Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #04 改
※2026/05/21 #01〜04まで改訂をしました
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #04
壁を杖代わりに入り口まで忍んで歩く 壁と足が滑ってなんども足を滑らせそうなる 杖を手に入れるまで歩きは不安定だ ギブスで左右の足の長さが違う 杖なく歩くと頻繁に転倒する その転倒した音を聞きつけて、バケモノどもが寄ってくる
松葉杖はすぐそばにある そこのカーテンから隣を覗いて見ればすぐにわかる
病人の頭の上 理不尽にも最初の杖はそこに置かれている まるで対峙せよ、とでもいわんばかりの設置 それがこういったゲームとしての信条 信念 常識
病室から出るためには一回、死ななければならない 死に戻り、そして次への道が開かれる
カーテンを開ける 無造作に 空けなくてはならない 開けないという選択肢はない
汚い茶色に変色した包帯で上半身を巻かれた隣人 口には包帯がなく、おぼつかない手で食べ物をそこへと運ぶ その首は真横に曲がっている 首が折れていたら喰ったものが通らないと思うんだが…まあいい 異常な痩躯 それが喰いつき、噛みつき、咀嚼する 血だらけの全身 腹部は露出していて、包帯がない 骨組みになるまで錆びたベッドの上に坐した隣の入院患者の腹は、無残に切り裂かれていて、その下半身には包帯もなければ、手当をされたような痕跡さえない
その病人が自身の腹から出た自分の内臓を自分で喰っている
隣人ははじめ、こちらにはまったく関心を払わない 喰い続けるだけ 内臓が内部の筋肉にひっかかりながら、引きずり出されて 自分自身の血液で自分の身体を赤く染めあげていく そんな風に体液が滴り落ちる演出だけがあって、包帯は一瞬だけ赤く染まるが、そのすぐ後には、何事もなかったように元の色へと戻る 隣人は弾力ある自身の腸に食いつき咀嚼し続ける
いや…人の内臓の長さは人種や個人差があるが…どんなに長くても15mぐらいしかない こんなにいつまでも長く食い続けられるものではない…のだが、喰う
ここのカーテンは閉められない 実際には…このカーテンを開けるとそんなご丁寧に喰うシーンを見るイベントが発生し、行動不能に陥る そして、そのムービーが終わると同時に隣人はこちらに気がついて…顔を上げ、こちらを向き…動き出す ベッドの横でいつの間にか立っていて、蠢き始める…そのまま見ていると…後ろから襲われて死に、逃げ出すと…追ってきた隣人に襲われて死ぬ
さて…どちらを…ああ、逃げ遅れた
ドアに向かおうとしなかったからか 別に逃げなくてもいいからだが…手順として、逃げようとした 振り返った
が
そこにはどこからか現れた焼け焦げ真っ黒になったナース服のバケモノが立っていた
ドアも、ベッドも、なにも動いても開いてもいない そんな音も気配も 前兆さえなかった それなのにどこからか、今そこに置かれたようにナースが現れた その服はかなり昔のもので、どこも短く、開いていて 扇情的である意味、エロい
やはり同じ…それに感動する暇もなく
襲われた 噛みつかれた 抵抗も何もできずに組塞がれた 噛みつかれる 引きずり倒されて 噛み付かれた いつの間にか多くなる手 隣人が近寄って来ていて、一緒に噛みつく 食いちぎられる 食い破られた
「ぐぅあああああっ」
生きたまま喰われる痛み そんな貴重な体験を味わう 激痛に叫ぶ 腹部に噛みつかれ、肌を裂かれ、血液が溢れ出して、内臓を引きずり出された 手を突っ込まれ、もみくちゃにされる 生きたまま、腸を食われていく 我先にと痙攣しながら歓喜を体全体で表現するふたり 意識がある状態で味わうことができるはずのない経験を味わう
+PredingDead




