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好き を 求めた 異世界 物語   作者: 三ツ三
序章   Believe in one step
18/70

第18話 ドキドキ!気になるあの人にバキュンバキュン! 犬人娘の突撃

【サンリー村】



私の名前は ミュー 。



ここサンリー村の村長の孫であり、サンリー村生まれのサンリー育ち。


両親は幼い時に他界している。

そんな私達を村長の祖母が一人で私と妹のキューを立派に育ててくれた。


もちろん村のみんなも一緒になって守ってくれて村の犬人族は家族も同然だ。




今現在のサンリー村は復興作業中である。


兵器獣の戦闘の影響で村の殆どの家々が衝撃で吹き飛んでしまった。


だが上空で兵器獣を破壊してくれたおかげで逆に家が吹き飛んだくらいで済んでいるとも言える。





そんな中私は今・・・恋をしています・・・。




ミュー

「じぃいいいーー・・・」



その方は真人。

人種の壁はあるがそんなものは関係ないとおばあ様は言っていた。


そして彼は私と妹をモンスターから守ってくれた。



あれは・・・そう、姉妹二人で買出しに出ていた、あのベルデラの大事件の時だ。



『北へ行け! 冒険者達が避難誘導をしている急げ!』



颯爽と現れたあの方は私達姉妹を助け、そしてベルデラを救ったという。


そしてなんと、兵器獣戦線と呼ばれた戦いであの方は光る竜とその仲間達と共に戦いを挑み、兵器獣を倒したというのです。



今日も素敵な髪・・・素敵な瞳。

あの日頃は目蓋を下げて周りからは死んだ目なんて言われているけど。



私だけは知ってる!



あの方の真の瞳を。

私達姉妹を助けた時の力強い瞳を・・・!!!



あの素敵な目で見られたら私はもうぅうううぅうううううう!!!



そう、それがあの方・・・・!!!



レイドラ

「マイローーーードォオオーー!!!」


カズキ

「どぉおわぁあ!!」


レイドラ

「マイロードマイロード~~~・・・」


カズキ

「だからその姿で抱き付くな!! 潰れる!!」



ボンッ!!!



レイドラ

「アハハハ・・・ごめんなさい」




そう!! あの方!!   カズキさん !!!




手枷の英雄、蒼竜使い、ウェポンデストロイヤー。



多くの呼び名と二つ名を持つ、それがカズキさん!。


だが私の恋には多くの障害がある!!



それはまず・・・。



レイドラ

「だって~~あははは・・・!」




-要注意人物?-


レイドラさん!


彼?彼女?

とりあえずこの子はカズキさん従竜である。


先の戦線でもこの力があったからこそとカズキさんは話していた。



蒼竜。


夜の天空と共に兵器獣を斬り裂いたとされ兵士さん達の中では噂になっている。


その竜の正体がこの子だ。


従竜・・・だから、特に大丈夫だと思うけど・・・。




カズキ

「どうした、なんでそんなくっ付くんだよ」


レイドラ

「ふふん・・・う~んん」




無条件でベタベタくっ付いてのが羨ましいいぃいいいいいいい!!!



ミュー

「それりゃあ・・・私だってこう・・・んーーーって」


エアカズキさんに頬擦りをしていると。




カズキ

「あっミュー」


ミュー

「ひぃい!! は、はい!」




急に声を掛けられた。

つい声が裏返ってしまった。



カズキ

「ん? どうした」



あぁああー近い近い!


首を傾げた時の鎖骨があぁあああ!!!!



カズキ

「あの・・・午後から村長のところに行きたいんだけど大丈夫かな?」


ミュー

「えっ!! あぁあああーー」



スケジュールメモ帳を取り出し確認する。



ミュー

「す、すみません、午後から移住民の受け入れ会の方々との打ち合わせがありまして」


カズキ

「あ、そうか今日だったか・・・」




口に手を当てて考える姿も素敵ぃい!!

あぁーどうしよう!


ここはミュー! 女を見せるところ!!



ミュー

「よ、よよよかったら私の家・・・おばあ様の家で昼食でも食べながら待ちませんか!!!」



言っちゃったあぁあああー!!


顔上げれない!!上げれない!!

でも頑張った私!本当に頑張った!!


レイドラ

「おぉお!ミューのご飯!!」


カズキ

「それはいいな・・・あぁーでも」



反応はいい!! が・・・。



カズキ

「うちにいる奴が・・・」



居候・・・博士さんか・・・。


まぁ仕方ないか、今回は諦m・・・。




クレエス

「それでしたらカズキ様の家で、みなさんで昼食を取られては如何でしょう? 皆さまクー村長様に用事があると思います。 村長様へは私が出向いて事情を説明の後カズキ様家にお連れ致します、で如何でしょう?」



どっから出てきたこの人ぉぉおお!!!




-要注意人物!-




クレエスさん!



彼女は冒険者ギルドの人間でカズキさんとは何かと縁があるようで。


ベルデラの大事件ではカズキさんをサポートし陰ながら街を救い、兵器獣戦線では軍とカズキの間を仲介役を担ったとされて。



今は冒険者ギルドから専属人として派遣されたとしてカズキさんの側近、つまり事務員兼秘書!


カズキさんへ直接お願いが来るクエストや国からの要請を一人で対応確認しギルドと連携を取り的確に処理しているという。



まさにスーパークルービューティー!!!


んーー上司と部下のイケない関係・・・とか聞いたことあるけど・・・。





クレエス

「してミュー様、如何なさいましょうか?」




ミュー

「ぁあっ!はい!! それ!いいと思います!!」



やばい、上司と部下のイケない関係を想像していたら話し聞きそびれてしまった。


一体なんの話しだったか・・・。




カズキ

「さん呼びはやめたの?」


クレエス

「はい、上司よりカズキ様を敬うようにとの指示ですので」


カズキ

「あそう・・・」




一体なんの話しだったのかぁあ!!!!?



クレエス

「では後ほど」




レイドラ

「いってらっしゃーーい」



カズキ

「じゃあ行くか、食材あまりないけど先にそっちの家に寄る?」




食材?

あぁーそう言えばカズキさんの家に昼食を作りに行くって話しだったような・・・。


そうゆうことにしておこう。



ミュー

「えぇ!? あぁあーえっと食材なら! 確か今日の朝一に食糧馬車の人達が到着したって言ってたから、行ってみましょうよ!」


カズキ

「あぁーそれはいいな! よし今から行こうか」




これってもしかして!!


デデデデ、デート!!?



レイドラ

「出~発っ!」



市場は村の出入り口で行われている。


そこまでに行く道中カズキさんは多くの人に声を掛けられている。



「お、大将!デートですかい?」


カズキ

「お前はいい人見つけろよ」



「大将!今度一杯どうですか!」


カズキ

「昨日飲んだ、今日の夜もいいぞ」



「良い子紹介して下さいよ大将!」


カズキ

「俺に紹介しろといつも言ってるだろ」




「「「「はははははははははははははっ!!!」」」」




行き交う人々みなが大笑いしている。


そう、ここにいる真人の人達はあの夜にこの村で負傷していた兵士さん達だ。

あまり大きな声では言えないが軍の撤退命令を無視した。

ことにされてしまった人達だ。


戦いで負傷し動くのもままらない状態で撤退なんて度台無理な話なのに帝国軍の上層部は一体何を考えているのか。



そしてそれを助けたのがカズキ達ということだ。

助かった命を持って帰国すると、どうやら彼らには謹慎処分という名の長期休暇を言い渡されたのだった。


そしてカズキさんがこの村の復興をということであればご一緒させてほしいということでみんな一緒に暮らしている。


中にはご家族をここへ呼んでくる方々も多くいるとか・・・。



そう言った噂が噂を呼び、手枷の英雄、蒼竜の英雄など多くの大評判が好評を呼びサンリー村はほぼすぐに復興したのだった。

そして集まりに集まった人たちはさらに街を復興しようということで結束し今に至っている。


主にここに集まってきているのは真人は3割程度で他はみな獣人族だ。

カズキさんは竜を従えるほどの器で獣人族など気にしない高貴な英雄などとも呼ばれているとかなんとか。



たしか今日のおばあ様も移住者も獣人だった気がする。



ナザ

「おっす~カズキ」


カズキ

「おう、ナザ、久しぶり?でもないか」


ナザ

「あれからちょくちょく通信でしゃべってはいたからな、会うのは久しぶりか」



フェーチス

「そうだよーーカズキー、あレイドラちゃんこんにちわ!」


レイドラ

「こんにちわフェーチス!早速お願いしていた!牛乳とやら!!」


フェーチス

「うん!あるよー!今日のとれたてだよーー!」


レイドラ

「おぉおおお!これがマイロードが言う!飲めば大きくなるという最強の飲み物!!!頂きます!!! ゴクリッ!! ぷはぁあ!!!上手い!!!」


フェーチス

「そんなに急がなくてもいいのに・・・!」





はっ!!!


気がついたら市場にいた!!



そしてとても親しい仲!!



カズキ

「あ、すまん。こちら村長の孫のミュー」


ミュー

「初めましてミューと申します、カズキさんにはいつもお世話になっております」


フェーチス

「ご丁寧にありがとうございます、私達はタルシナ村から来ました。私はフェーチス・フィニット、でこっちの鼻の下を伸ばしてるのがゲナ・ベレース、荷物運び兼冒険者です」


ナザ

「よろしく頼むぜ! っておい!!なんだその紹介の仕方!!」


フェーチス

「知ってるんだからね!お向かいさんの胸ずぅぅぅうううっと見てたの!!知ってるんだからね!」


ナザ

「何だとぉおお!!」


カズキ

「はいはいボリュームキル・・・今度は完全に聞こえないからな」


フェーチス

「・・・・・・」


ナザ

「・・・・・・」


カズキ

「わかればいい」




凄い!なんだろうこの3人の間に入れない感!!

話しには聞いていたけど、ここまで凄いのか。



カズキ

「そう言えばお前らもこっち来るとか言ってなかったけ?」


フェーチス

「うん、最近どうしても牛の繁殖が多いようでさ、うちの牧場じゃあ狭くなってきちゃってね」


ナザ

「んで、俺達がここにタルシナ産を広める為にも移住しようって話をついこの間うちの村長とそっちの村長が話してたみたいでさ!」




ミュー

「あ、確かそうでした・・・あ!だとお二人とも今日の移住会もう少しで始まりますよ!」


ナザ

「何!? あ、もうそんな時間か!」


フェーチス

「えぇ!じゃじゃあ!ナザ!ここよろしくね! 私行ってくるから!!」


ナザ

「お、おう!!」


レイドラ

「いっいあっしゃぁ~~い・・」



それにしてもカズキさんの凄い人脈!!

あのタルシナ村のフェーチスさんと知り合いで、冒険者のナザさんともお友達みたいな雰囲気で!



ナザ

「相変わらず目死んでんな」


カズキ

「ほっとけ」



うん、間違いない旧知の仲という感じがぷんぷんする。

そう彼らは背中を合わせて戦いに戦いを重ねて・・・。



カズキ

「ミュー? 食材買わないでいいのか?」


ミュー

「あぁ!! そうだった!!」



またしても妄想の世界に持ってかれるところだった。



カズキ

「そうだ、よかったら俺の家で昼食みんで食うけどお前らもくるか?」


ナザ

「おっ!!いいのか!? あぁでも店番あるしな・・・」


ミュー

「あっ!でしたらここから東にちょっと行ったところに馬車預かりが今朝できたばかりでまだ不慣れな人達が門番ですがお使いいただければ幸いです」


ナザ

「おぉお!!マジか! そんじゃフェーチスが来たらあとでいくわ!!」


カズキ

「あぁ、了解だ」




ナザさんに大きく手を振られ見送られた。

そしてまたデート再開!


気がついたらレイドラさんは牛乳飲むのでいっぱいいっぱいで付いてきていない!



か、完全に二人きり!!!


いっぱい話すなら今だ!今しかない!!



カズキ

「ミューは凄いな・・・」


ミュー

「へぇ? は、い?」



私・・・褒められた?



カズキ

「だって今朝会ってからずっと俺の知らないこといっぱい話すからさ」


ミュー

「そ、それは・・・まぁ村長の孫なので・・・」


カズキ

「そうか?でも孫じゃなくてもやるだろ?君は」


ミュー

「え・・・」



この方は一体何を・・・?

キョトンとした顔をしているだろう。


少し恥ずかしい・・・。



カズキ

「環境が変わってもきっと君はサンリーの村の為に色々やっただろ? その為に村の事を誰よりも理解している・・・そうだろ?」


ミュー

「それは・・・」



考えたことなんかなかった。

私は村長の孫、みんなからたくさんお世話になった。


ただその恩返しを少しでもと・・・。



キュー

「ミューおねぇーーちゃーん! カズキおにーちゃーん!!」



村の方角から妹のキューが走ってきた。

そのままカズキさんの膝にくっ付く・・・羨ましい。



カズキ

「おぉ! 相変わらず元気なのですね」


キュー

「はい!キューは元気なのです!」




ハハハハっと笑い合う二人。

キューはカズキさんに抱っこされて・・・羨まっ!!



ミュー

(もし・・・私が村長の孫じゃなかったら・・・)




どうだろうか、どうしていたのだろうか・・・。










それから市場から戻った私達はキューも連れて早速カズキさんのお宅にお邪魔した。



この家は新改築の第1号として作られた。

村の復興がほとんど終わる段階で村の人々が提案したのだ。



「カズキさん達の家を造りやそうぜ!!」


「あぁ!いいなそれ!貴族にも負けねーでっけぇの!!」


「任せろおぉおー!!」




そうして出来たのがこの家だ。


ここには部屋もいくつかある。

先ほど話したクレエスさんも一緒に住んでいるようで書斎もあるとか。


それでも部屋は多くある、つまりは彼女だけではないのだ。




シュリー

「ふわぁあー・・・おはよう・・・」


カズキ

「おはよう、また徹夜したのか?」


シュリー

「仕方ないじゃない、鍵の安定性と生産資料の見直ししろって元老院の坊主どもがうるさいのよ・・・ふわぁー」


カズキ

「それだけ期待されてるのはわかるg、っ!!」


シュリー

「んんんーーー・・・ぷはぁ、やっぱ朝一はこれに限るわ」




-!要注意人物!-



シュリー・マリリア・シュベンザー



博士号をいくつもお持ちの学者だ。

真人の見た目をしているが彼女は吸血鬼だ。


吸血鬼と言っても真人より身体能力などが高く病気になり辛いくらいだと説明を受けている。



シュリー博士はカズキさん達と共に兵器獣を倒したという。

どうやら兵器獣の心臓部分は元は彼女の研究対象だったが、戦争の道具に、兵器になるならと研究から身を引いたとのこと。


そして兵器獣が無差別に人々を襲う物だとわかり、カズキさん達ともに戦った、 黒紅の天才 。


あの世界的に使われている通信結晶石や映像投影石などの発明も彼女だと言う。


そして今もこの家で新しい真発明を研究しているという。



カズキさんの左人差し指によく咥えているが、あれは血を吸っているようだ。


血を吸っているだけなのになんか・・・なんかいやらしい!!





シュリー

「ん? あーミューおはよう~あなたがご飯を作ってくれれば安心、カズキのカップなんとかももう飽きてきたからね~」


カズキ

「またお前俺の貯蓄を勝手に!!」



シュリーさんは物凄く朝が苦手みたいです。

吸血鬼だからなのでしょうか。



ミュー

「あぁ!そう言えばシュリーさんに伝言が、鉱石調査をお願いしていた冒険者さん達が夕方頃にお越しになるそうですよ」


シュリー

「それ今日だっけ・・・わかったありがとう覚えておくわ」



また大きな欠伸をしてシュリーは自分の部屋へ戻って行った。

いつものご飯が出来たら呼んでというものだ。


彼女はあまり料理関係には口を出してこない。

チラッと聞いた話では、料理は出来ない、しないらしい。



『時間も労力も惜しいの、それ研究に回した方が世界的に有意義だから』



だ、そうだ。


確かに私には出来ないことだ。

適材適所、シュリー博士には博士のお仕事をして頂くのが一番。


私にはこうやって・・・。



カズキ

「んー・・・そうか、カレー粉があれば・・・」




こう、想いを寄せる方の隣で一緒に料理をしているのが。


一番の幸せだからー・・・。



ミュー

「はわぁあ~~~・・・」


カズキ

「ミュー・・・どうした? 鍋沸騰してるぞ?」


ミュー

「あぁあ!!ごめんなさい」





ナザ

「こんち~っす、うひょ~すげぇー家」


フェーチス

「おじゃましま~す、凄い広いね~」


レイドラ

「ただいま~!」



ナザさん達が来てくれた!

よしこれで変に意識しなくて済む。



ミュー

「カズキさん、ここはもう私一人で大丈夫ですよ」


カズキ

「大丈夫か? さっきだって・・・」



たしかーに、さっきはしょうがないミスをしてしまったがもう大丈夫だ多分。



ミュー

「はい! あと煮込みだけですからお任せ下さい!」



自信満々に胸を叩く。

カズキさんは笑みを浮かべて任せてくれた。



カズキ

「村長達は?」


ナザ

「すぐ来るってよー」


フェーチス

「うん、って私も何か手伝うよ」



どうやらフェーチスさんがこちらを手伝うようだ。

カズキさんはお客だと止めたが止まらずにきた。



ミュー

「大丈夫ですよー、あとこれを完成させて並べるだけですから」


フェーチス

「それでも、私のこれからの仕事でもあるか」


ミュー

「・・・?」



食器類などを出しながら話してくれている。

どうやらフェーチスさんとナザさんもここに移住してくるようだ。

もちろん家はここで今後カズキさん達と暮らすようだ。



フェーチス

「私はみんなみたいに戦えないけど、こうゆう事でみんなを支えていかないとね」


ミュー

「こうゆう・・・こと?」


フェーチス

「うんそう、みんなを癒すのは回復術技だけじゃないって最近学んだから、まだ綺麗に治療できないけどねアハハハ」



凄いな・・・。

しっかりとした志をもった強い人だ。


術技を覚えるなんてあんまり考えたこともないし。

私なんて村の事で精一杯なのに。



ミュー

「フェーチスさんは凄いですね、私は目の前の事に必死で、みなさんの支えになってるかなんて・・・」


フェーチス

「ん? 凄い信頼されてるよ、カズキに」


ミュー

「え?」



信頼されている?

私が?


誰に? あのカズキさんに?



フェーチス

「だって見てればわかるよ、いつもこ~~んな死んだ目してのにミューさんが隣にいる時はイキイキしているから」


ミュー

「ぇえ!! そ、そんな!かかからかうのはやめてくださいよ!」



そんな! まさかカズキさんが・・・!?

カズキさんを目の前にするといっぱいいっぱいでそんな表情を見るなんて余裕ないし!!



フェーチス

「追々わかると思うよ、少なくてもカズキ、凄くあなたに感謝してるみたいだよ、わかりずらいと思うけどね」



フェーチスさんが慰めてくれている?

でも、お世辞という風にも捉えられない。


私がカズキさんから凄く感謝されている?




『村の事を誰よりも理解している・・・そうだろ?』




それだけで・・・。




フェーチス

「あれ?今日って何人くらいくるのかな?」


ミュー

「え? えーと・・・ちょっと不明なんで、カズキさんが使い切りの作った紙コップと紙皿が棚の中にあると思うのでそれ使いましょう!」




たしか試作品ということで大量に作ってしまったって言ってた気がする。

村の人達にもお裾分けしていたほどだからまだ大量にあるだろう。



フェーチス

「ほら、ね?」


ミュー

「・・・?」


フェーチス

「カズキの助けに・・・なってるでしょ?」


ミュー

「そう・・・ですか」



そうか、これがあの方、カズキさんが言っていた凄いということなのか。


私はただ知っていることだけを言っているだけなのに。



ミュー

「こんな小さなことでも、カズキさんは喜ぶんですか?」


フェーチス

「うん!もちろん、きっと喜んでるし助かってるよ!」



そうなのか。


そうか!


なら!やっぱり頑張ろう!


もっともっと一生懸命頑張ろう!!





そう決意した時にはカズキさんの家にはおばあ様も到着しいよいよ昼食の時間である。





ナザ

「あれ? そういえばあの人は?」


カズキ

「今朝北のダンジョン見てくるって言ってそれっきり」


フェーチス

「でもそろそろ来るってさっき通信あったよ」


クレエス

「私にも連絡がありました、先ほど村に戻ったと」




そう。



レイドラさん、クレエスさん、そしてシュリー博士。


これだけでも十分私の恋敵は多くいるというのに・・・。




あの人!!




私が逆立ちしても勝てる気がしない人!!!





サナミ

「ごっめーーーん!!! 遅くなった!!」





-!!超最注意人物!!-




ヒトミヤ・サナミ さん!!!




ナイクネス帝国の第5近衛騎士団の団長!


多くの戦線にて数多くの勲章を手にして、ユミィーリア女王殿下の近衛騎士団への地位を獲得した。

お父様はまさかの帝国軍の最高責任者であるノーディー・リオンエイド将軍閣下のである!


そう、父親の地位に甘んじること無く自分の力で手に入れたのだ。

同性でもそこに憧れと輝きを感じる女性も多くいるという話もたくさん聞く。


そんな彼女が一度戦場に立つだけで煌めく星のような輝きを見せる。



煌煌ノ騎士!!!



その名が戦場に轟けば敵は戦意を損失し味方の士気はウナギ上り。

必ず帝国は勝つ、勝利の女神としても有名。



ベルデラの大襲撃事件では冒険者と帝国兵達を先導し共に戦い。

兵器獣戦線ではサンリーの村を守る為一人で怪物へと立ち向かい、カズキさん達と共に撃退した。



容姿可憐で美しく、私が男性だったら一発で惚れてしまうこと間違いなく。

村の人達にも分け隔てなく振る舞い、子供達や老人達に優しい包容力、女性からも厚い信頼、男性からは注目の的!



そんな彼女が何故この村に居続けているかというと、先日の戦いで多くの軍事命令違反、多数の越権行為と違反を立て続けにしてしまったみたいで。


本来なら死刑にも等しいような物を今までの実績、そして彼女のカリスマ性、今回の功績を完全に無視することは出来ないと判断したお国様は特別懲罰任務としてここに謹慎処分でいる兵士達を反乱を起こさないか監視をする役としての任に付いているようだ。



もちろん騎士団団長としての権限なども一時的に剥奪されている為彼女は彼ら兵士達より少し上司くらいの帝国兵士だから、笑って答えていた。



そんな彼女とカズキさんは何故か知らないけど。




いつも一緒にいる!



しかも最近では料理も勉強していて教えてあげることがしばしばあるが完全に才能の原石なのは教えてる私が言うんだから間違いなかった。

料理人ポジションが・・・。


私の勘がずっと囁いているのです、この人はヤバい。



いつも二人の仲を詳しくどんなことがあったのか聞くといつもはぐらかされる。




カズキ

「お疲れ様、どう?」


サナミ

「結構いた、調査はもっとしようと思う」




今だって自然とカズキさんの右側に座るし!!!





カズキ

「よし、それじゃあ準備はいいな、はい」




いただきます!!!




昼食開始だ。

みな雑談しながら食事を取っている。


そういえばカズキさんはおばあ様に何か用事があると言っていた。



カズキ

「クー村長、早速で申し訳ない。以前から頂いていたお話しですが」



以前からのお話し?

私の知らないことだ、おばあ様と一体何を話したんだろうか。



カズキ

「俺がこの村の村長、それよりも上の代表者のお話しですがすみません。お断りさせて頂きたいと思います」



代表!?

カズキさんが!?


でも確かに今村が繁栄しているのはたしかにカズキさんの力。

むしろそうか、カズキさんがここの領主になるという話しも悪い話ではない。



カズキ

「ただ、断っておいてこんなことを言うのは自分勝手なんですが。この村には居させてもらえないでしょうか。 この家、家を作ってくれた人達、村の人達、そしてこの村全体・・・凄く居心地が良いんです」



カズキさんの言う居心地は力ある物の独裁的な物ではない。

力を持っているのにも関わらず普通と何ら変わりない、ちょっと有名くらい扱いの日々。



カズキ

「この村の、ただの一員に、させては貰えないだろうか。よろしくお願いします」



ミュー

「え・・・・・・?」



頭を下げる。

ただの一員、それは謙遜なのだろうか。

人によっては怠惰に思う人もいるのかも知れない。


けどそうじゃないのは、この食卓にいる全員が理解していた。




カズキさんが・・・この村に居てくれる!!?




クー

「何を言うんですか、顔を上げてくださいな。 私が頼んだのはこの村にいてくれるなら村長の座を渡しても構わないということですよ」




おばあ様、そんなことを考えていたの?

確かにそれくらいしないとカズキさんはまたどっか行ってしまうかもしれないけど。



クー

「ありがとうございます、今後ともサンリー村の為にお力をお貸しいてはくれますか?」



これはカズキさんだけに言った言葉ではない。

ここにいる全員に言った言葉だ。


この村の繁栄。

だがそれ以上にこの平穏を守らなくてはならない。

その為にもみんなの力が必要なのだ。



カズキ

「はい、ここにいる一同。全力を尽くします」




みながおばあ様を見る。


強い瞳で。


それでいて優しい笑顔を浮かべて。




クー

「そうかい、んじゃあ今夜は宴だね、ミュー、ご飯の後、他の者達にも伝えてあげな」


ミュー

「う、うん!わかった!」



ナザ

「よぉおおーーし今日は飲むぜぇえええ!!!」


フェーチス

「あんた、お酒弱いでしょもう!!」




わはははははははははははははははっ!!!




こうして昼食の団欒は終わり、みなも一緒に宴の準備を始めた。




カズキさんが。



カズキさん達がこの村に居続けてくれる。



それを聞いた村の人達も大手を上げて喜んでいた。



私もその一人だ。

こんなに強く想っていてもあの方は物凄い人だ。


それこそお国様が引っ張っていってもおかしくないような人材。

そんな方が私達の村に腰を落ち着かせてくれる。


もちろん、色々世界中をレイドラさんに乗り飛び回ったりするのだろう。



それでもカズキさんはここを選んだのだ。







夕日も落ち、暗い夜が訪れる。


だが、みな宴を楽しんでいる。


中央には大きな焚火を作りみなで騒ぎ飲食を楽しんでいた。

私も一緒に楽しんでいた、こんなに嬉しいことはないのだから。



カズキ

「あ、いた・・・ミュー」


ミュー

「はっ!カ、カズキさん!?」



突然現れた。

隣いいかと聞かれたがはいとしか言えなかった。


なんでもうちょっと気の利いた言葉は出せなかったの私のバカッ!



横に座るカズキさんを見る。

周りが楽しんでいるのをまるで自分の事のように楽しんでいる笑顔だ。



ミュー

「あ・・・あの!」




勇気だ!

ここで聞いておきたい。


この一歩はきっと自分の中での大きな一歩だ。



ミュー

「どうして!うちの村だったんですか、カズキさんならもっと・・・それこそ王都とかのお誘いもあったのに」



私の話しを真剣な顔で聞いてくれている。

そして一拍置き笑顔で私をしっかりと見て答えた。



カズキ

「好きだから・・・」



ミュー

「えぇ!!?」



カズキ

「この雰囲気、この空気、この人達・・・この村が」



後ろに手を付き楽な姿勢で周りを見渡しながら言う。



カズキ

「最初はたしかに普通に復興の手伝いして、終わったらまた旅に出るつもりだった。


だけど、ふと思ったんだ、家に帰った時におかえりって言葉に」


ミュー

「おかえり・・・?」



カズキさんは笑顔だ。

だけど何か物哀しい雰囲気、まるで昔を思い出すかのような顔でしゃべる。



カズキ

「そうおかえり・・・こんなにも言われてうれしい言葉だったんだなって、初めて思ったんだ。

村に帰ってくるだけで、おかえりなさい、お疲れ様、おかえり、大丈夫だったか。

みんな言ってくれる、それが凄く嬉しくてさ」



そんなことだけで・・・。



カズキ

「だから、帰る場所・・・、自分が・・・帰りたい場所って大事なんだなって思ったから」



ミュー

(そうか・・・)



今やっと完全にわかった。

カズキさんに言われた言葉、フェーチスさんが教えてくれたこと。



この方は本当に地位や名声なんていらないんだ。

ただ自分を・・・小さな幸せで包んでくれればそれでいい。



それをばねにこの方は強く逞しく・・・戦える。




ミュー

「ぁっ・・・」




涙・・・?



昔の事を思い出しての涙なのだろうか。



一瞬だった、すぐに拭いいつもの笑顔に戻っていた。



それを見て、私は居ても経ってもいられない気持ちに支配された。

身体が勝手に立ち上がる。




ミュー

「な、なら!!私は! カズキさんが好きだと言ってくれたこの村を!! もっともっーと好きになってもらうように頑張ります!!!」




言ってしまった。

大きな声で、周りの人々は少し驚いたのか一瞬止まった。


私の声を聞いた人達が私に注目し始める、そうでない人達は宴を引き続き楽しんでいる。



ミュー

「だから!!村に気を使わないで下さい!カズキさんはカズキさんが思うようなことをして下さい!!


それで・・・。



ただいま! って!



気持ちよく言わせてみせます!」




カズキ

「・・・・・・」




カズキさんの目が点になっている。



しまった・・・また変なことを言ってしまったか。



今思えばカズキさんと再会した時もそうだ。




『い、色々お世話をさせてください!お願いします!』




あの時もこんな感じで沈黙させてしまってた。



『大丈夫・・・気持ちだけ受け取っておくよ』



そう断られた。



それからどうにかこうにかカズキさんにアピールした。

自分自身に自信はない。


だけどこの村のことは、自分を育ててくれた村の事は胸を張って自慢できる自信があった。

だからいっぱいカズキさんに伝えた、いっぱい話した。



それだけしても、この方に届かない・・・。




そう、思っていた・・・。






カズキ

「ありがとうミュー、君はいつも助けてくれて本当に感謝してる。


 おかげで俺はもっと頑張れる」







無駄・・・じゃなかった。




届いていたんだ・・・しっかりと。




ただ・・・私が気付いていなかっただけ・・・!





カズキ

「また手間掛けさせるかもしれないけど・・・これもよろしくな」





手を差し出された。



それを両手で掴む。



もう・・・こんなにも嬉しいことはない。




ミュー

「こちらこそ!! よろしくお願いします」




力強く頭を下げた。

大袈裟だと笑うカズキさん。



同時に大歓声が飛び交った。




こうして私、犬人娘の突撃の第一歩は幕を閉じたのだった。




今もあるこの想いをしっかりと伝える為には一体どれくらい頑張らないといけないのだろうと思いながらも、私は明日ももっともっと頑張ろうって決意したのだった。








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