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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
22/70

第22話 第2近衛騎士団

【ダンス晩餐会会場 応接室】


ユミィーリア王女殿下のダンス晩餐会が行われてる最中それは起きた。


ダンス会場で貴族の男が一人死亡した。

死因は毒死。


飲み物に混入された毒を口に入れてしまい死んだ。


すぐに不審者を追い王都内で追い詰めたが黒ローブの忍者に邪魔をされた。


その後の不審者を追うも路地裏で息の根が止まっている死体転がっていた。



それを確認し俺はすぐに会場に戻った。



応接室にみんなが集まってると通信で聞きそちらに向かった。

会場内には自警団と帝国兵士、そして騎士団の姿も確認できた。


その姿を余所にヴェアリアスの面々がいる応接室に入った。



シュリー

「おかえりなさい、その顔だと収穫なしって感じね」


カズキ

「あぁ、それも主犯を殺されて終わり、ってところだ」



全員揃っていたのでお互いの情報交換をした。

俺は黒ローブの忍者、こちらの世界ではアサシンらしいが、その襲撃にあったこと。


シュリー達の情報によるとその後はすぐに騎士団が王女殿下を別部屋へと誘導し事無きを得たという。

もちろんその後の新たな襲撃があったわけでもないようだ。



そして現状に繋がる。

パーティーはお開きで貴族の面々はすぐに帰宅していく、同時に自警団、ようは警察か、そのごろつき共が女王殿下の御屋敷へずかずかと入っているというところか。



シュリー

「カズキの言い分だと、捨石ってことよねそれ」


カズキ

「だろうな、だが気掛かりな事はある」



そう、会場内で誰一人気が付かないで犯行に及んだことだ。

術技を使っていたにしても、少なくても俺やシュリー、サナミさんという面子がいるんだ。

早々怪しいことは出来ないとは思うが。



サナミ

「その気掛かりは、解消されたみたい。みんな王女殿下が呼んでる」


ナザ

「サナミさん! え!?どうして俺らが!?」


カズキ

「・・・・・・・・・」




嫌な予感・・・だ。





【ユミィーリア別荘 本邸】


俺達は本邸と呼ばれる所まで出頭させられた。


どうやら晩餐会場のすぐ隣にある邸宅も王女殿下の別荘とはな。

そして今はその本邸に王女殿下は非難されている。


シュリーの機転のおかげでみな元の服装に着替えることになった。

俺はただ脱ぐだけだったが、どさくさに紛れて貰っておいた。



フェーチス

「ね、ねぇ・・・大丈夫だよね?」


ナザ

「あ、当たり前だよ! なぁカズキ?」


カズキ

「どうだか、ただ言えることは・・・」


ナザ

「な、なんだよ?」


カズキ

「歓迎はされない・・・ということだ」



ナザとフェーチスは余計に不安な顔になった。

だが、いざ扉が開き中へ招かれた時には、二人とも決意に満ちた顔になっていた。


やっぱりなんだかんだで強いよなこの二人は。



大きなエントランスを抜け2階へと向かう。

その道中には多くの者が飾られていた。


綺麗な花瓶、彫刻、大きな絵画・・・どれも値を張る一品ばかりなのだろう。

それがこうも多く飾られている。




『自分の・・・好きな物さえ・・・知らないんだもの』




そう彼女は泣いた。

自分の好きな物・・・それすらも知らなかったと泣いたあの子にこの高価な品々はどのように映っているのだろうか。



これもまた・・・彼女の想いとは違う形をした、知らない物なのかもしれない・・・。




「こちらで、お待ちしております」




頭を下げ扉の隅へと退くメイド。

扉をノックする前にみんなの顔を見る。


みな真剣な顔で無駄な心配みたいだったようだ。

逆に俺がしっかりとしなきゃと思わされた。



カズキ

「すぅー・・・っ」



ノックをした。

中からは若い男の声で入るように言われた。


余計に嫌な予感がした。


カズキ

「失礼します・・・」



俺達は中へ入った。


部屋へ入った瞬間に異様な空気が部屋の中を支配していたことにヴェアリアスのみんなはすぐに気が付いた。


部屋の中には結構な人数の人間がいた。


王女殿下の左手側には俺の知る第5騎士団が。


逆手側には先ほど返事をしたであろう若い男と兵士達複数が部屋を占拠していた。

そしてクリルが先頭に立ち、向い側の男達といがみ合っている。



ユミィーリア

「カズキさん・・・」



小声で俺の名を呼んだ気がした。

一応軽く頭を下げ挨拶を軽く済ませた。



???

「貴様・・・王女殿下に無礼であるぞ」


カズキ

「ん? 王女殿下じゃないだろ俺達を呼び付けたのは、なあ・・・ペテン騎士団」




すぐに分かった、クリル達といがみ合っている連中の正体。

今日王の間でやり合った団長の部下共だ、着ている服装でわかった。


なるほど、これを気に出張ってきたか。



???

「無礼もここまで来ますと不愉快ですね」


カズキ

「不愉快? それで済むなら安い騎士団だな、なぁこいつ誰」



呆気にとられてるクリルに聞く。

他の面子もいるみたいだ。


アニレナはふっと俺の挑発を笑い、ニーネあちゃーと顔を隠している。



クリル

「第2騎士団副団長、ムロエ・エッター」


カズキ

「へぇームロエ君か、で、俺達に何か用か? これでも忙しいんだよ。団長さんがショックで寝込んでるような騎士団と遊んでる暇なんてない」


「き、貴様!! トクスト様は!!」



第2副団長が歯向かう騎士を止めた。

だがどうやら声を荒げた騎士のみならず、俺へ殺意を一斉に向け始めていた。



クリル

「お、おい、お前何やったんだよ、あいつ尋常じゃねーぞ」



クリルが小声で聞いてきた。


そうか、こいつはずっと王女殿下に付きっきりだったから知らないのか。

どうゆう反応するか楽しみだな。




ムロエ

「ではカズキ殿、お呼びした経緯をお話し致しまし」


カズキ

「気安いぞ、名前を名乗ったつもりはない」


ムロエ

「ならばデッドアイと呼ばせて貰おうかな?」


カズキ

「気安いと言った、学習出来ないとみたが?」


ムロエ

「言葉を交わしてやってるだけありがたいと思え、まぐれ英雄」


カズキ

「哀れな上司の部下も所詮哀れか、ご愁傷様」


ムロエ

「貴様らなどすぐに消せるのだぞ、弁えろ」


カズキ

「そんな言葉しか出ない自分にいい加減気付いて引っ込め、三下」



ユミィーリア

「静粛ぅうう!!!!!」




王女殿下の迫真の言葉に咄嗟に一同一斉にひれ伏した。


静粛、に、じゃないのか。

と思ったのは俺だけじゃないはず。



ユミィーリア

「えっと・・・その・・・はい!第2副団長殿!」



ムロエ

「はっ・・・この場を設けさせて頂いた経緯を説明させて頂きます」



俺達ヴェアリアスは一先ずクリル達の側へ行き事の経緯を聞く。


そして今回の事件で状況説明をし始めた。



その中で耳に入って驚いたことそれは、今回の主犯たる人物は死亡した貴族の仲の良い友人。


そして今回のパーティーに呼ばれていた者だったということだ。

なるほど、サナミさんの言ったことが理解できた。


俺の気掛かり無事に晴れた。



ムロエ

「以上が、ここまで起きた事の説明です、本題は・・・」



ここで俺を睨むか。



ムロエ

「主犯の人間を手助けした痕跡を我が騎士団は入手致しました、そうつまりは本事件には協力者がいたのです」




第2騎士団が一歩前へと進む。



ムロエ

「まだ、調べは全て済んでいませんが・・・誰が一体協力者なんでしょうね」



証拠不十分にもほどがあるだろう。

そんな言い掛かりだけで、こんな目に会うのか。


哀れな奴ら、本当にうんざりする。



クリル

「だからおかしいだろ! そんな事で私等が王女殿下の護衛を降ろされる理由になんでねぇーだろうが!」




護衛の任を降ろされた。

まさか・・・。



カズキ

「俺達の監視・・・か」


ムロエ

「えぇ! お話しが早くて助かります。無駄に生き延びていく知能だけは心得ているようで安心しました。 そう、今後私達、第2騎士団が王女殿下をお守りしますので、あなた達はそちらの怪しい人間達の監視をお願い致します」



一枚の紙を出し、それをこちらへと投げた。

俺はすぐに拾い内容を確認した。



ムロエ

「ご覧の通りですよ、評議会も今回の第5騎士団の失態を悩んでおられるのですよ! そんな人間達には王女殿下は任せられない、そう言ってるのですよ」



内容は、第5騎士団は重要参考人の監視を責務とし王女殿下の護衛を第2騎士団へと移すものとする。



その内容を知った第5騎士達は下を向き自分達の非力さを噛み締めていた。


そうか、これが狙いとでも言うのか。


だとしたらあれは何だ・・・、一体誰の差し金だ。


俺の脳内で何かが引っ掛かった。




黒ローブの忍者。




仮に今回の件は俺達を罠にはめて第5騎士団の失脚を目的としたものであれば、あそこまでの人間を用意するとは思えない。


あの動き、戦い方。

明らかに騎士や帝国兵士の物じゃない。



だとすると考えられるものは一つ・・・。



カズキ

「よく出来たシナリオだ、お父様にでも考えてもらったんだろうなーさぞかし大変だったんだろうなー」



第2副団長へと歩む。

単純明確、誰でも出来そうな事。


人一人を殺し、もう一人の命をさらに奪う。



『わ、我々は人ではない・・・これは帝国の意思だ』



言葉に意味はない。


だがあの流した涙の本当の意味、気付くことが出来なかった。


大切な友人を殺した・・・そして殺した側の人間は恐らく何らかの形で救われるのだろう。


そうやって、知らない間に行われる大人のやり取り。

自分ももしかしたらそれに近いことをやっていなかったわけではない。




カズキ

「だから・・・」




だからこそ・・・。




カズキ

「お父様に伝えておけ、思い通りにはならないってな」





こいつらは俺の平穏を脅かす・・・!






シュリー

「カズキ・・・いくわよ」




シュリーが他のみんなを連れて先に退出した。

それを追うように第5騎士団も部屋を出るが、一人一人が第2騎士達に殺意を向けて部屋を後にしていった。



そして俺も何も言わずに背を向け歩いた。




クリル

「くっ・・・・・・、っ!!!!!」


サナミ

「クリル・・・」



振り上げた拳を片手で止めた。

震える拳からクリルの想いが伝わるようだ。



サナミ

「うん、行こう・・・ね」


クリル

「はい・・・ぅ・・・」



誰にも見えないように下を向いて歩き出した。



サナミ

「それでは王女殿下・・・また後日」



丁寧なお辞儀でサナミもその場を後にする。



ユミィーリア

(サーちゃん!!)



サナミの去り際に立ちあがってしまう。


まただ・・・。



また自分は無変遷の人間なのだと、思い知らされる。



また自己嫌悪に・・・。




『嫌いに・・・なったの?』


『・・・また後日』




ユミィーリア

「・・・っ!」



そうだ。


私にはこんなところで挫けている暇なんて無い。




こんなちっぽけなことで・・・怯んでいてはいけない。






---------------------------------------------------------------------------



【王都ナイクネス 宿屋】



俺達ヴェアリアスと第5騎士の主要メンバー、クリル、アニレナ、ニーネは残り俺達の監視という名目で宿屋で集まっていた。



「私達も一緒に戦わせてください!」


「あんな三下眼鏡に負けたままなんて悔しいですよ!!」


「王女殿下を取り返さないと!!」



一人一人の気持ちは物凄くありがたいのだが。

丁度いい宿屋が今いるここくらいしか空きが無く他の第5騎士は自宅待機を命じた。


みな渋々と帰宅していこうとしたところに。



サナミ

「みんな、私達はいつも一緒って言ってるでしょ? だからそれまで・・・わかってるね?」



「「「「「「は、はい! 我ら剣は王女殿下の為に!!!」」」」」」



今度は意気揚々として帰っていった。

まるで下校時の引率の先生と生徒。


この後一緒に稽古をしようだとか、時間を合わせようだとか。

まるで大会を控えたの部活を思い出していた。




クリル

「だって・・・サナミ様の留守!!! 留守を・・・うああぁああああぁああぁあんんん!!!!!」


フェーチス

「あぁークリルさん泣かないでください、というか何で私に泣き付くんですか」


ニーネ

「何でだろうねー何でだろうねー」



こっちはこっちでまるでお通夜ムードというわけでもないって感じだな。

まるで微笑ましい。



シュリー

「何ニヤついてるのよ、半分以上あんたのせいなんだからね」



シュリーはなんだかずっと不機嫌だ。

あれか鉄分が足らないのか吸血鬼だけに。



シュリー

「あんたねぇ・・・!!」


カズキ

「流石にごめん・・・で、いる?」



左人差し指を差し出す。




ガブアァアッ!!!!!




カズキ

「あぁああああああああああああああああああああ!!!!!!」




これは自業自得。



自分でもわかる。













それからみなで夕食を共にして作戦会議を開いていた。

第5騎士団の面々からの情報を聞いていた。



情報内容は最近騒がれているという反政府勢力の話しだ。

今回の晩餐会で起きた事件。


あれは第2騎士が意図を引いていた可能性は高い。

だとするとその協力者、反政府組織に連なる情報が俺達には必要になる。




ニーネ

「そうですね・・・お伝えできる情報としてはそこまで多くないのですが」



ニーネさんが話してくれた情報は今まで起きた大きな事件の内容だった。



一つ目は、帝国兵士の殺人事件。



兵士は主に横領や物資の横流しと、多くの悪評を持った人物。

一番の注目する点は死体の発見状況だ。


街の大広間で十字の板に括り付けにされ晒されていたという。





二つ目は、商人貴族の生き埋め事件。



こちらも一件目の事件と同じく不正売買を行っていた男。

語られる事件の名の通り生き埋め、更に毒を盛るという悪質な物だった。





三つ目は、溺死事件。



殺された人間は、兵士教育に勤めていた教官。

兵士の育成における多大な暴力行為、それには多くの帝国兵が苦行を強いていた。


数日の行方が不明になり、水死体で発見された。






上げられた事件の数々の共通点は爵位ある貴族達が連続して狙われたという物。


そして・・・。



カズキ

「札?」


ニーネ

「はい、いずれの死体には必ず札が首からぶら下がっていたりしていたのです」



ニーネさんが紙に何かを書いた。




「これは帝国に意志である」




俺が追い掛けた犯人も同じようなことを言っていた。



帝国の意思。



まるで自分達は帝国の意思で動き、裁きを下している、そんな感じか。


襲われた人間の共通点、話しを聞いている限りでは悪事を働いている人間が多いとされている。


まさに裁きの所業。



カズキ

「なるほど・・・、で自分達の行いを正当化していると」


アニレナ

「胸糞わりー話しだよな、法で裁けない人間を片っ端から潰しているっていう正義の騎士様気取りでよ」


サナミ

「でも、やっている事は悪質な犯罪行為」



正義の騎士様か、国民としては喜んでいる人間もいるという。

酷いものだ、人が吊るし上げられて殺されているのに。



カズキ

「そして、容疑者も捕まらずということか」


ニーネ

「はい・・・」



ここまで大掛かりな事件を起こしているのに容疑者が一人も捕まってないか・・・。


そして今回の晩餐会と第2騎士団の介入。



カズキ

「ちょっと通信してくる」



立ち上がり部屋を出ようとする。



サナミ

「何か宛てがあるの?」


カズキ

「いや、ただの確認。出来れば敵の詳細が少しわかるかもと思ってね」



沈黙が続く部屋を後にし俺は宿屋を出た。


外はもう真っ暗闇。

街頭の光だけが頼りの道が続いている。


俺はすぐにインカムをつけ連絡を取った。



カズキ

「クレエスさんごめん、寝てた?」


クレエス

「いえ、書類等の整頓をしておりました。どういたしましたでしょうか」


カズキ

「相談事・・・お願いがあるんだ」




こうして晩餐会の夜は、苦い思いのまま日を明けるのであった・・・。




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【王都ナイクネス セイブンスラー邸】



トクスト

「くっ!!!」



静寂な夜。

木刀をただ振り続けていた。


あれからずっと脳裏にこびり付いている。


あの男が。



『今度はお前が種を見破るか? ペテン騎士様』




あの言葉がずっと響く。




トクスト

「くそぉ!!!」




屈辱だ。

屈辱以外の何ものでもない。



それだけではない・・・。





『まだまだ修行が甘いな。奴と一戦交えて気付かなかったか』





第1団長の言葉が繰り返される。





トクスト

「くそぉ!!!」





わかっていた。

奴にあの力を使ったとしても、確実に勝てるという断言はできなかった。



あの目に自分は震えた。



デッドアイ。



その由来が初めて分かった瞬間だった。

あの化け物に自分は勝てない。




ならば・・・。




トクスト

「僕が・・・負けるはずがない!!!!!」




バキィッ!!!!





木刀を地面に叩き壊す。



そうだ・・・負けていない。



自分はまだ・・・負けていないんだ。








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【王都ナイクネス 宿屋】



朝の目覚めは宿屋の起きている事態から始まった。



ナザ

「こ、これなんですか?」


アニレナ

「何ってあたし等騎士団の物資だよ、ぼっと突っ立ってないであんたも手伝いなよ!」


ナザ

「あはい!!」



木箱が大量に運び込まれている。

昨日解散した他の騎士達も手伝っているようだ。


その中にはフェーチスも一緒に木箱を運んでいた。



フェーチス

「それにしても大掛かりですね」


ニーネ

「そうだねー、本来ならユミィーリア王女殿下の所に置いておきたかったんだけどねー」




今は第2騎士が占拠している為追い出されたようなものだった。

第5騎士団としても、必要な物を奴らにくれてやることもないことからお引越し中ということらしい。



シュリー

「ふぁわぁーー!!・・・おはよう、あれカズキは?」


クリル

「すっげぇ欠伸・・・おはよう、デッドアイなら早朝に子竜と一緒に調べ物があるって飛んで行きやがった」



クリルの言葉からしてまた要件を伝えずに何処かしらに行ったのだろう。

また溜息が出る。



まだ今後の話し合いもしていないというのに。

シュリーは寝起きの頭を覚醒させる為にカズキからくすねたコーヒーを入れる。



クリル

「あっ! あんたも手伝えよ!」


シュリー

「馬鹿言わないで、私はゲストよ。手伝うわけないでしょ」



苦味を味わいながら、今後の事を考える。


どうせカズキの事だ、反政府勢力を潰そうなんて考えているのだろう。



シュリー

(まぁ私も昨日のあれには、流石にイラッと来る物もあったし乗りはして上げるけど・・・)



だとしても手掛かりがない。

カズキは何かを確認すると昨日通信していた。


その後は特段しゃべること無く終えたけど。



シュリー

「そう言えばサナミはどうしたの、小娘エルフ」


クリル

「誰が小娘だ!誰が! 今朝評議会からの召集で王城だよ。ったくなんでサナミ様ばっかりいつもいつもいつも・・・」




評議会か・・・。


また面倒事を押し付けられてるって感じか、確かに少し同情するわね。



それにしても・・・。



凄い量の物資。

何所かと戦争でもするのか思える量だ。



シュリー

「はぁ・・・先が思い至れる・・・」



テーブルでぐてっと伸びていると、一人の騎士が宿屋に飛び込んできた。



「大変です! また出ました!」



一瞬空気が止まった。

それからの判断は流石に早かった。


クリルは騎士団達にこの場を任せ、現場へと急行した。

ヴェアリアスもフェーチスを宿屋で待たせてナザと一緒に走った。






【王都ナイクネス 大広間】




人だかりが出来ていた。


何かを中心にして。



そう、これは一番最初に起きた事件と同じ手口だ。




ナザ

「なんだよこれ・・・」


シュリー

「・・・首吊り」




死体だ。



また死体が大広間に現れた。



自殺・・・?


いやここに集まっている者達はそう思わない。



まただ。



知らせに来た騎士の子と同じ考えだ。



また出た。




クリル

「ちょっと行ってくる」


シュリー

「えぇ・・・」



クリルが人だかりを割って中へ入っていく。


周りの反応も疎らだ。

怯える者もいれば、裁きだと口ずさむ者もいる。



おかしな状況に溜息が出る。

昨晩の事件からこれである。


一体何が起こっているのか見当もつかない。



シュリー

「ん?」



物影から惨状を見ている人物がいる。

怯えている?



シュリー

「ナザ、ちょっとここにいて」


ナザ

「え? 博士・・・ちょ!」




ナザの静止を聞かず歩く。

直感が囁いた、何かあると。



シュリー

「ねぇ・・・あなた、少し良いかしら?」


「え!? な、なんでしょうか・・・」



女の子、服は小奇麗で何処かの貴族の令嬢といったところか。

体中が震え、怯えているのがわかる。



シュリー

「私はシュリー・マリリア・シュベンザーっていうの主に学者として旅をしているの、昨日この街にきたばかりなの。よかったらこれの事教えてくれないかしら」


「い、いえ! 私は・・・」



怯えている。

自分に恐怖しているのか。


いや、これは違う。


もっと別な何かだ・・・。



「あの!私・・・、ごめんなさい!!」



シュリー

「あっ・・・はぁ・・・」




怖がらせたか。

自分はどうもこうゆうのには心底向いていないと感じさせられる。



一人の令嬢様・・・一体何があったのかしら。






それからというもの、みな宿屋に引き返してきた。


荷物整理は他の騎士の子達に任せ、朝から重い空気が漂っていた。



サナミ

「遅れてごめん!」



サナミが一人扉から入ってきた。

どうやらやっと評議会から解放されたのか。



クリル

「サナミ様・・・」


サナミ

「うん、大丈夫。いつもの愚痴を聞いてあげてただけだから」



それよりもと、話しを切り替えた。

ここに来る途中に騒ぎがあったことは知ったみたいだ。


そしてクリルが改めてサナミを加えて入手した情報をみんなに伝えていく。



殺されたのは伯爵貴族、主な職は武器関係に携わっていたという。


噂の範疇ではあるが、裏取引で物資の横流しをしていたとされている。


その男が大広間で首吊りという最後を向えたと。



フェーチス

「また・・・悪い人ってこと?」


ナザ

「だけどよぉ・・・あんなの無いぜ」


フェーチス

「そうだよね・・・ごめん」



顔を下げ謝る。

確かに現場を見ていない人間からすると本当に悪人を裁いているようにも感じるが。



シュリー

「幼稚・・・」



みながシュリーに目線をやる。



シュリー

「あれ、完全に幼稚な行動よ。自分達が正義を行ってると勘違いした確信犯。そんでもってそれを大衆にアピールしたくてしょうがない」



承認欲求の塊。

自分達が代わりにやっているという傲慢さが見えた。


そう、やるのなら最初の1回目だけでいい。

昨日のニーネの話だと少ない数ではない。



あまりに幼稚な行動だ。



何となくだが見えてきた。



シュリー

「恐らくこれは・・・子供の仕業」


サナミ

「・・・っ」


クリル

「あん? 子供ってどうゆうことだよ」



もちろん子供とは比喩だ。


自分の推測を話した。



シュリー

「殺された人間達はまさに悪事を働いていた人間達、本当にそうかわからないけど、少なくても国民内で噂をされる程度には知られている人間、みんなが知っているなのに裁かれないのはおかしいって発想から出た狂気」



この国の法では裁けない悪人は少なくない。

そこで自分達が立ち上がり悪人達に鉄槌を下すのだと声を荒げた。



シュリー

「本当は1、2回で済ますはずだった・・・けどやめれなかったなんでだと思う?」


ナザ

「え? いや・・・それは・・・」


アニレナ

「喝采が・・・忘れられなかったから、か」



アニレナの言う通りだ。

歯止めが効かない。


次で終わりだと自分に言い聞かせる。

だがそういかなくなる。


勢力が大きくなるにつれてその喝采はさらに大きくなり、更なる喝采を求めていく。



サナミ

「それが本当なら・・・可哀想」


クリル

「えぇ!? ででも人を何人もやっておいて可哀想って・・・」



クリルがサナミの発言に驚く。

そう、何にせよ人を殺した。


そしてその人殺しを喜びに変えてしまっている連中だ。

弁解の余地なんてあるはずがない。



フェーチス

「サナミさんの言ったこと私わかるよ」


クリル

「フェーチスまで・・・」


フェーチス

「もちろん、もう取り返しの付かないことを繰り返しているのはわかってる。だけど、もし誰かが止めてさえいれば。それ以上な事は起こらなかったはずだよ・・・」


シュリー

「そう・・・だから」




連中は子供なのだと仮定したのだ。


自制心がない、その癖に臆病で頭も回る。

それでいて主張も激しい。


先にある根本的解決もしないまま、ただ目の前の事だけに執着した結果だ。



クリル

「はーぁ・・・なるほどな、馬鹿な連中ってことか」



クリルの言葉にみな小さい笑み浮かべた。

まさにその通りということだった。



仮定であり確実性のない話だが、空気が和らぐことはなかった。

むしろ、もし仮定が当たっていて自分達がその子供達と戦うことになった場合の事を想像してしまったのだろう。


その瞬間に、自分は武器を握り振るうことが出来るのだろうか。




「お話し中すみません、シュリー博士にお客様がお見えですが」



シュリー

「私・・・?」



報告にきた女騎士の後ろには、縮こまった一人の少女がそこにいた。




「あの! 今朝は逃げてしまってすみませんでした!」



頭を思いっきり下げ謝罪した。


そうか、あの時の令嬢。


今朝の現場で声をかけて逃げられてしまった子だ。



「シュリー様がこちらにいらっしゃると聞き、お伺いさせて頂きました」



話しによると一度屋敷に帰って使いの者達に聞いたそうだ。

シュリーという有名な学者のこと、そして今は小さい宿屋にいることを。


もちろん最初は警戒していた、だがいざその宿屋の前にきた時にかの有名な第5騎士団の面々が居た。

身が震えたが、彼女はシュリーという学者を信じてここまで足を運んでくれたという。



「折り入って、お話しさせて頂きたいことがあります!」



強い瞳。

今朝出会った時とはまるで別人だった。


そんな彼女を追い返すような真似をする人間はここにはいなかった。



シュリー

「うん、ありがとう。聞かせてもらうわ」




「あ、ありがとうございます!」



笑顔で返した。

その返事が嬉しかったのか、少し涙ぐんでいた。




彼女の勇気ある一歩・・・これが私達に大きな転機をもたらすのだった。





-----------------------------------------------------------------------------



【王都ナイクネス ユミィーリア別荘】




ユミィーリア

「・・・・・・」


あれからというもの、この邸宅から出ることも禁じられていた。

第2騎士団は業務以外のことで会話無かった。


第5騎士団のみんなが心配だ。



いやそうじゃないか、この状況下になって第5騎士団のみんなが恋しくなっているのだろう。



今みんなはどうしているだろうか。



多分カズキ様達と第5騎士団が集まっているのだろう。



何をしているんだろう、でもきっと一つの事みんなで考えて一緒にどうしようかと悩んで相談して力を合わせて頑張っている。




その出来上がった輪きっと物凄く強い物。


だってあのベルデラの大襲撃もこの間の兵器獣との戦いも、彼等の活躍があってこそのもの。




そしてその輪には私はいない・・・。





その輪に私は・・・きっと入れない・・・。




トクスト

「・・・殿下、王女殿下!!」


ユミィーリア

「え!あはい!?」


トクスト

「以下の方針で今後は進めていく予定ですが、よろしいですか?」




話しは一切聞いていなかった。


でも、どうせ言っても彼等は聞き入れてくれない。

これはよくあることだ。



ユミィーリア

「はい・・・大丈夫です」


トクスト

「かしこまりました、それでは・・・」



第2団長さんがお辞儀をした。

彼の名前・・・あまり覚えていない。



『ペテン騎士団』



ユミィーリア

「ふふふっ・・・」


トクスト

「・・・? どうかされましたか?」


ユミィーリア

「あっ! いや・・・が、頑張って下さい・・・」



はい、と一言だけつぶやき部屋を出ていった。


少し笑ってしまったのが申し訳ない気持ちになった。













トクスト

「ムロエ、例の進捗は?」


ムロエ

「滞りなく・・・」


トクスト

「よし、引き続き頼むぞ」




----------------------------------------------------------------------------



【王都ナイクネス 宿屋】



少女が宿屋訪ねてきてみな少女の言葉に耳を傾けていた。



少女は伯爵貴族の令嬢であり、この王都で生まれた王都育ちという。

自分には帝国騎士になることを夢見た兄が一人いることを伝えた。




そして今回話しをする内容は、その兄の事だった。




兄は日々、帝国騎士になる為に猛勉強し剣術などに時間を使い励んでいた。


家族もみなそれを応援し、妹である自分もそんな兄を慕い自分に出来ることはと兄を支えていたつもりだった。


兄は優しく正義感に溢れた人。


自分が騎士になったらもっと力を付けて多くの帝国民を救いたい。

今も戦争で苦しんでいる人達を一人でも多く救いたい。


その為の努力は惜しまない、騎士になった自分に磨きをかけていきたいと、笑って熱く語っていた。




そして運命の帝国騎士の選抜試験。

騎士は王城で執り行われた。



朝一番に王城前へ兄と共に向った。

中へは入れないので、兄へ激励の言葉を告げた。



「あー! 兄様は絶対に騎士になるよ!」



そう強い言葉と共に兄は王城へと、騎士になる為に王城へと歩んでいった。





それから1週間が過ぎた。

騎士試験の終了日時というのは決まっていないと兄から教えて貰っていた。


両親も自分自身も今か今かと兄の帰りを待っていた。





そして、兄は帰ってきた。




その時の兄は疲労からかいつもと違う雰囲気だった。

笑顔もいつもの笑みではなかった。



その後は通知が来る、それを後は待つだけだと兄は言った。



だが、当時の自分には兄の深層がわかっていたのか、兄の様子から何があったのか想像がついてしまっていた。



そして、その結果も・・・。





「騎士不適正通知・・・」




そう、兄に付き付けられたい結果は紙一枚で終わりを告げた。



その後の兄は帝国兵士としてまた一から頑張ると言っていた。



だが、誰が見ても明らかに兄は荒んでいった。

帝国兵士も立派なお勤めだと言い張る兄だったが、夜な夜な一人街へ出歩き途方に暮れながら徘徊するようなことも多くなりました。




そんな日々を過ごしていた半年前。




兄の様子が激変した。

兵士としての御勤めもやめてしまい、家族と食事を取ることさえせずに自宅に籠もる日々になった。



だが変わったのはそれだけではなかった。



必ず夜に街中へ出歩くようになった。

以前の徘徊とは違く、まるで何かに誘き寄せられるように暗闇の夜へと溶け込む毎日。



父にも母にも相談をしたが、好きにさせようという判断で何もしなかった。

自分もそれが一番だと思っていた。



だが二ヶ月前の夜。



兄を尾行することにした。



後ろ姿からもわかっていた、目的地があることを。

そして時間を気にするそぶりから、誰かに会うために向かっているのだと。



更に後をつけていった。




そして屋敷へと姿を消していった。




それからの事は今にも鮮明に覚えている。


屋敷を見張って数時間、何かお友達が出来て遊んでいる。

そう思い帰ろうとした瞬間だった。



屋敷から誰が出てきた。

それも一人ではなく大勢の兄と同じ年代くらいの方々が出てきた。



4人掛かりで大きな袋を担ぐようにして。

出てきた者達はすぐに周りを警戒していた。


それに気が付いた瞬間、口に手を当て物音をたてないように身を固めた。

直感で何かヤバいと察知した。



遠くからだから一人一人の表情はわからない。

だけど、わかった。



彼等は何かをしようとしている、それも喜ばしいことではないことを。



震える体を抑えていた、とにかく彼等が過ぎ去るのを待つ。

声を殺し、この瞬間だけ自分の存在を消す。


必死に震えを抑えるしか、当時の自分には出来なかった。




屋敷から出た者達が過ぎ去った事を落ち着きながら確認し自宅へとすぐさま帰った。



その夜は、一睡もできなかった。


そして兄も帰ってこなかった。











「それから・・・次の日に・・・」



シュリー

「大広間に十字に貼り付けられた帝国兵士の死体」



妹さんは今にも泣き崩れそうな顔で告白してくれた。

まるで昨日のように怖がりながら話す。


確証はないが、と話す妹さん。

だけど、これを話しにきたといことはもう確証を得てしまったのだろう。



シュリー

「もしかして・・・昨日の夜もあなた・・・」



コクリと頷いた。

どうやら二回目もその場を目撃してしまったようだ。


運がいいのか悪いのか、お気の毒だ。



「それで・・・あの兄が・・・怖くなって私・・・!」


シュリー

「・・・大丈夫よ」



ついに涙をこぼしてしまった。

私には妹さんの頭を撫でてあげることしかできないでいた。


それでも必死に何かを告げようと頑張る。

だが、感情には逆らえずに涙をこぼし続けた。



「すみません・・・ごめんなさい・・・」



一体何に対する謝罪なのか。


泣いている自分か。

それとも今まで隠していたことか。



もしくは、兄を止めることが出来なかった自分の無力さにか。




シュリー

「ありがとう・・・おかげでたくさんわかったわ。本当にありがとう」




両手を取り座る妹さんに感謝した。



惨めな顔を晒してでも伝えたこと。

ただ一人でその秘密と戦ったこと。



そして、兄を止める為に出来た勇気に。



シュリー

「絶対に止めるから・・・お兄さんを」


「はい・・・お願い・・・します・・・」




最後には大泣きしシュリーにくっ付いて泣きやむまで離れなかった。

それをただ優しく抱き、背中をさすってあげた・・・。



















そして、妹さんが落ち着いた後はその兄が行っていたとされる場所の詳細を聞いた。


どうやら元々キナ臭い侯爵貴族の屋敷だそうで、第5騎士達は合点がいっていた。



サナミ

「バラエーいるー?」



奥へと呼び込むと元気な子が一人飛び込んできた。



バラエ

「はいっすー! お呼びでしょうか団長!!」



ニコニコとした顔で近付いてきた。

まるで主人に寄りそう犬のように。



サナミ

「彼女の護衛、お願いできるかな?」


バラエ

「了解っすー! あ、でも・・・」



もじもじと申し訳なさそうにサナミを見る。



サナミ

「わかってるよ大丈夫、戦いが起きそうになったら私達をすぐに呼んでね。絶対に無理はしないように」



バラエ

「はーーい!! バラエ!いってきまーーっす!!」



元気に手を振りながら風のように走り去っていった。



戦闘があまりに不得意の騎士。

だが第5騎士団にその尾行能力と潜伏能力に目を付けられ勧誘。


今では騎士のムードメーカーとして一緒に頑張っている。



シュリー

「とは、言ってもあの子大丈夫なの?」


サナミ

「うん、うちの子達に大丈夫じゃない子などいませんので」



えっへんと胸を張られた。

サナミにしては物凄く謙虚も無いドヤ顔だった。



「だんぢょおぉおおおお!!!!」


「いっじょおぉおおうづいでいぎまずぅうう!!」


「もっどもっどがんばりまずぅううう!!!」



一斉にサナミに抱き付く騎士っ子達。

よしよしと頭を一人撫でるサナミ。



シュリー

(まるで飼い主とペットのじゃれ合いね・・・見てて楽しいからいいけど)




それからの方針は決まった。



情報収集だ。



妹さんが教えてくれた、侯爵貴族について、そして兄である人物との接点などを調べ上げる。


サナミは外へ出て街へと聞き込み調査を。


ナザはそのお手伝い。


フェーチスは未だに終わることのない荷解きのお手伝い。



そして・・・。




シュリー

「ヴォル!? 何でそんなとこにいるのよあんた」


カズキ

「用事用事、人に会いにきた」



私はカズキに連絡を取っていた。

先日の件もある為、カズキとの連絡はしっかりと、自分から!しないとまた何やらかすかわかったもんじゃないからだ。


そして今朝の出来事とその現場で出くわした妹さんの情報を共有して上げた。

何故か、そっか、と反応が薄くまた怒鳴りそうになったがここは一度落ち付いた。



カズキ

「んー・・・兄と集会か・・・その子に護衛は?」


シュリー

「一応一人付けてるから問題ないわ、それにサナミ達も情報収集で動いてるわ」



そっか、とまたそれだけの返事だった。

だが今少しわかった、こいつの考えてることが。


正確には、思っていること。



シュリー

「仮説と仮説のぶつかり合いって感じなのかしら?」


カズキ

「あぁーうんそう、どうも引っ掛かることが多すぎるんだよ、例えば・・・彼等が一人だけでやったのかなって」



彼等なのに・・・一人?

一体どんな言葉遊びだ、矛盾している。


そう突っ込もうとしたが、カズキ自身整理しきれていないのもわかっている。

ここは聞き流して上げるのが一番か。



シュリー

「そう・・・とりあえず無茶だけは勘弁してね、あんた一人だけじゃないんだから私はいいけど他の子達に迷惑だけは掛けないようにね」


カズキ

「ん・・・」



通話先で固まった反応が返ってきた。

何か驚くようなことを言ったのか。



カズキ

「わかった、いつも心配かけてごめん。 シュリーには気付かされてばかりだな・・・ありがとう」



じゃあと一方的に通話を切られた。



シュリー

「・・・・・・もう!!!!!!」


フェーチス

「っ!!? ど、どうしたんです?」



フェーチス含め作業中の騎士っ子達を驚かせてしまった。

一瞬その場が固まってしまったが、すぐに謝り事無きを得た。



シュリー

(人の気も知らないで・・・あの馬鹿は・・・)




むしゃくしゃした。



そんなシュリーが赤面していて、カズキの事だとフェーチス含め騎士っ子達も小さく笑みを浮かべていたことを小さな吸血鬼学者は知る由もなかった。












カズキ

「そう・・・だな」


シュリーの言う通りだ。

ヴェアリアス、これはもう俺だけの問題にすることが出来ないものだ。


今まで以上に慎重にしなくてはいけない。

それ以上に彼女達にもっと気を使わなくは。




セイトー

「おぉ!! カズキはん!お待たせしました!」




その為にもまず、俺に出来ることを・・・確実に。







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