表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
19/70

第19話 多彩色 ヴェアリアス

【???????】


それは兵器獣が暴れていた時の裏の出来事。



ヌーター

「クカァァアアカカカカカ!!! 素晴らしいぃいい!! これがカカカカカカア!!!」




光り輝く蒼ッ!!



そして異空間からシュベンザー博士と子竜を助け!!



あまつさえ子竜は神の眼の力を使い超進化を遂げ!!



その神秘の力で私の最高傑作を意図も容易く木端微塵に吹き飛ばした!!



これはもはや人知を超えた力!




そうだ、神の眼と同等、それ以上の力、いや!奇跡!!




ヌーター

「あはぁああ、下手に手を出すなと言ったタタタタのも納得・・・これを見せたいが為に私を救いクカカカ、更にはわ私を仲間マママにしたいと?」




共に映像を見ていた男がフードを取り喋り出した。


そうこの男がヌーターを死体水槽から救い、軍事拠点へ運び共に戦況を見守っていた。



シェイン

「素晴らしぃいいいいいい!!! その通りでございます同志ヌーター

!!!」





異教徒組織ハイトスの幹部 シェイン・トルテン 。



話しは聞いていた。

元々宗教など興味もなければ関わることもないと思っていた。



ヌーター

「だがぁ!! 神の眼!! 光り輝く蒼オオオオオ!! これらはハハハ現代科学では到底解明出来ない力かかか!!いや奇跡だ!」






シェイン

「その通りです同志ヌーター、共に世界の時を見ましょう・・・」







----------------------------------------------------------------------------


【バーラム村 北部洞窟】



そこでは夜な夜なスケルトンが村に来るということで俺達は原因の究明と対処に足を運んでいた。




サナミ

「ブロッカーセット!! アタッカースタンバイ!」



サナミさんの掛声で俺とレイドラは左右に別れ、大型スケルトンの両手から繰り出される斬撃を受け止める。



サナミ

「アタック!」



号令とともにナザとシュリーが仕掛ける。



ナザ

「ブレイヴ・バスタァアアアー!!!」


シュリー

「グラビティバニッシュ! シュート!!」



二人の攻撃が直撃する。


ナザの真素の光りで巨大になった矢は敵の肩を撃ち貫き。


シュリーの重力弾は逆側の肩に触れた瞬間に粉々に粉砕させた。



両肩が無くなり手が身体から切り離された大型のスケルトンは攻撃手段を失い動きを止めた。



サナミ

「全騎! フルアタック!!」





それからはまさにオーバーキルというやつだった。


各自の思い思いの術技を腹いせのように浴びせた。














それから辺りの敵を掃討しみんなでシーツを引き昼食を取っていた。



ナザ

「いやぁ~こんだけつえーパーティーだと、どんな敵が来ても負ける気がしねぇーわ」



実際ナザの言う通りだ。


俺とミツバとレイドラだけでも十二分に強いのだが。


ナザにはかなりの上達を見せつけられた。


ベルデラで共に戦った時とは比べ物にならない程に強くなっていた。

術技ばかりに頼らず、それでいて弓兵なのに前線にも出る柔軟性。


そして何よりも使える術技がこの短期間に覚えたとは思えない程に増えていた。

今ならそこらの騎士様達にも勝てるレベルだ。





シュリー

「私一人でも十分だったけどね・・・」






それからシュリー。


いつもなら寝ていたり部屋にこもりっぱなしな所に俺達4人で行くことを伝えたら急に起き出して自分も行くから待てと言い出した。


どうゆう風の吹き回しか、運動したくなったとか、調整したライフルの試し打ちをしたいとか。



『カズキが受けてくれるの?私の試し打ち?』



なんて冗談を言い出した。

兵器獣の一件時にミツバがサナミさんに渡した時と同じ様にシュリーにも武器を渡したようだ。


シュリーにそれがライフルであることを伝えたが、これ杖じゃないのかと数時間口論になった。


ライフルとは何か、銃とは何か、どうしてそんな名前なのか。



知るかよ!


だけど、どっからどう見ても杖ではない。


俺がいた世界のようなリアリティあるデザインではないが、これはライフルだ。




ということを散々説明した。



そして実力は折り紙付き。

元々一緒に旅をしていた時にも聞いたのだが、武器を持つ必要があるほどの敵に会わない、だそうで武器を持つ必要性を感じなかったようだ。


たしかに実力は俺自身が感じてた。

重力系術技は高度な物らしくこれをここまで自在に扱えるのは自分くらいとまで自慢げに話していた。


つまり武器が無くても戦えるというものだったのだが。



あの一件からライフルを愛で大切に使っている。


話しを聞くと今なら大国1つを術技一つで崩壊させられるほどの物を手に入れたようだ。



恐ろしい。






サナミ

「みんな強い分安心感があっていいね~」





そして自他共に認める騎士団長様だ。



軍紀違反多発ということで今はここに休暇で来ているというこで団長と呼ばれるのを非常に気にしていた。

特に俺が団長と間違って呼んでしまった時は無視された。


それからは、さん付けで呼ばせてもらっている。




『シュリーは呼び捨てで私は、さんなんだ・・・』




何故だかわからないが呼び方をとにかく気にしている様子だったので下手に触れないようにした。


確かに団長呼びは確かに勤務外だしわからなくもないから納得はした。



けど、さん・・・だめなのか?






ナザ

「これで今回のクエスト・・・まあ報酬はないけど、達成ってことでいいのか?」


カズキ

「話しによれば今のスケルトンロードを倒せば大体済むとは聞いたけど」



辺りを見渡す。


術技でも見ても特にない。



シュリー

「サナミは心配し過ぎよ、スケルトンキングもいるかもなんていうから・・・」


サナミ

「あははは・・・ごめんごめん」



だが用心に越したことはないだろうから問題ない。

今回は簡単に突破できたが次回がそう上手くいくとは限らない。


事前準備と油断のない冷静な気持ちが大事。




とは、言う物のナザの言う通り正直そこら辺のちょっと強いくらいのモンスターならこのメンバーで間違いなく勝てるだろう。

そのことに笑みを禁じえない。



ナザ

「んでこれからモグモグ・・・どうすんの?」



そう、この昼食を取った後のことは特に決めていなかった。

元々ここのスケルトンロードを倒しに行くという話でみな集まったのだ。


さっきも思っていたが全員強すぎて仕事がすぐに片付いたという、少し拍子抜けなのだろう。

俺もそうだった。



サナミ

「私はもうちょっとここを探索するつもり、念には念をってことで」


シュリー

「じゃあ私も付き合うわ、何かあるかもしれないし」



二人がここに残るという。

確かにこの二人がいれば怖い物なしだろうが。



カズキ

「俺も残ろうか?」


シュリー

「あんたねぇ・・・私が頼んだ奴、忘れてないでしょうね?」



頼み・・・?



カズキ

「えーっと・・・あ! ヴォルのやつ」



そうだ、先日届いた鉱石を利用した鍵の試作品。

それを学会元老院だかに提出する話だ。


一度一緒に行ったことがあるのだが、どうも元老院の方々と馬が合わないようでケンカになってしまった。

それを治めるのにどれだけ苦労したか。


そしてその試作品を今日改めて提出するんだが、シュリーは直接行かない、俺に行けと言う。



シュリー

「私の部屋の出入り口に置いてあるから、よろしくお願いね」


カズキ

「うん、了解。ナザは確か今日一回タルシナに帰るんだっけ?」



昼食を終えたナザ。

最後に飲み物を飲んでいる最中だったか、急かしてしまったか。



ナザ

「おう、博士から貰った通信結晶とかも渡しに行きたいからな、今日は行って帰ってきて終わりだな」


カズキ

「そっか・・・意外に遠いもんな」



レイドラに乗ればぱっぱと帰ってこれるが俺も今日は用事があるからな。

早く終わらせればいけるか?



ナザ

「大丈夫だっての! 一人旅は慣れてっからよ!」


カズキ

「そっか、わかった。 でもヤバい時はすぐに連絡よこせよ?」



元々通信結晶は持っているからいつでも連絡をやり取りできる。

本当にヤバい時はすぐに駆け付けられる。



サナミ

「それじゃあ、各自解散ってことだね。夕食前には切り上げるつもりだから」



早速と立ち上がりサナミさんとシュリーは探索に入った。


それからナザとレイドラの3人で帰ることになった。




ナザ

「にしても博士がカズキと知り合いになってたのは本当に驚いたぜ」


カズキ

「そんなにか? というかナザこそ顔見知りなのか?」




ナザの話しは意外な物だった。

シュリーはタルシナ村がまだそこまで有名で無い時に村に訪れ、商品の質に感動したようだ。



ナザ

「そん時に村に大型の結界術技の装置を作ってくれたんだよ、試作機で完璧な物じゃないって言ってたけど。それでも十分にモンスターを退けれてたんだ」


カズキ

「そうだったのか、それで村生産力もあがったと・・・」



元々強い警護団体なども居たわけでも冒険者がいたわけでもない為モンスターに襲われたらそれだけで大変だったのだろう。


そこでシュリーは力は弱いが出来るだけ簡単な整備で使える設備を作り村の人達を救ったということらしい。



カズキ

「だとしたらシュリー様様だな」


ナザ

「そうゆこ、俺達は博士には頭が上がらないってわけ」



意外な廻り合わせというのだろう。


でもいいなこうゆう意外って・・・。


と、そんな話をしていたらサンリーに到着していたが。

出入り口にはクレエスさんがいた。



カズキ

「クレエスさんどうしたんです?」


クレエス

「冒険者ギルドからの連絡がありましたのでそれをお伝えに参りました」



通信じゃあ言えないようなことか?

でも単純にギルド関係者俺とナザくらいだもんな、形だけでも情報漏洩は避けるスタイルって感じか。



ナザ

「んじゃあ俺先いってんわ~」



おう、とナザと別れた。

そしてそのままクレエスさんから話を聞いた。


内容は本当に単純な、言っちゃ悪いがしょうもないものだった。


冒険者ギルドの上層部が揉めているらしく俺の待遇に疑問を持つ者が多くいるそうだ。

片方は良くするように片方は厳重な監視下においておくべきだ。


ということらしい。



クレエス

「上司エイジルトがカズキ様はこのままが一番だと双方の中を取り持ってる状態です、なのでこちらの報告書類をドトルにて提出して頂ければ幸いです」



ついでに目を通して置け、ということなのだろう。

渡された書類はかなり分厚い。


だが内容をパラ見したところ同じ様な内容を違う言い方で分量を増やし大げさに見せる手法だ。

エイジルトのおっさんはこれでいいって事なのか・・・。



クレエス

「何か訂正部分等あれば簡単に修正できます。よろしかったら後学の為修正内容を教えて頂ければと思います」


カズキ

「ふん・・・了解。 ヴォルの後に行ってくるよ」


クレエス

「かしこまりました、そのようにお伝えしておきます」



そしてそそくさとクレエスさんは村へと戻って行った。


そっか、ベルデラに行くのも随分と久しぶりな気がする。



レイドラ

「我の知らない街ですねマイロード」



レイドラがフードから顔を出した。

言われてみればそうだったと気付く、レイドラはベルデラ初めてなのか。



レイドラ

「お話しはたくさん聞き及んでましたので非常に楽しみです!」



本当ならあの大襲撃前の街を見てほしかったが、それはいた仕方ない。



カズキ

「んじゃ、その為にもしっかり準備していかなきゃな」



とは言っても準備するものは殆どないのだが、忘れものだけはしないようにしなくては。



家に戻り早速シュリーの頼まれていた物をしっかり確認。

ポーチへ入れとりあえずオッケー。


そしてもう一度確認。


シュリーのお使い、元老院用の試作品。


クレエスのお使い、ドトルのエイジルトへの書類。



カズキ

「うん、ばっちりだ」



自分の部屋からマントを持っていき、いざ出発。

と、いうところで。



ミュー

「あ、カズキさん!少しでいいですか?」



まさかの足止めだ。

しかも何故だろう、用件がわからないけどわかる気がする。




ミュー

「カズキさんが飲んでいる、コーヒーでしたっけ? あれがちょっと思った以上に好評でして・・・そのほぼ在庫が・・・」


カズキ

「そんなにか・・・」




あれから俺は俺で色々とクリエイトリンクの研究を重ねていた。

小麦を使いラーメン、うどん、パスタ・・・そしてカップ麺を作った。


当初はシュリーが物凄く食べていたが、最近になってサナミさんまでもが夜に食べたくなるという理由でよく持っていかれる。



そして俺は遂にクリエイトリンクであの木の実、ヒーコの実を術技を使わなくても製造ができるようにしたのだ。


主にシュリーの力あってこそだったのだが。

シュリーの知識と技術と俺のクリエイトリンクで作られたまさにマシーン。



その名も「ヒーコをコーヒーにする君3号!」



1号と2号は尊い犠牲になったのだ。



能力は単純にヒーコの実を入れ粉末状態にする物だ。

そう、つまりは後はお湯を注ぐだけで出来上がり、もちろんインスタント式ではあるがこれは真素の力を使ってもいる為インスタントだけどインスタントではないのだ!


まぁこいつを作るのに俺の血液は半日失い続けたのだがな・・・。




カズキ

「とりあえず了解、他の用事の途中にフタヤに寄ってくるよ」


ミュー

「よろしくお願いします」




こうしてミューとクレエスさんとシュリーのお使いが始まった。


見送られながら上空へ飛ぶ。




カズキ

「今日もいい天気だなー」


レイドラ

「はい、やはりこう空を独り占めできるって贅沢だと思います」




虚空竜の性なのか、レイドラはとにかく誰かを乗せて飛びたがる。

ついこの間も村の子供達を乗せて飛び大騒ぎになったこともあった。


子供たちは笑って喜んでいたが、大人達が心配で心配で。


あの時は完全にお父さんをしていたような気持ちだった。



『うちの子が本当にすみませんでした』


『すみませんでしたー』



ある意味その一件があったからかレイドラも村の一員として認知されるようにもなった。

最初の頃はそりゃあ怖がっていた人は多くいたが、今ではみんな自然と話しかけたり、何かをお願いしたり、子供達と一緒に遊んだりと村の人気者になったのだ。



カズキ

「最近どうだ? 子供達と仲良くやってるか?」


レイドラ

「もちろんですマイロード! この間なんてシューちゃんが・・・」



ヴォルに着くまでレイドラの話をたくさん聞けた。

先代にも聞かせてやりたいものだ。



-----------------------------------------------------------------------------




【開発発展街ヴォル】




「お疲れ様ですカズキさん!」


カズキ

「どうも御苦労様です」



はぁ何故か感動。

俺一人で正門を通ることができたよ。



レイドラ

「マイロード泣いてるの?」


カズキ

「あぁ、俺は自分の成長に感動している」


レイドラ

「そっか!成長は凄い!パチパチパチ~」



ハハハハハ、すげぇ嬉しい!

もう苦い想いをしないで済む!


そんな漫才をしていたら、街から複数の学者達が俺を出迎えてくれた。



「ご足労頂きありがとうございます、カズキ様、お話しは伺っております。さぁどうぞこちらへ」


カズキ

「ご丁寧にどうも」



相変わらずの町並みに安心感すら覚える。

サンリーが駄目だったらもしかしたらここを選んでいたかもしれない。



「なぁ・・・いいだろ・・・?」


「えぇ~ここで~仕方ないな~」



物影・・・。



カズキ

(俺は何も見ていない・・・)



そういえばシュリーが言ってたな、老人と若者が蔓延ると。

そしてその若者の玉の輿を狙う女性が年々増えているという話のようだ。


そして学者志望の若者たちはあまりに奥手でこう大人な店が多くありのは必然だとシュリーは無愛想な顔で説明してたっけか。



「何か・・・お気に召すものがございましたか?」


カズキ

「ん~-意外にないものだなーと」




ん?俺は一体何を言っているんだ。

お店の話?女性の話?




「左様でしたか、でしたら今後は目に留まるような街作りを心掛けたいと存じます」


カズキ

「ぇ・・・えぇ・・・」




学者、本分を忘れるな。

サンリーでよかったと常々思った。





そうして元老院に到着しシュリーの試作品の説明会が執り行なわれた。

今回は若い学者を集めた説明会のようで、彼らが今後この発明を発展量産、コストの削減などを務めるらしい。



そんな説明会なんて俺はもちろん聞いていないが、どうやらシュリーは録音機を使って音声説明を準備しておいてくれたようだ。


しかも俺に命令するようになっており、俺が実技披露をするようにしっかりと出来ていた。

若い学者達にちょっと笑われたんだぞ。


それからはその試作品をお渡し、受け取った書類をしっかり受け取った。



カズキ

「確認しました、あとはその後の報告書等を送って頂けるということでよろしかったでしょうか?」


「えぇ大丈夫ですが、もしかしたら少しお時間を頂くかもしれません」


カズキ

「・・・?」



少しだけ話しを聞くとどうやら先日の功績、黒紅の天才に憧れを抱く女性学者達が多くいるようだ。

そしてどこから知り得たのか、シュリーが今サンリーの街に腰を落ち着かせていることを聞いたその学者達は是非ともシュリーの下で研究が出来ないか元老院に詰め寄ったそうだ。


その対応に追われている状況だ。


シュリーなら嫌がって余計に元老院が嫌いになると思うがどうだろうか。

でもなんだかんだあいつ面倒見いいし意外に、その子達と上手くやれるんじゃなかろうか良い関係に。


そんなことを考えていたら、見送りをしてくれた学者から一つ重大な事を知らされた。



「カズキ様、最後にには小耳に入れておいて欲しい案件があります」



急に真剣な顔立ち。

いや違う、何かあったのか?



「ヌーター・ハーテライシュが消息を絶ちました」





ヌーターが消息不明。


兵器獣戦線の第一人者だ。


非人道的な違法実験、これをサンニング王国は認知していなかった。

その関係者はみな拘束され今も牢屋の中だと聞く。


もちろんヌーター自身もその罪に問われ重い罰を与えられるはず・・・だった。



「拘束した関係者はみな殺され、ヌーターは監獄中に脱獄・・・そして行方を知る者は誰も居ないと」



その情報は初めて聞いた。

関係者皆殺し?

たしかに最後にあいつと会話、と言っていいかわからないが、言葉を交わした時はあまりに同じ人間だとは思えなかった。


奴自身が皆殺しにした・・・何故か俺の中でそう感じた。



「あまりの大失態に付きこれはまだ公表されていない情報なんです、市民達の不安を煽ってはいけないという判断です」



なるほど、サンニング的には隠したいのか。

確かに隠しておいた方がいいかもしれない。



カズキ

「わかった、これを知ってるのは極少数?」


「はい、ほぼ上の人間のみです」


カズキ

「なら、この事シュリーにも内緒でいてくれ、彼女には今の研究に集中してもらいたいから」


「っ!! かしこまりました、すぐにそのように手配させて頂きます」



それでは、と颯爽と消えて行った。




カズキ

「お前も言うなよ絶対」


レイドラ

「はい、もちろんですマイロード。嫌な気がしますね」


カズキ

「あぁ・・・そうだな」



もしかしたら、あの時に殺さないでいたことに後悔する日が来るのかもしれない。


そんな恐怖心が俺の中で顔を出し始めていた。


だとしても、今はまだ、深く考えないことにした。

一人で判断するのは危なすぎる。


これは帰ったら・・・エイジルトのおっさんにでも相談してみよう。





---------------------------------------------------------------------------



【フタヤ村】




フタヤ村に到着して早々に村から一人出迎えてくれた。



セイトー

「ひさしゅーです、カズキはん」



この方は真人商人のセイトーさん。

このフタヤ村出身でフタヤ村の村長とは古い付き合いだそうだ。


過去に何度かヒーコの実を買いにきた時に色々優遇してくれた。

だがもちろんそれ相応の金銭は要求してくるが、それだけの価値はあったりした。


鉱石、レアモンスターの素材、そして何よりも情報だ。

セイトーさんの情報は聞いたことのないような情報ばかりで非常に興味深い。


おかげでサンリーの復興資材などの伝手も出来ていたほどだ。




カズキ

「こんにちはセイトーさん、今日はヒーコの実を買わせて頂きにきました」



セイトー

「えぇー聞き及んでおります、ほなこちらへ」



最初に話しをした時は驚いた。

俺は詳しくはわからないがこの人・・・西の方言をしゃべる。


恐らく似非関西人というやつだろうが、まさか異世界にきてこんな気持ちになるとは。

そういった意味でもセイトーさんと会話する時は気が抜けない。



セイトー

「それにしても、サンリー! ほんま儲かってるみたいで安心しましたわー」


カズキ

「ありがとうございます、セイトーさんがお力を貸してくれたお陰ですよ」


セイトー

「いえいえ、わたくし目はお仕事をさせて頂きましただけですよ」



低姿勢で謙虚。

だが腹に二つ三つ物を抱えている、という感じか底知れない。


とは言う物のこちらもしっかりとした誠意を見せれば問題ない。

そんなことを考えながらセイトーさんからヒーコの実を大量に受け取る。


大籠5つといつもより多いが、冒険者ポーチの改良を重ねた冒険者カバンがあれので収納は可能。

これさえあればある程度の大荷物も楽々と運ぶことが出来る。


開発者のシュリー曰く家一軒ほどなら余裕もって運べるようだ。



セイトー

「ほんま、豪い発明ですなー。量産されるならぜひわたくし目を贔屓にして貰いたいものです」


カズキ

「本人は、これ流通させる気はないみたいです」



主にそれをするとまた元老院を通さなくてはいけないからそれがとにかく面倒だと、シュリーは言っていた。


それでまた俺がお使いに駆り出されるのも勘弁だしな。



それでは、とセイトーさんへ挨拶をしようとしたら一度引き留められた。




セイトー

「カズキはん、王都へは行かれましたかな?」


カズキ

「王都? いえ、最近は行ってないですね」




一度も行ったことはない。

だが、ベルデラの件や兵器獣の件と色々と出頭要請があったのは事実。


それらを復興などがあるからと断っていた。

その度にエイジルトのおっさんに溜息を付かれながらもやりくりしてもらっていた。



セイトー

「ホンマでっか・・・ならもし行くことがあるならお気をつけて・・・」



まるで鬼気迫る表情でこちらを見る。

これはセイトーさんの常套手段。


つまりは情報提供である。


ふっ、と笑いながらも金貨1枚を取り出し弾いてセイトーさんへ渡した。



セイトー

「毎度おおきに!」



受け取った瞬間にとてつもなく良い笑顔になる。



こうして俺はセイトーさんから情報を聞きフタヤ村を後にした。



早速話しを聞き内容はこうだ。



近頃王都が非常にピリピリしているという。

理由は、帝国政府に異を唱える反政府勢力の動きが活発化しているようだ。


ようは、テロリストである。


帝国警備兵達を暗殺したり、上層貴族への反発。

最近では貴族の子供などを誘拐するなどの予告状まで出ているそうだ。


他国からの介入がないよう、王都はそのことを出来るだけ外部に漏らさないようしているが、最近の反抗活動が活発化してしまいどうしても手が付けられなくなってしまっているらしい。



王都への交通規制も厳しくなり、セイトーさん等商人達も商売に少なからず影響しているということだ。



セイトーさんとしては俺に何とかしてほしい、とは自分から言わなかったが何かしらの期待をしているのだろう。



カズキ

「とはいえ、王都関係か・・・一番関わりたくないな」



今までのようなモンスター討伐だったり、非人道的行為の対処とは内容が違い過ぎる。

出来る限りそう言った話しには関わらないようにする為に王都の出頭を拒絶していたのだが。



レイドラ

「我はマイロードの行く道に従うのみですよ、マイロード」


カズキ

「・・・それは、ありがとうな」



ポンポンと背中を叩く。



俺の道・・・俺が行きたい道・・・俺のやりたいことか・・・。








-----------------------------------------------------------------------



【第2都市ベルデラ】



離れた場所でレイドラから降り残りを徒歩でいく。



レイドラ

「おぉー!! ここがベルデラなんですね!!」


カズキ

「・・・・・・・・・」



ベルデラの姿に驚きを隠せないでいた。

自分が復興に協力していた時は完全復興までまだまだ時間がかかりそうな物だったのだが。


今自分の目の前にはあの日、初めてベルデラへ足を運んだ時とほぼ同じ姿の大都市の光景が広がっていた。

その町並みにまた高揚感が抑えられないでいた。



レイドラ

「マイロード!早く行きましょう!」


カズキ

「しょうがないな、しっかり捕まってろよ!!」




アクセルムーヴ。






高揚しているのは俺だけじゃなかったみたいだ。

レイドラもやはり気持ちを落ち着かせては居られなかったようだ。


夕飯まで時間もあるし、少しは寄り道して行ってもいいかも知れない。

レイドラだけでなく俺も少しこの街をまた見て回りたい気持ちにさせられた。


多くの出会いを経験させてくれた街だ、思い出深い。




一先ず俺達は冒険者ギルド ドトルへと足を運ぶことにしたのだった。





【冒険者ギルド ドトル】



レザリア

「あっ!! カズキ様!!」



ドトルに入ると玄関周りの掃除をしていたレザリアさんに出くわした。

相も変わらず素敵な魅力的な肉体をしてると思う。




ビシィイッ!!!




引っ叩かれた。

あまり痛くないが、レイドラ?



レイドラ

「えーっと、マイロードが鼻の下を伸ばしていたら引っ叩くようにと言われました」


カズキ

「誰にだ」


レイドラ

「それは・・・」



言えないのか、大体は見当付くが。

そんなにだったか今の俺・・・?



「おぉお!!デッドアイだ!!」


「デッドアイが帰って来たぞぉお!!」


「飲みの時間だおらぁああー!!」



突然冒険者達が大声を上げこちらに近づいてきた。

人数は少ないが、集会所にいた人数ほぼ全員が近寄ってくる。


問いかけてくる話題は主に兵器獣の事とサンリーの事、そして・・・。




「サナミ団長と一緒なんだろ!!?」


「シュリー博士とも一緒って聞いたが本当か!!?」


「頼むよ!!二人に紹介してくれよぉお!」


「両手に花とは貴様あぁあ!!!」




ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤッ・・・。




レザリア

「はいみなさんストォォオオップ!! カズキ様はこちらにお仕事でお越しになったのです!お邪魔なさらないように!!」




だがレザリアさんの静止を聞かない冒険者達だ。

どうしても我先にと迫ってくる。

まるでこちらのことなどお構いなしだ。


悪い気はしないのだが、これは流石に・・・。




ゴッホン・・・。




と、そこで一人の男が階段から玄関前まで降りてきた。




エイジルト

「いやいや、遠路遥々申し訳なかったカズキ殿。早速こちらへお越しいただけますかな?」




エイジルトのおっさんだ。

ある意味感謝だ、エイジルトの登場により冒険者達も足を止め俺に道を譲ってくれた。

その際には謝りながらエイジルトのいる階段まで向かった。



エイジルト

「いやいや、申し訳ないことをしたようで。ですが彼らも悪気はないと思いますので許してやって頂けませんか」


カズキ

「別に構いませんよ

、特に何かされたわけではないので」


エイジルト

「そうですか、それは何より・・・」



本気で思っているのかどうか。

謝辞、というやつではあると思うが、どうもこの男の無気力感は今も変わらず慣れない。



そして部屋へ向う道中に書類を見せてほしいと言われ渡した。

器用なもので書類に目を通しながらでも普通に歩いてる。


階段も踏み間違えずに歩いている。

一体何なんだ。



そんな芸当に驚いている中気がつけば目的地の場所へ。



エイジルト

「あ、コーヒーでしたっけ? あれ評判みたいですね。よろしかったら私にも一杯頂けませんか?」



マグカップを二つ置かれた。

もちろん中身は空だ。



カズキ

「・・・・・・」


エイジルト

「おねがいします」



はぁ、と溜息を付きながら術技でコーヒーを二人分注いだ。

こうゆうのって普通ホスト側がするもののはずだと思うが。


だが、本当に飲みたかったのか、注いだカップを手に取り香りを楽しんでいる姿が様になっていた。



意外にも気に入ったのか、今まで以上にいい表情をした・・・と思う・・・思う・・・。



エイジルト

「なるほど、これは素晴らしいですね。商売するなら私にも是非に」


カズキ

「ハハハハッ、それはどうも・・・」



コーヒーの全国流通でお金儲けか。

あまり気は進まないな。



それからエイジルトと世間話、一問一答のような物ではあるが多く話した。

最近の様子はなど、サンリーの生活はどうかや、今後の予定など・・・。



今後の予定か・・・。




エイジルト

「ん? どうかされましたか?」


カズキ

「いえ、その・・・今後って言うのをどうしようかなって・・・」




確かに今後の予定とやらは決めていない。

もちろん決めることは出来る、たとえばまた旅に出るも良し、街の発展に尽力するも良し、武者修行に出るもよし。



ミツバとのこともある、何をしたってミツバの力は上がっていく。

どんな些細なことでも一つ気付けばそれが術技になりミツバの力になる。



それは何をするにしたって俺次第であるということ。



だからというのもあったサンリーへ腰を落ち着かせる大きな要因は。


心の平穏こそがその気付きに最も大事だと感じた為だ。




エイジルト

「相変わらずの出頭要請は多く来てますよ~、話しだけですが近衛騎士の入団、上層貴族との面会、帝国兵士育成学校への入学、国王への謁見などなど」




そうまでして俺を上の人間に組み込みたいらしいな。

そんなに要請が出ているのに今もこうして気軽に街を出歩いていられるのも冒険者ギルドやエイジルトのおかげではある。


元々そういったところで対応してくれる約束ではあった。

感謝は非常にしている。




エイジルト

「ですがねぇ~、事が事なんですよデッドアイ。 君がやること一つ一つが大きすぎるんですよ」




シュリーとの結託で兵器獣の破壊に成功。

そのシュリーは今や新たな発明を世界へと発信しようとしている。


そしてサンリーの復興と同時の開拓。

この開拓には見捨てられた兵士、そして何より軍紀違反を犯した煌煌ノ騎士ヒトミヤ・サナミ団長がいる。


確かに傍から見たら俺が中心人物であると思われても仕方がないとは思う。




エイジルト

「それを含めそろそろ一度は王都へ向われてみてはどうです? ギルドとしてもそうして頂くのはありがたいのですが・・・」




それもそうか。

ここで変に駄々をこねるより一度顔を出しておいた方が良さそうではあるな。

エイジルトのおっさんの顔に免じてあげよう。



エイジルト

「それ、話しは変わるのですが。デッドアイはパーティーをお作りになるなる予定はございますか?」


カズキ

「パーティー?」



パーティー。

ようはチームみたいなものだ。


冒険者達にはパーティーと呼ばれる集団で活動をする傾向があるようだ。

主な活動はクエストだが、それ以外にも冒険や探索と世界中を旅する仲間達である。



エイジルト

「どうもですね・・・君が作っているパーティもどきに異を唱える者と紹介申請を出される勘違いも多くある事態でもあるんです」



エイジルトの話しとしては冒険者ギルドの勧誘が主な話しなのだろう。

そう、今サンリーにいるサナミさんとシュリーだ。


この二人を冒険者ギルドに引き込み俺にパーティを作らせる。

パーティを作りギルドから活躍に応じて特別報酬も用意される、よってお思惑としては英雄の象徴たる彼女たちをギルドで独り占めしたいというところだろう。



エイジルト

「こんなことを言う理由はお察しして頂ければ幸いです。 難しいとは思いますがね」



そう、片や名高い騎士団長様。

もう片や今なお世界に激震を走らせる学者様。



そんな二人を抱き込むなんてのは無理に等しい。

それくらいならエイジルトのおっさんもわかるだろうに・・・。



カズキ

「・・・ん?」


エイジルト

「そう、発言の理由はお察し致します」



察しろと。


一体このおっさんは何がしたいんだか、俺には想像も出来ない。

まだ俺の知らない何かがあるんだろうな、今後も勉強勉強だな。



それからは、先ほどのヴォルの話、ヌーター・ハーテライシュの事を話しておいた。

どうやら初耳だったらしく、この件は隠密に事を進めていくようだった。



エイジルト

「それでは、お気をつけて。 あーあとコーヒーご馳走様です、また飲みたいと心から思います」



それはどうにかして持ってこいと。

出来なくはないが、それに関してはノーコメントでエイジルトと別れた。





【第2都市ベルデラ ドトル前】


あれから冒険者達に少し足止めを食らってしまったが、何とかレザリアさんのおかげで窮地を脱することは出来た。



カズキ

「さて、まだ時間もあるし。 回るか?」



今もなお顔を出し街を眺め見るレイドラ。

俺の言葉に一瞬気付かなかったのか、少し遅れて感謝の返事をした。



レイドラ

「お話しよりも色んな方々がいるんですね~」



レイドラの言う通りだった。

確かに大襲撃前までは少し真人の方が多いと感じたくらいだったのだが、今では獣人なども多く街を出歩いている。


復興時にたくさんの場所から集ったのだろう。

そして高尚な貴族様早々に立ち去ったという感じか。



噂を聞いた程度だが、大襲撃時に当時のベルデラの代表がお亡くなりになったとか、それからというもの立ち替わりで貴族が派遣されるも上手くいかず最近きた名も知らぬ田舎貴族がここに着任されたようだ。



つまりはその着任した貴族がベルデラをここまでに立ち上げたということか。

それは凄い功績だろう、一体どんなやつなのか。




エーイ

「カズキの旦那ぁああああああああ!!!!!」


カズキ

「ん?」



背後から大きな声で呼ばれた。

するとそこには、鼠人族3兄弟がこちらに手を振りながら近づいてきた。



カズキ

「お前ら! 元気にしてたか」


エーイ

「はい!もちろんです! 旦那に助けてもらった命そう簡単に渡すわけないしょう!」


ビーイ

「ないのでーす」


シーイ

「冒険者の方々からカズキさんが来てるって聞いて飛んできました!」


カズキ

「聞いてきたって・・・スタングから来たのか?」


シーイ

「いえ、僕ら都市長から特命を受けたんです」



都市長、特命?

都市長とは恐らくこのベルデラで一番偉い人で噂の無名の田舎貴族さんかな?



エーイ

「俺らあれから仕事をもらったんですよ、元ハイトスのアジト、地下水道の警備なんですがね」



3兄弟の話によると、帝国兵がスタング洞窟へ訪れた際に行った暴挙の一件を王国側は水に流したいようである。

そしてその為に彼ら鼠人族を街に招き入れるということをしたようだ。


だが鼠人族族長のゼーイはそれを拒否、それと引き換えに彼らのような若い衆へ何か仕事をくれないかと交渉をしたようだ。

そうして仕事を得たということらしいが、そのゼーイへの謝罪と交渉を行ったのが現市長だと言う。



エーイ

「そう、そん時にまたふざけたことぬかすようだったらぶっ飛ばすところでしたがね」


ビーイ

「すっごく真面目ーな人」


シーイ

「僕らでだけでなくて鼠人族みんなを本当に受け入れてくれた素晴らしい方なんです!」



こいつらがそこまでか。

だとしたら会ってみたい気持ちもあるな。




ビーイ

「あ~族長も旦那に会いたいって言ってたなーそう言えば」


エーイ

「ん? そう言えばシーイ。今日族長に大事な資材頼まれてなかったか?」


シーイ

「・・・・・・・・あぁあ!!?」




この様子は忘れていたな。

シーイみたいな子がそんなうっかりをするとは意外だ。



シーイ

「あぁ・・・どうしよう、今日は・・・」



もじもじと考え出していた。

どうやらダブブ、用事を入れてしまったようだ。



ビーイ

「あぁ~またお花屋のあの子~?」


シーイ

「あぁあああ!!! 言わないで!!」


エーイ

「ったく、色恋沙汰には口を出さないようしてたが・・・」


シーイ

「ちちち違っ! ご、ごめんて!!」


カズキ

(ほう、青春という奴か)




そんなのいつ以来だろうか。


一切思い出せない、だがここは初々しい少年の為一肌脱ぐか。




カズキ

「よかったら俺に行かせてくれないか? ゼーイ族長にも久しぶり挨拶しておきたいしな」




それを聞いたシーイは満面の笑みを浮かべ感謝した。


レイドラには街巡りはまた今度と納得してもらい、俺達はその資材を受け取り早速スタング洞窟へと向かった。





----------------------------------------------------------------------


【スタング洞窟 鼠人族の巣】




ゼーイ

「なんとカズキ様!本日はいかがいたしました!?」



物凄く驚かれた。

確かに本当に久しぶりだろうからな、そんな族長の姿が見れて俺も嬉しい。



カズキ

「今日ベルデラでエーイ達に会ったんです、それでこれを・・・」



頼まれた資材をリュックから取り出す。

それで全てを察してくれたようだ。



ゼーイ

「はぁ・・・なんてお詫びをすればいいのやら、シーイにはきつく言っておきますよえ何卒・・・」


カズキ

「いいですよ、久しぶりに族長に挨拶もしたかったですし、それに・・・あれ」



一人湖を見つめるレイドラの方を見る。



レイドラ

「わぁ・・・」



エメラルドアクアに一人感動するレイドラ。

そう、これもせっかくだったので見にきたかった、ナザとフェーチスは喜んでいた。


今度はサナミさんとシュリー。

いや、ここは村の人達も連れて異文化交流としても良いかもしれない。



ゼーイ

「カズキ様、改めて多くの配慮をして頂きありがとうございます」



また族長が頭を下げる。

すぐに頭を上げるように言ったが中々聞いてもらえなかった。


本来ならゼーイ自身でサンリーへ赴き感謝を伝えに行きたかったが何分そこまでの余力がまだ無いこと謝罪した。

そんなことを望んでいないのに逆に申し訳がない気持ちになる。



カズキ

「なら、今度こちらに遊びにきていいですか? 少し多く人が来るかもしれませんが・・・みんなにもせっかくだからエメラルドアクアを見てもらいたいんですよ」


ゼーイ

「はっ! もちろんでございます。鼠人族みなでお迎えさせて頂きたいと思います!!」



謝罪をやめ逆に喜んでくれた。


それもいいな、なんか慰安旅行みたいななのか少し楽しみである。



カズキ

(旅行・・・か・・・)




そうして、ゼーイ族長と別れ俺達はサンリーへと戻ることにした。

日もまだ落ちていない為、レイドラにはゆっくり帰ろうと提案し時間通りに帰るようにした。



レイドラ

「マイロード! 今日は本当にありがとうございました! 凄く楽しかったです」


カズキ

「そいつはよかった」


レイドラ

「今度はみんなと来たいですね!!」


カズキ

「・・・・・・」





みんなか。





騎士団長のサナミさん。


研究学者のシュリー。


冒険者のナザとタルシナのフェーチス。


ギルドのクレエスさん。




今は神の気まぐれなのか、みんな一緒にいる。


だけども、この時間はあるとは限らない。

仕方のないことだ、出会いがあればまた別れがある。



それはまた新たな出会いの為の摂理、みんながみんな同じ方向を向いているかなんてわからない。




カズキ

(そう・・・わからない・・・だが)




わからなくても・・・わからないからこそ、一歩踏み込む。




俺が大切だと思った人達だからこそ、俺は・・・。





------------------------------------------------------------------------




【サンリー村 マイハウス】




サナミ

「集い?」




夕食を終えたみんなの前で俺は自分の気持ちを正直に答えた。




カズキ

「うん、ずっと考えていたんだ。俺が出会った人たちは十人十色、一人一人全てが違う。


冒険者ギルドからの派遣でありながら俺達をサポートしてくれる人。


困ってる俺に見返りを求めずに手を差し伸べてくれた人。


冒険者仲間でもない俺を信じて力を貸してくれた奴


そして・・・。


自由奔放の世界一の学者。


みんなの中心で支えてくれる最強の騎士」






そうだ、ここにいる人達はこんなにも違う。





カズキ

「本当はずっと、迷っていたんだ。 みんながみんなずっとここにいるわけがないって・・・。いずれまたバラバラになる可能性が大きい、その為にもたくさん一つ一つを大事にしていきたい、そうゆう日々を過ごしていた」





その時間が愛おしかったから。






カズキ

「だからこれは俺の我ままだ!!

この集いは、ただみんなと過ごしたっていう証し。

これからも刻んでいくための物、俺という人間がいる限り失われない物にしたいんだ」






大切なだからこそ、もっと大切にする為に。






カズキ

「だからみんな・・・その集いに入ってくれない!!」






全力で頭を下げた。

みんながどういった反応をしているのかわからない。



まるで時間が止まったかのような感覚だった。



一切の声も聞こえない・・・だがそれを破る一声はすぐに訪れた。
















サナミ

「私は・・・いいよ!」


カズキ

「っ!」





声に反応し顔を上げてしまった。

きっと瞳孔が開いている顔をしているだろう。





ナザ

「なんかいいなそれ! 俺も乗るぜ!!」


フェーチス

「私も頑張って力になるよ!」



カズキ

「ナザ・・・フェーチス・・・」





ナザもフェーチスも立ち上がり賛同してくれた。






クレエス

「では、明日以降にその集いの詳細を決める打ち合わせをしたいと思いますが、如何でしょうかカズキ様」



カズキ

「クレエスさん・・・」






立ち上がりながらも詳細を詰めるクレエスさん。




そこで一人まだ座ってる人間、吸血鬼に目をやる。






シュリー

「私はなんだっていいわよ~・・・自由奔放の世界一ですからね」







ニヤリッと、いつもの顔で立ち上がり答えてくれた。







カズキ

「・・・みんな・・・ありがとう」






この一歩が、きっと俺を成長させてくれる。





この、大好きなみんなとなら・・・きっと!






サナミ

「あっ! 名前とかないの!?」



サナミさんが食いつくようなキラキラとした顔で聞く。

それをみな感じていたのか、一斉にこちらを振り向く。




名前・・・。




それはもちろん決めていた。




カズキ

「名前は・・・」




自由・・・とは違う。





俺は・・・俺達は十人十色、色々な色を持って生きている。


それは一人一人違う色、自分の色をしっかりと出して道を彩りあるく。


共に歩くその道はきっと多くの色に染まった未来に繋がる。





色濃く美しく・・・そんな歩みを。







カズキ

「多彩色 ヴェアリアス !」

 







それがこの集いの名前でここから俺達のヴェアリアスが・・・始まるんだ。












-ユニゾンズ・ゲインVerX取得-




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ