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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
32/70

第32話 悪魔夢

【鍛冶加工の町ゾーゼス ラッドルの屋敷】



嫌な予感は的中していた。


屋敷に飛び込みすぐさまラッドルのいる部屋突入した。




ルシュカ

「・・・っ!!!」




無我夢中に私は目の前の突き刺さっている剣を三刃に向け投げ付けた。


剣は三刃の刺さった瞬間、蒼く光り輝いた。



カズキ

「ぐぅ・・・あぁあ・・・あぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!」



光りと共に三刃の苦しむ声が響く。


同時に赤紫色の光が三刃の中から出てくる。



ルシュカ

「なんだ・・・」



赤紫色の光と蒼い光がまるでぶつかり合っているようだ。


そして苦しむ三刃の顔を見て驚愕した。



カズキ

「ああぁあああ!! うぅうううあぁああ!! あぁあああああ!!!!」


ルシュカ

「顔・・・なのか・・・」



まるでモンスター、いやお伽話で出てくるような物の顔。



悪魔だ。



あまりにおぞましい容姿に恐怖した。


だが、蒼い光りがその顔を覆うと必死に抵抗しているよう見えた。


そしてそれに抗うかのように赤紫の光りも拮抗していた。



カズキ

「うああぁあああ!!! あわぁああがぁあああああがはぁああ!!」



三刃が血を吐いた。


同時に二色の光は更に強く輝き出した。




「ラッドル様!!」


ルシュカ

「来るな!! 逃げろ!!」




この異変に気付きラッドルの部下達が部屋へ押し掛けてきた。



カズキ

「がぁあああああぁああ!!!うあぁああああ!!」



赤紫の光がラッドルの部下達に伸びる。

まるで生きているかのように一人一人に絡みついた。



「なん!? なん・・・」


「う!うわぁぁああああ・・・・・」



ルシュカ

「何・・・」



何が起きたのかがわからない。

光りが人に纏わりついたと思ったら急に倒れた。


死んだのか、いや血などは出していない。

だが一切精気を感じられない。


まずい。



ルシュカ

「やめろ! 来るな!!逃げろ!!」




あれに触れてはいけない。

すぐこの場から離れなくては。


横たわっているラッドルを担ぐ。


三刃はずっと苦しみ悲鳴を上げ続けている。

それを背に一度部屋の外へと出た。



ルシュカ

「いいか、全員をこの屋敷から一度避難させるんだわかったな」



「は・・・はい!!」



片足のラッドルを他の者に任せ、一度深呼吸し部屋の様子を見に行く。


光りが収まる様子がないのは部屋の外からもわかった。



カズキ

「ぐあぁ・・・ぐぅうう・・・あぁあああ!!!」



ルシュカ

(どうすればいい・・・)




太刀を抜く。


あの赤紫の光りに触れないように戦えとでも言うのか。


恐らく無理だろう。



だが、このまま放置も出来ない。



ルシュカ

「くそ・・・どうすれば」



何も思い付かない。

ただ苦しみ続ける三刃を見ているだけしか出来ない。



タロウ

「くわぁああああああーー!!!!!」



騎乗獣!?

どうしてこんなところに。



カズキ

「がうぁああ・・・ぐううぅう!!!」


タロウ

「くわぁあああ!!!」



三刃へ向け突進した。


だが、ぶつかる寸前で何かに阻まれ吹き飛ばされた。



タロウ

「くゎぁあ・・・くわぁああー!!!!」



もう一度飛びこむ。

また何かに阻まれたが、吹き飛ばされずにその場に踏み止まり堪えている。



タロウ

「くわぁああああああ!!!」



三刃の苦痛に喘ぐ声と騎乗獣の雄叫びが響く。


主人を助けようとしている。


赤紫の光にも耐えながら必死に。



ルシュカ

「っ!!」




騎乗獣の下へと走る。


自分も太刀を押し当て踏ん張る。



もう傍観者でいるわけにはいかない。

この場を早く収めるのが先決だ。



これが正しいかなんて不明だ。

だがこの騎乗獣を一人にしておくわけにはいかない。



カズキ

「ああぁあああああ!!! ううううううぅうううあああ」


ルシュカ

「止まれ・・・止まれぇえええ!!!!」


タロウ

「くわぁあああああーー!!!」



徐々に近付けている。

あと少しが足りない。



ルシュカ

「くぅうぅ!!」



苦しみ続ける三刃を見る。


そして、刺さっている剣、蒼く光り輝く剣を見る。



一か八か。



あれの光りを信じて。



ルシュカ

「っ!!!」



剣へと右手を伸ばす。


今にも右手が潰される感覚だ。


包帯も焼け消えながら皮膚も破け激痛が走る。



ルシュカ

「くぅう!! 届けえぇえええええー!!!!」








一気に押し込み剣を握った。






そしてそのまま剣を三刃へ更に押し込む。




タロウ

「くわぁあああ!!!!」




騎乗獣が私を押し支えてくれる。



いける、これなら!!!




ルシュカ

「終われぇえええええー!!!!」





全身全霊をかけて押し込んだ。



そして握った剣が一気に三刃のに刺さる。



その瞬間蒼い光りは一番の輝きを放った。



赤紫の光りは一瞬で飲み込まれた。



ルシュカ

「くぅっ!!」



あまりの眩しさに耐えきれず顔を覆ってしまった。




そして光りは収まり目を開くと、そこには何も無く騎乗獣も姿を消していた。





-------------------------------------------------------------------------------





不思議な感覚、空間。


俺とミツバの境界・・・か。




久しぶりにきた。



カズキ

「うぅ・・・ん・・・」



頭痛が激しい。



俺は確か、ラッドルとか言う奴の屋敷で・・・。




カズキ

「んっ・・・思い出せない」




上を見上げるとミツバが小さく光り輝いていた。


その疲れきっているような様子を見て察した。




また何かしたのか、俺はまたミツバに無理させた。




そう考えてた。


だがその時小さな光りのミツバが俺に寄ってきた。



カズキ

「・・・・・・」



ミツバを胸に包む。

心配はいらない、俺は悪くない、大丈夫。


そんな言葉を掛けられてるようだ。



カズキ

「わかった・・・もう帰ろう。まだ早かった・・・ってことだよな」



これ以上、お前だけには無理はさせられない。




もういいんだ、諦める。


逃げよう。


戻っていつもの生活へ。




カズキ

「・・・ごめんな」




結局無力な自分に逆戻りか。



いや、築き上げた物は十分ある。



それいい。



それだけあれば・・・みんながいればそれでいい。



カズキ

「んっ・・・くぅ・・・ぁあ・・・」



また泣いてしまった。



どうしようもない・・・。



自分に・・・涙を流すしか出来ない。



そんな自分に。






---------------------------------------------------------------------------




【鍛冶加工屋レイナ】




ゴドフ

「な、なんだ!!?」



妙な異変に気付きカズキが使っていた部屋を開けた。


その中では蒼い光りが灯り、そこからタロウとカズキが姿を現した。






カズキ

「・・・ここは」



周りを見渡しゴドフのおっさんと目が合った。


そうか、ここに飛ばしてくれたのかミツバ。



ゴドフ

「おい、こりゃあ一体」



ただただ驚くゴドフを置きタロウに触れる。


息はしている。

だがあまりに衰弱しきってる。


すぐさまポーチからポーションをかける。



タロウ

「くわぁ・・・」


カズキ

「よかった・・・」



覚えていない。


だけど、タロウの声は聞こえた。

必死に俺に語り掛けてくれた声、俺を助けようとしてくれた。


どんなことをしていたのかはわからない。

でもこの状態をみれば無理をしたのはわかる。


実は臆病で危機管理能力が高いタロウがここまでした。

それがどうゆう意味を示してるのかわかる。



カズキ

「ありがとうな、休んでいいぞ」


タロウ

「くわぁ・・・」


カズキ

「大丈夫だ、もう何処にもいかないから・・・もう帰るだけだから」



頭を撫で続け、タロウを寝かしつけた。



それから俺はすぐにゴドフへ説明をした。


とは言っても覚えている範囲は限られてる。

記憶が飛んだこともしっかりと伝えた。



カズキ

「それと・・・俺・・・」



説明はそれだけではなく俺がナイクネスから来た事とサンリーとヴェアリアスの事を包み隠さず伝えた。


それで改めて、ゴドフへサンリーに来ないかと誘った。



ゴドフ

「それで・・・今からってか?」


カズキ

「あぁ、出来ればタロウが起きたらもう出発したい」



目を合わせられないでいた。


自分の不甲斐無さに。

ゴドフの期待も裏切る形になってしまう。



ゴドフ

「お前はそれでいいのか」


カズキ

「・・・・・・あぁ、これ以上はもう、無理だ」



下を向いて答えた。


こんな事は昔にもいっぱい味わったことだ。


そう思うようにした。


ただそれがまた一回増えただけだ。


そしてそれを今後背負っていく。


それも一つ荷物が増えただけ。



ただそれだけだ・・・。




ゴドフ

「・・・・・・わかった」




返事と共に手拭いを投げられた。


地面に落ちた手拭いを拾う。



ゴドフ

「荷支度にすげー時間掛かるから、その間に顔。 拭いておけ」



それだけを言いゴドフは自室へと向かい姿を消した。



カズキ

「・・・・・・」



涙は・・・流れてない。


防具の試着室の鏡を見る。



ゴドフの言っている意味がわかった。



酷い顔だ。


まるでこの世の終わりのような顔だ。



自分の顔に触れる。


力が入らないのか、表情が変えられない。



こんな顔でみんなの所に帰ったらまた迷惑をかけそうだ。



作り笑顔は得意だが、あいつらにはきっと見透かされる。



カズキ

「わかんねーよ・・・」



その場に大の字に倒れ込む。


考えも纏まらない。



ふと、さっきのゴドフの言葉を思い出す。



荷支度に時間が掛かると。



その間に顔を拭け・・・か。



カズキ

「・・・・・・」



本当ならもう何もしたくない。


ここでまた迷惑を掛けるくらいならタロウの目覚めを待って町を出る。

それでいい。


それでいいはずなんだ。



カズキ

「ミツバ・・・」



ミツバを取り出す。

しっかりと姿を出してくれた。


だがいつもの元気が感じられない。


その様子を見ても相当な事をしたのは間違いない。


だからこれ以上は・・・。



カズキ

「そうだ・・・これ以上は」



突き刺さる棘がある。


最後の棘が俺に突き刺さっている。


だがその棘を抜くには、今の俺には勇気があまりにも足りない。



また・・・次も・・・再び・・・。









-ヘヴィズ・プロテクションVer2取得-







カズキ

「っ!!!」




こんな状態でもお前は、背中を押すのか。


自分が今一番辛い状態なのに。

どうして。


俺なんかに授けて。

どうして。


こんなことでも。

どうして。



何で俺を・・・そんなに。




カズキ

「くそぉ・・・くそぉ!!1」




もっともっともっと。


足りない足りない足りない。



力も時間も何もかもが。


満足していた。


全然だ。



こんな事じゃ何一つ、何も出来ない。




カズキ

「わかった・・・これが最後だ」




そうだ、これだけをして満足しよう。



そして帰ろう。



そう決意し俺はミツバと共に鍛冶屋を出た。




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【鍛冶加工の町ゾーゼス 奴隷市場】



「ぐあぁあああー!!」


「なんだお前うああぁあ!!」




鍛冶屋を出たら、もう日は沈み夜になっていた。


先日のバドイという男が居た場所に赴いたらここが奴隷商の大元だと親切な奴が教えてくれた。


残念だがそいつには死んでもらったが。



「きゃぁあああああーー!!!」


「指名手配の!!?に、逃げろぉおおーー!!!」



逃げ纏う人々を余所に関係者や自警団に弾丸を撃ち込んでいく。


一発撃てば倒れていく。


本当ならこんな事はミツバにやらせたくない。

出来るだけ人殺しは避けたかった。



でもこいつらはもう人じゃない。

そう思うことにした。



あの母親の無残な姿が頭から離れない限り。



カズキ

「くっ!!」



パァアアアアアアアアンッ!!!



「取り囲め!!!」



次々と俺に襲いかかるが俺は歩みを止めなかった。



新しい術技、ヘヴィズ・プロテクションを全方位に張り俺に刀が届くことはなかった。


矢での遠距離攻撃も全て弾いていた。


ただ俺は近付いてくる奴、重盾の術技で跳ね飛ばされている連中を狙い定め引き金を引いていく作業をしていた。



カズキ

「おい・・・」



あらかた片付けたと思いわざと生き残した奴の髪を引っ張り持ち上げる。



カズキ

「奴隷達は何処だ」


「ち地下・・・!この先にあぐぼごおお・・・」



この先か。



これだけ、これだけ終わらせて俺は帰るんだ。


もう迷ってはいられない。


決断を鈍らせるな。


これ以上はもう・・・嫌だ。


早く、早く帰る為に。



カズキ

「これか・・・」



地下へと続く道。


この先にきっと。


先の事なんてどうでもいい。


最後だ。



これがこの町で最後の・・・!



最後の扉を開けた。





バタッ・・・。






カズキ

「・・・・・・」





そこは広い四方八方が石で囲われ天井も石で出来ていた部屋。



扉を出た先には・・・国兵達が剣を持ち奴隷を・・・斬り裂いていた。



カズキ

「は・・・ぁ・・・あ・・・」



無残に転がる奴隷達の死体。




「ん? 誰だお前、ぐっ!!!」


「があぁあああ!!」


「うあぁああ!!」



カズキ

「・・・・・・」



国兵を全員殺した。


奴隷達はみなピクリともしない。

大量に血を流しただの死体になっていた。



カズキ

「っ!?」



一人の子供。


この子は・・・あの女性の・・・。


親子の・・・子供。



カズキ

「あぁあ・・・うあぁあ・・・」




ガサッ・・・。



物音。


誰かまだ・・・。




カズキ

「・・・!?」


「・・・・・・っ・・・」



あの時の。


あの時の少女。



この子から始まった。



カズキ

「ヒーリングケア!!! ヒーリングケア!!! ダメージシフト!!! ヒーリングケア!!!」



「っ・・・っ・・・」



カズキ

「駄目だ!! 頼む!! 生きてくれ!! ヒーリングケア!!!」



「・・・・・・」



静かに目を閉じ・・・力尽きた。





まただ・・・。



こんなことになった・・・。




カズキ

「ぁ・・・ぐっ・・・おぼぇえ!!」




口から汚物が出てきた。



心残りはない。




カズキ

「かはっあぁあ!! おえぇえ・・・」




これで無事に帰れる。


最後の棘は、無事に取り除けた。



カズキ

「ぁあああ、がぁあはっ・・・おぇ・・・が」



思い残すことはないんだ。


本当にこれで帰れるんだ。


戻れる。


きっと次に目を覚ました時には。



こんな悪夢の事は忘れられる。



もう終わったんだ。




カズキ

「んっ・・・ぐぅうおぇ・・・ぐ・・・」




少女の死体をゆっくりと地べたに置く。



特別手負いをした訳でもないのに真っ直ぐ歩けない。



これじゃあ・・・またみんなに迷惑を・・・。



カズキ

「うぅうおえぇ・・・ごぇえ・・・かはぁ」



ゆっくりでいい、一歩ずつでいい。

壁に手を当てゆっくり進む。


一歩歩けば口から水が出てくるが、きっとここを出る頃には治ってる。



カズキ

「はぁ・・・はぁはぁ・・・」



もう少しでここから出られる。


そうすれば、もうこんなことをしなくて済む。


ここを抜ければ。


こんな町とはおさらばだ。


もう・・・大丈夫だ。





カズキ

「はぁはぁ・・・、っ?」




地下から出てきたら大量の国兵が包囲していた。


まるで俺を待ち受けていたようだ。


冗談も対外にしてほしいものだ。



バドイ

「殺人犯よ! これ以上無駄な抵抗は止め、大人しく投降するのだ!!」


カズキ

「殺人・・・犯・・・」




この男は・・・。



あの時の・・・。



さっきの子の・・・。



髪を掴んでた・・・。






この奴隷の・・・。




あぁ・・・。




殺さなきゃ・・・。





カズキ

「・・・・・・」



ミツバを構え男を撃つ。




カキンッ!!




撃った弾丸が・・・弾かれた。



男の前には・・・あの時の妖爆のルシュカ。



ルシュカ

「もう止めろ! これ以上罪を重ねるな!!」


カズキ

「罪・・・?」



こいつも一体何を言ってるんだ。



罪・・・俺が・・・。




カズキ

「俺が・・・何をしたって言うんだ?」


ルシュカ

「止まれ! それ以上近付くな!!」




ミツバを前に構えながら撃ち続けた。


そして近付く。


一歩一歩ゆっくりと撃ちながら。


全部弾かれているのなんてお構いなく。



ルシュカ

「っ!!」



ガキィィィイインッッ!!!!




カズキ

「あ・・・」




ミツバが手から離され地下へと飛んでいった。



武器が・・・無くなった。



カズキ

「こいつらを・・・」



武器が。



カズキ

「殺す・・・」



武器が必要・・・。



カズキ

「殺さないと・・・」



武器が必要だ・・・。



カズキ

「しっかりと・・・殺す」



武器が・・・!!!!






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カズキ

「うおあぁああああああああぁぁああ!!!!!!!」
















ルシュカ

「まさか・・・また・・・」



三刃の咆哮が響く。


同時にまた赤紫の光が三刃を包む。



カズキ

「あぁああああああ!!!! うあああああああ!!!」



また・・・左顔が・・・あの悪魔のような顔になる。



バドイ

「な、何をしている!!! あの化け物を!!!」


ルシュカ

「待てよせ!!!」




バドイの掛声で一斉に国兵が突撃をかける。




カズキ

「がぁあぁああああああああ!!!!」



右手を振るう。


同時に赤紫の光り国兵達を襲う。



「ごはぁあああ!!!」


「なんだ・・・こ・・・ぼぇええ!!」


「うあぁあ!! うぅぅうう・・・あぁあああああああああ!!!」



薙ぎ払われたと同時に国兵が血を吐いて行く。


中には目や鼻から血を大量に出す者達もいる。



「あぁああああ!!! やだぁあああ!!! あぁああああ!」



目が充血し目が潰れる者。


倒れたまま腹部から血を噴き出す者。


手が急に削ぎ落とされ大量に血を噴き出す者。



ルシュカ

「なんだ・・・これは・・・」




断末魔と悲鳴が飛び交う。



たった一振りで。




カズキ

「ぅぅぅう・・・あぁあああ・・・」



「っ!! ぁああ・・・ああぁああ・・・!!」



別の部隊へ向け歩きだした。


その姿に立ち向かおうと動く者は誰一人いなかった。



カズキ

「がぁああああぁあ!!!!」



また同じ様に右手を振るう。


赤紫の光りが再び国兵達を襲う。



首を切断された者。


両足を切断された者。


上空で肉片になる者。


最悪に頭部だけを切断された者もいた。



「ば・・・化け物!! あうあぁああああああ!!!」


「悪魔だ・・・ぐぐぐぐううおぉおぉおがぁああああああ!!!」



辺り一面に大量の血溜りが出来ている。



そして上空からも大量の血が降り注いでいた。




バドイ

「こんなの・・・こんなの聞いていないぞおぉおお!!!」


ルシュカ

「くっ・・・」



今日だけで2回目だと。


なんの冗談だ。


こっちはあれから一切休まずにいるというのに、あっち逆に進化している。




カズキ

「・・・・・・ぁぅあ!!」


ルシュカ

「やるしかないか・・・」



全力をぶつけて何とかなるのか。


振り絞っても足止めが出来るのかどうかだ。

あんな物が町に放たれたら、それこそこの国は終わる。



人食い以上の脅威だ。



だからこそ。



ルシュカ

「ここで食い止める!!」



太刀を抜き構える。



カズキ

「ううぅう、があぁあああああ!!!!」


ルシュカ

「奥義 速爆術技!!」




急加速し一気に距離を詰める。


奴は一歩も動かない、両手両足も動かない。




ガキィイイイインッ!!!




ルシュカ

「・・・なっ!!?」



咄嗟に防いだが。


一体何が・・・。




カズキ

「がぁああああああぁああああ!!!」




大きな翼・・・。


今のはこの翼が妨げたのか。



ルシュカ

「こいつ・・・、っ!!?」




光る翼を広げたと思ったら良く見ると顔だけで無く左脚が徐々に形を変えていっている。


まさか徐々に本当の悪魔にでもなるとでも言うのか。



これ以上時間をかけたら本当に手がつけれなくなるのか。



ルシュカ

「うおぉおおお!!!」



まだ攻撃は弾ける。


それだけが救いだ。



ルシュカ

「奥義 爆波術技!」



剣を思いっきり振るい衝撃波を放つ。



バゴォオンッ!!!



カズキ

「ぐうあぁあ・・・」



直撃したはずだがビクともしてないだと。



カズキ

「あぁああああああ!!」



無数の光りが襲ってくる。



ルシュカ

「ぐぅう!!」



一撃一撃がなんて重さだ。

これを全部防ぎきるのは無理だ。


ならば・・・!



弾き、避け続け、一気に距離を詰める。



ルシュカ

「剛爆術技! せぇえあぁああ!!!」





バゴォオォォオォォォオォォオオオンッ!!!







今度こそ・・・。







カズキ

「・・・・・・」






ルシュカ

「・・・腕が」





人間の腕が・・・変異してる。




バキィイイイイッ!!!!




私の太刀が・・・粉々になった・・・。




ルシュカ

「・・・・・・」


カズキ

「・・・・・・、あぁあああああ!!!」




左手が光り輝く。


振り上げられた拳をただ見上げるしか出来なかった。



こんなあっさり負けるのか・・・。




私は・・・何と・・・戦ってる・・・だ。




過去に奴と戦った。



この光を一度は沈めた。




思い上がった・・・のか。




ルシュカ

「っ!!!」




もはや目を瞑る事しか出来なかった。


敗北・・・。




戦いにすらなってない・・・。



こんなのは戦いですらない・・・!!!




カズキ

「がぁあああああ!!! あぁあああああああ!!!!!」





ドゴオオオォォォオォォオオォォォォォオォオオォオォォ!!!!!





振り下ろされた拳は、まるで地震を起こすほどの威力だった。



拳は地面を叩き割り破壊した。



辺りにはその破片が大量に飛び散り瓦礫の山を作っていた。








ルシュカ

「・・・生きてる」



誰かに咄嗟に庇われた。


知っている人間だ。


だが、こんな所にいるはずがない。



その人間は真剣な眼差しで・・・今自分の目の前に立ち手を差し伸ばしていた。





サナミ

「大丈夫?・・・ルシュカ」






煌煌ノ騎士だ。




---------------------------------------------------------------------------



【復興支援村サンリー】



カズキさんが村を出てから数日。


ヴェアリアスのみならずサンリー全体がカズキさんの心配をしていた。


帰ってきたナザとレイドラさんの話では少しヤバいかもなんて話した。

それなら連れ戻すべきだったとフェーチスさんと口論をしていた。



他のヴェアリアスのみんなは二人を止めた。


けど、みなわかっていた。



彼の行動を止めてしまったら、それこそ彼が背負ってしまうことを。



だからと言って一緒に行動するのは出来ない。



それぞれが所属している物が邪魔をする。



だから私達は彼を信じ待ち続けるしか出来なかった。



サナミ

「はぁ・・・」



夜になって村を徘徊することが多くなった。


ずっと溜息しか付いてないような気もする。



とぼとぼと歩いていて村の外へと出た。



何故か今日は一日中胸騒ぎが収まらなかった。

彼の身に何かがあった気がして何も手がつけれないでいた。



シュリー

「あら・・・こんな時間にどうしたのよ」



先客がいた。


レイドラさんを抱っこしたまま空を見上げていた。



サナミ

「シュリーこそ・・・まぁ言わなくてもわかる」


シュリー

「そうね・・・」


レイドラ

「ぅぅ・・・」



ここにいる三人同じ気持ちなのだと思った。


彼を想う。


そして今日は嫌な予感があると囁きかけてくる。



レイドラ

「マイロード・・・大丈夫だよね」



レイドラさんが小さく呟く。

よく見ると小さく震えていた。



シュリー

「・・・・・・」



シュリーは何も答えなかった。

そんなシュリーの手も震えていた。


まるで何かを感じ取っているかのように。




サナミ

「二人とも・・・、っ」




そんな二人を見てられなくなった。


右手でシュリーの手に触れ、左手でレイドラさんを撫でる。


慰めにもならないだろうけど、そうするしか今の私には・・・。



シュリー

「サナミ・・・そんな顔で慰められても反応に困るわよ」


サナミ

「ははは・・・ごめん」



逆にシュリーが私の頭に手をやり胸に引き寄せた。



ここにいるみんなが、堪らなくいた。



彼の安否を。



今すぐにでも飛んで行きたい気持ちを抑えて。



ただ、自分達の何も出来ない感覚に悔いりながら。





そんな時。





サナミ

「これは・・・」



こんな夜に・・・風が。


凄く暖かくて気持ちのいい風が。


同時に何か胸が温かく感じた、これは武器が・・・呼応してる?




シュリー

「まさか・・・」




シュリーも感じていた。


レイドラさんも起き上がり顔を出した。




レイドラ

「呼んでる・・・ミツバが」




その瞬間辺りがゆっくりと蒼く光り出した。




サナミ

「ミツバさんが・・・」


シュリー

「サナミ、レイドラ。行くわよ」




シュリーはすぐさま武器を取り出した。


それに倣い、私も武器を取り出した。




レイドラ

「マイロード・・・」


シュリー

「バカ・・・」


サナミ

「カズキさん・・・待ってて」





今助けに行くから。



蒼い光りが一瞬で辺りを包み込む。






そして一瞬で見知らぬ場所に降り立った。



だが、そこには一本の剣が・・・無造作に落ちていた。



サナミ

「ミツバさん!?」



すぐに拾い上げ抱きかかえる。


ミツバさんを眺めるとまるで全ての力を使い切ったかのようだった。

近くにカズキさんがいない。


あんなに肌身離さないでミツバさんを大切にしていた彼が。



シュリー

「二人とも上よ」



シュリーが指さす方へ気を向ける。


ここは何かの通路。


そして目線の先は恐らく出口。



その出口の先からは禍々しい何かの気配を感じた。


だけど確信した、そこにはカズキさんがいると。



レイドラ

「シュリー!サナミ!」


サナミ

「うん、行こう・・・カズキさん下へ」



ミツバさんを大事に抱え歩く。




うあぁああああああああぁあ!!! あぁああああああああ!!!!




サナミ

「っ!?」



何かの叫び声。

人に似た声。


だけど違う、まるでモンスターのような。



それを聞いた私達は、すぐに出口へ走り外へ出た。










そして私は間一髪でルシュカを助けることができた。



サナミ

「さぁ、早く」



呆気に取られてるルシュカに急かす。

すぐに私の手を取り起き上がった。



シュリー

「サナミ!」



シュリーがすぐさまこちらに駆け寄った。


そしてレイドラさんは。



レイドラ

「うおおおおぉおおおお!!!!」


カズキ

「あぁああああああ!!!!」




カズキさんと交戦していた。


まるでとんでもないモンスター同士の戦いが繰り広げられていた。


レイドラさんの蒼い光弾とカズキさんから出ている赤紫の光弾が入り乱れる。



シュリー

「とりあえず妖爆さん状況説明頼むかしら、うちのバカがあんなんになった理由さっさと教えなさいよ」


ルシュカ

「お前は黒紅の・・・何故」


サナミ

「いいからルシュカ!お願い教えて!彼を止めたいの!!」



彼女も状況整理が出来ていないようにも感じる。


そもそもあんな物をどう説明するんだ。



ルシュカ

「私にもわからない、というのが全てなんだすまない」


サナミ

「そんな・・・」



何もわからないでこんな事に・・・。



シュリー

「ふざけんじゃないわよあんた!! 何も無いはずないでしょうが!」



シュリーがルシュカに銃口を向ける。

こんなに感情的になるシュリーは初めてだ。


だけどそんなこと、今ここで言い争っている場合じゃない。



サナミ

「お願いルシュカ!なんでもいいの! 教えて!」



とは言っても今ルシュカにすがるしかない。


それでも何も言葉が出ないルシュカ。


本当に彼に何があったのかわかないのか。



ルシュカ

「ただ、私はこれを見たのは・・・正確にはあの赤紫色の光を見るのは二度目なんだ。 一度目は蒼い光りと共に光り続けたということくらいしか」



二度目?

これが初めてじゃないの?



ルシュカ

「だがその時はここまで禍々しい物じゃなかったんだ、だから・・・」


サナミ

「わかったありがとう」



恐らくこれ以上は本当にわからないのだろうし、それを聞けただけで十分だ。



サナミ

「ミツバさん・・・」



手に持つ剣を見つめる。


ルシュカの言う蒼い光とは恐らくミツバさんのことだ。


なら・・・。




シュリー

「ちょっとサナミ!! まさか!」


ルシュカ

「何を・・・」



ルシュカにミツバさんを差し出す・


カズキさんが自分よりも大切にしている剣を。



サナミ

「これしかない、シュリーと私で援護するからこれを彼に・・・カズキさんに突き刺して」


シュリー

「そいつに預けるくらいなら私が!」


サナミ

「でもこれしかない! 私とシュリー、レイドラさんを合わせてもあれは止められない!!」



振り向き今の戦場を直視する。




レイドラ

「ぐあぁ!」


カズキ

「がぁあああああぁあああああ!!!!!」



レイドラさんが地面に叩き落とされた。


すぐに起き上がり追撃を免れてるが、あまりにもフラフラだ。


ここに私達が加わったとしてもなんとか五分五分ならいい方。


最悪全滅もあり得る。




シュリー

「・・・・・・っ! わかったわ、もし不穏なことしたらその時は覚悟しなさい小娘」


ルシュカ

「・・・・・・」




ルシュカ・・・。


そうか、いつも身に付けてる愛刀が粉々にされている。


今は手に持っている取っ手の部分だけ。

完全に戦意を喪失している。




ジャキンッ・・・。



ミツバさんを地面へ刺す。




サナミ

「シュリー・・・行こう」


シュリー

「ちっ・・・そうね」










二人はルシュカを背に悪魔の下へ向う。


ただその姿を見届けるしか出来なかった



ルシュカ

「私は・・・」



完全に戦う気力を失ってしまっていた。


三刃は今も暴れている。




サナミ

「レイドラさん! ブロック!! シュリーアタック!!」


シュリー

「バレット! グラビトン・バニッシュ!! レイドラ避けて!」


レイドラ

「うん! ミラージュイリュージン!!」


カズキ

「ぐがぁああああああ!!!!」






身体が震え始めてしまった。


もしかしたら・・・彼を・・・。



一度目の光景を思い出す。


あれはラッドルの屋敷。


あそこには女性の酷い死体があった。



彼は・・・それを見て激怒したに違いない。




もしかしたら、あの兵士殺害も彼がやったものではい・・・。




ならば・・・一番最初の・・・あれも・・・。



ルシュカ

「っ・・・」



ここはバドイの領地・・・彼は地下から昇ってきた・・・。





カズキ

「があぁああ!! うあぁああああ!!!」


レイドラ

「ミラージュプロテクション!!! ぐあぁああ!!」


サナミ

「レイドラァアア!!くぅ!!ツイン!ナイトレイバスタァアアアア!!!」


シュリー

「突っ込みすぎよサナミ!!!」




ルシュカ

「まさか・・・まさか・・・」



全部・・・彼は・・・。



彼を壊してしまったのは・・・。





『そう・・・変わらないはずなんだ、きっと』





この町・・・この国・・・そして。




ルシュカ

「私・・・自身・・・」




これは報いなのか。


今の彼の姿はまるで、この国の悪意を全てをその身で感じ受け取り。


そして具現化した者。



悪魔となり果ててしまうほどの物を彼は・・・。



ルシュカ

「動け・・・」



全てを破壊尽くすことで、全てを終わらせようと。



ルシュカ

「動け・・・!」



自分自身も全てを壊し。




ルシュカ

「動けぇええええ!!!!」




全てを・・・なんてさせない!



彼を。



彼を止めようと今戦っている。



仲間を。



壊すわけにはいかない。



ジャキン・・・!!



握りしめていた太刀の取っ手を投げ捨てる。


そして両手で三刃の剣を握りしめる。



ルシュカ

「んっ・・・! くぅ!!」



重い。


サナミは軽々と持っていたのに。


まるで私を拒んでいるように剣が重い。



ルシュカ

「頼む・・・! お願いだ、私はもうどうなってもいい!だから」



更に思いっきり握る。


願いを込めるように更に強く握る。



ルシュカ

「力を・・・貸してくれ!!!」



その瞬間剣が蒼く光り輝く。










レイドラ

「っ!!?」


シュリー

「この光っ!?」


サナミ

「ルシュカ・・・!」



そこにはミツバさんを構え佇む、私のライバルの人の姿があった。


すぐさま後退の指示を出し陣形を立て直す。



カズキ

「ぐあぁあ・・・あぁああ・・・!!」


サナミ

「カズキさん・・・」



身体何かにどんどん侵食されていく。


もう左側は黒い鱗のような外殻を纏っている。



サナミ

「前衛は私とレイドラさん、後方支援にシュリー。最後はルシュカ、頼めるよね」


ルシュカ

「あぁ、絶対に通す!」


シュリー

「いい返事するじゃない」


レイドラ

「マイロードを・・・絶対に助ける!」




サナミ

「散開!!」




私の掛声と共に各自が散りぢりに別れる。



シュリー

「バレット!」


サナミ

「ツインバレット!」



まずは遠距離攻撃。



シュリー

「グラビティバインド!」


サナミ

「ナイトレイバインド!」



拘束術技。



シュリー

「トリガー!!」


サナミ

「シュゥウウーット!!」



放たれた弾丸が直撃した瞬間に高速術技へと術技変化する。


それを永遠と撃ち続ける。



サナミ

「レイドラ!」


レイドラ

「ミラージュプロテクションライド!!」



上空から一気に急降下。



レイドラ

「ミラージュ! ダイバァアアアアアー!!!」



レイドラの身体光り輝き激突する。



カズキ

「ぐうぅうぅう・・・・うあぁああああ!!!!」



更に動きを封じる。




シュリー

「グラビトンコアライド! グラビトンブレイカースタンバイ!」



銃口に重力渦を展開させる。



シュリー

「サナミ!!」


サナミ

「任せて!!」



一気に駆け抜ける。



サナミ

「ツインナイトレイスラッシュライド! エンドオブ!!」



両手に持つ剣が光り輝き伸びる。



サナミ

「ナイトレイィイイィイ!!!!」


シュリー

「フルシュート!!」




レイドラが左を止め、サナミが右を止め。


そして中央にシュリーの放たれた混合照射術技がカズキ打ち抜き重力場を形成させた。




サナミ

「ルシュカアァアアアアアアアア!!!!!」




サナミは叫んだ。


このチャンスを逃さない為!





ルシュカ

「秘奥義・・・!」




バゴォオンッ!!!




爆発音と共に一気に加速する



ルシュカ

「永爆術技!!」



勢い殺さずそのままミツバを突き立てる。



ルシュカ

「ぐぅううう・・・!!!」



バゴォオンッ!!!バゴォオンッ!!!バゴォオンッ!!!バゴォオンッ!!!・・・。



何度も何度も爆発音を上げる。


少しずつ少しずつ前へ前へ。



一度目の時と同じだ。



だが、今は違う。




ルシュカ

「もっとだ!! もっと爆ぜろおぉおおおおお!!!」


カズキ

「ぐぁあああぁ!!!あぁあああああああああ」


ルシュカ

「爆ぜろぉおおおおおおおお!!!!!」




レイドラ

「いけぇえええええええ!!!」


シュリー

「止まるなぁああああああ!!」



サナミ

「ルシュカアァアアアアア!!」




全員の声が響く。


そして同時にミツバが更に光り輝き、ルシュカの爆発術技に呼応するように同時に蒼い火花を散らす。



ルシュカ

「っ・・・うおぉおぉおお届けぇええええええー!!!!」



カズキ

「ぐああぁああああああああああああああああああああ!!!!!!」








ミツバの剣先が・・・・・・届いた。








カズキ

「がはぁああああ!!!! うおぁおあおあおあおおおおおおお!!!」








ルシュカ

「・・・っ!!!」




剣が刺さった瞬間暴れ出した。


同時に振るい落とされ吹き飛ばされた。



だが、蒼く光る剣は刺さったままだ。



あの時と同じように。




ルシュカ

「ぐっ・・・!!」



立ち上がろうとした瞬間身体が崩れ落ちた。


足にとてつもない激痛が走る。

吹き飛ばされた時に赤紫の光りの攻撃を食らってしまったのか。




ルシュカ

「くそぉ・・・くそぉおおお・・・」




這いつくばってでも立ち上がらなくちゃいけないのに・・・。




カズキ

「がぁああああああ!! かはぁあ・・!! うわあぁあああ!!!」




あの時と同じだ。


苦しみ叫ぶ声が。


だが今の私はここで這いつくばっている。


まだ終わりじゃないのに!!!




レイドラ

「マイロード!!」


シュリー

「カズキ!!」


サナミ

「カズキさん!!」



二人と竜が三刃を生身で抑え込んでいた。


そんなことをしたら・・・。



サナミ

「うぅぅう!!!」


ルシュカ

「やめろ!! それ以上は!!」



ただでさえ全員ボロボロなのに、それでもなお彼を抑え込もうとしている。



カズキ

「うあぁああ!! はぁあああ!!ぐううあぁあ!ああぁあああ!!あぁああああ!!!」


レイドラ

「マイロード!!戻ってきて!!マイロード!!」


カズキ

「あぁあああああ・・・!! がぁあああああ!!!」


シュリー

「バカズキ!! 早く正気に戻りなさいよ!!!」


カズキ

「あぁああああ!! はぁああぐあぁああああ!!!」


サナミ

「お願い!! お願い、カズキさん帰ってきて!!!」




三人の身体赤紫の光りを直接浴びて全身から血を流している。


そんなことは関係ないと、それよりもと。



ルシュカ

(そこまで・・・)



彼女達は一体・・・そして彼は・・・。



カズキ

「あぁあああああ!! うぅうううううううう!! ああぁああああ!!」



苦しむ声が止まること無く続く。


一度目よりももっと苦しく叫び続けている。



だがどんどんと蒼い光りが彼等四人を包み込んでいる。


強く優しく暖かく。




光りは夜明けを忘れさせるほどの明かりを放っていた。




そして上空へと一本の光りの線となり闇夜を照らす。




シュリー

「っ! 二人とも手を!!」


サナミ

「うん!」


レイドラ

「わかった!」




光りの線へ向け手を伸ばす。



シュリー

「世話・・・焼かせるんじゃないわよ」



カズキ

「シュ・・・リー・・・」



レイドラ

「何があっても一緒ですよ、マイロードカズキ」



カズキ

「レイ・・・ドラ・・・」





サナミ

「もう・・・泣かせたりしないから・・・カズキさん」


カズキ

「サナミ・・・さん・・・」





全員が手を置いた。






同時に蒼い光りが周囲を強く明かり照らした。







その瞬間・・・赤紫色の光と黒い外殻が弾け飛んだ・・・。










カズキ

「ぁっ・・・ん・・・」




その場でカズキは倒れ込む。


が、サナミとシュリーが抑え抱きかかえる。


レイドラは小さくなりカズキの胸に乗る。






ルシュカ

「止まった・・・終わったのか」




まるで先ほどまで地獄を見ていたような感覚だ。


不思議と痛みが消えている。

最後に光りか。


力を振り絞り立ち上がる。




だがそれ以上は何もできず、抱き合って泣いてる4人を見守ることしかできなかった。








だが、この静寂を・・・一人の男の声が壊した。














シェイン

「あぁああああああ!!!! なんてことだあぁあああああ!!!!」




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