達からお伺いしたのですが」



私の寝室に目線を向けるメージャ。


言いたいことはわかった。



ルシュカ

「私の意思だ、何か問題があるか?」


メージャ

「・・・・・・失礼しました姫、ではこれにて」



背を向けメージャは去った。


私もすぐに食堂へ赴き朝食を受け取りに向かった。

部屋まで持っていくと言われたが断った。


朝食を台車へ乗せ、料理を運ぶ。

意外にも自分も披露からか朝食が物凄く魅力的な物に見えてしまうほどだった。



部屋に入りテーブルへと朝食を並べる。



ルシュカ

「朝食だ、昨日も言っただろ。怖がることはない」



私はゆっくりとそう伝えた。



昨晩の地下に一人だけいた、今も怯えてベッドから出てこない少女に・・・。




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【鍛冶屋レイナ 一室】



私達はみなでゴドフさんが用意してくれた朝食を布団を片付けて地べたで取っていた。



ゴドフ

「悪いな、気の利いた事も飯も出せねーでよ」


サナミ

「いえ! 本当にありがとうござます、何から何まで」



あれから朝を迎えてもカズキさんは目を覚まさないでいた。


息はしている、外傷も元々殆んどない状態だった。

でも目だけは覚めないでいた。



ゴドフ

「今日は珍しく用事が出来たんで鍛冶屋を留守にするんで、客もどうせこねーから好きに使ってくれ」



ゴドフさんには頭が上がらない。

ただでさえこの町での伝手なんてほぼ無い私達には本当にありがたい。


それだけを言うとゴドフさんは部屋を出ていった。


私達は目の前の朝食を頂きながら今後の話しをした。


改めてどうするのかを。



シュリー

「即刻帰宅」


レイドラ

「我も異論なーし」


タロウ

「くわぁくわっ!」



まさかのタロウちゃんまで賛同していて驚いた。


4人中3人がサンリーへ帰ることを希望した。



シュリー

「ハイトスの連中が関わってるのは確かに放っておけないけど、敵の目的のカズキの今の状態を事を考えるなら引っ叩いても連れていくべきね」


レイドラ

「うんうん」



シュリーの言う通りだ。


ハイトスの狙いは彼。

その彼を守ることを考えてもまずはサンリー一端帰還してカズキさんの目覚めを待ってから対策を考えてもいいと思う。


だけど、私の中では踏ん切りがつかないでいた。



サナミ

「そう・・・だよね、カズキさんのことを考えるなら・・・」



今も眠り続けるカズキさんを見る。


いつ目覚めるのかもわからない、もしかしたらなんてことは考えたく無い。

少なくても私達が彼を守らないといけない。



シュリー

「はぁ・・・問題事だけは起こすわねこいつは」



シュリーがカズキさんの頬を優しく撫でる。


そうだ、シュリーもきっと同じ気持ちなんだ。

本当にカズキさんの事を考えて言っている。


彼を想う気持ちはここにいる全員がわかってる。



サナミ

「この件から身を引くか、それとも・・・」



それともこの国に留まるか。


選択肢は二つに一つ。


今カズキさんが何を思っているかはわからない。

けれど今はそれを聞くことは出来ない。


この場にいるみんなで決めないといけない。




チリィーンチリィーン・・・。




お店の扉が開く音。


さっきゴドフさんが出る時に鳴った音だ。


お客さんがきたのか、私が出ると伝え1階へと降りる。



サナミ

「すみません、今ゴドフさんは留守でして・・・、え?」



もちろんお店に入ってきた人はゴドフさんじゃなかった。


そこには一人の少女を連れたルシュカがいた。



ルシュカ

「急な訪問すまない、よかったら話しをさせてくれないか」


「・・・・・・」



少女はルシュカの背後に隠れずっとこちらの様子を伺っている。


少し震えているようにも見えた。




サナミ

「その子・・・は?」


ルシュカ

「あぁ、彼が・・・救った子だ」




それを聞き、私はルシュカを招き入れ部屋まで通した。



部屋に着くなりシュリーは激怒した。

ルシュカを連れ来た事に。


だけど事情を説明すると納得はしてない様子だったが話しは聞いてくれるようにはなってくれた。



ルシュカが連れてきた少女。


この子は昨夜の場所で行われた奴隷商の子らしい。

もちろんこの国で奴隷は違法である。


ゴドフさんから聞いた話しとも合う。


ルシュカは話した、恐らくこの子も死んでしまっていたとカズキさんは思ったのかもしれないと。



ルシュカ

「もし、目を覚ましていたらこの子に会って欲しかったのだが」



少女の頭を優しく撫でる。


すると少女は眠っているカズキさんを見て驚いた顔をしてゆっくりと歩き出す。



サナミ

「・・・・・・」



私達はその光景を黙って見守った。


そして少女が眠っている彼の下に行き顔を覗いていた。



「・・・・・・」


ルシュカ

「・・・彼が助けてくれてんだろう?」



コクンッと首を縦に振った。


その仕草を見てつい聞いてしまった。



サナミ

「もしかしてその子言葉が・・・」


ルシュカ

「あぁ、医師にも見せたが重度なショック状態で言語能力を失う奴隷の子供のによくあるようだ、もしくは生まれた時からもう・・・」


サナミ

「そんな・・・」



ただずっと眠っているカズキを見ている。


今眠っている事もわからないのかもしれない。

ただずっと見つめていた。



シュリー

「で、あっちの方はどうなの妖爆、何か進展があったのかしら?」


ルシュカ

「・・・・・・無い、ことはない」



歯切れの悪い返事。


とは言っても私達は完全に部外者だ、そう簡単に教える訳にいかないのだろう。


それでも煮え切らない表情のルシュカに私達は察してしまった。



サナミ

「手が出せない・・・ってこと?」


ルシュカ

「想像に任せる。 彼にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない、こんな物も必要ないかもしれないが謝礼金も用意した」



硬貨の入った袋を差し出された。


見ただけでも相当の金額が入ってると予想できる。



シュリー

「いらないわよそんな物、よかったわこの一件も解決しそうだから私達も悩まずにこいつを連れて帰れるわ」


ルシュカ

「そうか・・・本当にすまないことをしたな」



更に落ち込むルシュカ。


その様子を見て胸が痛んだ。


まさか彼女は、私達に・・・。



サナミ

「ルシュカ・・・」



この子をカズキさんに会わせてあげたいという気持ちと目的は間違いなく本物なのだろう。


けれど、ルシュカの本音は・・・。



サナミ

「助け・・・必要?」


シュリー

「サナミ!」


シュリー

「だって! シュリーもわかってるでしょ! 多分このままだと解決しないって!」



つい声を荒げてしまった。


少女がビックリしてしまい涙目になり始めた。

その姿を見て私達は一度冷静になった。



サナミ

「ごめんね、大きな声出して」


「・・・・・・」



頭を撫でてあげると泣くのを我慢してくれた。

ハンカチで涙を拭いて上げると、すぐにルシュカの下へと走って戻っていった。



シュリー

「サナミもう一度言うけど、私達は帰るべきよ。 正直私はこの町、こんな国が大嫌いよ、カズキをこれ以上置いておくのは反対よ」


サナミ

「なら・・・私一人でもルシュカに協力する」


シュリー

「あんた・・・何このカズキみたいな事を・・・



シュリーの言う通りだ、まるでカズキさんのような事を言っているような気がする。


私はナイクネスの人間。

ここでジャパニアの事に首を突っ込むのがどうゆうことなのかもわかってるつもりだ。


そう、カズキさんならきっと・・・。



シュリー

「・・・・・・」


サナミ

「・・・・・・」



二人いがみ合う。


お互いがお互いの気持ちを理解しているからこそ譲れない。


シュリーは本当にカズキさんを想っている。



それは、私も負けないつもりだ。

ただの正義感だけでこんな事を言っているわけではない。



目が覚めた時、カズキさんが安心してもらう為に。




シュリー

「・・・わかった」


サナミ

「シュリー!」


シュリー

「その代わりに私も同行するわ、もしヴェアリアスに害があるようならその時は・・・」


サナミ

「うん! ありがとうシュリー」




つい飛び上がってシュリーに抱きついてしまった。


これからが大変なのもわかってる。

だけど、ここでシュリーも一緒に来てくれるなら百人力だ。



ルシュカ

「いいのか・・・?」


シュリー

「私達は国や組織に縛られないで生きていく者達ですもの、心配は無用よ・・・ちょっともう離れなさいって!」


ルシュカ

「そうか・・・すまない、感謝する」




話しは決まった。


この国にいるハイトスを調査して対処する。


身を削ったカズキさんの想いを引き継ぐ。


これ以上彼に負担をかけない為にも。





そして笑顔でサンリーへ帰る為に。





----------------------------------------------------------------------------




私とシュリーはルシュカの指定した集合場所に集まっていた。


ここがこの国で起きている人食い事件の手掛かりがあるとルシュカは話した。

一先ずルシュカは元奴隷だった女の子を国兵館へ預けに戻った。


鍛冶屋のゴドフさんにも事情を説明し、レイドラさんと一緒にカズキさんを匿ってもらうようにした。

レイドラさんを護衛に付けておけば最悪カズキさん達を連れてサンリーへ帰還するような段取りだ。



ルシュカ

「すまない! 遅くなった」


シュリー

「その様子だと、あの子に駄々でもこねられたのかしら?」


ルシュカ

「なっ!ど、どうし・・・ごほんっ! 今は別にいいだろうそのことは」


サナミ

「ふふっ、ルシュカも大変だね」



ルシュカの顔が赤い。


まさかあのルシュカとこんな会話をする日が来るなんて思ってもいなかった。


出会う所は常に戦場でお互い敵同士。


力を交わらせるしか選択肢がなかったあの時と比べるならこっちの方が私は好きだ。



ルシュカ

「サナミ、お前まで・・・。もういいだろう、行くぞ」



私とシュリーは笑いながらもルシュカの後を付いていった。


目の前には大きな屋敷。


そしてそれとは別に大きな石で出来た建物もあった。



私達が足を運んでいるのはその石で出来た建物の方だった。



ルシュカ

「今から行く場所は四守護家の一人のバドイという男の下だ」



四守護家。


知識としてはある、主にこのジャパニアの長のモウエン家を支える続けている家柄の人達だと。



ルシュカは話しを続けた。



ルシュカ

「そして奴隷商の元凶だ」


サナミ

「・・・・・・」



奴隷商か、今朝ルシュカについてきた子もその一人。


カズキさんが食い止めようとした一つ。

今からその根源を絶ちに行く、そうルシュカは話した。



そしてこの奴隷商と人食いには必ず関係性があると睨んでいるそうだ。




「おっと! 姫様、こんなところでどうしたんですか?」


ルシュカ

「バドイに会いにきた、そこを退け」




警備の人間に阻まれる。


国兵の人間では無い、恐らくバドイの私兵か。


人相も悪く明らかにここを通す気がないように見える。

私達を囲うように私兵が集まってきている。



ルシュカ

「バドイはやはりそこにいるんだな、死にたくないならさっさと退け」



「へっ!俺らはバドイ様に雇われてる人間なんでねー、国兵の奴らみたいに命令を聞く義理はないんですわーあはははははは!」



シュリー

「本当の三下のセリフね」


サナミ

「あはは・・・」



自分もそう思ってしまったので苦笑いした出せないでいた。


実際に回りを見ても甲冑を着ているわけでもなく、ただ武器を一本持たされてるだけのごろつき。


正直ルシュカの相手になる人達とは思えない。



ルシュカ

「三度目はないぞ・・・」



「あぁあーーん!!!? ・・・っ!」



ガンを飛ばしていた男の首が一瞬で刎ねた。


鞘から太刀が抜かれた速度が速すぎる。


目を離していたら絶対に防ぐことは出来ない。



シュリー

「予定通り私等は手出さないからね」


ルシュカ

「もちろんだ、問題ない」



「このぉおおーー!!!!」


「やっちまえ!!!」



一斉に襲いかかる私兵に対してルシュカは一歩も引かずに次々と撃退していく。


私とシュリーは手を出さないと決めている為致命傷は与えないように避けながら応戦だけはしていた。



シュリー

「妖爆さん、ちょっとこっちの量多いんだけど?」



バゴォオンッ!!!バゴォオンッ!!!バゴォオンッ!!!



「ごぉおおあぁあああ!!!」



爆発音と共に私達が応戦していた私兵が吹き飛び動かなくなる。



ルシュカ

「これで問題ないだろう?」


サナミ

「凄い・・・」



以前戦った時よりも数段に強くなっている。



ルシュカの力は二つ名の通り爆発。


他の人達は妖爆と不明瞭な力だと言われているが実際には違う。


あれはルシュカの力、真素を術技を使わずに自在に爆発させることの出来る技。


真素の流れや精度、密度などを感覚的に捉え自らの真素を流し込むルシュカ固有の能力。


彼女とまともに戦うのであればまず自分の周囲の真素をコントロールして彼女に捉えさせないのが大前提なのだ。


それが出来ないようだと今の私兵達のようにただ一方的に爆発を受ける羽目になる。



シュリー

「なるほどねー・・・真素の流れねーやるじゃない」


サナミ

「やっぱり、シュリーにはわかるんだ」


シュリー

「そうね、もっとも私の今の研究はこれを誰でも出来るようにした物だけど。ここまで自在に扱う人間を私以外で初めて見たわ」



実際私もこの対処には苦労させられた。

気付いた時にはもう雌雄を決していて私の敗北だったわけだけど。


痛くて熱かったのを思い出し震えてしまった。




ルシュカ

「どうした、私兵共。足が止まってるぞ」




私とシュリーでルシュカの事を話していると、私兵達はジリジリとルシュカと距離を取り始めた。


そして一人が悲鳴を上げながら逃走した。



それを合図にするかのように次々とバドイの私兵は敗走していくのだった。




ルシュカ

「所詮この程度か・・・」




敗走する私兵に言った言葉かと思ったが、ルシュカは自分の持つ太刀を見つめる。



サナミ

「そっか・・・」



いつも戦場で持っていた太刀では無い。


恐らく今持っているのは急場凌ぎの物なのだろう。


今まで愛用していた太刀はカズキさんが・・・。



ルシュカ

「待たせたな、行くぞ」



こちらも振り向かずにルシュカは鞘へ達を仕舞い、前へと進んだ。


私達もそれを追うようにして後へ続いた。




------------------------------------------------------------------------





大きな扉。


固く施錠されているがルシュカは扉ごと爆発させ私達は中へと入る。


薄暗く、照明も付いてない。


そんな中一人の男の声が響いた。




バドイ

「一体何用ですか・・・ルシュカ様」




急に照明が点いた。


目の前には3枚の鉄柵。

そして声の主は上の階から私達を見下していた。



ルシュカ

「バドイ、貴様のやっていることは大殿様に報告する、素直に投降しろ」


バドイ

「はて、わたくしが何をされたと? 身に覚えがありませんがな」


ルシュカ

「そうか、ならこの建物を調べさせてもらうぞ、奴隷商に売り払う奴隷でも出てきそうだからな」



更に首を傾げるバドイ。


まだしらを切る様子だ。



バドイ

「奴隷? そんな物はここにはいませんよ。 ここにいるのは・・・」


サナミ

「っ!!」



来た道が鉄柵で塞がれた。


その瞬間逆に正面の鉄柵が上がった。


私達3人完全に閉じ込められた。









バドイ

「ルシュカ様には、これが奴隷に見えますかな・・・?」


ルシュカ

「まさか・・・」




目の前の鉄柵から人影が複数見えた。


そして徐々にこちらに近づいてくる。


ゆっくりと何か呻き声のような物を出しながら。


人に見える。


だがただならぬ雰囲気からあれが人であるとは思えない。



ルシュカ

「あれが・・・! やはり貴様が元凶か!?」


バドイ

「私だけではありませんよー、私はただの飼育係です、調達員は今片足を失って意識不明のラッドル君ですよ」



ラッドルもか。


調達員ということは、やはり人々を攫ってここに閉じ込めていたのか。


こんなにも身近に元凶が居たのにも関わらず、私は目を背けていたのか。


ラッドルの人々への弾圧支配。


バドイの人身売買。


それらは前々からわかっていたことなのに・・・!




ルシュカ

「貴様、大殿様への忠義を無視してこのような事を!!」


バドイ

「大殿様!? 何を言ってるのですか私は、私達はこの国に忠義を尽くしているのですよ! 一番の前線で戦っているあなたならわかるでしょう? 今のこの国の兵力は減退しているのですよ!」



兵力の減退だと。


そんなことで・・・これを。


目の前の化け物を作り上げたとでもいうのか。




「ぉ・・ぁー・・・ごぉお・・・」




うめき声を出すオーガのような大きく巨体。


皮膚は赤黒く染まり果て、所々には黒い血のような物が付いている不気味な存在。


だが見た目は人間、外形だけは間違い無く人間そのものだ。



バドイ

「これは我が軍の新戦力なのですよ! この力さえあればナイクネスも地の国グライヴも我らジャパニアの物となるのです! もうあなたのような兵士は必要ないのです!」


ルシュカ

「外道が・・・ここで貴様に引導を渡してくれる!」


サナミ

「来るよ!」









3体の化け物がこちらに襲いかかってくる。


動きは早くないだが。




ゴォオォォオオオオオオオオオォォオォオンッッ!!!!




1体の拳がルシュカ目掛けて振り下ろされた。


避けることは出来た、だけど一撃で地面を叩き割った。



バドイ

「あははははははははははっ!! これこそが寄生石 パラサイトジェムの力!! もはやただの人間など必要ないのだよ!!」



一人高笑いの高みの見物をするバドイ。


あの人をまず捕まえるにはまずは目の前の敵を何とかしないと。



サナミ

「ルシュカ!シュリー!」


シュリー

「えぇ、いつでもいいわよ」


ルシュカ

「指揮は任せる、頼む!」



三人構え直す。


私は敵に向けてガンモードを構える。



サナミ

「マーク・ナンバーズ!」



3体目掛けて撃ち込む。


番号術技を受けた3体の頭上に1から3番までの番号表示された。

これで連携が取り易い。



サナミ

「まず1番から順に倒していく、火力を集中させて」



人数はこの3人でやらないといけない。


取った作戦は順次撃破。


相手の動きが遅い所を見るにこれが最良。



「おごぉお・・・おぉおお!!!」



また拳を振り上げる。


狙いはルシュカだ。



サナミ

「避けて! アタッカースタンバイ、頭部を!」



ルシュカは敵の攻撃を受け流す。

恐らくブロックは無理なのだろう。


ならば一点集中。



シュリー

「グラビティ・コア!」


サナミ

「ツイン ナイトレイ・バスターッ!」



シュリーとの合わせ術技。


敵は避ける動作もない、その狙い通りに頭部へと直撃した。



サナミ

「・・・っ!」



直撃した、はずなのに吹き飛んだ頭部からまた新たな頭部が生えてきた。


一撃では倒せないとは思ったけど、まさかここまではとは。



バドイ

「ふはははは!!! これこそ最強の戦力、不死の兵力だぁあ!!!」



不死?


そんな物が相手だなんて。



シュリー

「サナミ、これ!」



シュリーが何かを投げて渡してきた。


これは、ゴドフさんがカズキさんから預かっていた石?



サナミ

「そうか・・・寄生石・・・」



突破口は見えた。


これが今の敵の何所かにもあるかもしれない。


それを取り出す、もしくは破壊すれば。



サナミ

「頭部にはなかった・・・なら次は」


ルシュカ

「来るぞ!」



2番と3番の敵もお構い無く襲ってくる。

みな各自散開し事無きを得た。


一撃食らったら一溜まりもない。



サナミ

「シュリー、広範囲術技準備! ルシュカは左から!私は右から探す!」



大声で各自に指示を飛ばす。


敵3体が固まっているところをまずは引きはがす必要が・・・。



シュリー

「全員まとめて止めるわ、スタンバイ!」



シュリーの提案。

無理はさせられないけど、ある意味絶好のチャンス。



シュリー

「バレット! グラビトン・バニッシュ!!」



放たれた重力場術技の弾丸が3体集まる場所に放たれ発動する。


その瞬間敵全員の動きを止めることが出来た。



サナミ

「ルシュカ!」


ルシュカ

「あぁ!」



一気に飛び込む。

私達にはシュリーの重力の影響が受けないようになっていた。


予定通りに動く、右側から切り刻んでいき寄生石を探す。


何度も何度も切り刻み胸部までルシュカも同時に辿りついてしまう。


そのまま胸部から下を二人で切り刻んでいくと。



サナミ

「っ!」


ルシュカ

「これか!」



腹部に小さいそれらしき赤黒く光るジェムを発見出来た。


更に切り刻み取り出そうとするが、ビクともしなかった。



サナミ

「くぅ!!!」


ルシュカ

「サナミ退け!」



ルシュカの掛声で一度離れる。



ルシュカ

「奥義 剛爆術技!」



バァアアゴォオォォオオォンッ!!!



爆音と共にルシュカの術技が炸裂した。



「ごぉおおおぉぉおぉおぉおおお!!!!!!」



剛爆術技を食らった化け物が苦しみ叫ぶ。


これならば効果は期待できる。



シュリー

「ごめん・・・離れて!!」


サナミ

「シュリー!」



限界時間だ。


私達は一度距離を取りシュリーの下へと引いた。



そして一体の巨体がその場で崩れ落ち倒れ込んだ。



これが対処法で間違いない。


カズキさんが残してくれた物に感謝しなきゃ。



バドイ

「ほぉ・・・なるほど煌煌ノ騎士と黒紅の天才でしたか、ならば全員を葬れば寄生石の有用性が!! 上がるというもの!!」



バドイが懐から何かの瓶を取り出す。

そして一体に投げ込んだ。



「ぐぉおぉ!!! ごぉおおおお!!!」



投げ込まれた一体が悲鳴を上げ苦しみ出す。


暴れ出しもう一体を殴り飛ばし・・・。



シュリー

「何よ・・・あれ・・・」


ルシュカ

「人・・・食い・・・か」



私達の目の前で、共食いを始めた。


もう一体も抵抗しているが頭部を食われた瞬間動きを止めた。


寄生石が破壊されたのだろう。

だが暴食を止めることなく共食いを続けていた。



バドイ

「あなた達相手にはこれくらいが必要という訳ですね、勉強になりました。 通常なら寄生石は一つを大きくしていく物なのですがねー、今回は出血大サービスです」



つまり今の化け物には、二つの寄生石が埋め込まれてる。


あれを倒すには、二つを破壊しないといけない。



「ぐちゃぁ・・・くちゃぁあ・・・、はぁあぁ・・・」


サナミ

「・・・・・・」



こちらを向いた。


次は私を食うつもりか。


改めて3人気を引き締める。



シュリー

「わざわざ1体にしてくれて助かるわ」


ルシュカ

「油断は禁物だ」


サナミ

「うん、みんな・・・いくよ!!」



掛声と共に3人一斉に動き出す。


真正面には私とルシュカが懐に飛び込む。



サナミ

「ツイン ナイトレイスラッシュ!!」


ルシュカ

「奥義 斬爆術技!!」



飛び上がった二人の術技が同時に振り下ろされる。


だが、目の前に何かが妨げた。




ルシュカ

「何っ!」


サナミ

「速い!?」


「ぐおぉおおおおおーー!!!」




防がれた腕で振り払われ私達は吹き飛ばされた。


何とか受け身を取り大事には至らなかったが。



シュリー

「ちっ!」


「ぐおぉおおおおおおー!!!」



私達を吹き飛ばしてすぐにシュリーへと掛け走る。


シュリーは迎撃に何発も弾丸を撃ち込むが止まることなく突っ込んでくる。



シュリー

「グラビティムーヴッ、っ!!!」



間一髪で避けることは出来た。


敵はそのまま壁へ激突した。


避けたシュリーは一度私達の下に来て合流した。



シュリー

「どうすんのあれ、めんどくさいったら無いわ」



恐らくさっきの迎撃で術技が効くかシュリー試したのだろう。


それが効かないとなるとさっきのような動きを封じる作戦は取れない。


あと考えられるのは・・・。



ルシュカ

「私がやろう」


サナミ

「待って!まだ!」


ルシュカ

「わかってる、だが一人が囮になって奴の動きを封じる他ないだろう」



ルシュカの目は本気だ。

まさか本当に。



サナミ

「もしあなたの身に何かあればあの子は・・・!」


ルシュカ

「わかってる!! だから、お前達に頼んでるんだ」



そしてルシュカは振り向き壁に激突した敵の方へ向く。

土煙りで見えないが壁の中の敵はまだ出てこない。


今はそれが好都合だ、早く別の集団を考えなくては・・・。





パチーーンッ!!





何かを叩いた音。

私は驚き顔を上げた。


そこにはルシュカの頬が叩かれていた。



叩いたのは、シュリーだった。



シュリー

「あんた、私達が協力してやってる理由わかってるわけ?」


ルシュカ

「な・・・何を・・・」


シュリー

「あんたが死んだら誰があの馬鹿に・・・カズキに謝罪するのよ! 誰があの子と会わせてあげるっていうのよ」


ルシュカ

「そ・・・それは・・・」



そう。


今ここでルシュカに何かあれば、目覚めた彼に顔向け出来ない。


私達は笑顔で帰る。


そう決めて今ここで戦っている。


それは決してヴェアリアスの人間じゃないのルシュカも例外ではない。



シュリー

「あんたはねぇ! 何が何でも生き延びてうちのリーダーに土下座しなきゃならないの、死ぬならその後に勝手に死になさい」


ルシュカ

「・・・すまなかった」



思い留まってくれた。


シュリーありがとう。


誰も死んだら駄目なんだ絶対に。


これはカズキさんの為の戦いでもある。


何をしても・・・あの敵を止める!



サナミ

「・・・っ!」



私とシュリーの武器が一瞬光った。


蒼く。



シュリー

「これ・・・まさか」



同時に武器に何かが浮かび上がった。






-エンドオブ・ナイトレイVerX改変-




-グラビトン・ブレイカーVerX改変-






サナミ

「ミツバさん・・・」



見守っててくれたんだ、私達を。



本当に・・・ありがとう!



シュリー

「サナミ!」


サナミ

「うん! これきっといける!」



一気に気持ちが高ぶる。


シュリーも同じ気持ちなのだろうきっと。


再度武器を構える。




「ぐおぉおぉっぉおぉおぉおおお!!!」




同じタイミングで壁の中から現れた。



サナミ

「私とシュリーが動きを止めて寄生石を出す、後はルシュカ・・・お願いできるね」


ルシュカ

「それはいいが・・・大丈夫なのか」


シュリー

「当然よ、私達は4人ならいけるわ」



3人。


そうだ、これはここにいる3人だけの力じゃない。


今はミツバさんが私達に力を貸してくれてる。



サナミ

「来るよ!!」



敵がこちらに猛スピードで駆けよって来る。


私がブロッカー。



サナミ

「ツイン エンドオブ・・・」


「ぶおぉぉおぉおおおおぉおぉぉお!!!」


サナミ

「ナイトレェエエイ!!!」



振り斬った。


光り輝く両手剣で敵の両腕を一撃で両断した。


だがすぐに腕は再生を始めていた。



サナミ

「こんのぉぉお!!!」



脚部、腹部、頭部、胸部を次々と再生速度に負けない速度で両断していく。




シュリー

「ミツバ先生・・・お借りします、バレット グラビトン・ブレイカー」



ボルトアクションで弾丸を装填する。


銃口に大きくな光りを灯した球体が姿を現す。



シュリー

「フルブレイカー!」



引き金を引き銃口からライフルよりも巨大な照射術技が放たれた。


サナミがバラバラにしている化け物に術技が直撃し再生速度を止める。



サナミ

「っ!!」



見つけた、寄生石!

場所はほぼ同じ場所。


すぐさま周りの肉片に2本の剣突き刺し再生を食い止める。



ルシュカ

「はぁああああ!!!」



ルシュカが飛び込む。


私もシュリーも術技を維持して再生を食い止めるので精一杯だ。


後は・・・。



ルシュカ

「秘奥義! 永爆術技!!」




ルシュカの振り下ろした太刀が二つの寄生石に激突する。



その瞬間・・・。






バギィィィイイィイイッ!!!」






壊れたのは・・・ルシュカの武器だった。


武器に、ルシュカの術技が耐えれなかった・・・。




ルシュカ

「まだぁああああ!!!」




壊れた太刀を捨て両手で術技を継続する。


両手で触れた瞬間に爆音が鳴り響く。





サナミ

「ルシュカ!!!!」


ルシュカ

「ぐぅ!大丈夫だ、信じて・・・くれ!!」





両手が自分の爆発で焼けていく。


腕も黒焦げる。


だがここで引けない!


死ねない!




もうこれ以上・・・これ以上・・・!




『ルシュカ・・・強くなれ・・・』




父の最後の言葉。



もう、弱い自分を・・・。




ルシュカ

「見せてたまるかぁああああああー!!!!!!」









シュリー

「やれぇえええー!!!」


サナミ

「っ!いけぇ! ルシュカァァアアアアア!!!」



ルシュカ

「はぁぁぁぁぁああああああああー!!」






全員の叫びが・・・届いた。





そして、二つの寄生石は・・・砕け散った。




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