表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】「もう会うこともあるまい」と手紙で私を捨てた元婚約者様へ。あなたが食べたそのお菓子、毒よりおそろしい「真実」が入っていました  作者: 佐倉美羽
或る婚約破棄の顛末〈血の聖夜事件〉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/23

大司教猊下 御前

 畏れ多くも筆を執りますこと、どうかお許しください。

 我らは名もなき民でございます。

 ただ神の御名のもと、真実のみを申し上げるため、この書を捧げます。


 この地を治めし領主ロメロ卿につき、我らはもはや沈黙を守ること叶わず、主の御前にてのみ、この罪を告白いたします。


 近頃、村々より人が消えております。

 若き者、孤児、身寄りなき女。夜陰に紛れて、あるいは徴発の名のもと、連れ去られてまいります。


 問い質せば「ロメロ夫人の御用である」「神と国のためである」とのみ告げられ、その行方は誰にも知らされませぬ。

 戻る者はおりませぬ。遺体も、裁きも、祈りの場も与えられませぬ。

 ある者は地下牢へ連れ込まれたと嘆き、ある者は異端の儀式が行われていると震えております。しかし我らは、噂を真実とは申せませぬ。

 ただ一つ確かなことは、人が、神の御許しも、正しき裁きの場へも送られず、消えているという事実でございます。

 もしこれが、神の御意思に反する行いであるならば、どうか、どうかお調べください。


 我らは刃を持たず、力も持たず、祈ることしかできませぬ。

 この書が見つかれば、我らの命はないでしょう。


 それでもなお、沈黙こそが最大の罪であると、主の御言葉を信じ、この告発をお捧げ致します。


 どうか、神の慈悲と正義をもって、この地をお調べください。

 主の御名において。

 名なき信徒一同


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ