Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #07
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #07
病院内には、徘徊しているバケモノがいる
固定系と徘徊系の二種類のバケモノ どちらも倒せない 撃退することはできる 特定のアイテムを使えば、消滅させることができ、二度と復活しない ただし、そんなアイテムは貴重で数が少ない ほとんどのバケモノは隠れてやり過ごすか、逃げ延びるしか道はない
徘徊系のバケモノは、物音に惹かれて、次々と近寄ってくる 音を立てるのは最低限にしなければ詰む 位置は常に不規則 重なることがある 物陰に隠れ、やっと逃れたと思い立ち上がった瞬間、違う方向からきたやつにやられる 日常茶飯事 食われる演出もいろいろあって…隠れ演出、とか、レア演出を探すというプレイヤーが出たほどだ
プレイヤーの数は多くはない でもこういったゲームにはコアなファンが付く 彼らのこのゲームに対するスタンスは常にひとつだけ
攻略法はネットにあげない
日本で人気が出なかったのはこの点に限る 誰もが好きでないものを好きだということは、この国では変人扱いされる 扱いにくい人間だと判を押される 一緒ではないと軽蔑される 皆が一様に同じ方向を向いていないと安心できない国民性 攻略法がないと、ゲームを遊べない、進めない、楽しめない そんなやつらばかりだから、このゲームは人気がない
ゆえに名作である
全員が全員、絶賛するようなゲームは、神ゲーではある、収益も高い、だがそれだけだ
ベッドの下から抜け出す 隣人が小刻みに揺れる ここでドアに直進してはいけない
頭のほうを回って、わざわざ、遠回りをして、壁際を進む
ドアへと向かう ASMRが声を届ける 耳元でうめき声が聞こえる
それもひとつ、ふたつではない いくつもだ
扉は開けっ放しだ この扉はもう閉まらない 喜び勇んで廊下に出るとすぐそこにいるナースに襲われる
音を確かめてから真ん中のベッドへと戻る 確保するのは松葉杖 最初の内はアイテムは2つしか持てない そのうち、ひとつがこの杖で占められる 攻撃もできる 耐久力があって数回殴ると、壊れて、詰む
杖はこのタイミング以外、取れない これを取らずに外に出ることもできる 攻略できないわけではない 初心者は取ったほうがいい
静かにドアの影で待つ 待ちすぎてもいけない 時間フラグはフレーム単位で管理されている
音が遠のく ドアから外を覗く そこにナースは存在しない これで廊下を歩くことができる ただし、安心してはいけない
ここは2F東棟の端 マップはこの先にある 上手くすれば取れる ここにワンダリングはでない 末端であり、まだ一番最初のイベントが終わっていない
廊下は右奥に進んでいる どこもかしこも錆びだらけだ 左側は窓 ここもご丁寧に格子が嵌め込まれている 格子は異常なほどきれいで、鈍く光る
右手には出てきたのと同じようなドアの羅列 一番奥…エレベーターホールへと向かう、傍の扉以外、どこも開かない これを開けようと試していると詰む
試して……
みようとした瞬間
「ウワアアアアアッ」
室内から、後ろから大きなうめき声がした
どうやら隣人が起きたようだ




